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■22025 / 1階層)  クリスマスの夜に2
□投稿者/ いちこ 一般♪(32回)-(2015/12/24(Thu) 05:52:25)

    いや、正確には自分の意志ではなかった。
    誰かの目を通して見ていた。誰かとは結城友香里15歳。中学三年生だ。
    今日は◯◯年12月25日、節子が息を引き取る五年前になる。
    友香里は慌てて身支度をすると、キッチンへ行き朝食の用意をする。
    「おかーさん!朝御飯の用意したから後で食べてね。」
    うーんと返事か寝言かが隣室から聞こえてきた。
    彼女の母親は看護士だ。夜勤明けで眠ているらしい。
    父親はいない。友香里の夢は介護関連の仕事に就くことだ。
    今日は冬休みでクリスマスだが、遊ぶ相手がいない。
    図書館で介護関連の書籍を探してみるつもりだ。

    図書館で介護の本を数冊選び、棚の角を曲がった時だった。
    何か柔らかい物にぶつかってしまった。
    「きゃっ!」「ごめんなさい!」
    女の子にぶつかったみたいだ。
    バラバラと本が散らばって、慌てて拾い集めると、相手の手に触れてしまった。
    はっと、お互いに見つめ合うと、友香里の口から突然、
    「あっ‥‥ふじい‥‥めぐみさん?」

    節子が言わせたのだが、言った本人も驚いた。

    「えっ、どうしてわかったんですか?初めて会いますよね?」
    友香里もきょとんとして
    「‥‥‥‥さぁ?!」
    「さぁって。ふふふっ、へんな人。」
    「へへへっ、そうですね〜!」
    散らばった本を見て、めぐみが
    「あらっ、あなたも介護士を目指しているの?」
    「も、ってあなたも?」

    それから二人は同い年ということもあり意気投合して、たびたび会うようになった。

    節子は嬉しかった。自分の身体ではないが、まためぐみと会えたのだ。
    会えば会うほど、やはりめぐみのことが好きになった。

    一方、友香里は自分の気持ちに戸惑っていた。
    なぜ、めぐみのことが気になるのだろう。
    会っている時は楽しいのに、別れる時は寂しくて仕方がなかった。
    もしかして、あたしは恋してるの?相手は女の子なのに!
    そう自覚した途端、友香里の恋心は加速した。
    想いを告げたい!めぐみに触れたい!
    知らず知らずに、めぐみの唇やうなじを熱く見ていた。
    ある日、友香里は意を決してめぐみに告白した。
    「あの、引かないで聞いてほしんだけど。」
    「なに?」
    「あ、あのね‥‥‥‥‥‥‥めぐみのことが好きなの!だから付き合ってほしいの!」
    「うん、いいよ!」
    「えっ、ウソッ 本当?」
    コクリとうなづくめぐみ。
    「キスしていい?」
    目を閉じるめぐみ。顔を近づける友香里。

    節子は舞い上がった。とうとうめぐみとキスができるのだ。

    続く



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