| 「中学3年の夏休みの終わり…明日から 2学期って言う時に…あの子 家族に宣言したの…」
「そうだった そうだった(^.^)」
「何を?…」
恐る恐る訊いてみた。
Madamもお姉さんも それまでの笑顔とは 打って変わって…
「自分は 男性を好きになる人間じゃないって… そのことで 家族に迷惑をかけるようなことはしないから『 結婚しろ』とだけは 言わないでくれ… 気持ち悪がらせて 申し訳ないけど あと半年 義務教育の間は 家に置いてくれって…」
(そんな…)
「高校は?って聞いたら…」
「寮のある会社に就職して そこから 夜間高校に通うって…」
「ビックリしたのは 父親で…ヒロ自身のことを どうしても受け入れられなかったのね… 即座に 大学までの面倒は見てやるから 今スグ 出ていけ!って…啖呵切っちゃった…」
「あの子も わかりました なんて言っちゃって…」
「どうなったんですか?」
(中学生の子どもに そこまで言う?)は 飲み込んだ…
「ウチで引き取ることにした」
いつの間にか ビールを取りに来たお兄さんが 後ろに立っていた。
「えっ?」今度は 飲み込めなかった…
「アレは ウチのお袋サンの兄さん…おれ達の伯父さんチの子…ホントは おれ達の従妹なんです(^.^)」
「じゃあ ヒロ君に 啖呵切ったのは…マスターじゃなかったんですね?」
「恭子さん 心配するところ そこ?(笑)」
「あっ…」
お姉さんのひとことで 緊張がほぐれた。
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