ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■18836 / 親記事)  お題小説 7.3
□投稿者/ 昴 大御所(372回)-(2007/04/29(Sun) 18:11:19)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    お題小説7に何故だか書き込めませんので
    新スレ立てました
引用返信/返信

▽[全レス94件(ResNo.90-94 表示)]
■20073 / ResNo.90)  恋愛の法則
□投稿者/ さやち 一般♪(1回)-(2007/09/23(Sun) 15:26:52)
    想いが伝わると不安になって

    その不安を消すために色々駆け引きもしたこともあった。

    その時はそれも楽しかったけれど

    ルールを無視した恋に 心が痛くなってきた。

    でもその頃の自分を今は後悔しない。

    恋愛の法則 それは自分で決める。

    心の痛みは癒される事もなく

    それでも傷ついたままで始まる恋があったとしても


    いつまでも恋する気持ちだけは

    忘れないでいたい。


     ====================
    次のお題は『空港』で。

    (携帯)
完結!
引用返信/返信
■20074 / ResNo.91)  空港
□投稿者/ みん♪ 一般♪(3回)-(2007/09/23(Sun) 22:40:57)
    2007/09/23(Sun) 22:50:16 編集(投稿者)



    あなたを迎えに行く時はー



    これからあなたと過ごす僅かな時間を思い、
    いろんな期待で誰よりもしあわせそうな顏をしているだろう…




    あなたを見送る時はー



    離れ離れになる現実と
    夢のような時間の終りをなかなか受け入れられず、
    誰よりも悲しい顏をしていると思う…




    空港にはいつもどちらかの私しかいない。



    天国であり地獄にもなる。



    だから…
    あまり好きな場所ではかもしれない。




    あなたを見送る時のさびしさは……



    いつでも身をきられるような思いです…。



    ★〜★〜★〜★〜★〜★〜

    みんです♪


    思いきり今の私の心境です(笑)


    次のお題は『サプライズ』でお願いします♪

    (携帯)
引用返信/返信
■20081 / ResNo.92)  サプライズ
□投稿者/ ゆらら 一般♪(1回)-(2007/09/24(Mon) 06:15:42)
    2007/09/25(Tue) 05:21:24 編集(投稿者)

    「やべぇ〜。大事な商売道具、落としたー!」

    かなり焦った様子で公衆電話BOXに僕は飛び込み

    電話の上にそなえ付けてある鏡でこんな時でも自分の髪を直しながら

    090−ピッ・ポッ・パッ・ポッ・ピッ・ピッ・ピッ・ピッ・と

    電話をかけた。トゥルルー・トゥルルー・・音はするが誰も出ない。

    (頼むー。無事に戻って来てくれー。)僕は心の中でそう願っていた。

    「カチャ・・あのぉ・・」(おっ!女の子の声だ!ラッキー♪)

    「あっ、それ僕の携帯だから!拾ってくれてサンキュ〜♪

    悪いけど持って来てくれる〜今すぐに。場所は○○駅の○○カフェで♪

    んじゃっ、よろしく〜♪」

    相手に有無も何も言わさずに僕は切ってしまった。

    そして足早に電話BOXを出て待ち合わせのカフェへと向かった。

    カフェの自動ドアがゆっくりと開く。「お1人様ですか?」

    「いや、お2人様です(笑)」どうでもいいようなジョークを言って

    店員に不信がられながらも外がよく見える場所へと勝手に座った。

    (ふぅー助かった。あれがないと仕事にならないからなぁ〜。

    絵梨奈にも電話をしなきゃいけないし・・。)

    僕はタバコをふかしながら、ふと思った。

    そういえば、どんな「女の子」がここに来るんだろう・・。

    そしてはっ、とした。

    (やべぇー僕も彼女も相手の顔を知らないのに待ち合わせってー(笑))

    速攻、僕は又お店に置いてある電話で自分の携帯にTELをかけた。

    お店の隅の奥の方で僕の着信音が鳴り響いている。あそこだ。

    僕は電話を切り一目散に音のした方へと走り寄った。

    「君が拾い主?」「は、はい・・。」

    「座っていい?」「あっ、はい・・。」

    僕は椅子にどかっ、と座った。

    「お困りかと思いまして・・これ・・。」

    そっとテーブルに差し出すように置かれた僕の携帯電話がそこにはあった。

    「ありがとう。お礼に何かおごるよ?コーヒーでいい?」

    「いえ、あのぉ・・」「すいませ〜ん。コーヒー二つね。」

    僕はニコニコ顔で彼女の顔をゆっくりと見た。

    (ん?どっかで見たような・・見てないような・・。)

    そんな不思議な懐かしいような感じのする女の子がそこには座っていた。

    「ねぇ、僕の事、知ってる?僕に会った事、ある?」

    僕は妙に気になったので単刀直入にたずねてみた。

    彼女は少し恥じらって微笑みそっとうなづいた。

    (なんだ、お店に来てた子かぁ・・でも覚えてないなぁ・・まっ、ぶっちゃけ

    接客したお客様を全員覚えているとは言い切れる訳でもないしなぁ・・。)

    僕は心の中で、ああでもない、こうでもないと、つぶやいていた。

    「あのぉ・・」彼女が僕に優しく話しかけてきた。

    「お砂糖一つにミルク多めでいいんですよね?」「うん。そう。」

    そう答えると彼女は僕のコーヒーに砂糖とミルクを入れた。

    僕はそれを受け取り、コーヒーを喉に注ぎ込んだ。

    (んっ?なんで僕の好みを知っているんだぁー?店でコーヒーなんて飲まないのに?)

    気になる気持ちを抑えて僕はもう1つ知りたかった質問をした。

    「ところでどこに置いてあったの?僕の携帯・・」

    彼女はくすっと笑って「ここの真向かいのパスタ屋さんの化粧室の鏡の前です。」

    と答えた。「ええええええええーーーーーーー?そこ?!」

    僕は驚いた。だってそこはさっき探したばかりの場所だったから。

    確かに僕は鏡の前で髪の毛を直していたりしたのだけれど・・。

    彼女がくすっと又笑った。そしてこう言った。

    「センパイ変わってないですね。ドジな所もあわてんぼうな所も。

    よく忘れ物をする癖(くせ)も。あの頃と同じで懐かしいです。」

    (ええええええええええええええええええ?!センパイ?誰?君ー?!」

    僕は、はてなマークのオンパレードの嵐に飲み込まれそうになっていた。

    「ちび、です。センパイによく守ってもらっていた病弱な女の子だった。」

    「ちびー?!」

    「さっきパスタ屋の化粧室ですれ違ったんです私達。

    黒髪ロングヘヤーの「ごきげんよう」が口癖(くちぐせ)な

    微笑みの生徒会長のセンパイとはうって変わって、今はボーイッシュだったから

    最初は気が付きませんでした。でも電話の声ですぐ分かりましたセンパイだと。」

    彼女が僕を甘く見つめて優しく微笑んだ。

    僕の女子高時代が鮮やかに蘇り今、目の前にいる女の子の笑顔が昔見た笑顔と重なった。

    「太ったね(笑)」「センパイ!ひどい(笑)」僕はちびを昔のようにからかった。

    懐かしいのは当たり前、初恋の人だったんだもの僕の。

    あまりの淡い初恋だったからちょっと記憶の外に忘れて来ちゃったけど(笑)

    お互いの姿、形が変わっても あの頃の気持ちがとめどなく鮮明にあふれ出してくる。

    まさしくこれが時を越えたサプライズ。

    そして僕らはこれをきっかけに付き合いだした。初恋を実らせたサプライズとして。

    「センパイ、健康美ですってばぁ〜。」「トンちゃん♪」「も〜!(笑)」

                              END

    又又長文すいませんm(_ _)m今回は僕目線で創作してみました。


    次のお題は「栗ご飯」でお願いします。
引用返信/返信
■20115 / ResNo.93)  本音
□投稿者/ ゆー 一般♪(1回)-(2007/10/01(Mon) 05:47:43)
    幼なじみ秋とぼくは大人になった今でもよくつるむ。

    秋「おぃー今の話きいてたー?」

    佑「んー聞いてた。」

    秋「嘘ばっか。佑このごろ変だよ、なんかあったでしょ?」

    佑「なんもー」

    秋「うそだ!何してても上の空でぼーっとして。あたしの顔ばっ見てるしさー。あたしのことすきになっちゃったの?(笑)」

    佑「…んなことあるか。」

    うそです。
    ホントは好きだ。
    いや、むしろ愛してる。


    これは誰にも言えない本音。







    つぎは「小指」でお願いします。

    (携帯)
引用返信/返信
■20116 / ResNo.94)  小指
□投稿者/ 映美 ベテラン(226回)-(2007/10/01(Mon) 09:47:20)
    『お待たせ〜カフェモカ!』


    ふたつ持ったカップから
    甘いモカのかおりがこぼれてる


    「サンキュ〜」


    カップを持つあなた
    小指だけまたういてる


    …ふふっ 癖なんだね


    『ん なに?』


    私の笑う顔にキョトンと首を傾げる



    「あっ ううん なんでもない 指がきれいだな〜って思ってさ」


    何気に小指に触れる


    あなたは照れ笑いを浮かべ
    キレイなネイルアートの小指だけ立ててかざす


    『きれいでしょ』


    「うん・・」


    『ねっ…指きりしよ』



    あなたのきれいな小指がわたしの小指に絡まる


    「ん…?指きりって なにか約束でも?」


    『も〜鈍感(笑)』


    「鈍感だね あはっ」


    あなたの笑顔にうなづきながら


    心でつぶやく


    絡めた小指に誓う


    これからもずっとあなただけ見てるよ



    ***************



    次は【約束】でお願いします^^






引用返信/返信

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■18565 / 親記事)  10年間 -プロローグ-
□投稿者/ sakura 一般♪(1回)-(2007/04/09(Mon) 03:08:59)
    ・・・確かに。
    元々、どちらかといえば、女の子の方が好きだった。

    最初にテレビであこがれた芸能人は、たしか幼稚園の時。
    しかも、あの、白いドでかい羽を広げて日本語で歌う外国人(笑)

    男の子に恋をしたような気もする。
    確か、小学校2年生の時。初めてチョコを渡した。
    でも、周りにつられて。なんとなく、自分もそうしなきゃ!・・・みたいな。

    どうしようもなく目がいってしょうがなかったのは、小学校4年生の時。
    音楽の先生にヒトメボレした。
    ものすごい厚化粧のオバチャン(笑)
    でも、「先生のことがとっても好きです」という手紙を
    誰もいない早朝、職員用の下駄箱につっこんだ。
    ・・・なんつ〜アグレッシブな小学生(笑)

    授業中、それぞれがリコーダーをピーヒョロ吹いていると、先生があたしに耳打ちした。
    「放課後、音楽室においで♪」
    そんで、先生から、なにやらラブレター(?)のお返事(??)をもらった。
    大人になっても、先生とは今でも会っている。
    いかがわしい関係は一切ない(苦笑)。

    中学生になって、またしても音楽の先生にヒトメボレ。しかも当時28歳♪
    その先生に会いたいがために、合唱部に入部した。
    結局、私を音大の附属高校に進学させるやらなにやらで、その先生とは完璧な
    「師弟関係」に。恋もへったくれもなくなった。
    中学3年の時に、初めて男の子と付き合ったけど、何となく冷めてたし、すぐに
    飽きてしまった。
    音楽の道には進まないことを決意したとたん、美人な音楽教師とも疎遠に。
    彼女は今は2児の母という噂をきいた。

    高校に入ってまもなく、「大人の男」というのと付き合ってみた。
    数学の先生だった。なぜにまたしても教師(笑)
    高校2年生にして、初体験というものを済ませた。
    「ふ〜ん・・・こんなもんか・・・」と思った。

    その頃、女の子の後輩に告白され、なんとなくイチャイチャすることになった。
    初めて誰かといることが楽しい!と思えた。
    女の子の唇はやわらかかった。くすぐったかった。
    でも、抱きしめて、軽くキスをするだけ。ただそれだけで楽しかった。
    結局、ものすご〜〜く遠い大学に進学することになって、その子ともそれっきり。


    結構、恋愛経験は、それなりに場数を踏んでいる。
    そう思っていた。
    大学生になるまでは。

    人を好きになることの「苦しさ」を知らなかった。
    大学生になるまでは。

    たった一人で、初めて訪れたこの場所で。
    思春期から大人になっていく真っ最中の時の流れのなかで。
    まぶしい緑の大地で。
    真っ白な冷たい風のなかで。
    おだやかな青い凪の前で。


    出逢ってしまった。


    ひとつにとけてしまいたいと狂おしく思うほど


    心の底から愛する人に。
引用返信/返信

▽[全レス6件(ResNo.2-6 表示)]
■18672 / ResNo.2)  10年間 -19の夏-
□投稿者/ sakura 一般♪(3回)-(2007/04/17(Tue) 22:59:46)
    −19の夏−

    桜庭病院のデイケアにアタシがボランティアとして通うようになって3ヶ月。
    さすがに北海道といっても、やっぱし夏は暑いんだなぁ〜〜
    駅から病院への道をテクテク歩いていく間にも、汗がつ〜っと流れていく。

    「こ〜んにちわっ☆」
    リースがかかった白いドアを開けると、いつものメンバーが黙々と作業をしている。
    「あっ!!亜紀チャンだ〜!こんにちわ〜〜!」
    最初は、「相手は『患者さん』なんだ」と思って、怖いやら緊張するわでオロオロしてたけど、もうだいぶ慣れてきた。
    「ん〜っと・・・今日はコッチ、手伝いますねっ」

    デイケアのことも、いろいろわかってきた。
    ん〜・・・まぁ、ヒトコトでいうと「リハビリ」みたいなもん?
    料理とか、工芸とか、みんなで運動したり、話し合いをしたり・・・
    とにかく、いろんなことをやって、「社会生活」というものに慣れるのが目的だそうだ。
    ・・・やっぱアタシ、わかってないかも・・・。

    メンバーさんたちと一緒に皮細工をしていると、背後から聴きなれた声。
    「・・・今日は私はこっちにいるから。」
    でたっ!永野先生だ!!

    永野先生は、ここの担当のドクターなんだけど、とにかくコワイ。
    何かわかんないことを聞こうとしても「そんなのも知らないの?」的な目でジ〜〜っとこっちを見るだけ。
    ・・・ううぅ・・・やっぱりこの先生、苦手だぁ。
    極力、話さないようにしよう・・・アタラズサワラズっていうし・・・

    「さん・・・斉藤さん・・・ちょっと!斉藤さん!」
    え?アタシ?ちょっとぼ〜っとしてたっ。。。
    「はいっ?!何ですか??」・・・振り向いてギョっとした。
    「・・・斉藤・・・さんでいいのよね?」
    永野先生だった。
    「は・・・はははっ・・・はいっ!そうででです!」
    「・・・ちょっとこっち手伝ってほしいんだけど」
    おわ〜〜〜!よりによって永野先生・・・まさか「イヤです」なんて言えるわけもなく(ToT)
    「はいっ!わ、わ、わかりましたっ!」あわてて奥の部屋へ向かう永野先生を追いかける。
    ・・・どうしてこんなに胃がいたいんだ?・・・はぁ。

    デイケア室の奥に、小さな部屋があって、机と椅子が二つ、二人くらい座れそうなソファー、本棚が置いてある。
    う〜ん・・・診察室みたいなカンジ?そういえば、ここ入るの初めてかも・・・
    キョロキョロしていると、永野先生が「ちょっと!このダンボールおろすの手伝ってちょうだい!」と本棚の前に脚立を置いて登っている。
    ・・・アタシ、「ちょっとっ」って名前じゃないんですけど・・・(−−;)

    それから1時間くらい、書類やらファイルやらの整理を手伝わされた。
    なんかおしゃべりするわけでもなく、ただ黙々と。。。
    汗はタラタラ出てくるし、なんか気まずい空気だし・・・最悪。

    「これで終わり。もう、あっちに戻っていいわよ」
    そ、それだけですかいっ!ちょっと〜・・・
    「ありがと☆」とか「ごくろうさま♪」とか言えないのか?この人!

    なんだか妙にぐったりしてデイケア室に戻ると、みんなでお茶を飲んで休憩中だった。
    「むっちゃん先生にコキ使われた?」ナースの根本さんがクッキーをくれた。
    「むっちゃんセンセイ??あ。永野先生ですかぁ?・・・・・」
    「相当働かされたな。」メンバーさんたちが『かわいそうに』という目で同情してくれる。
    「むっちゃん先生、学生にはホントに厳しいもんねぇ・・・。何人が去っていったことか・・・」
    「ええぇ??学生キラーですかっ?!ど、ど〜しよ・・・」
    「大丈夫だよ〜。亜紀ちゃんと先生は、案外気があうかもよっ☆」
    メンバーさんたちもニコニコしながらうなづいている。
    ・・・んなわけないじゃんよぉ・・・吉野教授の命令(?)じゃなかったら、とっくに逃げ出してるよぉ・・・
    麦茶をゴクっと飲んだら、また胃がキリキリした。

    「斉藤さんっ!来週、朝早くからこられるかしら?」
    背後で永野先生の声がした。
    「うわわっ!あ、あさですか??た、たぶん、だいじょうぶだとおも・・・」
    「じゃ、8時半に。カギはもう開いてる時間だから。」
    永野先生はそういうと、デイケア室の白いドアから勢いよく出て行く。

    「・・・・・」あたしは口をポカーンと開けてただそのドアを見つめていた。
    「ぷっ。亜紀ちゃん、すっかり気に入られたなっ」根本ナースがアタシの方をポンポンと叩く。
    そ・・・そんなぁ・・・。
    アタシが教授から頼まれたのって、実は永野先生の助手?秘書?お手伝いサン?

    頭がクラクラしてきた。
    この胃が痛い日々、いったいいつまで続くんだろ〜〜!
    暑さと緊張感と、胃の痛みと・・・なんだかいろいろで、疲れた。。。

    やっぱ、あの先生、苦手だぁ・・・
    つ〜か、ちょっとばかし美人だかなんだかしらないけど、何様なのよ!学生だからって、バイトできてるわけじゃないんだからっ!アゴで使うのやめてよね〜!

    んも〜〜〜!!!なんなの!あの人!
    いつまでこの「コキ使われ」が続くのか・・・と思うと、気が遠くなりそうだった。。。

引用返信/返信
■19146 / ResNo.3)  10年間 -19の秋-
□投稿者/ sakura 一般♪(2回)-(2007/05/27(Sun) 03:34:46)
    −19の秋−

    札幌の秋は短い。
    なるほど、どうしてこっちじゃ10月に体育祭だの運動会だのしないのかわかった!!・・・既に寒いもんね(笑)
    夏休みは実家でのんびりして、それから初めての試験が終わって、大学の講義も「後期」の日程に入っていた。
    後期は木曜日が一日フリーになるように講義を組んでみた。・・・意外と1年生ってヒマかも・・・。
    そんなわけで、桜庭病院に通うのも、木曜日に変更。
    ・・・つ〜か、後期も永野先生にこき使われまくり決定?めげずについていくアタシも、たいしたもんだと思う。。。

    吉野教授が、いったいぜんたい何をやらせようとしたのかはいまだにナゾ。
    でも、相変わらず朝早くから桜庭病院に行って、永野先生のお手伝いからボランティアの一日ははじまる。
    「これとこれの記録をこっちのシートに写して」
    「これ、届けといて」
    「ここ、片付けといてくれる?」
    ・・・はあぁ。完全に「秘書」状態。。。
    なんでこんなことしなくちゃなんないの〜〜???ってカンジの午前半日。

    午後になると、メンバーさんたちとあれこれ作業をしたりするんだけど、お昼ご飯食べてるといつもため息がでてくる。
    「亜紀ちゃん、大丈夫?なんかタマシイ抜けてるよ?」
    メンバーさんたちが心配してくれる。
    「・・・永野先生のお手伝いって、ホントに胃が痛いんですよ〜〜・・・なんか、いっそのこと『バイトにしてくれよっ!』ってカンジです・・・」
    ちょっとグチグチいいながらおにぎりを食べてたら、根本ナースがコクコクうなづく。
    「むっちゃん先生の秘書だもんねっ!亜紀ちゃん(笑)」
    「なんでこんな目に・・・あうぅ。」
    「でもさ〜、むっちゃん先生とこれだけ長いこと付き合わされる学生さんって、今までいなかったかも。」
    「ええぇ??マジですかぁ?なんでアタシ・・・?」
    「う〜ん・・・『使い勝手がいい』んでしょうね、たぶん。」
    根本さんがなんとも言えない同情の目をアタシにくれる。
    「それにしたって、永野先生、厳しすぎるんですよ〜!秘書ってか、奴隷??全然笑わないし、おしゃべりもしないし、午前中はいっつも胃がキリキリしますよ〜」

    「・・・胃薬でも出しとく?」

    背後から声がして、ギョッとした。
    「なっ・・・なななっ・・・ながのせんせえぇぇ!」
    おにぎりが鼻から出そうになった。
    「今日から、午後はプログラムに参加してもらうわ。ちょうど木曜日だし。1時半になったら、ミーティングルームに一緒に入って。」
    永野先生はそれだけ言うと、またしてもカツカツどこかへ行ってしまった。
    「おぉっ!亜紀ちゃん、いよいよ訓練デビューかぁ。めずらしいねっ1年生で訓練にいれてもらえるなんて!」
    「くんれん・・・なんですか?それ?」
    一緒にお昼を食べていたメンバーさんがニコニコしながらアタシに教えてくれる。
    「おもしろいよ〜!永野っちなんか『まるで別人』なんだからっ」
    別人?よくわかんないまま、アタシの「訓練参加」は始まった。


    ・・・なんぢゃ、これ?!
    どうも、リハビリの一種みたいなんだけど。
    それより何より、目の前でニコニコ、元気よくペラペラしゃべってるあの医者、だれよっ?!
    これまで見たことのない永野先生だった。
    目がすごくキラキラしてて、ものすごい大きな声でしゃべってる。
    「今の雰囲気はすごくいいよっ!もっと笑ってごらん!」
    「みんなはどう思う?」
    「いい感じ!さっきの話し方より、だんぜんこっちの方がいいじゃないっ!ステキよっ!」
    ・・・アタシはまたしてもあいた口がふさがらなかった。

    訓練が終わって、アタシは永野先生あのちっちゃな診察室で二人きりになった。
    「これから、斉藤さんには今の訓練に毎週入ってもらうから。」
    「へっ?アタシがですか?」
    「そう。とりあえずこれとこれ、これも読んでおきなさい。しっかり勉強するのよ。」
    先生は重たい本をアタシにずっしり渡した。。。なんでこんな目に。。。
    「が、がんばりますうぅぅ・・・」なんか、もう、泣きたくなってきた。。。


    途方にくれるアタシをみて、永野先生はアタシの頭をくしゃっと撫でた。
    「あなた、頑張り屋さんみたいだから。大丈夫よ。しっかり指導してあげる」
    先生はそういうと、アタシの目をしっかり見つめて、笑った。
    ・・・初めてアタシに見せてくれた笑顔。
    さっき見た時みたいに、すごくキラキラした瞳だった。
    思わず、アタシも「やってみますっ!」って勢いよく返事をして、笑った。

    ・・・でも、次の瞬間、また胃が痛くなってきた。

    ・・・このずっしりした本、全部読むの〜〜???
    どうなるの?アタシの学生生活?

引用返信/返信
■19147 / ResNo.4)  Re[2]: 10年間 -19の秋-
□投稿者/ 孀コ 一般♪(1回)-(2007/05/27(Sun) 14:21:09)
    sakuraさんへ
    何となく私の感性にはまりました。
引用返信/返信
■19148 / ResNo.5)  Re[2]: 10年間 -19の秋-
□投稿者/ 夢子 一般♪(1回)-(2007/05/27(Sun) 14:23:06)
    sakuraさんへ
    何となく私の感性にはまりました。
    文字化けしてごめんなさい
引用返信/返信
■21405 / ResNo.6)  Re[3]: 10年間 -19の秋-
□投稿者/ 優心 一般♪(14回)-(2011/12/26(Mon) 16:35:06)
    sakura さんこんにちは!10年間の続編が読ませて頂けるのをお待ちしてます!



引用返信/返信

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■13768 / 親記事)  りょうて りょうあし 白い花
□投稿者/ 平治 一般♪(2回)-(2006/02/28(Tue) 07:36:15)


     ふわふわ。

     色素の薄いこどものような髪の毛。

     華奢なからだ。

     ふわふわ。

     きれいな歌声。

     こぼれる息。

     ふわふわ。

     すらりと伸びた手足が

     まるで白い花のよう。


     −−−−。



引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■13813 / ResNo.9)  りょうて りょうあし 白い花 (7)
□投稿者/ 平治 一般♪(10回)-(2006/03/04(Sat) 10:30:33)
     キスがこんなに気持ち良いことだなんて知らなかった。
     私は今まで一人しか経験ないけど、そのひとがしたキスとは全然違っていた。
     やわらかくてふわふわしているような、キス。

    「紗祈は、泣きそうな顔するね」
    「え?」
    「キスした後、泣きそうな顔になってる。ほら、真っ赤」

     そう言って西本さんは私の頬に触れた。

    「泣かないですよ」
    「泣かれたら困るよ」

     西本さんはくすくす笑った。
     私もつられて笑ってしまったけど、驚いて鼓動が早くなった。
     −−−紗祈、って呼んでくれた。

     テスト期間中の三日間、私達はずっとこの【秘密の部屋】でキスをしたり抱き締め合ったり、それから色んな話をした。
     好きな本やテレビのこと、近所の美味しいケーキ屋さんのこと、もうすぐ公開の映画のこと、昨日の晩御飯が好物だったこと、段段寒さが厳しくなってきたこと。
     でも名前を呼んでくれたのは初めてだった。
     彼女自身は何も気にしていないかのようだけど。

    「名前で呼んでくれたの初めてですよね」
    「うん、呼んでみました。・・・もしかして嫌?」
    「いやっそんなことはっ、何でも好きなように呼んでください」
    「好きなように、じゃなくて。どう呼んでほしい?」
    「・・・じゃあ、紗祈と」
    「うん。わかった」

     言わされたような感じだけど、西本さんは満足そうに微笑んだ。
     彼女はそういう風に、自然に、私を支配する。

     −−−−キーン・・・コーン・・・

    「あ、もう終わっちゃったね」
    「本当。あっという間でしたね」
    「早く出よっか」

     これまでの時限のテストで、今期のテストは終わりだ。
     この後のHRが終わったら、全生徒ががやがやと外にあふれ出る。
     それまでに私達は職員室に鍵を返しに行って帰宅する。
     【秘密の部屋】に鍵をかけて。明日からはまた保健室登校だ。

     まだ誰もいない校庭の隅を、廊下を、階段を、並んで歩く。
    「紗祈は手袋もマフラーもしないの?」
    「はい。ちくちくするの好きじゃなくって」
    「でも寒いでしょう」
    「はい」
    「今日時間あったらデパート寄ろうよ」
    「え、今日ですか?」
    「予定ある? まっすぐ帰らないと怒られるかな」
    「そんなこと、ないです」
    「じゃ、いいよね。あたしも欲しいから一緒に見よう。ちくちくしないやつ」
    「はい」
    「じゃ、鍵返してくるね」
     そう言って西本さんだけ職員室へ入ってしまったので、私はその扉のまえで、廊下の壁に背中を預けた。

    「あれ? 藤野さん?」
     嫌な声が聞こえた気がした。
     顔を上げると、目の前にショートカットの女の子がいた。
     もうずっと会うこともなかった私のクラスの委員長だった。
    「あ・・・」
    「藤野さん、久しぶりね。元気そうね」
    「ええ、まぁ」
    「心配だったのよ。あれ以来教室へ来ないし、学校もそのうち来なくなってしまうんじゃないかしらって・・・あることないことみんな言っているし」
    「みんな、なんて?」
    「田中先生の子供でもデキたんじゃないかって」
     わざとらしく心配そうにくす、と笑った。
     私は自分の背筋が強張って、動けなくなるのを感じた。
     こわい。
     こわい。
     どうしよう。
    「ねえ、教室へいらっしゃいよ。みんなを安心させてあげて。『出来てません』って。あ、『もう堕胎しました』かしら?」

     −−−−カラカラ。
     職員室の扉が開いた。
     西本さんが出てきた。
     私が誰かといるのを見て、不思議そうに立ち尽くした。

    「おともだち?」
    「初めまして。同じクラスの五島です」
    「あ、どうも」
    「先輩は藤野さんと仲良くしてくださってるんですか? 良かったわ、新しいところでお友達が出来たみたいで。それじゃ教室に無理して戻ることないわね」
     私は何も言えなくて俯いていた。
    「藤野さん? そんな態度じゃ先輩に失礼よ」
    「いいのよ。放って置いてあげて」
     西本さんが庇うように委員長と私の間に立ってくれた。
    「優しいんですね。もしかして、先輩はあのこと知らないんじゃないですか。こんな人、わざわざ庇う必要ないですよ」
    「なんなの」
    「このひとね、」
    「やめて」
    「どうして? 本当のことでしょう? 先生誘惑して、不倫してたなんて、まともな生徒には考えられないことだけど。あなたのような人にしたら、なんてことないんでしょう?」
    「ちょっと、やめてったら」
    「先生とのことくらいなんてことないでしょう? みんな言ってるよ、他にも援助交際したりしてるって」
    「なにそれ・・・」
     鼓動が早くなるのを感じる。
     委員長は面白がって、次々言葉をつむぐ。
     私は何も言えなくなる。
    「何か言いたいなら言い返せばいいわ」
     何も、言えなくなる。


引用返信/返信
■13814 / ResNo.10)  りょうて りょうあし 白い花 (8)
□投稿者/ 平治 一般♪(11回)-(2006/03/04(Sat) 10:50:40)
    「もうやめてちょうだい」
     ぴしゃ、っと綺麗な声が響いた。
     今まで聞いたことがないくらい、冷たい声だった。
    「それ以上無駄口を叩いて彼女を傷つけないで。行きましょう」
     ぐい、と私の手を引いて、西本さんは歩き出した。
     まるで、初めて【秘密の部屋】へ行った時のように。
     振り返ると委員長が唖然として突っ立っているのが見えた。
     西本さんは校門を出て、駅の方へ向かい、切符売り場にたどり着くまで全くうしろを振り返りもしなかったし、一言も喋らなかった。

    「あのっ」
    「え、なに?」
     西本さんはきょとんとした目で振り返った。
    「どこまで行くんですか?」
     我ながら間抜けな質問だった。
    「あ、えと、三駅だから、170円」
    「あ、私は定期券内です」
     私は西本さんが切符を買うのを待って、一緒に改札をくぐった。
     丁度ホームに着いた電車に乗り込む。
     見慣れた景色が動く車窓を見ながら、つり革に掴まった。
     西本さんはまっすぐ前だけを見て、私の方を見てくれない。

    「軽蔑しますか」
    「本当のことなの?」
    「・・・ほとんどは」
    「先生って」
    「数学の先生の手術入院で、代理で来てた先生覚えてます?」
    「分からない。私の学年には来てなかったと思う」
    「そのひとと、はい」
    「そっか」
    「援助交際ってのは根も葉もない噂です。してません」
    「そっか」

     援助交際はしてないからってなんなんだろう。こんな言い訳をして。
     先生と不倫していたのは事実なのに。
     
     どうやら私と先生のことは他の学年にまで広く知れてはいないようだった。
     代理で二ヶ月だけだった先生だし、そのことで謹慎をくらっていたのも夏休み中だったし。
     それでもこうして、彼女には知られてしまったのだ。

     −−−−ガタンゴトン。
     気まずいよどんだ空気が流れる。

     私はこの空気が怖くて、すぐ傍にあった手を繋ごうと触れた。

     ぱしっ。

     その手は弾かれてしまった。


    「ごめん。今日やっぱりやめとこう」


     元々家とは反対方向の西本さんは次の停車駅で降りて行った。
     その背中をなにもできずに見送ると、私は発車した電車のなかで、人目も気にせず泣きそうになった。ぼろ、と涙がこぼれそうになったので、あくびのフリをしてごまかして目を擦った。
引用返信/返信
■13882 / ResNo.11)  りょうて りょうあし 白い花 (9)
□投稿者/ 平治 一般♪(12回)-(2006/03/14(Tue) 23:34:05)
     気が付くと、見慣れた天井が見えた。
     窓の外は明るくなっていて、時計もちゃんと時刻を読めた。10時50分。
     もう学校が始まっているなぁと思ったけど、私は気にせずベッドにもぐりこんだ。

     そうだ、昨日は我慢して我慢して、感情をおさえこんで歩いてやっと家に着いて、部屋に入るなりうんと泣いて、それで眠ってしまったのだ。
     ずいぶんと長い間眠っていたものだ。

     学校へ行かないなんて久しぶりだ。

     先生とのことがあって以来、私はあんまり学校へは行きたくなかったのだけど、それでも家にいて色々と考え込んでしまうよりは・・・と思って保健室登校していた。
     結構まじめに、毎日通っていたのだ。

     枕元にあった携帯電話を手に取る。
     着信履歴と、メール一通。全部母からだった。
    『学校行った?』
     母はもう仕事へ出ている時間だ。
    『何時でもいいから休む電話しといて』
     そうメールを打つ。

     久しぶりに学校を休んで家にいるのは、手持ち無沙汰で。
     何もすることがないからメールの受信ボックスをひたすら遡って読んだ。
     くだらない、友達とのメールも、顔も本名も知らないメル友とのメールも、夏頃のあの人からのメールもあった。

    『先生じゃなくなっちゃったけど、紗祈とまた会いたいよ』
    『俺のせいでしんどくなるけど、学校頑張って行けよ』

     うっかり開いてしまうんじゃなかった。
     私はまだこのメールを見て懐かしむ余裕なんて、ない。

    『先生元気? ひさしぶりに学校休んじゃった』

     気付けば何気ない風に、メールを送っていた。


引用返信/返信
■14234 / ResNo.12)  りょうて りょうあし 白い花(10)
□投稿者/ 平治 一般♪(1回)-(2006/04/18(Tue) 02:34:05)
     何もない部屋でただぼんやりと。
     携帯電話をチェックしたり、ネットを見たり。
     12時を過ぎた頃、ようやく電話が鳴った。

    『もしもし。俺だけど』
    「先生・・・」
    『どうしたの? 具合悪いの?』
    「違うの、なんか・・・」
    『紗祈は繊細だからなぁ』
    「なにそれ」

     久しぶりに聞いた先生の声。
     嬉しいはずなのに、会話に集中できなかった。
     今は別の仕事をしていて昼休みだったみたいだった。

    『あ、もう行く』
    「うん。いってらっしゃい。頑張ってね」
    『おう。また会おうな』
    「うん。またね」

     またね。なんて。
     先生はきっと、私のことなんか好きじゃなかったくせに。
     奥さんもこどももいて、ただ私の体で遊びたかっただけのくせに。

     少し前の私だったら、延々とループする思考でナーバスになっていただろうけど、今は他のことばかり気になっていた。

     もう離れてしまったひとになら簡単にメールを打てたのに、どうしてかあのひとに自分からメールや電話するのは怖かった。
     きっともう、今更私を受けて入れてくれないんじゃないかな。
     そう思うと、もう。


     rrrr....
     また電話が鳴った。
     保健室の先生だ。
    「ねえ、西本さんもお休みしてるんだけど、おうちにいないって言うのよ。あなた仲良かったでしょう? どこか行ったか知らない?」
    「知りません」
    「そう。連絡があれば教えてちょうだい、親御さんがとても心配していて」


     私はいてもたってもいられなくて、すぐに西本さんの携帯にかけた。

    『もしもし?』
    「ねえ、今何処にいるの?」
    『紗祈にね、会うのがなんとなく怖くて、学校行けなかったんだ』
    「そうですか・・・」
    『でもね、おかしいんだよ。紗祈の家の近くにいるの』
    「どこ? すぐ行きます」

引用返信/返信
■14235 / ResNo.13)  りょうて りょうあし 白い花 (11)
□投稿者/ 平治 一般♪(2回)-(2006/04/18(Tue) 02:43:18)
     西本さんは、私の家の最寄り駅のそばの喫茶店で、もうほとんど氷が解けて水みたいになってるカルピスを飲んでいた。寒いのか、ひとりで心細いのか少し背中を丸めて。
     私を見つけると困ったように笑った。

    「ごめんね。なんだか迷惑かけちゃって」
    「そんな・・・ことないです」

     私は紅茶を注文して席についた。

    「私ね、時々思ってたんだ。紗祈は時々私以外の誰かを見てるんじゃないかなって。こないだ話聞いて、もしかしてその先生のことまだ好きなんじゃないかなって。考えたんだ」
    「そんなことないのに」
    「ないかもしれないけど。私たちって、ほとんど私が押し切ったようなもんじゃない。本当は嫌だったんじゃないかな、とかさびしかっただけかな、とかいっぱい考えたんだよ」
    「私は・・・私は、嫌われたんじゃないかなって、汚いと思われたんじゃないかなって、考えて・・・怖くて・・・」
    「あはは。そんなわけないじゃない。紗祈に話してなかったね。私はもう紗祈のことしか考えられないもの」
    「西本さんは、でも、私のことなんて別に好きなわけじゃなかったんじゃないですか?」
    「え?」
    「私、先生に言われたんだけど。変な色気が出てるんですって。先生のこと好きな子何人かいたけど、手を出したのはお前だけやりたくなったからだよ、って。たぶん同じようなもんだったんでしょう」
    「なんでそんなこと言うの?」
    「だって、西本さん、私となんでキスとかするのとか、言ってくれなかったじゃないですか」

     私がうつむいてしまうと、西本さんは無言になった。
引用返信/返信

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■14598 / 親記事)  お題小説D
□投稿者/ のん 一般♪(3回)-(2006/05/22(Mon) 02:19:33)
    最後うまくのらなくて、ゴメンなさい。
    新しくたてます。
引用返信/返信

▽[全レス97件(ResNo.93-97 表示)]
■16467 / ResNo.93)  愛してる
□投稿者/ つちふまず ファミリー(173回)-(2006/09/15(Fri) 20:38:14)
    ─例えばこういう時




    「……付いてるよ」




    笑いながらここ、と私は自分の唇の端をなぞると。




    「…えっ!あ…へへ」




    慌てて顔に居座っていた食べかすに指を。




    「取らないから。ゆっくり食べてよ」




    「うん。…うん」





    ─例えばこういう時




    こういう時なんだと。





    私は思う。







    「あれ。髪、切ったの?」



    「……昨日慌てて美容院行って来た。」





    「え。」





    「だって急に逢おうなんて言うんだもん。」







    ─例えばこういう時。




    こういう時なんだと。





    私は思う。







    「だからね、あなたはそう思うかもしれないけど、現に私はこう思った訳」




    「………。」




    「だってそうでしょ?あの時だってこうなったし。あーもう訳わかんなくなって来た」




    「………。」






    ─例えばこういう時






    こういう時なんだと。






    私は思う。







    「なんでかな」




    「………。」




    「悲しいんじゃないの。悲しいなら泣かないもん。悔しくて泣けるんだよ」




    「うん」





    「うまく行かない事、たくさんあるよね」





    「うん」







    ─例えばこういう時






    こういう時なんだと。






    私は思う。







    「おはよ」




    「あー…」




    「起きた?」





    「…うん、ありがとう」



    「電車乗るね。今日も頑張って」






    ─例えばこういう時






    こういう時なんだと。






    私は思う。









    それでも─






    「…ごめん」





    「ううん。大丈夫だよ」




    「じゃあ、ね」





    「…うん、元気で」







    きっと例えば─





    こういう時だったんだと、





    今では思う。










    いつも笑顔で言いたいその言葉を。



    いつか涙しながら叫んだその言葉を。



    言えずに胸に秘めたままだったその言葉を。



    照れながらも言ったその言葉を。





    今日も、
    今日もどこかで。










    誰かが囁いている。








    夜に呟いている─






    fin.




    …次は『肩こり』で(笑)



    (携帯)
引用返信/返信
■16478 / ResNo.94)  肩こり
□投稿者/ ハッカ ちょと常連(61回)-(2006/09/16(Sat) 10:33:10)
    「…んっ…もっと強く……」



    優しいキャンドルが揺れるベッドサイド



    アロマのいい匂い




    規則的に影が揺れる





    「……右に…ソコ、ん…上手よ…」





    乗せていたタオルを外す




    「あ〜♪気持ち良かったぁ」



    そう言って肩をバキバキと鳴らす彼女






    色気すらありません(笑)






    「最近、肩凝りひどいんだよね〜」





    夜の仕事が




    蜜事からマッサージになったのはいつだっけ?



    久しく奥には触れてない




    いつもは思わないのに



    何故か




    今日は欲情した





    「ね、えっちしてみない?」




    彼女はあくびをしてベッドサイドの明かりを消した





    ちぇ。





    ため息を吐いてベッドへ潜ると




    彼女に唇を捕まえられた





    「…久しぶりだから恥ずかしいな」




    そう笑う彼女がいとおしい



    「えっちの仕方忘れちゃってるかも」



    「じゃ一緒に思い出そうよ」




    明日の夜は





    筋肉痛でマッサージな夜かもしれないけどね(笑)




    ………………………………


    次のお題は『バス停』で★

    (携帯)
引用返信/返信
■16521 / ResNo.95)  バス停
□投稿者/ たけのこ 一般♪(1回)-(2006/09/18(Mon) 00:13:54)
    まってまって
    まだ停まらないで。


    今考えてるから。
    今日こそ声掛けるから。


    運転手さん
    もっとゆっくり走って。
    遠回りしたっていいから。
    道間違えたっていいから。




    いつも見掛けるあのコ。
    笑顔の素敵なあのコ。




    信号、踏み切り
    全部赤になれ%8

    (携帯)
引用返信/返信
■16522 / ResNo.96)  バス停
□投稿者/ たけのこ 一般♪(2回)-(2006/09/18(Mon) 00:34:31)
    まってまって
    まだ停まらないで。


    今考えてるから。
    今日こそ声かけるから。



    運転手さん
    もっとゆっくり走って。


    遠回りしたっていいから。
    道間違えたっていいから。



    いつも見かけるあのコ。
    笑顔の素敵なあのコ。



    信号、踏み切り
    全部赤になれ。


    検問、バスジャック
    誰でもいいから
    このバスを止めて。



    まだ
    あのコを降ろさないで。



    いま、いくから。
    もっかい深呼吸したら、
    そしたら声かけるから。






    どうか、勇気をください。


    一言目だけでいい、
    最初の一声さえ出せれば
    大丈夫だから。

    たぶん・・・大丈夫だから。






    まってまって
    そこのバス停。

    もう少し遠くで待ってて。




    彼女の笑顔を
    もっともっと近くで見たいから。

    -------------------

    次のお題は
    『タイムリミット』で。

    投稿、失敗してごめんなさい。

    (携帯)
引用返信/返信
■21527 / ResNo.97)  男性募集
□投稿者/ 郁恵 一般♪(1回)-(2012/05/17(Thu) 12:46:45)
http://fgn.asia/
    リッチドールの奈々子です。宜しくお願いします。( ●≧艸≦)  http://www.fgn.asia/

    (携帯)
引用返信/返信

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■20117 / 親記事)  お題小説 G
□投稿者/ 映美 ベテラン(227回)-(2007/10/01(Mon) 09:50:34)
    スレッドが一杯になりましたので新しく立てさせて頂きました

    次のお題【約束】でお願いします^^
引用返信/返信

▽[全レス71件(ResNo.67-71 表示)]
■21320 / ResNo.67)  さよなら
□投稿者/ 薫 一般♪(1回)-(2009/03/26(Thu) 08:03:16)


    春は別れの季節だってね


    私は出会いの季節だと思ってたけど


    卒業式とかあるもんね


    それに…離任式。


    大好きな担任の名前を新聞で見つけた時、私は口が塞がらなかった。


    何で…?


    そりゃそうか、もう8年もあの学校に居たからね。


    年がだいぶ離れてたけど


    私は先生が好きで


    それは恋だったのか、今思えばよく分からないけどさ。


    だけど先生が居たから学校に通えてたし、悩んだ時は、友達以上に心配してくれたよね。


    また違う学校で、新しい教え子と仲良くね?


    さよなら、先生。


    私、就職して頑張ってるよ。


    先生に出会えて良かった。。




    次のお題は『桜吹雪』でお願いします。

    (携帯)
引用返信/返信
■21321 / ResNo.68)  桜吹雪き
□投稿者/ 麒麟 一般♪(1回)-(2009/03/27(Fri) 01:53:24)
    去年は一緒に桜をみたね。そばも食べて。

    今年はキミは誰と桜を見るのかな。

    全ては自分が招いてしまった結果。決めた決断。
    キミが近過ぎて、大事にされ過ぎて、きっと麻痺していたんだと思う。

    年上だったキミに甘えていた。
    変えたかった。甘過ぎる自分。

    桜吹雪きの向こうにキミがいたらと願ってしまう。


    次は『バカ犬』でお願いします。

    (携帯)
引用返信/返信
■21322 / ResNo.69)  バカ犬
□投稿者/ 花子 一般♪(1回)-(2009/03/27(Fri) 03:49:05)
    散歩の途中ちょっとした喧嘩。

    不機嫌な君は、いつもの角を曲がると早足になった。

    待ってよと声をかけても
    君はふりむきもせず 知らない路地に入り込む

    私は路地の前で立ち止まる
    追うと行き違いになるかもしれない

    そう思った私はいつもの場所で君を待った。


    迷子になった君は

    迷路の中でやさしい人に出会う
    そのひとに惹かれて君はついていく

    待っている 私のことなど忘れて。

    君はその人のもとに居候。

    絶対戻る
    そう信じて私はあの路地で毎日君を待った

    しばらくして

    やさしかったその人に
    君は冷たく追い出された

    行き場所なくして 
    君はまた迷路の中

    ほら。ごらん
    君を飼いならすのは
    私しかいないんだから。

    待ってたよ 

    あの場所まで迎えにいくから

    帰っておいで バカ犬。。






    次は『エイプリルフール』で



引用返信/返信
■21324 / ResNo.70)  エイプリルフール
□投稿者/ イチカワ 一般♪(1回)-(2009/03/29(Sun) 13:51:45)
    それは些細な行き違いが発端だった。

    これまで何度となく繰り返された、言葉の応酬。


    仕事帰りで疲れた声をしたアヤノさん。

    春期講習期間中だからだろう。

    ここ数日、彼女は忙しくて。

    デートはおろか、

    電話しても途中で眠りこける有様だった。


    しょうがない。

    分かってる。

    元々私も生徒だったんだ。

    彼女の生活はよく分かっている。


    授業が無い時間も、

    生徒たちからの質問に極力対応し、

    常に生徒たちがその周りを囲んでいるような、

    生徒からの人気も抜群の、

    面倒見がよく、熱心で、

    優しくきれいな先生。


    そんな先生が、私は大好きで。

    気付いたら、恋をしていた。


    いつもいつも先生の周りを付いて回って。

    志望大学にも合格して。

    そして、卒業を待って、

    プライベートで遊びに連れて行ってもらって。


    そうして、デートを重ねていって、

    告白をし、幸運にも付き合うようになって、

    もうすぐ半年になる。



    付き合う前に、言われた言葉。


    「カオリ、知ってると思うけど。

    私、こういう生活だから。

    あんまりデートもしてあげられない。

    でも、大事にする。

    それでも、いいかな。」


    そんなの、分かっているつもりだった。


    それでも、「大事にする」が嬉しくて。

    その台詞はよく覚えている。




    …弱いのは、私の心だった。

    分かっているのに。

    寂しさがエスカレートして。

    押し潰されそうになることに耐え切れなくて。

    つい出てしまった、強がり。


    「サークルの先輩に、告白されちゃった。

    先輩、私と遊んでくれるし、結構イケメンだし、

    ちょっと、付き合ってみようかなと思う」


    告白されたのは、本当。

    でも、私は全く付き合ってみようなんて、思えなかった。

    アヤノさんが好きだから。アヤノさんしか見ていないから。


    だから、アヤノさんに言って欲しかったんだ。


    「そんな莫迦なこと言ってないで。

    カオリは私のものなんだから、私だけを見てなさい」


    でも、電話の向こうの

    彼女の口から漏れたのは、

    乾いた一言だけだった。


    「…勝手にしたら」


    あまりにも冷たい一言に、

    つい私もムキになってしまう。


    「じゃあ勝手にする…」


    違う。そうじゃない。

    勝手にしたいんじゃないの。

    あなたに、甘えたいだけなの。

    あなたに、私じゃなきゃだめでしょう、って

    優しく諭して欲しいだけなの。


    ね、いつもそうでしょう。

    そうやって、

    最後は困ったような顔で、

    しょうがないなあ、って。


    私のことを抱きしめてくれるんでしょう。



    私とアヤノさんの構図は、

    いつもそうだった。


    甘える私、

    甘やかしてくれるアヤノさん。


    その優しく、心地よい関係に

    包まれているのに慣れてしまって

    それが如何に貴いかなんて、

    忘れてしまっていた。


    今日のやり取りも、

    そうやって、いつもの甘やかしてもらう一環だったはずなのに。


    それをするために、

    あまりにもアヤノさんは疲れすぎていて、余裕が無かったし、

    私は寂しさに押し潰されそうで、余裕が無かった。



    意図していた会話にならず、

    余裕の無いアヤノさんをつい責めたくなってしまう。


    「ね、アヤノさん。まさか信じてないよね」


    声が、つい乾いてしまう。


    「何?」

    「今日、4月1日だよ」


    「…嘘なの?」

    「嘘だよ」


    ため息が電話の向こうから聞こえた。


    ――私が、そんな、アヤノさん以外の人と、付き合うわけ、無いでしょ。

    ――そっか、嘘か。ははは。信じちゃったよ。


    こういうやり取りをして、

    この話を終わらせるつもりだった。

    そして、いつもの甘い雰囲気に戻したかった。



    でも、そう切り出そうとして、


    言葉を発したのは、アヤノさんが先だった。


    「…性質が悪すぎるよ。

    ごめん、私今笑ってあげられる余裕、本当ない」


    違うの。

    そうじゃないの。


    私を、見て欲しくて。



    「ちょっと、距離置かせてくれるかな。

    私に余裕が無さ過ぎるから。

    本当、ごめん。もう、切るね」


    私が何か言葉を発しようとすると、

    それをさえぎるかのように、

    電話は切られてしまった。


    あまりの性急さに、

    私は電話を持ったまま、動けなかった。




    …そして、やっと行き着いた。


    莫迦は、私だった。


    自分を見て欲しいあまり、

    相手を見るのを忘れていた。


    彼女がギリギリの状態で頑張っていたのを知っていたのに。


    甘やかしてもらってばかりで、

    彼女を甘えさせることを、一切してこなかった。



    私以上に、彼女は今


    甘えさせてくれる腕を求めているはずなのに。



    気付いたときには、電話は切れていて。

    掛け直したけれど、電源が切られていた。



    今、電話の向こうで、

    彼女は泣いているかもしれない。

    なんとなく、そんな気がした。



    彼女にどうしたら甘えてもらえるのか、


    こんなことすら、

    今の私はどうしたらいいのか、全くわからなかった。


    半年も付き合ってきたのに。





    …今まで私は、何を見てきたのだろう。



    私はただ一人、

    なんだか悲しくて、

    泣くことしかできなかった。
引用返信/返信
■21327 / ResNo.71)  お詫びと次のお題
□投稿者/ イチカワ 一般♪(2回)-(2009/03/30(Mon) 03:31:33)
    すみません、
    うっかり次のお題を
    書き忘れました。


    次は…



    歓迎会



    でお願いします。



    イチカワ

    (携帯)
引用返信/返信

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