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■5327 / 親階層)  Stubborn 1
□投稿者/ カイア 一般人(1回)-(2008/04/06(Sun) 01:40:46)
    「それでね……」
    「…………」
    「ちょっと、さっきから聞いてるの?」
    「聞いてるよ。会社の話してたでしょ?」
    「会社の何の話してた?」
    「嫌いな上司の話でしょ。斉藤さんでしょ?」
    「はぁー……」
    「斉藤さんの話じゃなかった?」
    「違うわよ!!!」
    「ああ、ごめんね。聞いてたんだけど」
    「聞いてないから、斉藤の話してたとか言うんでしょ」
    「じゃあ、言わせてもらうけど」
    「なに?」
    「今日、あった瞬間から会社の話してるよ。夕ちゃん」
    「いいじゃない別に」
    「まぁ、別にいいけど……」
    「会社の話、嫌だったら、嫌って言いなさいよ」
    「別にいいって」
    「いいんなら、ちゃんと話きいて」
    「はいはい」
    「それでね……」
    「うん」
    私は夕ちゃんを見つめて、話を聞いてるふりをする。
    夕ちゃんの会社の話は退屈だった。話はいつも、斉藤さんの悪口で始まって、悪口で終わる。斉藤さんがどんな人か想像してみる。
    一日の大半を夕ちゃんと過ごす斉藤さんをうらやましく思った。
    「これ、食べないの?」
    「うん」
    いつの間にか、話題は目の前のサラダに移っていた。
    「セロリ嫌い?」
    「うん。なんか、クスリみたいな味するから」
    「健康にいいのよ」
    「ふーん」
    「長生きできるわよ?」
    「セロリ食べて、長生きなんかしたくない」
    「タバコもやめるくらいなら、死んだ方がまし?」
    「えっ?」
    「タバコ、吸ってるでしょ?」
    「す、ってないよ」
    「ふーん」
    「…………」
    夕ちゃんは、目の前のセロリをカリカリ食べていた。
    その後、一度も私を見なかった。私も、うしろめたさから話しかけられなかった。
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