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■7986 / inTopicNo.1)  義姉×2 (ご挨拶)
  
□投稿者/ Honoka 一般人(1回)-(2017/05/04(Thu) 14:45:26)
    お待たせいたしました。前作「義姉」の続編になります。

    書きあがりました部分から順次アップしてまいりますので、
    暫くの間お付き合いのほど宜しくお願いいたします。

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■7987 / inTopicNo.2)  Re[1]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(2回)-(2017/05/04(Thu) 14:56:12)
    八月も末、日差しの眩しい昼下がりの学校の裏門。
    二人の荷物を積み込んだ車が走り去っていくのを姉とおそろいのワンピース姿で見送る。
    蝉の声が騒々しかった。

    「あとは、これだけ。」

    姉の手元の紙を覗き込んで戸惑う。


     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      8月24日付で以下の二名は寄宿舎より退去いたしました。

         イリーナ・ミロノワ
         唯・ミロノワ

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    「唯・ミロノワ…。」

    姓が変わってから既に一ヶ月経ったのに、でもいまだに馴染めない。

    「戻るわよ。」

    姉に促され戻った寄宿舎。
    がらんとしたロビーはエアコンも切られたままで蒸し暑く、
    其処にいるだけで汗が滲む。

    姉の手で掲示板に貼られる告知。
    この名前で掲示される違和感。
    皆がこれを見たら、大騒ぎになるだろう…。

    蘇る別荘での夏…。

    「唯?」

    耳元で優しく囁く声が私をがらんとした寄宿舎に引き戻した。
    そっと背後から抱きしめられて、姉の手に掌を重ねる。
    柔らかな金糸の束が頬を撫でて揺れていた。
    微かな甘い汗の匂いが、あの感覚を呼び覚ます。

    「どうしたの?」
    「なんでもない…。」

    記憶を振り払うように小さく首を横に振った。

    「可愛い…。」

    腕が解かれ、姉の手が私の手に重なった。白い指に無意識に指を絡める。
    私を見詰める青い瞳が優しく細められた。

    「行きましょう、新しい家に。」

    其の言葉に誘われるように、姉の腕に縋るように腕を絡めた。
    日差しの中に出て、寄宿舎を振り返った。
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■7988 / inTopicNo.3)  Re[2]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(3回)-(2017/05/06(Sat) 13:58:56)
    陽炎に揺れる道、これから学校へ通う道。
    その先にある新しいマンション。

    「はい、これ部屋の鍵。私たちの部屋は最上階よ。」

    最上階でエレベーターを降りれば、其処にメイドが二人。私たちの荷物を確認していた。
    マンションにしては大きなドアが一つだけ。周りを見回しても他に入り口が見当たらない。
    どうやら最上階全部が私たちの部屋らしい。

    「お帰りなさいませ、お嬢様。」

    深々と頭を垂れるメイド達。
    どう反応して良いかわからず固まる私。

    「ただいま。」

    ありふれた日常のように姉が答える。
    姉に手を引かれ、ドアをくぐった。


    ドアの向こうは大理石張りの広い玄関。
    奥からピアノの音が小さく聞こえた。

    姉に引っ張られるようにして恐る恐る足を踏み入れ、きょろきょろ見回す。
    貧乏人丸出しだったかもしれない。
    だって、新しい家は玄関から既に超高級ホテルのように豪華だったから。
    そんな私をくすくす笑う姉。

    玄関を抜けた先のリビングはびっくりするほど広く、隅に置かれたグランドピアノが小さく見えた。
    と、聞こえていたピアノの音が止まった。

    「いらっしゃい、唯ちゃん。」

    ピアノの向こうで立ち上がったのはライサお姉さん。

    「こんにちは、宜しくお願いします。」

    硝子細工のような繊細な美しさを漂わせた美人。
    姉のほうが肉付きが良いぐらいだ。
    妖精のような美しい顔が微笑んでいた。

    「別荘は楽しかったかしら?」
    「はい。」
    「イリーナに可愛がってもらった?」
    「ぇ?」

    一瞬で耳まで真っ赤になって俯く。
    ライサお姉さんが小さく笑っていた。
    すぐに横から姉の声がした。

    「唯、シャワーを浴びましょ。もう汗でべたべた。」

    姉に腕を掴まれ、早くと急かされる。
    ライサお姉さんがピアノの脇で小さく手を振っていた。
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■8029 / inTopicNo.4)  Re[1]: 義姉×2 (ご挨拶)
□投稿者/ さおちんが 一般人(1回)-(2017/07/26(Wed) 22:38:50)
    待ってました‼
    続きが早く読みたいし、何度も読み
    返してます。妄想が激しくなります。
    ゆっくりと続きを楽しみにまってます。
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■8031 / inTopicNo.5)  Re[2]: 義姉×2 (ご挨拶)
□投稿者/ Honoka 一般人(1回)-(2017/07/30(Sun) 09:53:51)
    申し訳ありません。
    いろいろ考えることがありまして滞っております。
    余裕ができましたらまた再開したいと思います。

引用返信/返信 削除キー/
■8032 / inTopicNo.6)  Re[3]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(2回)-(2017/08/09(Wed) 14:34:20)
    姉に手を引かれてやってきた脱衣場で、戸惑う。
    換えの服も下着もまだ荷物の中だったから。

    「着替え、どうしよう…。」
    「棚にバスローブがあるわ。」

    突っ立ったままの私の目の前で、姉は汗の染みたワンピースを脱ぎ捨てた。
    真っ白な見事な裸身が私の目の前にあった。

    「ほら、唯も脱ぐの。」
    「どうしたのお姉さん?」

    姉の不機嫌そうな様子に首を傾げた。
    私の言葉に姉が一瞬動きを止め、汗ばんだ肌の甘い匂いが柔らかに私を抱きしめてきた。

    「好き、愛してる。」

    目の前で女神様の青い瞳が熱を帯び、私の心を絡め捕った。
    柔らかな唇が触れ、ハニーゴールドの煌きに包まれ、頭の中が白く霞んだ。

    我に返った時には床にへたり込んで、姉が私のワンピースを脱がそうともがいていた。
    ぼんやりした頭で両手を上に伸ばせば、ワンピースが姉の手に納まる。
    そのままバスマットの上に押し倒された。

    「お姉さん。」
    「唯、大好き。」
    「どうし…」

    其の後の言葉は、重なった唇の間に消え、体の力が抜けてしまう。
    姉の膝が私の太股の間に割り込んで来た。
    ぎゅっと抱きしめられて姉の乳房が撓んでいた。
    僅かに離れた唇の間に唾液が糸を引く。

    「私の唯。」

    また唇が重なる、唇をノックする柔らかな滑り。
    招くように舌を伸ばし姉を誘う。
    唇の間で出会い、抱きしめあった。
    甘く啜り上げられては、突き放され、擽られ、
    柔らかなビロードのような滑りが擦れ合い、縺れ合い、弄られて。
    唾液を纏って舞うように蠢く舌、それを夢中で追いかけた。

    熱っぽく潤んだ青い瞳だけを見詰め、粘膜を擦り合わせて淫靡に踊る。
    二人の舌が刻むステップにあわせてリズムを刻む粘っこい水音。
    頭の中に霞が掛かり甘く蕩けていく。金色の髪が私の頬を擦って揺れていた。

    唇が離れれば舌先からトロリと唾液が滴り落ち、溢れた唾液が泡立って頬を伝い落ちる。

    「お姉さん。」「唯。」

    求め合うようにまた唇を重ね、激しく舌をしゃぶり回される。
    離れていく唇を追いかけて伸ばした舌先から雫が糸を引いて飛んだ。
    色素の薄い肢体に組み敷かれ、弾力のあるその重さに縋りつく。
    唇の端から溢れた涎で頬を濡れ光らせ姉に唇を貪られ、
    舌を伝い流れ込む唾液を啜り上げた。
引用返信/返信 削除キー/
■8033 / inTopicNo.7)  Re[4]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(3回)-(2017/08/09(Wed) 14:35:21)
    2017/08/09(Wed) 14:37:35 編集(投稿者)

    わき腹を這うように下へ這い伸びる白い掌。
    細い指先が鼠蹊部を越えてそっとあわいを弄られ、小さく腰を跳ねさせる。
    姉の背を抱いた指先で無意識に滑らかな肌を弄っていた。

    「んッ。」

    姉の指先が滑りあわいの奥へヌルリと滑り込んでくる。
    深く差し入れられた指先にそっと中を弄られ小さく仰け反る。
    蘇る別荘での思い出、甘い漣にざわめく肌。
    あわいの奥に抱きしめた姉の指。
    躍る指先の感触に捕らえられ、甘く痺れて指先まで蕩けていく。

    クチクチクチ…。脱衣場に小さく響く水音。
    せわしなく中で蠢く細い指に喘ぐ。
    姉の背に縋りつき、夢中で腰を押し付けて揺らせば、
    汗ばんだ肌が擦れあい乳房が柔らかに拉げる。
    気持ち良い、もっともっと…シテ。

    甘い漣が、股間から、肌から、溢れ、腰の奥が熱っぽく疼く。
    あわいの奥で姉の指先が刻むステップ、追い上げられていく高み。
    体が求めるあの感覚への期待。
    鼻に掛かった甘い声を上げた。

    「ふぁ、ぁぁ、ぁひ、ぃぁ、ぁ、すき、ぉねぇさ…ん、らひすき! もっと、もっとぉ。」
    「すきッ、だいすきッ、唯っ、」

    チュクチクチュ、ヌチックチ…
    甘い汗の匂いと肌の熱、焦点を見失いそうになりながら姉に縋りつき、
    痺れるような甘さが背筋を駆け抜けるたびに、足指をピクっピクと引き攣らせる。
    姉の指先があわいの奥で激しく踊り、急峻なエクスタシーに飲み込まれた。

    「ぁぁぁ、 ぃっ、ぃく、 イクっ、────っ!」

    突き抜ける絶頂感に息が詰まった。
    頭の中を真っ白に染め上げられ、足の指を開いて反り返らせ、ヒクヒクと下半身が戦慄く。
    汗まみれだった。

    「はぁはぁ、はぁ…」

    重なる体と、呼吸と、鼓動。
    朦朧としたまま、姉の体に抱きつく。
    下腹部がまだ小さく痙攣して姉の指に縋った。

    「唯。」
    「や、離れないで…。」

    青い瞳をとろんと見上げて、抱擁をねだる。

    「可愛い。」
    「ふぁっ。」

    ぎゅっと抱きしめられて、もう一度ピクンと腰を跳ねさせ、
    両の掌で姉の柔らかな体に縋った。
    啄ばむような姉の口付けに、甘えた笑みを浮かべとろけた。

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■8034 / inTopicNo.8)  Re[5]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(4回)-(2017/08/09(Wed) 14:44:10)
    シャワーを浴びてバスローブを羽織り、リビングに戻ったのは日が傾き始めたころ。

    「長かったわね。」

    ライサお姉さんの声に、姉が答える。
    其の脇で頬を染めてうつむいた。

    「ゆっくりシャワーを浴びてたの。」
    「そう、逆上ちゃったのかと思って心配しちゃった。」

    何かを察したようにライサお姉さんが微笑んでいた。



    荷物は既に部屋に運ばれていた。
    広々とした寝室、姉と共用の大きなベッドも豪華。しかも天蓋付き。

    「ずいぶん前に間取りを決めたから姉さんと私の部屋しかないの。
     だから、私の部屋のベッドを大きくして唯と一緒にしてもらったの。」

    耳朶で甘い吐息が囁いた。

    「唯、今夜から此処でいっぱい愛して上げる。」

    抱きしめてくる姉の腕の中で熱っぽい青い瞳に見詰められ、顔が火照る。
    視界の端で金糸が揺れていた。

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■8035 / inTopicNo.9)  Re[6]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(5回)-(2017/08/09(Wed) 14:52:33)
    2017/12/08(Fri) 11:36:50 編集(投稿者)

    その日の夕食、席で揉めた。

    「ねぇ唯ちゃん、隣に座って良いかしら。」

    ライサお姉さんの甘えるような声。
    即座に姉が、

    「だめっ!」
    「私は唯ちゃんに聞いてるの。」
    「…」
    「姉さんは向かい側、唯は私の隣。」
    「どうしてだめなの? 可愛い妹の隣が良いな。」

    むすっと頬を膨らます姉、楽しそうなライサお姉さん。
    しばしの沈黙の後。

    「判ったわよ。でも姉さんは唯の前、私は姉さんの隣、これでどう?」
    「しょうがないなぁ。我侭な妹の言うこともたまには聞いてあげよう。」

    席に着くとメイドが給仕を始める。

    三人で食事をしながら。

    「唯ちゃん、夏休みの写真素敵ね。」
    「え?」
    「別荘での写真を共有したから、後で唯にもパスワード送るね。」
    「ぇ…もしかして、あの写真、全部?」
    「そうよ、パパとママにも教えてあるから。」
    「えーーっ!」

    あの写真、全部ママに…。恥ずかしくて耳まで真っ赤になって俯いた。
    私の反応に二人の姉がくすくすと笑っていた。

    「素敵な写真ばっかりだったわ。あなた上手くやったみたいね。」
    「やめて。」
    「良いじゃない。あんなに夢中になって夏休みに唯ちゃんを誘うんだって計画練って…。」
    「姉さん、やめてっ!」
    「恋人にしたならもう良いじゃない。」

    きょとんとして二人の姉に交互に視線を向ける。

    「イリーナったら、パパの結婚が決まってから唯ちゃんにお熱で大騒ぎだったの。パパにも頼んで調べまわってたんだから。」

    目を瞬いて姉を見詰めれば、居心地悪そうに視線を逸らされた。
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■8036 / inTopicNo.10)  Re[7]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(6回)-(2017/08/09(Wed) 14:56:34)
    「唯ちゃん可愛いから。私も愛してあげたいな。」

    テーブルの向こうからライサお姉さんが身を乗り出して顔を寄せてきた。

    「ちょっと姉さん!、唯は私の恋人よ邪魔しないで。」
    「あら、唯ちゃんは私の妹よ。妹を可愛がるのもダメなのかしら?」
    「それとこれとは違うでしょ。」
    「どう違うの?」

    むすっとする姉。楽しそうなライサお姉さん。

    「唯ちゃんはどう思ってるのかしら?」

    急に話を振られて、二人の視線にどぎまぎし、ポツリと答えた。

    「どっちのお姉さんも好きです…。」
    「唯ちゃんは良い子ね。」

    あの生徒会長が、ライサお姉さんに言い負かされてる。
    初めて見る姉の不貞腐れた顔に思わず笑みを零し、女神様にじろりと睨まれた。

    傍で傅くメイドを気にせずあけすけに話す姉達。
    気になってちらとメイドのほうへ視線を向けてみれば、
    眉一つ動かさず、粛々と給仕を続ける。まるで空気のよう。
    ああ、これがセレブなんだ…。

    不意に足に何かが触れてきた。足を引っ込めても追いかけてくる。
    姉が気づいてライサお姉さんを肘で小突いた。

    「姉さん、何してるの?」
    「何も。ねぇ唯ちゃん。」

    同意を求められて困った。姉の視線に気づいて。

    「足に何か…。」

    と答え座りなおせば、それは引っ込んでいった。

    「もう、油断も隙も…。」

    膨れる姉の横でライサお姉さんが楽しそうに微笑んでいた。
引用返信/返信 削除キー/
■8039 / inTopicNo.11)  Re[8]: 義姉×2
□投稿者/ さおちんが 一般人(2回)-(2017/08/24(Thu) 22:28:39)
    待ってました‼
    また続きが気になります。❗
    妄想が止まらないです。

引用返信/返信 削除キー/
■8043 / inTopicNo.12)  Re[8]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(7回)-(2017/09/08(Fri) 23:37:56)
    其の夜、真新しいベッドで姉は私を愛してくれた。
    レースの天蓋の内側は二人だけの世界だった。

    あわいの奥深くを弄る姉の指先はいつもより意地悪、
    せわしなく動いてはふっと動きを止める。

    「ぁぁァ、ダメ、お姉さん。いかせて。」
    「まだ、まだだめ。」
    「ゃッ、嫌ぁっ!」

    もどかしいほどの姉の指。
    不意に舌先で陰核を突かれ、また動き始めてはすぐ止まる。

    「ィ、ぃくっ、ァァ……、ゃ、ィかせてぇっ。」
    「唯は私だけのもの…。」

    小さく響く水音、腰を震わせすすり泣くように喘げばすぐに指が止まる。
    イキそうになのに、イかせてもらえないもどかしさ。
    延々と焦らされて、いかせてもらえない切なさに身悶えた。
    何時までも続くお預けにあわいに抱いた指の感触は膨れ上がるばかり。

    涙を零し、何度も何度も姉に絶頂を強請った。
    姉の指が止まるたびに、焦らされるたびに、お預けされるたびに、
    舞い上がった官能を持て余し、泣きながら何度も何度も懇願した。
    そのほかの感覚を見失いそうになりながら、下腹部を小さく引き攣らせる。

    其の夜は、姉の指を深く咥え繰り返し押し寄せる甘い大波に飲み込まれた。
    繰り返し繰り返し狂わされた挙句、意識を飛ばした。


    姉が不機嫌な原因はライサお姉さんだった。
    でも、私はライサお姉さんのことが気になって仕方が無かった。

引用返信/返信 削除キー/
■8044 / inTopicNo.13)  Re[9]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(1回)-(2017/09/08(Fri) 23:38:46)
    次の日の昼下がり、そっと背後から細い腕に絡め取られた。
    ライサお姉さんだった。
    姉が席を外したのを見計らっていたよう。

    仄かな良い匂い。
    大人の雰囲気に包まれて、首筋に零される吐息に肌がざわめく。

    「綺麗な体してるのね、唯ちゃん。」

    部屋着の上から優しく弄ってくる掌と押し付けてくる体の柔らかさ。

    「ぁ…」

    姉の抱擁とは違う、真綿で包まれる、そんな抱擁。
    優しく抱きしめられて心地よさに身を委ねてしまう。
    柔らかな愛撫に頭の中に霞が掛かり始め、
    拒否とか抵抗とか思いつきすらしない。
    眼に見えない蜘蛛の糸で気づかぬうちに絡め取られていくよう。

    高鳴る胸の鼓動、無意識にライサお姉さんのバスローブを握り締める。
    青い瞳を見詰めたまま腕の中で蕩けていく意識。



    愛撫してくる指先が…止まった。

    「姉さん!、唯に手を出さないでって言ったでしょ。」

    リビングに響く姉の鋭い声。
    ずかずかと歩み寄ってきた姉に腕を引かれ、ライサお姉さんから引き離された。

    「唯、ダメよ。姉さんは、ダメ。」
    「ぁ…、え?」

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■8048 / inTopicNo.14)  Re[10]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(2回)-(2017/09/10(Sun) 14:50:46)
    腕を掴まれて自室まで引き摺られるように連れて行かれた。
    扉を締め私を見詰め、不意に抱きしめて来る姉。

    「唯は私だけ、姉さんには渡さない。」
    「ぇ?」
    「…」
    「どうしてライサお姉さんはダメなの?」
    「だめ、唯は私だけなの。」
    「私はライサお姉さんも大好きだから、仲良くしたいの。」
    「…」

    暫くの沈黙、俯いたままの青い瞳。
    こんなに不安そうな姉を見たのは初めてだった。

    「上手すぎるの…」

    ポツリと答えた姉。

    「…」
    「唯を取られちゃうから…、お願い私だけの唯で居て。」
    「でも…」

    また逡巡する姉。いつもの自信に溢れた生徒会長とは思えない。

    「全部…話すね。」

    「去年、姉さんが自宅から通学していた大学一年生の子に手を出したの。
     其の子が姉さんにぞっこんになって寄宿舎の姉さんの部屋に毎晩泊まって抱かれてたらしくて。
     娘が帰ってこないとご両親が学校に問い合わせて事が発覚して大騒ぎになったの。」

    「パパが学校に多額の寄付をして姉さんが退学になるのは防いだけど、
     結局、姉さんは寄宿舎から追い出されて半年間の謹慎処分。
     このマンションは寄宿舎に居られなくなった姉さんがここから通うようにとパパが買ってくれたの。
     パパの再婚が決まったのはマンションを買った後だったから唯の部屋がない訳。」

    「唯は私だけ。ね、約束して。」
    「…」

    困惑した。
    ライサお姉さんも大好きだったから…。
    どう答えて良いかわからなかったけど、頷くしかなかった。
引用返信/返信 削除キー/
■8049 / inTopicNo.15)  Re[11]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(3回)-(2017/09/16(Sat) 10:42:01)
    あれ以来、毎日のようにライサお姉さんがわざとらしく姉の前で私にちょっかいを出して来る。
    本格的に私を横取りしようというわけではなく、すぐ見つかるようなタイミングで姉の反応を楽しんでいる様子。
    姉がちょこっと横を向いた隙に抱きしめられたり、
    トイレから戻ってくるタイミングでわざとらしく押し倒して来たり。
    避けるわけにも行かず困惑するばかり。
    姉とライサお姉さんの鞘当てゲームのような不思議な緊張感。
    姉にとってはたまったものでは無いと思うけれど…。
    毎日不機嫌な女神様、その所為もあるのだろう毎晩私がお預けされ啼かされる。

    新しい生活に慣れようとしても、日毎に高まる緊張に落ち着かなくなる。
    それだけでは無い、一日ごとに二学期が迫って来ていた。


    始業式の朝、姉と二人でマンションのエレベーターに乗った。
    久しぶりの学校、楽しいはずなのだけれど不安でたまらなかった。

    「唯、どうしたの? 具合でも悪いの?」
    「違う、学校に行くのが怖いの。きっと大騒ぎになるから。」
    「だって仕方が無いじゃない、パパとママが結婚したんだから。」
    「でも…。」
    「少しばかり騒がれるのは仕方ないけれど、大丈夫よ。
     さ、行きましょう。」

    一階で開いたエレベーターの扉の向こうに踏み出すのを躊躇する私を見て、姉が私の手を引いた。

    「唯、大丈夫だから。」

    姉の言葉に小さく頷いて、手を引かれるままにエレベーターを降りた。

    「唯、学校で何か有ったら私に教えてね。
     それから、これからは授業が終わったら生徒会室に来て頂戴。宿題とか見てあげるから。」
    「はい。」

    そのときはまだ姉の意図がわからなかった…。

引用返信/返信 削除キー/
■8051 / inTopicNo.16)  Re[12]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(4回)-(2017/09/18(Mon) 15:57:27)
    姉に手を引かれて学校へ向かう、その足取りは重い。
    学校へ近づけば、同じ制服姿の生徒達が私たちを遠巻きにし始める。

    「手を離して、お願い。」
    「学校まではダメ。」

    姉の手がぎゅっと握り締めて私を引っ張る。
    姉と一緒に校門をくぐった。
    そこに担任の先生が待っていた。

    「おはようございます。」
    「おはようございます。」
    「笹山さん…じゃ無いわね。名前で呼んで良いかしら。
     びっくりしたわよ、あの生徒会長の妹になるなんてね。」
    「…」

    黙って俯けば先生が耳元で囁いた。

    「女神様に愛してもらったの?」
    「!!」

    一瞬で耳まで真っ赤になった。
    私の様子に全てを理解した先生が小さく呟いた。

    「取られちゃったわね…。」
    「!?」

    目が点になった。 私、先生に狙われてたんだ…。
    顔を上げたときには先生は既に校舎のほうへ歩き始めていた。
    慌てて先生の後を追った。

    上履きに履き替え教室へ向かう途中、先生にいろいろ質問された。
    全て正直に答えるだけだった。
    私の説明に先生も仕方なさそうな顔をしていた。

    教室へ辿りついたのは始業時間直前。
    先生と一緒に教室へ足を踏み入れた途端ざわつく教室。
    こちらを向く視線が痛い。

    「唯さん、席についてください。」

    放送で校長先生の挨拶のあと、先生から二学期のための資料が配られた。
    其の後、休み中にあったこととして先生が私の姓が変わったことをクラスに伝えた。
    私が生徒会長の妹になったと。

    「「「えーーーっ!!」」」

    蜂の巣を突いたような大騒ぎ。
    みんなの視線が突き刺さった。 羨望と妬みと好奇心の真ん中で俯く。
    その日のうちに姉と私のことは学校中に知れ渡った。

引用返信/返信 削除キー/
■8052 / inTopicNo.17)  Re[13]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(5回)-(2017/09/18(Mon) 16:04:37)
    始業式の後、皆を避けるように生徒会室へ向かった。
    目の前にあるのは6月のあの日と同じ扉。
    躊躇い無くノックすれば中から姉の声、僅かに開けた扉の隙間から滑り込むように部屋に入る。
    すぐ閉めて背中で扉に凭れ掛かりほっとため息を零した。
    あの時は緊張したこの部屋、今は私の逃げ込める場所だった。

    「ちょっと騒ぎになったみたいね。すぐに静かになるから暫くの我慢ね。」

    姉が扉に手を伸ばし内側から鍵を閉め、耳元で囁く。

    「これで唯と二人きりになれた…。」

    姉が扉のほうへちらと視線を向け、私の手を引いて窓際へと誘った。
    生徒会室で姉と二人。今日は始業式だけなので宿題は無い。
    放課後の校庭で陸上部がランニングを始めていた。

    「唯、愛してる。」
    「だめ、お姉さん。ここ学校だから。」

    そっと抱きしめてくる仄かな姉の薫り。
    柔らかな腕に包まれて、困ったように身じろぎする。

    「大丈夫よ、誰も来ないから。ここは私の個室みたいなのもの。」
    「でも…。」

    窓の外は長閑な放課後の時間、校門へ向かうみんなの小さな後姿。

    「ひッ。」

    滑る舌先に耳朶をなぞられて小さく悲鳴を上げた。

    「好き…。」

    視界の端で揺れる金色の髪、吐息が首筋を撫でて来る。
    白い指先がブラウスのボタンを一つ、また一つと外し始めていた。
    生徒会室に微かに響くエアコンの音に鼓動が重なる。
    早くなる呼吸とあわいの奥の期待。

    夏の終わりの日差し、校舎の向こうに入道雲が白く輝いていた。
    何もかもが眩しかった…。

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■8055 / inTopicNo.18)  Re[14]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(6回)-(2017/09/25(Mon) 20:26:14)
    学校で姉に愛された…。
    背徳感に煽られてあっけなく舞い上がった私。
    生徒会室であわい深く中指を咥えて眩い空高く羽ばたいた。
    姉の愛が嬉しかった。
    私と姉だけの秘密。


    手を繋いで学校を後にしたのはお昼を過ぎた頃。
    姉は上機嫌だった。

    白い腕に縋るように俯いて歩く眩しい日差しの下。
    いつもより小さな歩幅で踏みしめる道。
    汗ばんだ肌は日差しのせいだけではなかった。


    『これで私とお揃いね。』

    それは生徒会室を出る直前の姉の言葉。
    汚れたショーツは鞄の中。
    姉も下着をつけていない、だからお揃い。
    スカートの中が、涼しい。

    青空の下、一歩踏み出すたびに蘇る姉の指の感触。
    汗とは違うものが内股を伝う。
    恥ずかしくてたまらなかった。

    姉が立ち止まり私の顔を覗きこむ。
    見上げた青い瞳は優しく微笑んでいた。
    姉がそっと抱きしめてくれた。嬉しかった。

    「帰ったら、愛して…。」

    消え入りそうな声で姉にねだる。
    金色が眩しく揺れて、ぎゅっと抱きしめられた。


    マンションに帰ると、リビングのピアノの前でライサお姉さんが微笑んでいた。
    「ただいま。」と声をかけた。
    鞄を放り出し、姉に手を引かれて浴室へ駆け込む。
    背後から「お帰りなさい。」と小さく声が聞こえた。

    制服を脱がせあい、姉に抱きついた。甘い汗の匂いがした。
    縺れ合うようにシャワーブースへ向かう。

    金色の滝の雫を浴びながら、舌を啜り上げられ、
    指をあわいに抱きしめて、愛しい姉に縋りついた。
    立て続けに頭の中がショートした。
    何度も、何度も、私のほうから求めた。際限がなかった。

    その夜、姉はとても優しかった。

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■8058 / inTopicNo.19)  Re[15]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(7回)-(2017/10/07(Sat) 12:51:53)
    二学期が始まって未だ一週間。嫌がらせもあったけれど大したものではなかった。
    でも、時折見知らぬ生徒が私に睨むような視線を送って来る。

    暫くして、変わったのは私だけではないと気づいた。
    先輩にキスマークをつけられて恥ずかしそうにしている子がいた。
    クラス委員の子が担任の先生と仲良くなったらしい。

    相変わらず数学の先生はねちっこく私に質問して来る。
    数学だけは苦手だ。
    放課後に姉に教えてもらっても数学の成績だけは上がらない。

    生徒会室で勉強を見てもらった後、姉に愛されるのも日課になり始めた。
    だから、姉と一緒に帰るのは嬉しかったけど、とても恥ずかしかった。

    マンションに帰れば、相変わらずライサお姉さんがちょっかいを出して来る。
    だから姉が不機嫌になる。
    姉の言うことも判るのだけれど、納得がいかなかった。
    私は、ライサお姉さんも大好きなのに…。
    お姉さん達には仲良くして欲しいし…。

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■8061 / inTopicNo.20)  Re[16]: 義姉×2
□投稿者/ Honoka 一般人(8回)-(2017/10/15(Sun) 18:32:56)
    9月の半ばの週末、まだ暑い日が続いていた。
    今日は生徒会の会合がある。
    だから生徒会室へは寄らず、今日は私一人で先に帰る。
    クラスの友達と雑談しながら教室を後にした。
    いつもの日常だった。

    靴に履き替えようと下駄箱の靴を取ろうとして手を伸ばした指先に何かが触れた。
    次の瞬間、掌にひんやりとしたなにかがぶつかってきた。

    「!」

    思わず一歩後ずさりして飛び出してきたものを凝視した。
    床の上で小さな蛙が怯えたように跳ねていた。
    すぐ脇で友達が顔を引き攣らせている。

    蛙か…。
    また誰かの嫌がらせなのだろう。
    小さく溜息をついた。
    蛙は怖くなかった。
    小学校の頃、近所の男の子達と一緒に公園で蛙や虫を追いかけて遊んでいたから。

    コンクリートの床で跳ねる蛙を逃がしてやろうと、
    視線で追いかけ、両手を伸ばした。
    子供の頃を思い出し夢中になる。

    そっと両手で包んだ掌の中で跳ね回る小さな生き物。
    汗で汚れた体操服の入った袋の隅にそっと押し込む。
    立ち上がり振り返ると、さっきまで一緒だった友達の姿が消えていた。

    一人で校門へ向かう途中で姉の言葉を思い出した。
       『学校で何か有ったら私に教えてね。』

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