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■7794 / 親階層)  負の遺産
□投稿者/ omame 一般人(46回)-(2016/01/22(Fri) 17:01:06)
     十六の時に母親を事故で亡くし、父親は私が十八の頃、五十五歳で再婚した。
     再婚相手は二十二歳。
     まさに娘と言っていいような若い女性だった。
     しかも恐ろしいほどの美人だった。
     なぜ彼女、優華が、資産家だけれど凡庸な父と結婚したのか、その目的が金にあることは明らかだった。
     父と優華は夜になると地下室に籠もり、朝は私が大学に行く頃まで起きてこなかった。
     そんな生活が二年も続いた。
     そして父は仕事中に脳梗塞で倒れ、寝たきりになり、一月で息を引き取った。
     最期の言葉も何も無かった。
     悲しみに暮れるある日、私の部屋に優華がやってきた。
     アンタがパパを殺したのよ、とそんな目で睨んでやった。
    「来て。見せたいものがあるの」
    「何よ?」
    「来ればわかるわ」
     優華は地下室の鍵を指先でクルクルと回した。
     地下室に入ったことはなかった。
     私は優華に従った。
       ※
     ムン、と異様な匂いが鼻についた。
     後でそれが、汗と精液と愛液と排泄物の混じり合った匂いだと知った。
     灯りがつけられた。
     私は「アッ」と声を上げた。
     噂では聞いたことのある、でも実際に見るのは初めての、鞭や、巨大な注射器や、様々な大きさの人工ペニス、その他その他、何に使うのかわからないものが壁に掛けられていた。
     そして天井からは鎖。
     磔台。
     木馬。
     床はタイル張りで、排水溝も。
     その隣にベッド。
    「お父さんがどんな趣味だったか、わかるでしょ」
     私は頭を振った。
     振って、振って、振りまくった。
    「私が毎晩、どんな目にあってたか」
     私は泣きながら頭を振った。
    「これから毎晩、その身体に教えてあげる」
    「い、嫌よ」
    「嫌って言えるのかしら? あなたの後見人は私なのよ。私のサイン一つで、あなたは路頭に迷うのよ。大学だって、あんな授業料のバカ高いお嬢様学校、ヤメなきゃならなくなるのよ」
    「嫌、嫌……」
    「私の本当の目的はあなただったの。あなたをここで責めさいなむことだけを夢みて、あなたのために、少しずつ、こういう器具を買い揃えたの」
    「な、なぜ?」
    「おねだりするのに、恥ずかしくもなんともなかった。だって、あなたのお父さん、男としてはもう終わってたの。こういう器具を使わないと女を満足させられなかったのね」
    「もう、もうヤメて!」
    「覚悟なさい!」
     その言葉を合図にしていたかのように、とてつもない体格をした女が二人、地下室のドアを開けて入って来た。
     そしてあっと言う間に私は全裸にされ、天井と床の鎖に、X字に拘束された。
     胸も、下も、何にも隠せなくなった私の身体を、優華は舐めるように眺め回した。
    「素敵ね、素晴らしいわ。とりあえず、今日は金曜だから、日曜までに腫れが退くくらい、お尻を徹底的にやって」
     そう言ってベッドの上に横たわった。
    「始めて」
     風を切る音と共に、お尻に火のような痛みが走った。
     ヒュン、ヒュン!
     連続した音と激痛が走った!
     何度も何度も!
     痛い!
     キャァァアァアアァ……
    「痛い?」
     優華が聞いた。
    「痛い! ヤメて、こんなこと!」
    「いいわぁ、さあ、ドンドン続けて」
     ヒュン、ヒュン、ヒュン……
     連続して左右から!
     叫ぶ、叫ぶ、泣きながら叫ぶ!
     見れば優華はベッドの上で自分の胸を揉みしだいているのだった。
     いつの間にか全裸で!
     そして自分の指を股間へ……
     オナニー?
     オナニーしてるの?
     私が鞭打たれるのを見ながら?
     そこへもう一人、優華とそっくりな女が入って来た。
     鞭の嵐が止み、私は荒い息をやっとの思いで整えた。
    「やってるわね、ああその子?」
    「そう。私たちの共有財産にしましょ」
     そう言って優華はその女に抱きつき、ゆっくりと服を脱がせた。
     女が全裸になり横たわると、優華はその上に、それも股間に頭を埋め、自分の股間を女の顔に押しつけた。
    「始めて」とくぐもった声がした。
     鞭が始まった。
     ベッドの上の女達は妖しげに身もだえを始めた。
     卑猥な音が聞こえてきた。
     互いのそこを、舐め合ってる!
     私が鞭打たれるのをオカズに!
     私は泣きながら叫び、叫びながら泣いた。
     泣いて許しを乞うた。
     痛い、あまりに痛い!
     二人の全裸の女は上下を入れ替わりながら、妖しく汗にぬめ光る身体を絡み合わせ、同時に痙攣して絶頂を訴えた。
     鞭の嵐はやっと止み、お尻に薬が塗られるのがわかった。
     私は泣いて、泣いて、泣きじゃくった。
     見れば、足下のタイルには水たまりが出来ていた。
    「お漏らししたのよ」
    「お漏らしするところも、素敵だったわ」
     二人は顔を見合わせて、目を閉じると、ウットリとした表情で唇を重ねた。(続く)

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