■15579 / ResNo.53) |
Re[27]: たった一歩の恋
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□投稿者/ ブルー 一般♪(44回)-(2006/08/02(Wed) 21:22:58)
| 2006/08/04(Fri) 18:38:51 編集(投稿者)
「矢口さーん!」 「はい」
男の声…
「もしかしてやぐっつぁん誰かと一緒なの?」 「ちゃうちゃう。今自分の楽屋にいてさ、今度やる劇団公演のリハやってんの ちょっと待っててすぐ戻ってくるから」
ガタッ
っという音とともにばたばたとやぐっつぁんの足音が聞こえる 無音の空気が続くと私の心はしぼんだ風船のように言いようのない不安が広がって ハァ・・ ため息一つ
「なんで梨華ちゃん達の為にこんな自分必死になってんだろ?」
窓の外では車の音とそれに伴う信号機の軽快な音 そして夕焼け。 ここからじゃ自分より高めな位置に窓があるから外下の景色まではみえないものの 額縁となった銀色の窓が紅く色づいた夕焼けの空を鮮明に映し出していた。 携帯のディスプレイを覗くと6時半を回っている
ここ・・・どこだろ・・・
モーニングの・・・楽屋・・?
中からメンバー達の・・声がする なんだ、もうみんな集まってたんだ
ガチャッ
「吉澤だけ置いてきぼりかよー!・・??」
誰もいない・・
イヤ、違う・・誰かいる・・
あれは・・・
「梨華ちゃん・・・。」
どうしてこんなとこで寝てるんだよー??
畳の中央で寝そべる梨華ちゃん。
またみんなに怒られるぞーぉー
(みんなって 誰だっけ・・・)
呼んでも返事は無し
「おーいり・かちゃん!」
ピクッ
蠢く頬、ピンクのカーディガンに白のワンピース、もそもそと動く体がちょっと霞んで見えて急いで目を凝らす
仕方ない・・揺すって起こすか
靴を脱ごうとする・・のに・・脱げない・・・
足元には複数のありとあらゆる 靴・・靴・・靴・・靴
もがけばもがくほど絡んでくる靴紐
なんだ・・これ・・
「なんで」
突然の声 スローモーションにしか動けない自分の目が据えたのは
梨華ちゃんを抱き起こしているごっちん
梨華ちゃんの目蓋はピクピクと動き、目覚めようと体を微かに揺するが
ごっちんが抱いてる腕に力を込めると
また、深い眠りに落ちてしまった。
「邪魔するの?」
「・・・」
「入ってこないで」
そのままごっちんの顔が梨華ちゃんの顔に近づく・・・
「だ・・だめッ!」
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