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■22071 / 親階層)  痴漢少女A
□投稿者/ いちこ ちょと常連(53回)-(2016/06/26(Sun) 19:12:48)

    雨雲が低く垂れ込め、今にも降り出しそうな 空の下を麻奈は急いでいた。
    麻奈は女性誌の記者をしている。
    女性誌と言っても、芸能人のゴシップとエッチな記事がメインだ。
    この前は風俗嬢に話を聞いた。
    今日は痴漢に話を聞くため、待合せ場所に向かっている。
    痴漢と言ってもなんと女性らしいのだ。
    さすがに写真はNGということなので、
    カメラマンを連れずに麻奈ひとりで会うことになっていた。
    急ぐ麻奈の額に雨粒が当たった。麻奈は憂鬱になった。
    雨は嫌いだ。おまけに傘をわすれた。

    待合せ場所のホテルに着き、指定された部屋の前で身支度を整える。
    今日はグレーのパンツスーツで、髪をアップにしている。
    ひとつ深呼吸して、ドアをノックした。
    中から落ち着いた声でどうぞと。
    部屋に入ると何故かゾクッと悪寒が走った。そして驚いた!

    「えっ?‥‥あの‥‥えと‥‥」

    待っていたのはなんと女子高生だっ た。
    上下黒のセーラー服に赤いリボン、漆黒の髪は肩までのソバージュ。
    透き通るような白い肌にヘーゼルの瞳と血の滴るような赤いくちびる。
    女性でも見惚れるような美少女だ。

    「月刊◯◯の方ですか?」
    「あっ、はい。」
    「こちらへどうぞ。」

    ニコッと笑うと八重歯がキラリと覗いた。慌てて名刺を差し出した。

    「佐藤麻奈です。よろしくお願いします。」
    「こちらこそ、来栖亜里沙です。」

    握手を交わしたとき、その手のあまりの冷たさに麻奈は驚いた。
    こうしてテーブルを挟んで向かい合っていても、なにか違和感があった。

    「信じられませんか?」
    「ええ。」
    「そうでしょうね。それが好都合なんです。」

    そう言って亜里沙は麻奈の首から下に目をやる。
    麻奈はまるで裸を見られているように感じて気恥ずかしくなった。
    さらに見つめられると肌も通り越し、血流や
    ひとつひとつの細胞まで見透かされるような錯覚を感じ、本能的に恐怖を感じた。
    麻奈は気を取り直して、取材を始めた。

    続く



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