ビアンエッセイ♪

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■22027 / 2階層)   クリスマスの夜に3
□投稿者/ いちこ 一般♪(34回)-(2015/12/24(Thu) 22:59:10)

    ふたりの口唇がまさに触れようとしたその時、めぐみが笑いだした。
    「ぷっ、ハハッ、ハハハハハハ。ごめん。」
    「なによ!」
    「ごめん、あたし緊張すると笑っちゃうの。本当にごめんさない。」
    「ムードないなぁ‥‥ふふっ、ははっ。ごめん、あたしも笑えてきた。くくっ。」
    「もう!、だめだよっ!」とめぐみが友香里の口唇に軽くキスした。
    「あっ、ずるい!!あたしも。」
    「いや〜、助けて〜!」
    とめぐみは逃げ回った。

    それから二人の仲は急速に進んで、
    何回目かのめぐみの家でのお泊まりの時、ベッドで友香里が、
    「ねぇ、気になっていたんだけど聞いていい?」
    「うん。なに?」
    「あのさ、あたしが告ったときにさ、何故あっさりとOKしてくれたの?
    怒らないでね。誰でもよかったのかなとか。不安で。あたしはすごい悩んだから。」
    「‥‥‥‥そうなんだ‥‥実はね、女同士の恋愛に免疫があったんだよね。」
    ちょっと待っててねと言ってめぐみは、裸のままベッドを抜け出した。
    机の引き出しをゴソゴソしたと思ったら、本のような物を持って戻ってきた。
    「なに、それ?」
    それは蝶の絵の表紙の、鍵の付いた日記帳だった。
    鍵は4桁の数字を合わせるタイプのやつだ。
    「おばあちゃんの日記帳。あたしが小さい時に亡くなったんだけど、
    あたしが蝶々の絵を気に入って離さなかったんだって。
    南米原産の透明な羽根を持つ蝶々らしいんだけど。
    それで形見分けでもらったの。鍵が付いてるから誰も読まなかったの。
    大きくなってあたしも色々試したけど、ダメだった。
    でもこないだのクリスマスの前の日に、突然数字が浮かんで試したら
    開いちゃったの。読んでみて。」
    「えっ、いいの?」
    「えっとね、ここから読んでみて。」

    そこには、隣家の人妻との出会いから別れまでの恋を
    赤裸々に綴った内容だった。相手の気持には気づきつつも、
    どうしても一歩が踏み出せないもどかしさや、相手への想いが切々と書かれていた。
    途中から友香里の瞳から、涙がこぼれ始めた。

    節子が泣いていた。嬉しくて泣いていた。

    泣きながら友香里は、
    「ねぇ、おばあちゃんの名前はなに?」
    「えっ、笠原真理子だよ。」

    節子は号泣していた。あぁ、神さま、ありがとうございます!ああ。

    その時、節子は突然、上へと引っ張られた。
    眼下には、号泣し出した友香里に戸惑いながらも、一生懸命に慰めているめぐみが見える。
    やがて地球が見えて、天空の光に吸い込まれていった。














完結!
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