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■19941 / 親記事)  短編 ==蒼菜と先輩==
□投稿者/ トマトマト 一般♪(1回)-(2007/09/01(Sat) 14:06:45)

    明日、海行こう。
    そんな風に誘ってきたのは一年上の

    田畑マキネ先輩。

    私の想い人なんです。


    「花ちゃんと三人でさぁ」


    一瞬、ドキン、、
    高鳴った心臓が急速に落ち着いていきました。

    分かっているんです
    先輩は、私の親友
    花ちゃんをスキだってこと、、

    あーあ、これで何度目でしょう?
    期待を裏切られたのは

    「無理かな、、?」

    先輩の困ったような、どこか拗ねた感じのこの表情に
    私は、またドキリと胸を弾ませました。

    「ぜ、是非っ」



    先輩にどうにかなっちゃってます。私





引用返信/返信



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■19815 / 親記事)  二度目の恋
□投稿者/ はる 一般♪(1回)-(2007/08/21(Tue) 00:18:14)
    2007/08/21(Tue) 00:57:39 編集(投稿者)

    はじめて書くのでへたくそですがよろしくお願いします。

    性同一性障害のお話なので男性的な表現があるかもしれません。すみません。


    実話がもとです。

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス24件(ResNo.20-24 表示)]
■19857 / ResNo.20)  S
□投稿者/ はる 一般♪(21回)-(2007/08/22(Wed) 17:06:24)

    食事も終わってのんびりした後ぼくらは夜のトライブに出かけた。
    音楽はサキが好きで僕も好きになった歌手のものをかけた。


    ハル「明日仕事って何時?」

    サキ「うん。8時くらいにでれば間に合うからゆっくりだよ!だから泊まってって。」

    ハル「8時か、うちもそんくらいだ。じゃあ泊まらせてね!」

    はなしている間ぼくは隣のサキを見ることが出来なかった。
    これは夢なんじゃないか、見たら消えて無くなってしまうんじゃないかって思った。


    ハル「サキ、手」

    サキ「んっ?」

    ハル「つなごうよ…左手寂しい。」

    サキ「相変わらずだね、寂しがりなの。」

    ハル「うるせー。」


    サキの手は少し冷たかったけどぼくの手の暖かさですくにわからなくなった。

    (携帯)
引用返信/返信
■19858 / ResNo.21)  21
□投稿者/ はる 一般♪(22回)-(2007/08/22(Wed) 17:34:39)

    海に着いた。
    砂浜まで行くと風が肌寒くて僕はサキを後ろから抱きしめた。

    サキ「…何か今のドキッとした。」

    ハル「だって寒いじゃん。こーすれば暖かい!」

    サキ「ハルってさ、声も見た目もだいぶ変わったのに子供っぽいとこ変わらないよねー(笑)」

    ハル「どーいう意味だよ?」

    サキ「ガキだね(笑)」

    ハル「ひどいよー」

    サキ「はははっ(笑)」


    サキはすごく楽しそうで、ぼくは幸せいっぱいな気持ちになった。


    ハル「…サキ。」

    サキ「んっ?」

    振り向いたサキにキスをした。そして、こう言った。

    ハル「うちさ、マジ大好きだから。愛してっから。一生一緒にいて。」

    サキ「…うん。早いね、つき合って二日でプロポーズだね(笑)
    ハルが好きってはっきり言ってくれたのはじめてだよ。」


    海の風はかなり冷たかったけどぼくらは暖かくてたまらなかった。

    ハル「帰ろう!」

    サキ「そだね。」

    (携帯)
引用返信/返信
■19860 / ResNo.22)  22
□投稿者/ はる 一般♪(23回)-(2007/08/22(Wed) 19:02:23)
    家についたのは日が変わったくらいで結構ながい時間たっていた。
    サキは助手席で寝ていてその寝顔は昔のまんまだった。

    ハル「サキちゃんついたよー。」

    サキ「ごめん寝ちゃった。」

    ハル「いいよー寝顔みれたから♪」

    サキ「…最悪ー。」

    そういって少し赤くなっていた。
    部屋に入りテレビを見てしばらくゆっくりしていたら、

    サキ「お風呂はいろっか。」

    ハル「うんー。サキ、先にはいってきな!」

    サキ「…一緒にはいろ。あっ、恥ずかしいとかなしだから!」

    ハル「えぇっ!?まじで?」

    サキ「はやく、先はいるからきてよ。」

    そーいってサキはいってしまった。
    参ったなぁー…。

    (携帯)
引用返信/返信
■19861 / ResNo.23)  23
□投稿者/ はる 一般♪(24回)-(2007/08/22(Wed) 20:16:49)
    服を脱いで中に入った。
    サキはシャワーにあたっていて、アロマキャンドルの薄明かりのなかに浮かぶ姿はすごく綺麗だった。

    一瞬目があったが僕はそらしてしまった。

    サキ「なんでそらすのー。」

    ハル「綺麗すぎてみれないよ。」
    サキ「いいから、おいでよ。」

    そぅ言ってぼくを浴室にひきいれた。
    僕は後ろからサキを抱き寄せた。

    サキ「後ろから好きだね。」

    ハル「恥ずかしいんだよ。サキが綺麗すぎて…」

    サキ「…ハル、あたしシタいよ。」

    そう言って振り向くとキスをしてきた。
    キスはすぐ熱いものに変わった。
    ぼくが舌を絡ませだすこサキは必死においかけてきてくれた。ぼくは胸を愛撫し、サキは必死に声を押さえていた。

    ハル「声、我慢しないで…」

    サキ「…んっ、恥ずかしい…あっ…」

    サキはぼくの顔を上げてキスをしてきた。ぼく手は下へ下がってサキのクリに振れだした。


    サキ「…あっあっ…そこ…やだ…」

    ハル「…嫌?やめる?」

    サキ「…やめないでっ…」

    ハル「うん。…もぉ欲しい?」

    サキ「…んっ…欲しっ…」

    ハル「わかった。」

    ぼくは指を入り口まで進めた。

    (携帯)
引用返信/返信
■19862 / ResNo.24)  初めまして
□投稿者/ 鷹司悠悧 大御所(323回)-(2007/08/23(Thu) 01:45:36)
    23のほうが開けないのでこちらから…

    初めまして。鷹司悠悧と言います。
    素晴らしいハイペースで書いていらっしゃいますね^^

    読みやすくて続きが楽しみです。
    応援しています。
    頑張って下さいね。
引用返信/返信

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■19781 / 親記事)  距離
□投稿者/ 杏 一般♪(1回)-(2007/08/17(Fri) 12:14:37)
    2007/08/17(Fri) 12:16:57 編集(投稿者)

    作者・杏から読者様に

    はじめまして。
    文才がない為、読みにくい部分が沢山あると思います。

    下手なりに一生懸命書きますので、よろしくお願いします。



    <内容紹介>

    男女の恋愛に限らず、同性同士の恋愛も含めて…恋愛をする時、お互いの距離は近いほうがいいのだろうか?







    この話は、日本でただなんとなく学生をしている女の子<美来瑠>と、米国に留学して自分のやりたかった事を一生懸命やる女の子<巴菜衣>の恋愛の話である。

    距離だけでなく13時間の時差もあるため、お互いに連絡をとれる時は限られている。


    そんな状況で、二人の恋愛は上手くいくのだろうか…?





    障害だと思っていた距離が二人を成長させるきっかけになった、遠距離恋愛ストーリー。
引用返信/返信

▽[全レス6件(ResNo.2-6 表示)]
■19786 / ResNo.2)  距離2
□投稿者/ 杏 一般♪(1回)-(2007/08/17(Fri) 23:49:56)
    2007/08/18(Sat) 00:00:31 編集(投稿者)

    巴菜衣が受験をする為にアメリカへ発つ日、私は重い気分で成田空港まで見送りに行った。



    「じゃあ、行ってくる」

    「…うん、いってらっしゃい」


    巴菜衣の顔が見られない。




    ここは、応援してあげないといけないのに…。


    「頑張って」という言葉がでない自分にいらついて、涙が出そうになったその時…


    「美来瑠…」

    巴菜衣の声が聞こえたのとほぼ同時に、私は巴菜衣に抱きしめられた。



    「ごめん…あたし、自分の事でいっぱいいっぱいでさ。お前が悩んでるの知ってたくせに見ないふりしてた」

    「巴菜…」

    「ごめん、悩んでるお前を置いてアメリカに受験しに行ったりして…」


    巴菜衣の言葉を聞いて、私は罪悪感を感じた。



    巴菜衣に謝らなければいけないのは私の方だ。



    一生懸命頑張ってる巴菜衣を悩ませていたなんて…




    「ごめん、私…巴菜衣が帰って来るの待ってるから。」

    「ん、サンキュ」

    「頑張ってね!気をつけて行ってきてね!!」

    「はいはい(笑)」

    「あ、え…と、帰って来てから…悩み聞いてくれる??」

    「おう、任せとけ(笑)
    あ、そろそろいかないと…」



    次々と搭乗していく人達を見て、巴菜衣が苦笑いをする。



    「…行ってきます」

    「行ってらっ…」


    最後まで言い切る前に、巴菜衣にキスをされた。


    「巴菜ぁ…」

    「泣くなよ(笑)永遠の別れじゃないんだからさ!
    じゃあ行ってくるから!」



    思わず泣いてしまった私の頭をポンポンと撫でると、巴菜衣は一度も振り返らずに搭乗口へと入って行った。

    「頑張ってって…言えてよかったぁ」




    私はその後、巴菜衣の乗った飛行機が発つまでその場から離れなかった。
引用返信/返信
■19797 / ResNo.3)  NO TITLE
□投稿者/ 葉 一般♪(1回)-(2007/08/19(Sun) 00:49:50)
    遠距離してる身として興味深いです☆

    更新頑張って下さいね!!
引用返信/返信
■19801 / ResNo.4)  ☆葉さんへ
□投稿者/ 杏 一般♪(3回)-(2007/08/19(Sun) 18:56:10)

    感想ありがとうございます(*´艸`)ゥフフ
    遠距離恋愛してるんですかぁ…
    私とおんなじですね♪


    遠距離恋愛してる同士、お互い頑張りましょうね☆
    忙しくて更新遅いですがよろしくお願いします!

    (携帯)
引用返信/返信
■19802 / ResNo.5)  距離3
□投稿者/ 杏 一般♪(4回)-(2007/08/19(Sun) 19:30:16)


    それから数日後。

    「ただいま」

    アメリカで大学受験を終えた巴菜衣は、まぶしい笑顔で日本に帰って来た。


    「おかえりなさいっ♪」

    数日しか離れてないのに会えて嬉しい。
    嬉しさのあまり巴菜衣に飛び付く。


    「はいはい、お前は犬かよ?(笑)」

    「巴菜衣に会えたから、犬でもなんでも構わないよvV」

    「ってか、そんなんであたしが受かってアメリカ行く事になったら大丈夫かよ?(笑)」

    「…あ」


    巴菜衣に会えた嬉しさで、その事をすっかり忘れていた。






    「…ま、まだ受かるかなんてわかんないじゃん」

    「そうだけどさー(笑)結構手応えあったよ」

    「……。」


    巴菜衣に会えて嬉しかったはずなのに、そんな気持ちではなくなってしまった。





    「…美来瑠??」

    黙り込んでしまった私に気が付いて、巴菜衣が私の顔を覗き込む。


    「…やだっ」

    「ん?」

    「そんな…寂しい事言わないでよ!」

    「いや…寂しい事って言われても、受かればアメリカ行く事になるんだし」

    「巴菜衣は私がいなくて寂しくないの!?不安じゃないのっ!?」

    「美来瑠…っ」

    「私寂しくて浮気するかもしれないよ!?それでも巴菜衣は平気なんだね!私より勉強を選ぶから大丈夫なんでしょ!?」

    「………。」




    言いたい事だけ言ってハッとした。

    「…まさか、合格して決まる前からそんな風に言われちゃうなんてな。」


    巴菜衣の寂しそうな様子に私は何も言えなくなる。







    「…ごめん、ちょっと距離置かせて」


    巴菜衣は小さな声でそう言ったあと、俯いたまま私を置いてその場を去って行った。

    (携帯)
引用返信/返信
■19804 / ResNo.6)  距離4
□投稿者/ 杏 一般♪(5回)-(2007/08/19(Sun) 19:57:09)


    どうして「距離を置きたい」と言われた時、謝って引き止められなかったのだろうか。




    どうして巴菜衣が受験に行く時は「頑張って」って言えたのに、「受かったらアメリカで頑張って」って言えなかったのだろうか。



    どうして




    どうして?





    家に帰った私は、後悔ばかりして泣いていた。


    巴菜衣は一生懸命勉強をしながらも、私が悩んでる事を心配してくれていたのに。

    そんな巴菜衣に私は酷い事をしてしまったのだ。







    自分の幼稚さが情けなくて悔しかった。

    (携帯)
引用返信/返信

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■17902 / 親記事)  君が教えてくれるもの
□投稿者/ 槇 一般♪(1回)-(2007/02/13(Tue) 02:31:28)
    久しぶりに書いてみました。
    皆さんよろしくお願いします
引用返信/返信

▽[全レス33件(ResNo.29-33 表示)]
■19492 / ResNo.29)  君が教えてくれるもの 22
□投稿者/ 槇 一般♪(9回)-(2007/07/17(Tue) 03:01:33)
    久しぶりに、学校へ行った。
    用を済ませて、帰ろうとしていたらグランドが見渡せるベンチに成瀬がひとりで座っていた。グランドではサッカー部が練習をしていた。
    夕方のこの時間、少し気温が下がって過ごしやすくなっていた。練習の声を聞きながら本を読むのが好きだと昔、成瀬から聞いたことがあった。

    「成瀬」

    本に夢中になっていた成瀬は驚いたように顔を上げて、声の主が私だとわかると穏やかに笑った。
    いつから、成瀬はこんなに柔らかく笑えるようになったんだろう。

    「山本さん、久しぶりですね」

    あの夜から私たちは会ってなかった。私がずっと学校を休んでいたから…

    「うん、ずっと休んでたからね。色々やることあって。」
    「いい加減にしとかないとまた留年しますよって来た」
    「教務?なんで?」

    目の前の練習を見つめながら言った。

    「退学届をね…出してきた。」

    空が赤くなってきていた



    「大学…辞めるん…ですか?なんで…?」

    私はまっすぐに成瀬を見た。

    「私、強くなりたいのよ。あんたみたいに。いつのまにか追い抜かれちゃってんだもん」
    「全然、強くないですよ!!山本さんの方がずっと強い!私はいっつも助けられて…」
    「私は弱いくせにそれを認めたくなくて、強がってただけ。でも、あんたはほんとに強くなったよ」

    私は未だに自分の気持ちを伝えることさえ、できていないんだから…

    「辞めて、どうするんですか?」
    「うん、世界一周一人旅!全然知らない土地をひとりで旅してたら、頑固な私もさすがに強くなるでしょ。ああ、でも、頑固だから一周では足りないかもしれないな」
    「……」

    成瀬は何も言わず、俯いて聞いていた。

    「逃げようって思ってるんじゃないんだよ?私は自分を変えたいの。色んなものを見て、色んな人たちに会って、そこで生活して、いろんなことを感じて…。私は変わりたいの…。世界の果てまで行ったら、なにか見つけられるかもしれない…。それが何なのかはわからないけど…」
    「大学を…辞めてまで…しなきゃいけないことですか?休学にしたらいいじゃないですか…」

    そうかもしれない…
    私は人生を棒に振ろうとしているのかもしれない…

    「逃げ道を作っておきたくないの。ここにやることがあれば、それを理由に逃げて帰ってきてしまう…。一番辛い時、それでもどうしても一歩踏み出さなければいけないときに、進めなくなってしまう…。今までがそうだったから…」
    「どれくらい行くつもりなんです?もう帰ってこないつもりなんですか?」
    「わかんないな…。そんなこといってすぐ帰ってきちゃうかも知れないし、どっかの国でそのまま暮らすかもしれないし…。ひょっとしたら、どっかのスラム街とかで死んじゃったりしてね」

    自分の無計画さにはじめて気が付いて思わず笑ってしまった。
    でも成瀬は、全然笑わなかった。

    「今日会えてよかった。色んな事の整理ついたらすぐ行くつもりだったから、最後に顔見たいなって思ってた」
    「いつ出発ですか?見送り行きますよ」
    「教えない」
    「え…?」
    「絶対こなくていいから!」

    私は断固として言った。

    「……」
    「見送り来られると、行きたくなくなっちゃうから…自分で決めたことでもね…」
    「ねっ」と、成瀬の顔を覗き込んだ。

    「……行きたくなくなるなら……」
    「え?」

    顔をあげて、まっすぐに私を見据える

    「行きたくなくなるなら、行かなきゃいいじゃないですか!」


引用返信/返信
■19493 / ResNo.30)  君が教えてくれるもの 23
□投稿者/ 槇 一般♪(10回)-(2007/07/17(Tue) 03:05:22)
    驚いた…
    自分のことで成瀬の涙を見ることになるとは思ってなかったから…

    「なんで行っちゃうんですか!何で帰ってこないようなこと言うんですか!最後にってなんなんですか!もう二度と会えないみたいじゃないですか!!」

    泣きそうになる

    「行かないでくださいよ…山本さん…おらんようになったら…寂しいやないですか…」

    成瀬に見られないように顔を背けて涙を拭いた。最後に泣き顔なんか見せたくない。

    「な〜に!子供みたいなこと言ってんの!可愛い彼女いるくせに!しっかりしなさいよ!」

    軽く肩をパンチしてやった。

    「せやけど…」

    頭をグリグリとなでまわす

    「随分懐かれたもんだわ、ね?」
    「うっさい」

    鼻をすする成瀬を見ていると、愛しくなって、思わず言ってしまった

    「じゃあ、一緒に行く?世界の果てまで」
    「え?」
    「二人で行こうか…」

    意地っ張りな私に出来る精一杯の告白

    「世界の果てってどこですか?」
    「さあ〜?でもそこまで行ったら人生観変わるよ」
    「そうでしょうね…凄いんだろうな…色んなこと得られるんでしょうね…」

    成瀬の瞳はもうすっかり赤くなった空の、その向こうを見ていた。

    「でも、私は行けない。山本さんと行きたい気持ちはあるけど、私はまだまだここでやらなきゃいけないことがあります。だから…行けないです」

    きちんと私を見てそう言う成瀬が、不思議と嬉しかった。

    「そう、ちゃんとわかってんじゃん。それでいいの。」

    また、頭をグリグリ撫で回す

    「じゃあ、そろそろ行こうかな。準備あるし。」
    「山本さん」

    立ち上がった私はいきなり手をつかまれた。成瀬はつかんだ私の手を支えに立ち上がると、握手の形に握りなおして言った。

    「必ず帰ってきてください」
    「え?」
    「何十年後でも良いです。向こうで永住することになっても良いです。必ず一度は日本に帰ってきて、私と会ってください。私は日本でもっと強くなります。あなたに負けないように。変わった私をあなたに見てもらいたい。強くなったあなたにも会いたい。だから、世界の果てまで行って、何か見つけられたら、あなたが満足できたら、必ず帰ってきてください。待ってますから」

    強く、手を握られる

    「約束してください」

    独りになろうと意気込んでいた気持ちが一気に柔らかくなる

    「わかった。約束する」

    成瀬は嬉しそうに笑った。

    「いってらっしゃい」
    「行ってきます」

    そう言って、手を離し、帰り道を進んでいく。もう振り返らない。
    この道の先に、まだ見たことの無い自分がいる。
    そしてその先には、私を待っていてくれるあなたがいる。

    逃げないように、一歩を踏み出せるように、日本に帰る理由を全て消した。
    そうしなければいけないと思っていた。

    でも、違っていた
    日本に帰る理由を作ってくれた。逃げる場所ではなく、目的地として…
    待っている人がいる…
    それが、一歩を踏み出す力になる。
    そう教えてくれた…


    次に会う時は、どんなあなたが待っていてくれるのか…どんな自分になっているのか…
    だけどせめて…自分の気持ちを伝えられるだけの強さが欲しい…

    あなたの隣にどんな人がいようと…
    あなたが誰を愛していようと…
    私の気持ちに変わりはないと…
    そう言えるだけの強さがほしい…

    きっと伝えるから、強くなって帰ってくるから

    待っていて

    誰を愛してても良いから

    待っていて



    夜が近づく夕暮れの空を、忘れないように心に焼き付けて、目を閉じた。

完結!
引用返信/返信
■19494 / ResNo.31)  ありがとうございます
□投稿者/ 槇 一般♪(11回)-(2007/07/17(Tue) 03:07:26)
    ようやく、完結させることが出来ました。
    応援のコメントいただくと本当に力になります。
    ありがとうございました
引用返信/返信
■19498 / ResNo.32)  。P
□投稿者/ りさ 一般♪(2回)-(2007/07/18(Wed) 21:09:31)
    お疲れさまです☆


    小説読ませてもらいました。素敵なお話しですね。
    最後の方はハラハラしながら読んでました(笑)どっちとくっつくのかな??なんて(>ω<)

    ありがとですP

    (携帯)
引用返信/返信
■19780 / ResNo.33)  お疲れさまでした!今回も面白かったです!
□投稿者/ 七生 一般♪(1回)-(2007/08/17(Fri) 01:56:49)
    こんにちわ。

    久しぶりにこちらにお邪魔したら槇様の新しい小説が更新されていて嬉しくなりました!

    前の作品も読ませて頂いてます!
    今回も、どこか切なくて日常的な雰囲気の作風が大好きです。
    山本さんがとても素敵ですね、ちょっと憧れちゃいます…


    これからも楽しみにしています☆
    頑張ってくださいね!
    ありがとうございました!

    (携帯)
引用返信/返信

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■18868 / 親記事)  キミに伝えたい-2-
□投稿者/ 優貴 ちょと常連(62回)-(2007/05/01(Tue) 23:22:47)
    何故か書き込めなくなってしまったので、新しく立てました。


    続きを書いていきます。

    (携帯)
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▽[全レス50件(ResNo.46-50 表示)]
■19373 / ResNo.46)  クッキーさんへ
□投稿者/ 優貴 ちょと常連(90回)-(2007/07/01(Sun) 02:04:33)
    クッキーさん、こんばんは。


    確認したところ、クッキーさんが書かれていたので間違いないと思います。





    (携帯)
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■19414 / ResNo.47)  キミに伝えたい37
□投稿者/ 優貴 ちょと常連(91回)-(2007/07/07(Sat) 14:45:25)
    2007/08/03(Fri) 02:09:27 編集(投稿者)

    今日はいよいよ体育祭の日。
    私が出場する種目は順番に…800メートル・借り物(人)競争・ダンス(盆踊り)・フォークダンスである。


    ちなみに、私は青団。麻樹と美那は赤団で、晴と華は白団である。


    入場行進が終わり、私が出場する800メートル走が近づいてきた。


    私はじゃんけんで負けて出場する事になったので、正直走りたくなかった。


    「優貴〜!頑張ってね☆」

    スタンバってる私に応援してくれる麻樹。
    (麻樹の為なら何メートルだって走ってみせるさ!)


    いよいよ私が走る番。
    みんなが構えに入った時。

    いよいよスタートだ!


    が、バケツをひっくり返したように、急に雨が降りだした。
    急いで雨宿りしたけど、全身びしょ濡れ…(泣)


    本部のテントに雨宿りさせてもらっていると、晴に会った。


    『あれ?華は一緒じゃないの?』


    濡れた体をタオルで拭きながら話す。
    …タオルはすぐにびしょびしょだった。


    「華は役員で向こうのテントに居るはず。」


    役員用のテントを指差す晴。と、その時


    「あっ、優貴!晴!」


    通りかかった人に話しかけられたと思ったら、麻樹だった。
    雨の中、急いで雨宿り出来る場所を探しているようだっだ。

    『麻樹、濡れすぎでしょ。早くこっち入んなよ!』


    麻樹をテントに入れると、1人はテントからはみ出てしまうようだ。
    仕方ないから、私が半分濡れながら立っていた。


    「雨すごいねぇ。お風呂入ったみたいに髪とか濡れちゃったよ…。」


    麻樹はタオルを持ってこなかったらしく、体操服を絞る。
    私のタオルはかなりの水分を含んでいたが、絞って麻樹に貸した。


    『これ使いな?無いよりマシだから。』


    麻樹はそれを受け取り、「ありがと」と言った。


    …よく見たら、体操服濡れて透けてる。
    いや…別に意図的に見たわけではなくて…たまたま思ったわけで…
    って、誰に言ってんだ!?
    と、兎に角、意識しちゃダメだ自分!


    一生懸命違うところを見ようと頑張る私。


    「優貴、右肩濡れてるじゃん!もっとこっち寄りなよ!」


    麻樹に腕を引っ張られて無理矢理テントの中に入った。
    麻樹にすごく近く…というか、ほぼ密着?


    「少し寒かったから、くっついてて暖かいね♪」


    麻樹は私にくっついてきた。


    ・・・・。


    わざとなのか…?知っててわざとやっているんじゃないだろうな!?


    私の心臓はドキドキしっぱなし。これまでにないくらいドキドキしていたのが分かった。


    …いや、だってスケスケなうえに、密着ですよ?
    喜べ…ドキドキするなと言う方が無理ですから!!


    しかも、麻樹はなんだか楽しげでニコニコしているし…


    可愛いな!おい!!
    どんだけ可愛いんだ…
    って、私ホントに麻樹にベタ惚れだな…///(笑)




    そんな、天国で地獄のような時間はあっという間に過ぎて、雨は止み、再び体育祭は開始された。
    しかし、グラウンドが水浸しだったため、浴衣を着てのダンス(盆踊り)は中止になった。


    …浴衣姿の麻樹を写真に収めるつもりだったのに!!(涙)


    結局、体育祭は雨の影響により午前中で終了した。








    (携帯)
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■19537 / ResNo.48)  Re[2]: キミに伝えたい37
□投稿者/ クッキー 一般♪(3回)-(2007/07/30(Mon) 21:57:03)
    優貴さん、こんばんは!
    さっき、私書箱の方でメッセージ送りましたが、
    「データが一杯のため、書き込みできませんでした」という
    表示が出ました。
    それで、前の分を消して下さったら書き込みできると思いますので
    すみませんがよろしくお願いします。

引用返信/返信
■19540 / ResNo.49)  クッキーさんへ
□投稿者/ 優貴 ちょと常連(92回)-(2007/07/31(Tue) 16:33:30)
    クッキーさん、こんにちは。
    私書箱の、メッセージ削除が出来なかったので新しく作りました(^^;
    番号は14956です。
    お手数ですが、こちらにメッセージを送って下さい。
    それでは、失礼します(*^^*)

    (携帯)
引用返信/返信
■19573 / ResNo.50)  キミに伝えたい38
□投稿者/ 優貴 ちょと常連(94回)-(2007/08/04(Sat) 01:36:56)

    「ねぇ〜優貴。打ち上げ行かん?」


    体育祭が終わって後片付けをしている時に、同じクラスの子に言われた。


    『打ち上げ?どこで?』


    パイプ椅子に付いた泥を雑巾で拭きながら答えた。


    「焼肉屋だよ。優貴も行こうよ〜。」


    正直乗り気じゃなかった。
    お金もあんまり使いたくなかったし、濡れた服を早く着替えたかったから…


    だけど、次の一言で私の気持ちは一変。


    「晴や麻樹も一緒なんだけど…」


    『行く。』


    何のためらいもなく参加決定。(笑)


    そりゃ、麻樹が行くなら絶対行くさ!


    「そぉこなくっちゃ☆」


    友達は嬉しそうに何処かへ行ってしまった。


    ・・・・。まずは麻樹の隣に座って、それから…


    なんて事を考え始めた。


    少しでも一緒に居られるのが嬉しくて、顔がにやけてきた。


    「優貴!」


    麻樹がカメラを持って寄ってきた。
    もしや…私と撮りたいとかか!?


    「ごめんけど、撮ってくれん??」


    あぁ…そっちか…撮る側か(笑)


    『ほれ、カメラ貸して?』

    パシャッと麻樹とその他数人をシャッターにおさめた。


    「ありがと♪ね、優貴も撮ろ?」


    そう言って麻樹は私の隣に並ぶ。


    カメラを渡された(もちろん私の分も)友達が「はい、チーズ☆」と声をかける。


    慌ててポーズをとろうとした時、肩にポンッと何かがあたる。


    …ま、麻樹の頭が肩に!!!!!


    一気に顔は真っ赤に。







    パシャッ!








    そのまま写真におさめられました…。







    ちなみに、現像してみたら…
    自分幸せそうな顔(笑)


    というか、ニヤケ顔(笑)


    現在その写真は部屋に飾ってます(○´∪`)


    写真見ると、私本当に麻樹を好きなんだなぁって思った。





    (携帯)
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