ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■20844 / 親記事)  請う瞳
□投稿者/ 昴 大御所(433回)-(2008/05/25(Sun) 02:16:29)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    例のシリーズとは違う短編です
引用返信/返信

▽[全レス3件(ResNo.1-3 表示)]
■20845 / ResNo.1)  請う瞳 @
□投稿者/ 昴 大御所(434回)-(2008/05/25(Sun) 02:17:46)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    貴女の動きを覚えている躯が私に囁く


    『ほら

    正直になって


    お願いしなさい


    すごく欲しいんでしょう』


    そう

    躯の芯がジーンと疼いて

    涎を垂らして

    貴女を待ってる





    『お茶ごちそうさま

    送るくらい

    お安いご用だから

    いつでも声掛けて』


    貴女は爽やかな笑顔で

    ドアノブに手を掛けている



    イヤ

    帰らないで



    「…ねえ…」


    貴女の袖口を掴んで

    上目遣いに瞳を潤ませて言うの


    「……して…」



    左の口角だけを上げて微笑んで

    貴女の瞳は一瞬で野生を帯びた


    履き掛けた靴を脱ぐ



    コートをソファーに放り投げて


    バスルームに消えて行く貴女



    私は慌ててドレッサーに向かう


    急いでメイクを落とさなきゃ

    貴女を待たせないように





引用返信/返信
■20846 / ResNo.2)   請う瞳A 
□投稿者/ 昴 大御所(435回)-(2008/05/25(Sun) 02:19:05)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    『お風呂のお湯を貯めて来たよ』


    バスルームから戻った貴女が

    まだドレッサーに向かい

    メイクを落としている私を

    後ろから抱きしめる


    「待って

    もう少しだから…」


    口では言っているのに

    もう貴女に反応してる


    『待てないよ

    抱きしめたくて


    引き止めて欲しくて

    ずっといたんだから…』


    貴女は抱きしめながら

    もう私のブラウスの釦を外している



    メイクを落とし終えた私に

    『やっぱり素顔の方が可愛いよ』


    そう囁いて唇を重ねた


引用返信/返信
■20847 / ResNo.3)   請う瞳B 
□投稿者/ 昴 大御所(436回)-(2008/05/25(Sun) 02:20:14)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    2008/05/25(Sun) 02:21:36 編集(投稿者)




    唇が離れると


    無意識に上目遣い

    瞳も潤んでいるわ



    「ねえ…」

    ベッドに連れて行って


    そう言う前に

    お姫様抱っこで

    抱き上げられる



    『その瞳に弱いんだ…』


    ベッドに優しく降ろされ

    貴女は私を見つめたままで

    上着を脱いでる



    『欲しくて

    一秒も我慢出来なくなる』



    貴女と私が溶け合う

    熱い夜が始まる


完結!
引用返信/返信

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■20689 / 親記事)  彼女になりたい…です
□投稿者/ のぃ 一般♪(1回)-(2008/03/03(Mon) 06:30:18)
    「うー…」

    公園の片隅で犬のコーギー(名称:クリーム)と遊んで30分。
    ぴょんぴょん跳ねるクリームの頭をしゃがんで撫でている手は、真っ白な手袋をしている。
    時計を見ると朝の早朝、6時前。
    少し霧がかった湿気を帯びた風景は地上のありとあらゆる物を美しく輝かせていた。

    (はぅぅ…)

    そして今、周りの風景をも魅了してしまうあの人を2時間見続けている私は
    クリームの頭を撫でるあの人からはるか彼方、対角20メートルに位置している
    公衆トイレの物陰に隠れて白い息を吐きながらあの人を眺めていた。


    いわゆる、ストーカー…なんです。




引用返信/返信

▽[全レス3件(ResNo.1-3 表示)]
■20692 / ResNo.1)   彼女になりたい…です
□投稿者/ のぃ 一般♪(2回)-(2008/03/03(Mon) 07:57:03)
    (愛美ちゃん…)

    声無き声で彼女の名前を呼ぶと、何度目かの白い息が、はぁーっとモクモク出て空へと消えていった。
    今の私の想いみたいだなー…

    名前を呼んでも気持ちまでは届かない

    切ないとか、大好きだとか…

    たくさんの言葉を頭の中で拾い集めて、手のひらの隙間から流れる想いを
    ただじっとみているだけの刹那


    「クリーム、そろそろ家に帰ろーか?」

    (なんだぁ…もう帰っちゃうのかぁー…)

    真っ赤なパーカーに身を包んでいる愛美ちゃんは毎朝二時間、体を鍛える為に走り込みをするという。
    傍らには必ず、愛犬のクリームと一緒

    黒くて長い髪を結び直すその姿にキュッと心が縛られる時が大体、愛美ちゃんがお家に帰るのと一緒で
    青い短パン、パーカーの下のTシャツ、流れる汗、クリームに笑いかける時の笑顔

    それら…ううん、もっともっといろんなもの全部が、私が愛美ちゃんに対する友達の部分の感情を持ち去るみたいに愛美ちゃんは公園を後にする。


    (うー…)

    マフラーに隠れる私の今の表情を絶対、愛美ちゃんに見せちゃダメなんだ



引用返信/返信
■20811 / ResNo.2)  彼女になりたい…です
□投稿者/ のぃ 一般♪(1回)-(2008/04/28(Mon) 05:45:56)
    「おーぃ、大丈夫かぁ??」

    「!!」

    「講義、集中してないと単位とれくなるよ」

    「あ、うん。」

    いつ、大学の門をくぐったのか記憶になく
    腕時計に目をやると、午前中の講義は終わりに近づいていた。

    親友のナミが一生懸命、黒板に書かれた文字をノートにとっている。
    どうしてそんなに必死にのか…
    あぁ、論文の提出期限明日だっけ…参考になるかもと書き写してるんだ。
    私も…
    と、思ったけど後でノート見せてもらおう。

    やる気なく窓の外を眺めると、小ぶりの雨が窓ガラスを濡らしていた。







引用返信/返信
■20812 / ResNo.3)  彼女になりたい…です
□投稿者/ のぃ 一般♪(2回)-(2008/04/28(Mon) 06:27:29)
    そんな気分のまま食堂行ったからご飯食べる気しなくて
    軽めのサンドイッチをトレーに乗せた。
    手をつけづに頬づえをついてため息ばかり繰り返してたけど。

    「なに?席着いてからため息ばっか。なにかあった?」
    「別に…。」
    「…めずらしいよね、ウサギが悩みを打ち明けないなんて」
    「止めてよ、そんなあだ名」
    「えー、気に入ってたんじゃないの?カワイイとかって言ってたじゃん」
    「…だって」

    似過ぎてるんだもん…。
    愛美ちゃんの声に反応してビクビク震えてる自分。
    ウサギみたい。
    寂しくて寂しくて死んじゃいそう…。

    「はぁ…」
    「ははは、こりゃ重症だねー」

    人事だと思って…
    笑う親友の顔を睨みつけるけど、ナミは悪くない
    誰も悪くなんかないんだ、きっと。
    出会いがあまりにも自然だったから
    だから、自分が悪いとも思えない。
    この気持ちが悪いものだなんて思えない。

    ナミは心配してくれてるんだ
    ナミを見ると困ったって笑い顔
    言ってもいいのかな?
    ちょっとの勇気が出ないままズルズルと秘密を秘密のままにしてきたけど、
    まだ恐い。

    でも苦しい




引用返信/返信

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■20768 / 親記事)  二つの願い
□投稿者/ 槇 一般♪(1回)-(2008/04/07(Mon) 00:02:40)

    こんなに他人の幸せを願ったことはなかった…

    どうか…

    あなたは幸せに…

    誰の隣でもいいから…

    あなたは笑っていて…

引用返信/返信

▽[全レス18件(ResNo.14-18 表示)]
■20791 / ResNo.14)  二つの願い 12
□投稿者/ 槇 一般♪(14回)-(2008/04/14(Mon) 00:32:30)

    次の日の夜、またナオの店に行った。

    「昨日ごめんね。忘れないうちに払っとくよ」
    「ああ、はいはい。今日はどうする?なんかつくる?」
    「いや、今日はいいわ。忙しくてね、これからまた会社戻らなくちゃ駄目なんだよね」
    「え?じゃ、わざわざお金払うために来たの?今度来る時にまとめて払ってくれてよかったのに…」
    「う〜ん、ホント忙しくなるから、次来るの何ヵ月後になるかわかんないんだわ。だから早いうちに払っておいたほうがいいと思ってさ」
    「そっか…。あ!そうそう!」

    何か思いついたようにカウンターの向こうから手招きして私に耳打ちしようとしている。
    なんだろうと思って近づくと、
    「昨日、久美子さん怒ってたよ〜。私の友達に手を出すなんてって!」
    と、ささやいた。

    別に久美子さんが怒ろうとどうしようとどうでもいいけど、ひどい誤解をされていることに驚いて、必死に訂正した。

    「手なんか出してないよ!ただ送っていっただけ!」
    「ふ〜ん…」
    分かっているのかいないのか、ナオはただニヤニヤしながら私を見ていた。

    「ほんとだよ!!」
    「はいはい。ま、久美子さんも『私の友達に〜』とか言ってるけど、自分があんだけアピってんのにあんたにぜんぜん相手にされないで、二人が黙って消えたことにただむかついてるだけなんだろうね〜。惨めっちゃあ、惨めだもんね」
    「そんなの知らないよ」

    そう、そんなことはどうでもいい。とにかく今は早く仕事に戻らないと
    「じゃ、戻るわ」と店を出て行こうとすると、
    「ほんとに手出してないの?!」
    という声に引き止められた。

    「出してないよ!!!」
    思いのほか大声になってしまって、店の客の視線が一斉に私に集中した。

    「わかった、わかった、ごめんごめん」
    ナオは苦笑しながら右手を上げた。私は憮然とした表情でナオに背を向けた。

    「珍しいね。わざわざ追いかけて、送っていって手を出さないなんて」
    そんなナオの言葉も聞こえない振りをして店を後にした。

    そんなことない。私だって、いつでも誰でもって訳じゃない。
    別にタイプじゃなかったし、追いかけたのだって、ただ酷い事言ったのを謝りたかっただけだ。

    じゃあ、なぜ、彼女には謝りたくなったのか…。
    そんな疑問には気がつかない振りをした。

引用返信/返信
■20792 / ResNo.15)  きゅんさんへ
□投稿者/ 槇 一般♪(15回)-(2008/04/14(Mon) 00:35:43)
    コメントありがとうございます
    あまり頻繁に更新できないかもしれませんが、
    最終話まで気長にお付き合いお願いします。
引用返信/返信
■20801 / ResNo.16)  二つの願い 13
□投稿者/ 槇 一般♪(16回)-(2008/04/21(Mon) 02:02:32)

    『別れる事が分かってる恋愛なんて恋愛じゃない』

    那智にはそう言われた。私も綾子に出会うまではそう思っていた。
    既婚者との恋愛はいつか終わりがくるに決まってる。結婚している人はいつか必ず家庭を選ぶだろうから…。
    だから私は絶対に既婚者とは恋愛はしない

    綾子と出会ったのは、4年前。
    那智の古い友人がバーを開いたということで、初めてその店に連れて行かれた時だった。
    那智は顔が広いから色んな顔見知りがいて、その中の一人が綾子だった。

    私は初めて会った人に気さくに話し掛けるという芸当はできない人間だったから、綾子と一緒に飲んでいた人たちと合流しようという話になった時、正直、「参ったなあ」なんて思っていた。

    5,6人でわいわいと騒いでいても、私はその輪にいまいち入りきれずに、楽しそうに笑っている那智を眺めながら飲んでいた。
    気がつくと、人の輪から完全に外れてしまったはずの私の隣には綾子が座っていた。
    仕事以外の場で、初対面の人と話すのが苦手な私が、彼女には古くからの友人のように話していた。

    話の内容は覚えていない。多分、テレビ番組とか最近見た映画とか子供の頃流行ったモノだとか、つまらない内容だったと思う。そんなくだらない話で私たちは盛り上がり、いつしかグループから離れ、二人で飲んでいた。

    出会った夜はそれだけだった。
    ものすごく気の合う人に出会った。
    ただそれだけ。いい友人ができた。
    それで十分だった。

    綾子との再会はものすごく早かった。

    綾子は出会った夜の次の日、お客として私の前に現れた。驚く私を鏡越しに見て、してやったりと満足そうに笑っていた。

    それからは月に一回、店にやってきて私を指名した。私たちはどんどん仲良くなっていき、プライベートでも頻繁に会うようになっていた。

    ある日、ひょんなことから、綾子とよく遊んでいることを那智に話した。
    那智は、渋い顔をして言った。

    「綾子は結婚してるから止めときなよ。嫌でしょ?そういうの。」

    私は「そんなんじゃない」とすぐに否定した。
    でも那智は勘がいいから、すぐに分かったんだろう。


    私自身よりも早く…


引用返信/返信
■20802 / ResNo.17)  二つの願い 14
□投稿者/ 槇 一般♪(17回)-(2008/04/21(Mon) 02:07:26)

    那智に「やめろ」と言われて初めて気が付いた。
    私はその時すでに自分では止められないほど彼女に惹かれていた。会えば会うほどその想いは強くなっていた。

    自分で気が付かなかっただけ…。

    既婚者だと知って、歯止めの利かなくなっている自分の想いを知って、後にも先にも進めない自分の状況を知った。
    そんな私に出来ることは、後にも先にも進まないことだった。

    プライベートで会うのは一切止めた。店には定期的に来てくれるからその時は美容師として接した。そうして、ひそかにどんどん大きくなってくる彼女への想いを抱え続けた。
    先に進めば泥沼にはまっていきそうで、それが恐ろしかった。


    ある日、仕事を終えて店から出てくると綾子がいた。彼女を避け始めてから数ヶ月が経っていた。

    「どうしたの?こんな時間に?」
    「どうしても話したいことがあって…」
    「それにしたってもう夜中だよ?旦那さんは大丈夫なの?」

    そう言った時、綾子の顔が微かに強張ったのを見て、しまったと思った。

    「今日は遅くなるって言ってあるから大丈夫。」
    「それにしたって…。家まで送っていくよ。話は車の中で聞くから」

    俯く彼女の背中に手を当てて、駐車場に促した。
    彼女の背中は冷たかった。
    いったいどのくらい待っていたんだろう。
    そう思ったら胸が熱くなった。


引用返信/返信
■20803 / ResNo.18)  二つの願い 15
□投稿者/ 槇 一般♪(18回)-(2008/04/21(Mon) 02:11:44)

    車を走らせてしばらくは二人とも無言だった

    先に口を開いたのは、綾子だった。
    「那智に聞いたの?結婚してること…」
    前を見たまま軽く頷いた。何か言わなければと思ってはいるけど言葉が出てこない。
    「そう…」
    また、重い沈黙が続いた。
    「隠してたわけじゃないんだよ。言うタイミングが見つからなかったと言うか…。わざわざ言う必要もないと思ってたし…」
    「うん…」

    もうすぐ綾子の家に着いてしまう。このまま送り届ければ、友人にも戻れないような気がしたから、道路脇に車を停めた。夜中の上、街から離れているから車はほとんど通らなかった。

    「千尋…私のこと避けてたよね?それは結婚してるって知ったから?」
    「そうだよ」

    自分の想いは知られてはいけないと思った。だから強張った表情の綾子に満面の笑みを貼り付けて続けた。

    「だぁって、綾子はひどいよ。そりゃ、言う必要はないけどさ、基本的なとこじゃん?そこ。私は綾子は何でも話せる親友だと思ってたのにさ。結構悲しいもんよ?他からそんな基本的なこと聞かされるって。そりゃ、私だって拗ねたくもなるよ」

    「慰謝料として今度なんか美味しいもん奢ってよ」
    そう続けようとしたけどやめた。
    凄く悲しそうな顔をしたから…

    「ほんとは知られたくなかったの…隠しておきたかった…千尋にだけは…」
    「なんで…?」

    それには答えず、綾子は前を向いたまま話し出した。

    「私はバイなんだけど、同じバイの人の中に彼氏もいるけど彼女もいるっていう人たまにいるでしょ?私はそういう人昔から理解できなかったんだよね。男と女の違いはあっても二股かけてるって事と変わりないじゃない?結局二人とも本気で愛してないんだって、そう思うの。だから私はそういう人嫌いなの…。軽蔑してた…」
    「うん」
    「でも…でもね…」

    自分を落ち着かせるように、綾子は口を手で覆って、大きく息を吐いた。その手は微かに震えていた。

    「私は今からひどい事を言うけど、聞いてほしいの。それが私の本心だから」
    「うん」
    「私は夫を愛してる。彼は優しいし誠実だし不満なんてない。その気持ちは結婚を決めた時から変わってない。私たちは一生連れ添っていくんだと思う…」

    鼻の奥が熱くなってきた。涙が出そうになるのを必死でこらえた

    「でも止められない。どうしたらいいか分からない…私はずっと軽蔑してきた人たちと同じなの。自分が許せない…」
    「綾子…」
    「私はあなたを愛してる…少し距離を置かれただけで気が狂うほど寂しかった…自分ではどうしようもないほど千尋の事を愛してしまったの…」

    こらえきれずに溢れてくる…

    「私は最低…こんな事言うべきじゃない…選べないのなら…。私はあなたに愛される資格がない…っ!」
    「資格なんて…っ」

    あとは言葉にならなかった…
    何も言わずに抱きしめた

    「でも…千尋に愛されたいよ…」
    私の腕の中で綾子が呟いた

    私だってどうしようもなくあなたを愛してる
    ずっと前から…
    資格なんていらない
    あなたがあなたでいてくれればいい

    お願いします…

    どうか…
    一秒でも長く綾子といさせて下さい

    一生なんて言わないから…



引用返信/返信

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■20784 / 親記事)  題は、要らない。
□投稿者/ 零-Ren- 一般♪(1回)-(2008/04/09(Wed) 19:16:00)

    「あした、早いの?じゃあ、うちに泊まれば」

    何も生まないことなど、初めから、知っている。
    (壊れてしまった機械人形のように)

    さきを考えるのがもうめんどくさくて、いまを必死に乗り越える。
    (ただただとめどなくしゃべり続ける。)


    「なにか…、あ、あるものでよければ」

    料理に愛は必須で、
    それが恋愛の愛ならなおさら甘美だ。

    「…おフロ、どうする?」

    白くて華奢な肢体、この目に触れてしまえばもう、なにもせずにはいられない。
    (分かっていた、だけど、)

    「一緒に、はいる?」

    傷つくのが怖くて、つくった笑みがひきつっている。
    (一度負ってしまった罪なら、もう、もとには。)

    「…ね、ぎゅってしてもい?」

    「ちゅぅ、してもいい、」

    「拭いてあげるから、やっぱりベッドで、ね?」

    「ほら、ねえ、あったかいよ」


    (墜ちていく闇。)



    *Fin*
引用返信/返信



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■12635 / 親記事)  (削除)
□投稿者/ -(2005/09/02(Fri) 22:00:28)
    この記事は(投稿者)削除されました
引用返信/返信

▽[全レス2件(ResNo.1-2 表示)]
■12636 / ResNo.1)  
□投稿者/ 鈴 一般♪(2回)-(2005/09/02(Fri) 22:37:08)
    コウとの出逢いは某バンドのファンサイトの友達募集の書き込み。
    初めてメールをやりとりしたときはお互いノンケで、女に興味があるはずもなかった。

    俺が女に興味を出したのは、別のメル友ルリの「バイ」であるというカミングアウト…だった。
    BL好きである自分は、同性愛者に偏見なんてないつもりでいた。だが、そのカミングアウトは衝撃で…ルリが自分の彼女のノロケ話をするのにも一歩引いている自分もいた。
    一方で、女同士という未知の世界への興味も出てきて、メールエッチみたいなこともルリとしてしまった…



    ルリ「鈴、彼女にふられた…」
    鈴「何があったの?」
    ルリ「……」
    メールという手段が便利である反面もどかしいと思った。
    大切だと思えるようになった友達との距離が遠くて、慰めることもできない。
    鈴「…(抱きしめる)」
    メールに行動を書き、せめてルリにしてあげてるつもりになる。
    ルリ「鈴…(抱きつく)」
    鈴「よしよし…(頭を撫でる)」
    このやりとりだけで終われば、俺は一線を越えることもなかったんだ…。(俺が「俺」と使うのは方言みたいなニュアンスだ。タチって意識は今までまったくなかったから)
    ルリ「抱いて?///(上目遣い)」
    鈴「えっ?…うん////」
    ノリでOKしてしまった。
    このあとのメールは割愛する。ようするに、メールセックスもどきをしてしまったのだ。


    これで味をしめた俺は誰かれかまわずそのメールセックスもどきを試みて、大抵は始まる前に終わったのに、コウだけはそのままヤってしまったのだ。
    でも、コウと付き合うとかそんな意識はまったくなくて、コウもノンケだったはずだし…と安心していた。
    俺は逢うこともないルリととりあえず付き合うことになっていたのだ。

    だが、一度だけのコウとのメールセックスもどきから数日経った日のこと…

    コウ「ねぇ、あたしたち付き合ってるんだよね?」
    それは否定できないような尋ね方だった。
    鈴「そうだよね?」
    コウ「よかった。あたしだけかと思ってた。友達に相談したら騙されてるんじゃないかって…」
    どうやら、コウは俺を男だと言って、友達に相談したらしかった。
    その時点で、友達の助言は正しかった。
    俺はコウと付き合ってるつもりはなくて、彼女はルリだったのだから。

    こうして、俺はメールしかしてないとはいえ、二股をすることになった。その二股を解消したのは、それから約11ヶ月後。


    (携帯)
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■12637 / ResNo.2)  
□投稿者/ 鈴 一般♪(3回)-(2005/09/02(Fri) 23:22:14)
    俺は優柔不断で最低なやつだった。

    俺がルリを振って、コウを選ぶきっかけはコウに実際に逢ったことだった。

    正直、コウに嫌われるつもりで逢いに行った。素の自分をさらけ出せば必ず嫌われるだろうと。
    振る勇気がないから、振られるつもりだったのだ。

    メールのやりとりしていたとき、自分に優しくしてくれたのはルリで、厳しかったのはコウだった。だから、コウが苦手になっていた。
    今思うと、苦手なだけじゃなく、惹かれてもいたんだと…気づいた。

    これからコウと逢ったときのことを伝える…。



    ゴールデンウィークを利用して、俺と母親で旅行に行くことになった。旅行先にはコウがいる。母にはコウはメル友だと伝えており、特に問題はなかった。
    秋田から名古屋まで…遠すぎる距離。母がいるのは俺にとって吉か凶かよくわからなかった。

    「コウ、待たせたぁ!」
    待ち合わせ場所に着くなり、俺はコウに抱きついた。まるで、久しぶりに旧友と再会したみたいに。
    「やめれ」
    母がはしゃいでる俺を注意する。
    一方、コウは呆れた態度。そして、離れると冷めてるみたいな様子。メールではよく甘える子なのに…嫌われるつもりできたのに、傷ついてる自分がいた。

    目的地に向かうバスの中。
    そこにもはしゃいで空回る自分と冷めてるように見えるコウがいた。
    「あのさぁ…んだべ?」
    「秋田弁わかんないから」
    興奮して標準語がうまく話せなくなる俺。呆れたコウ。
    最悪な気分だった。隣の人と意志疎通ができないのはこんなにもつらいことだと初めて知った。
    焦れば焦るほど標準語がうまく話せなくなる。初めて日本にきたアメリカ人の気持ちってこんなものだろうか?と思う自分がひどく滑稽だった。
    楽しいはずの旅行も全然楽しくない。

    目的地に着いても俺の空回りは続き、コウがトイレに行ってる間に母と「二人きりで行動すればよかったな」という会話までしてしまった。母にも、俺の空回りの様子ははっきり伝わっていたのだ。まさに俺はこのとき、コウがいなければ親子水入らずの楽しい旅行になっていただろうなと思ってしまっていたのだ。

    そして、その日の夜。母はホテルに泊まり、俺はコウの家にお世話になることになっていた。

    「すげぇ…」
    彼女の家を見ての第一声がこれだった。
    彼女は俺にとって金持ちだった。家の中をちょっと見ただけで、身分差を感じて悲しくなった。



    (携帯)
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