ビアンエッセイ♪

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■9233 / ResNo.40)  26
  
□投稿者/ 菜々子 一般♪(34回)-(2005/05/04(Wed) 21:43:33)

    ベッドに移動して。


    力尽きるまでに、郁を抱いた。


    「ねェお姉さん。」


    時間が流れて。

    二人でゆっくりと天井を見上げていた時。


    「んっ?」


    郁は。"特等席"だと言い張る私の腕の中で。


    「郁以外にも、女、いるでしょ。」


    無邪気な笑顔でそう言う。


    「‥恋人は、作らない。」


    まぁ適当に。


    「それじゃあ答えになってないよー。」


    何が楽しいのか、郁は笑いながら。


    ゴロン、と私側へ頭を寄せる。


    「郁はね。今は、ソレでもいいの。お姉さんと一緒にいられればいいの。」


    クスクスと私の髪を触りながら。


    「そっか。」


    郁につられて私も笑う。


    何だか、本当に子どもみたいな娘だな、って思ったりして。


    「お姉さんね。前の郁みたいなんだよ。
    だから、ゆっくり待つの☆」



    「前の郁?」


    そりゃヤバイだろ。


    周りにはそんな風に見えるのか、と


    私は少し困りながら笑った。


    「何かね。淋しそうな目、してるよ。」


    郁はその澄んだ目で私を見つめて。


    そんな事はないはずだと、自分では思っているのに。


    まるで図星をつかれたように、私は黙り込んでしまった。


    「お姉さんが郁を救ってくれたから。
    今度は郁が、お姉さんのために何かしてあげたいんだ♪」


    照れたように笑いながら、私の胸に顔をうずめる。


    「こらっ。」


    からかうように頭つつくと、

    郁は幸せそうな笑顔を見せる。



    そんな風に

    素直に甘えられる郁が、すごく羨ましく思えた。




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■9263 / ResNo.41)  菜々子さんへ
□投稿者/ アヤ 一般♪(4回)-(2005/05/05(Thu) 20:42:30)
    こんばんわ。
    柚羅さんの過去に何があったんですかねぇ?
    亜紀ちゃんのことを考えると切なくなります(>_<)

    (携帯)
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■9264 / ResNo.42)  アヤさん
□投稿者/ 菜々子 一般♪(35回)-(2005/05/05(Thu) 22:50:03)
    こんばんわ。読んでくれてありがとうございます(*^-^*)

    柚羅の過去‥これから出てくる予定であります(^-^)亜紀‥どうなるんだろう‥なんて書きながら思ってしまう菜々子です(苦笑)

    まだまだ書き方が甘くて、読んでいて飽きてしまうかもしれませんが‥最後までお付き合い頂けたら幸いです。

    感想、ありがとうございました☆

    (携帯)
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■9265 / ResNo.43)  27
□投稿者/ 菜々子 一般♪(36回)-(2005/05/05(Thu) 22:50:44)

    郁と出会ったのは一年以上も前の話。


    どこから見ても"家出少女"だった彼女。


    大きなボストンバックを持って。橋の上に。



    何となく声をかけた。


    またいつものように、身体だけの関係を探し求めていたから。



    「ねェ」
    私の声に振り向いた、郁の瞳は。

    凍えてしまいそうなくらい、冷たくて。


    正直、放っておけば、今にも飛び降りてしまいそうだった。



    詳しい事は今でもわからない。


    ただ

    「とりあえず、私と遊んでみなよ。」

    なんて適当な事言って。



    無反応な郁の隣に。


    黙って居座っていた。



    何度か二人で食事して。

    何度か二人で会話した。



    私がしたのはソレだけだったけど。

    郁の瞳に光が見えた。


    ‥不思議と、私達は仲を深めた。



    でもやっぱり。


    どこかで距離を置いてしまう私がいて。


    郁とは身体だけの関係のまま。



    郁の気持ちをいつも避けてきた、自分勝手な私。


    亜紀の知らない私。



    「んー?」


    いつのまにか寝てしまった郁の髪を触りながら。


    「あっ起こした?いいよ。寝てて。」

    今の郁と昔の郁を比べた。



    笑いかける私の言葉に、安心したような笑顔を見せて。

    再び眠りにつく。



    「何やってんだろ‥」


    郁の幸せそうな寝顔を見ながら、一人呟く。


    今までは、郁を一番大切に思っていたのに。



    踏み切れない私を。

    黙って待っていてくれる、この娘を。


    身体だけの関係と言いながら。

    私を癒してくれる、この娘を。


    「ダメじゃん。」



    どうして‥亜紀の姿が浮かぶのだろう。





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■9357 / ResNo.44)  菜々子さんへ
□投稿者/ E→☆ 一般♪(4回)-(2005/05/09(Mon) 04:15:46)
    これから先の展開がすごく楽しみですo(^-^)o

    大変だとは思いますが頑張って続き書いて下さいねっ♪

    (携帯)
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■9380 / ResNo.45)  E→☆さん
□投稿者/ 菜々子 一般♪(37回)-(2005/05/10(Tue) 00:00:16)
    またまたありがとうございます(^^ゞ

    そして申し訳ないです。更新が遅くて(涙)
    今回は長くなる‥予定ですが、必ず最後まで完結させますので☆お付き合い願えたら有り難いです。

    応援、して頂けると本当に励みになります。
    ありがとうございました☆

    (携帯)
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■9381 / ResNo.46)  28
□投稿者/ 菜々子 一般♪(38回)-(2005/05/10(Tue) 00:00:54)
    いや!どこにいくの?


    置いていかないで。



    亜紀がいいこじゃないから?


    だからママはとおくへ行くの?



    「亜紀が一番だ」って。
    いっぱい抱きしめてくれたじゃない。



    ねェ、どうして。




    どうして行っちゃうの?





    こわいよ。いかないで。






    いかないで、ママ――




    鳴り響く雷。目が覚めた。


    激しい雨が窓をうつ。


    「は‥っ。」


    嫌だ。嫌な夢。


    呼吸が荒くなってる。


    冷や汗のせいで、髪の毛が額にはりつく。



    「こわい‥。」


    雷の音が。



    違う。こわい。



    何が?わからない。




    下が伝わってくるような。低い音。




    耳を塞いだ。


    嫌だ。



    布団にくるまった。


    聞きたくない。





    思い出したくない。




    忘れかけていたのに。



    「何でよ‥っ」



    どうして、余計なことばかり。




    助けて、こわい――





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■9382 / ResNo.47)  29
□投稿者/ 菜々子 一般♪(39回)-(2005/05/10(Tue) 00:02:21)

    「すご‥っ。」


    あまりの音に、思わず目が覚めた。


    暗い部屋がピカッと光って、
    激しい音が鳴り響く。




    「やっ‥こわいよぉ‥」

    郁もさすがに起きた様で。


    弱々しい声で私にしがみつく。


    「大丈夫、もう少ししたら鳴り止むよ。きっと。」


    やわらかな髪をそっと撫でながら、震える郁を腕に抱く。



    「平気?」

    「ん‥っ。」


    臆病な郁。

    音が鳴るたびビクッと体を震わせる。



    「お姉さん‥」


    その言葉を遮り、返事をする。


    「いいよ。郁が寝るまでこうしてる。」


    「‥ありがとう。」



    少しの笑顔。けれど涙目。

    怯えてる。



    郁を抱く腕に力を入れた。



    でも‥。


    「コレはあたしでも恐いなぁ‥。」


    苦笑。


    普通じゃない、豪雨に雷。アパートが‥響く音で微妙に揺れる。



    「壊れませんように‥」


    なんて半分本気で。




    ご機嫌斜めな空に願った。




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■9419 / ResNo.48)  30
□投稿者/ 菜々子 一般♪(41回)-(2005/05/11(Wed) 22:37:29)

    「おー」

    何だったんだ。昨日の空。


    見事なまでに気持ちのいい朝。


    「んーっ☆」


    本当、気持ちいい。



    いや、考えなきゃいけないことはたくさんあるけど。


    今はこの気持ち良さを満喫したい、とそう思った。



    郁を起こさないように、起き上がり。


    スヤスヤ眠る郁の頭を撫でる。


    「ヨシヨシ。」

    おとなしく寝てるな。



    洗面所に移動して、顔を洗う。


    「あー郁学校行くのかな。」


    そういえば今日は平日だって、ふと思った。


    「起こすべきか‥。」


    いや、でも。制服とかないよな。

    さぼりか?


    「まぁいっか。」


    なんて適当に。

    歯磨きも済ませて、小さな台所に立つ。



    「よしっ。」


    と気合いを入れてから。

    おにぎり作り。


    炊きたてご飯じゃなくて申し訳ないが。



    学校行く前はしっかり食べなきゃいけないからな。



    解凍したての熱々ご飯と格闘しながら約10分。



    やっとの思いで、出来たおにぎり。


    中身はメジャーな梅干しで‥ってソレしかなかったんだけどね。


    皿にのせ、ゆるくラップをかける。


    「あぁー」


    鍵、返してもらわなきゃ、だな。

    どうしよ。


    少しだけ悩んでから、郁宛てに手紙を書いた。


    「これでイイかな‥」


    もう一度読み返してから、二つに折った手紙を皿の下に置いた。


    黒のTシャツにジーンズを穿いて。
    上からパーカーを羽織る。


    「いってきまぁーす。」


    と、なるべく小声でそう言い、私は仕事場へとむかった。




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■9420 / ResNo.49)  31
□投稿者/ 菜々子 一般♪(42回)-(2005/05/11(Wed) 22:39:12)

    目覚めると、お姉さんの姿はもうなかった。


    まだパッチリ開かない瞼をこすりながら起き上がり、

    そのままベッドに座る。


    「あっ。」


    部屋を見渡して。
    シルバーのサイドテーブルに、

    おにぎりが置いてあるのを発見。


    「わぁー☆」


    手作りっぽい‥。
    お姉さん‥作ってくれたんだ。


    ソレは初めてのことで。

    ものすごく嬉しくかった。


    「いただきまーす☆」


    テーブルの横に移動して、ラップのかかったおにぎりに手を伸ばす。


    「おっ?」


    お皿の下に紙切れを見つけてしまった。



    手紙だ‥。


    うそ‥。郁宛?


    高鳴る胸を左手で押さえながら、

    二つ折りの紙をゆっくりと開く。



    "郁へ
    おにぎり、お腹が減っていたら食べてください。
    食べたらちゃんと学校に行くこと。


    あと合鍵は‥


    管理人さんに渡しておいてもらえるといいな。
    ‥ごめんね。"



    スラスラと書かれている上手な文字。


    やっぱり鍵は返さなきゃいけない、か。



    でもいい。大丈夫。



    少しだけ痛んだ胸をそっと撫でながら、
    続きに目を向ける。



    "P.S
    昨日の質問の答え。

    郁と出会ってから、他の女性を抱いたことはないよ。

    じゃ、仕事行ってくる!"



    えっ?


    自分の目を疑った。


    いつもクールで。
    いつも大切な事は話してくれなくて。


    女性に慣れてるのも、
    抱かれてすぐにわかった。



    そのお姉さんが書いたの?



    ‥あふれる気持ちが押さえられない。


    嬉しくて嬉しくてたまらない。



    小さな紙切れを胸の前で。



    大切に大切に握り締めた。




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