□投稿者/ ルル 一般人(2回)-(2004/10/08(Fri) 22:50:31)
| 「ごめん・・ちょっと明日無理かな」 気乗りしない声で理恵は答えた。 「そう・・じゃあ、また」 それ以上返す言葉が出てこないまま涼は携帯を切った。
ここ最近・・理恵の様子は明らかに違った。 以前はどこへ行くにもずっとそばにいてくれた。 電話もメールも遅くまでやりとりもした。 でも・・近頃ではまともな会話すら出来ていない気がする。 話をそらされ、誘いを断られ、そのたびに大きなため息を理恵はつく。 迷惑そうに・・ 付き合って半年経つが時間はこうまで人を変えてしまうのだろうか・・
どうして?
ベットに体を放りなげ涼は顔をうずめた。 どうしたらいいか判らない・・ 判っているのは理恵が離れていこうとしていること。
「いや!・・絶対にいやだ!!」
理恵が離れていくなんて耐えられない。 涼は起きあがった。 どうしていいかは判らなかった。 でもじっとしていられなかった。
気付くと、理恵の住むアパートまで原付をかっ飛ばしていた。
「・・理恵」 見上げると理恵の部屋にはあかりがついている。 まだ起きているんだろうか?
涼は理恵の部屋の扉の前に立ちすくんだ。 何を話したらいいんだ・・?どんな顔で・・ 頭の中で思いが交錯していると部屋から会話することに気がついた。 誰か来ている?誰が?こんな時間に・・ 時間はとうに深夜をまわっている。 涼はそうっとベランダの方にまわった。
理恵の部屋は幸い1階にあった。 誰かが来ていることには間違いない。 涼は息をひそめて部屋の中をうかがった。 いきなり聞こえてきたのは・・あまりに衝撃的な理恵の発言だった。
「でねーもーしつこくてさぁ!いい加減にしてほしいんだよねぇ・・」 「そうなんだぁ、理恵ちゃんも大変だねー」
しつこいって私のこと・・? 一緒にいるのは誰? 「だからさ、今度俺がいってやるってば。理恵には俺がいるから消えろってね」 「うーん・・でもそこまでされるとぉ」
理恵は誰かと一緒にいた 誰かは判らない。口調は男のようだけど声色が高いから女なのかもしれない。 でも男か女かそれはどうでもよかった。
理恵はその相手と甘いキスを交わしだした。 相手の手はゆっくり理恵の体を伝い、服の中に手をいれた。 「ん・・はぁ」 理恵の吐息が聞こえる。
その場から逃げ出したいはずなのに体が固まったように動かない。 裏切られ、怒りと悲しみが爆発しておかしくなってしまったのだろうか・・? 涼は中の2人の様子を凝視しつづけた。
「あぁ・・あぁあん!いぃ!いちゃうよぉ〜!!」
理恵のもだえくるう姿。 自分の中の何かがぷつりと切れたような感覚がした それは怒りや悲しみとは明らかに違う感覚だった。
続く
|
|