ビアンエッセイ♪

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■20155 / 親記事)  飛行機雲
□投稿者/ ざぶ 一般♪(1回)-(2007/10/09(Tue) 12:58:39)
    性同一性障害的な内容が含まれます。




    何処までも続く

    蒼に

    ひとつ

    飛行機雲

    まっすぐ

    まっすぐ

    白を描く

    君が見る

    蒼にも

    この白が映るだろうか

    同じ様に

    想っては

    くれないだろうか

    蒼に引かれた

    白が君の蒼まで

    届どいてはくれないだろうか。



    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス3件(ResNo.1-3 表示)]
■20159 / ResNo.1)  『キオク』
□投稿者/ ざぶ 一般♪(2回)-(2007/10/10(Wed) 10:22:42)


    君は覚えてる?

    暗くなった道を

    手を繋ぎ歩いた帰り道

    5分もかからない道を

    ゆっくり

    ゆっくり

    惜しむように歩いた時の事を。

    あの時どれだけ

    家までの距離が

    遠く

    長く

    ならないかな

    なんて思った事か。

    きっと

    この幸せはずっと

    続くんだと

    一人勝手に思ってた。

    毎日が嘘の様に楽しくて

    先に潜む闇すら

    君が一緒なら乗り越えられる

    なんて思ってた。

    君がいた事で

    僕は強くなれた。


    約束するよ。

    僕は君を置いて

    何処かになんか行ったりしない。

    強く想うよ。

    君だけは








    決して失いたくないと。



    (携帯)
引用返信/返信
■20160 / ResNo.2)  『春夏秋冬』
□投稿者/ ざぶ 一般♪(3回)-(2007/10/10(Wed) 10:45:42)


    春には桜を見に

    近所の公園に行ったね。

    君は楽しそうに

    『キレイだね。』

    って何処か遠くを見るように桜の木を見上げて言った。

    『また来年も来よう。』

    僕も迷わず答えたっけ。

    繋いだ手の温かさに

    少しだけ心が暖かくなった春の日だった。


    夏になると海へ行ったね。

    照り付ける陽射しに

    君は目を細くして

    僕に言ったね

    『私は、夏が一番好き』

    嬉しそうにはしゃいで

    波と戯れる君は

    肌がこんがり焼けて小麦色した僕の天使だった。


    オレンジ色に空が模様を変えてくると

    いつだって決まってこう言うんだ。

    『帰りたくないね。』

    寂しそうな顔をして

    子供みたいに泣きそうになって

    人がまばらになった砂浜をジーッと見つめていた。

    だから僕も決まってこう言う。



    『また来ようね。』



    振り向く君にキスをして、僕達は、ようやく重い腰を上げるんだ。


    秋になるとお祭りに行ったね。

    君は子供みたいに

    キャーキャー言って

    あっちへ行ったり

    こっちへ行ったり。

    手を繋いでないと

    何処かへ行ってしまいそうだった。



    冬にはイルミネーションを見に色々な所に行ったね。

    七色に着飾る冬の東京に目をキラキラさせて

    『ずっと一緒。』

    なんて愛を誓った。




    楽しい事が好きで

    外に出たがる君に

    僕は一つだけ申し訳ないと思った事があったんだ。






    それはね、





    僕が男じゃないって事。




    いくら夢を見たって


    いくら神に願ったって


    それは変わりようのない


    事実だった。


    知ってたよ。


    君がソレを気にしていた事くらい。

    分かってたけど

    僕にはどーする事も出来なかったんだ。



    (携帯)
引用返信/返信
■20161 / ResNo.3)  日常
□投稿者/ ざぶ 一般♪(4回)-(2007/10/10(Wed) 12:30:16)


    毎日一緒にいれば

    誰だって喧嘩くらいする。

    分かっていたけど

    やっぱり辛い時もあったね。

    君を想って

    別れようと決めた時

    本当は、僕が弱かったんだって今なら思えるよ。

    傷付けて

    傷付けられて

    それでも僕達は笑っていた


    君が居て当たり前の日常が僕を麻痺させてたんだね。



    (携帯)
引用返信/返信

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■20102 / 親記事)  喜怒愛ラブ♪
□投稿者/ なむぅ 一般♪(1回)-(2007/09/29(Sat) 19:13:29)
    2007/09/29(Sat) 19:16:10 編集(投稿者)


    ぴんぽぉ〜ん


    (きっ、きたぁ)

    ただ今、朝の7時半です。
    毎朝恒例の緊張タイム、嫌です。怖いです。

    仕方なしに学校に行く準備を整えて、深呼吸しました。
    玄関で靴を履いてガチャッとドアノブを回すと共に

    「おはよう」

    「さようならっ…」

    …あっ、いけない
    思わずドアを閉めてしまいました。
    だってどうしても慣れなくて…あのキラキラした笑顔

    再び恐る恐るドアを開ける私に

    「あははっいつもながら見事な怯えっぷり」

    「誰のせいだと思ってるんですかぁ…」

    「おっ!メガネ変わってるぅーフレーム変えたんだぁ」

    「話し変えないでくださいっ」

    「あぃ」

    バカっぽい話を朝から家の前でしていますが、これでも2人揃って大学生なんです。





引用返信/返信

▽[全レス6件(ResNo.2-6 表示)]
■20130 / ResNo.2)  喜怒愛ラブ♪
□投稿者/ なむぅ 一般♪(6回)-(2007/10/05(Fri) 06:08:15)
    「ねぇー待ってよぉ」

    先に歩き出した私にあられもない声をだす琴葉。
    その声には笑いが含まれていて余計に腹が立つ。


    すたすた歩く私の後に、琴葉はてくてく付いて来る。

    「付いて来ないでください。」

    「えー、でも通学路一緒だしぃ…」

    「毎朝迎えにこられるの…迷惑です!」

    「…」

    あ…言い過ぎたかな?迷惑なんて、
    元はと言えば私が言い出したことなのに。





    先週の休み、友達同士でお酒を飲みに行ったんです。
    20になったし羽目外そうかって事で

    そのお店で出会ったのが琴葉でした。










    「だって、真彩の事愛しちゃってるんだもん」

    ゴッッッ!!!

    「いっ、痛い!頭打った!…って、これ辞書じゃん!広辞苑じゃん!」

    「ばっ馬鹿にしないでください!!」



    初めて琴葉に会った時も言われた『愛してる』と『キス』









引用返信/返信
■20132 / ResNo.3)  喜怒愛ラブ♪
□投稿者/ なむぅ 一般♪(7回)-(2007/10/05(Fri) 07:34:28)
    2007/10/20(Sat) 08:58:24 編集(投稿者)
























    なんだよぅ、迎えに来てって言ったのは真彩からでしょ?


    「ぉおー、いてっ…」

    たんこぶができたかもしんない頭を撫でる私はなんか、なんか…情けない。

    最初の頃はホント、なかよくしていたのよ。


    初めて真彩に会って

    意気投合して

    一気に一目惚れして

    話してたらもっと好きになって

    はぁぁ…くうぅぅ…とか心ん中でもがいてたら
    酔った真彩に

    『明日から毎朝迎えに来て…?』

    って!

    って!!


    伺うように覗き込んでくる真彩の瞳がとってもとっても魅力的。

    だったから…あの時のあたしはなにも考えられなかったんだろーな
    無意識、ホント無意識だったんだよぉ

    胸がきゅんきゅん、まるで警告音みたいに高鳴って


    真彩は黙ってるあたしを不思議に思ったのか、ほやぁ〜な顔で小首を傾げてくる
    真彩の催眠術にかかったあたし、操られてるみたいだった。
    一緒に小首を傾げて



    んっ…



    真彩の鼻にかかった声

    そして

    ついばむ様なキスを何度も何度も繰り返した。



    やだっ…



    真彩…あい……して、るの


引用返信/返信
■20135 / ResNo.4)  NO TITLE
□投稿者/ 丈 一般♪(1回)-(2007/10/06(Sat) 00:08:56)
    続き楽しみにしてます(´ω`)

    (携帯)
引用返信/返信
■20136 / ResNo.5)  NO TITLE
□投稿者/ はる ちょと常連(90回)-(2007/10/06(Sat) 02:36:23)
    おもしろいです(´ω`)
    続き楽しみに待ってます!

    (携帯)
引用返信/返信
■20138 / ResNo.6)  喜怒愛ラブ♪
□投稿者/ なむぅ 一般♪(8回)-(2007/10/07(Sun) 02:29:23)
    2007/10/20(Sat) 09:03:49 編集(投稿者)



    … ぅっわぁぁぁああ!! …


    は、恥ぃ…。






    あれからふざけ半分でしか真彩と話せなくなってしまったあたし。

    自分から言うとは思わなかった。
    もしかしたら一生口にすることなんかなかったのかもしれない。


    しかも…

    ・・・
    自分の唇を触ってみると、あの時のドキドキが少し蘇ってきた。
    だってね、真彩との…キスは……大変だったんだ。

    …大変だったって表現おかしいな。


    真彩の方を見ると
    …機嫌直ってない、小さな背中がなんだよって怒ってる。




    もぉいろいろでどぉーんって感じなの。(…照れ笑い)

    唇の感触とか、熱とか、お酒の匂い、真彩の体温
    後悔だったり、それよりも大きい期待だったり

    それらがいっぺんに
    どん!どん!どん!どどぉーんっ!!
    と、
    頭ん中の中枢神経にぶつかってきたんだよ


引用返信/返信

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■17539 / 親記事)  恋心
□投稿者/ しー 一般♪(2回)-(2006/12/26(Tue) 04:35:30)
    今、思い返せば…
    二人とも幼過ぎたのだろうか・・・。
    どちらかが、『大人』だったら…
    恋心が愛情になってたのかな…。

    初めまして。吹(すい)です。小説を拝見してて、自分も書きたいなと思い小説に挑戦します。
    至らないところや感想などどんどん言って下さいm(__)m

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス19件(ResNo.15-19 表示)]
■20093 / ResNo.15)  恋心10
□投稿者/ しー 一般♪(2回)-(2007/09/28(Fri) 03:34:02)
    「吹
    …え?
    じゃぁどうして分かったの?」
    〜送信〜
    〜受信〜
    「リュゥ
    アドレスが携番だったカラ…」
    なるほど。
    マミと携番にしたんだった。
    「吹
    ごめんね?ちゃんと送れてなくて…」

    〜送信〜
    〜受信〜
    「リュゥ
    大丈夫。
    ボクの事嫌いにならないでね?」

    「吹
    ?嫌いになんてならないよ?」

    いきなり嫌いにならないでって言われた。
    なんだろ…
    愛しさなのかな…
    ほっとけなかった。

    「吹
    嫌いになんてならないよ。
    大好き。大丈夫。」

    これが初恋だったのかな。

    (携帯)
引用返信/返信
■20094 / ResNo.16)  恋心11
□投稿者/ しー 一般♪(3回)-(2007/09/28(Fri) 03:45:32)
    この日から毎日お互いに大好きって言い合ってた。
    風邪引いて心配させちゃったりしたけど…
    お互い本当の好きだったのかな。

    冬休みに会いたいって言ったんだ。
    でも、リュゥは冬休みに旅行の予定が合った。



    もし…会えてたら運命は変わってたかな?



    冬休みになる前の12月からメールが続かなくなった。

    リュゥは人格だった。
    多重人格…
    もともとリュゥと知り合ってからリュゥ以外の2人の人格とメールした事があった。

    だけど12月になってからリュゥと2人以外の人格からメールが来た…。

    「ななし
    もぅ、リュゥにとってお前は必要じゃない」

    「吹
    久しぶり
    …君の名前は?
    いきなり何?」

    「ななし
    俺に名前はない。
    リュゥは消える。
    いきなりじゃねぇよ。
    もともと消え掛かってるんだ。俺以外の奴は皆消える。」
    「吹
    意味分かんないし!
    リュゥは?なんで消えるの?」

    この時は知らなかったんだ。人格を消す人格も居るって。自然に消えてく人格があるって。主人格が永遠じゃないって…

    返事は来なかった。


    12月13日にリュゥからメールが来た。
    「リュゥ
    メリークリスマス。
    ちょっと早いね。
    あの子から大体聞いたよね?ごめんね。」

    「吹
    リュゥなの?
    聞いたけど…分らないよ!


    返事は来なかった…

    もぅ終わりなのかも…

    (携帯)
引用返信/返信
■20095 / ResNo.17)  恋心12
□投稿者/ しー 一般♪(4回)-(2007/09/28(Fri) 03:54:34)
    なんで熱中したのか分らない。これが恋心だとも分からなかった。

    12月末リュゥから空メールが来た。
    リュゥ専用の着メロが流れた。
    ドキドキしながらメールみたら空メール…

    「吹
    空メ何?」

    返事はなかった。

    まだ恋だとか愛だとか分らず平然としてたんだ。

    2月末
    マミに携帯を貸した。
    まだリュゥと繋がりが欲しくて全部メールを保護してた。
    それをマミに見られた。

    夜中に電話が掛かって来た。「マミ
    吹!?
    リュゥとのメール読んだ…」

    「吹
    みんなって言っただろ?!」
    「マミ
    ごめん…
    最後のリュゥからのメール空メールじゃなかった!」

    「吹
    ………え?」

    マミとの電話で衝撃発言…

    データは今の携帯にある…
    (FOMAカードを抜いた携帯を貸した。)

    話し中にしメールを開いた。


    (携帯)
引用返信/返信
■20097 / ResNo.18)  恋心13
□投稿者/ しー 一般♪(5回)-(2007/09/28(Fri) 04:42:41)
    もう
    本当に
    さよなら
    だから
    もし
    この子が
    広いココロの持ち主で
    吹を
    理解してくれるならば
    もうボクはいないケド
    仲良くしてあげて
    このメールが
    届くトキにはもう
    ボクはいないハズ
    あの子がボクの最後の
    我儘を聞いてくれていればね
    こんなイイかた
    変カモ知れナイケド
    吹のコト
    愛してるよ
    さよなら
    リュゥより

    実際のメール…
    改行多くて…
    空メールだと思った。
    愛してるよって書いて合ってこれが恋だった事に気付いた。
    気付いた時はもぅ2月。
    メールを送ったがエラーだった。
    何回後悔したか…

    今でもアドレス帳にデータが残ってる。


    (携帯)
引用返信/返信
■20098 / ResNo.19)  終わり
□投稿者/ しー 一般♪(6回)-(2007/09/28(Fri) 04:51:12)
    もし中3の時もっと大人でメールに気付いてれば今でもあの子と連絡を取り続けて居たかもしれない。
    そしたら今みたいにならなかったかもしれない。
    リュゥとの恋に諦め付けて、他の多重の人と恋をした。
    代わりだったのかもしれない。
    主人格じゃなく副人格に恋して、居なくなった。
    消えて逝った。

    諦め付けて違う恋をした。
    4ヶ月で終わった。

    1ヶ月で2人と付き合った。
    二人とも恋愛にならなかった。

    リュゥとの恋が愛になって
    だんだん愛を忘れた。

    最初で最後だったのかも。

    もし、今メンタルと付き合ってる人は自分を責めないで欲しい。
    誰かが悪いわけじゃない。

    もし今失恋した人はゆっくり癒していけばいい。

    人は寂しがり屋だから独りでは生きて行けないと思う。

    恋や愛を忘れないで欲しい…
    失恋でも恋が愛になっても
    誰もが初恋をしたと思う。
    その気持ちにありがとう。


    意味不明になりました。
    ただの自己満です。

    (携帯)
完結!
引用返信/返信

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■17281 / 親記事)  あおい志乃からご挨拶
□投稿者/ あおい志乃 ちょと常連(89回)-(2006/11/20(Mon) 11:58:47)
    “ALICE”のTreeが上限を超えましたので、
    改めて新規作成致しました。
    初めてこの作品にお目に掛かった方は、
    よろしかったら過去のページに戻って、
    是非第一話から“ALICE”をご覧になって下さい。

    こんにちは。あおい志乃です。
    ご愛読ありがとうございます。

    なかなか更新がスムーズにいかず、(コレ何回言ってるんでしょうか)
    情けない限りでございます。。
    完結までに時間が掛かります事はもちろんの事、
    話もまだ半分にも達していませんので、
    にも関わらずこれからどんどん内容が複雑になっていく予定ですので、
    こんな途切れ途切れの更新では、
    だんだん理解し難くなっていくと思われます。。

    もしかしたら、
    少しずつ更新していても、とことん無視して、
    完結した時に初めて一気に読んで下さった方がイイかもしれません。

    どんな方法でも結構ですので、
    最後までおつき合い頂けましたら、
    幸いです。


    芯から冷える寒い寒い季節がやって参りましたが、
    お体に十分お気を付けて、
    健やかにお過ごし下さいませ。



      あおい 志乃
引用返信/返信

▽[全レス100件(ResNo.96-100 表示)]
■19973 / ResNo.96)  ◆六華さんへ
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(39回)-(2007/09/08(Sat) 02:17:53)
    十分なお言葉です。
    ああそんな風に感じて読んで下さる方もいらっしゃるんだなと、
    じんわりきます。
    嬉しいですね、心からの感想を述べて頂けるのって。
引用返信/返信
■19974 / ResNo.97)  ALICE 【64】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(40回)-(2007/09/08(Sat) 02:25:36)
    「クレノ」



    ダイナは、確かにそう言った。

    疑いようもなく、鮮明な、よく通る声で。





    それでも私は、聞き返さずにはいられなかった。






    「・・・クレノ??」



    「そう、KURENO。知ってた?」




    私はかぶりを振る。




    「やっぱり何処ででも【アリス】で通してるのね。
     何となくパスポートを見た時にそう書いてあったの。ローマ字でね。
     ソノマイ クレノが本名。アリスじゃ、ない」



    ・・まさか、こんな事になろうとは。



    「その事、本人には言ったの?」

    「言ったわよ。“何コレ、ここに書いてあるの。アンタ、ホントはクレノっていうの?”ってね。
     そしたら何て答えたと思う?私からパスポートをふんだくって、“それが何?”だって。えっらそうに」


    その時感じた腹立ちを思い出したのか、

    ダイナはやたら感情のこもった、とげとげしい声で言った。



    「ま、苗字を誤魔化してるなら、何か大きな理由でもあるのかとも思うけど。犯罪とかね。
     下の名前だしね、ただの気まぐれか何かだと思うわよ。
     でもルイ子も、仕事でアリスにムカつく事があったら、言ってやれば?
     “本当はクレノって言うんだって?”ってね。ちょっとムキになるアイツが見られるかもよ」


    そう言ってダイナは面白そうにククッと笑った。







    私の頭の中を、


    あの夜、アリスが夢にうなされた夜に聞いた数々の単語や言葉が散乱する。





    魔女。


    魔女の名前。


    自分でアリスと名付けた。


    男。


    真白が魔女に殺された。


    居なくなった母親。


    帰って来ない父親。







    冷静に考えれば、

    この不可解なピースで、巨大なパズルの四隅だけでも埋められる・・・!!






    そう思った私は、


    「そっか、偽名か。いつか使う時が来たら、その手でからかってみるわね」


    と笑って、

    一気にワインを飲み干した。





    「ごちそうさまでした。そろそろ、帰るわね」

    「帰るですって!?なんで?まだ早いでしょ?」


    ダイナにしても、シャンプーとの夜遊びを待ちわびているハズなのに、

    彼女は私の帰宅宣言に過剰に反応して眉をひそめた。



    「いや、仕事もあるしね。もう眠らないと」

    「泊まっていけばいいじゃない。前みたいに」



    今度は私が眉をひそめる番だった。


    「ダイナ・・私は複数でsexする趣味はないのよ。彼女と二人で楽しんで」

    「・・・何言ってるの?彼女って?」


    この後に及んで誤魔化す目的は何だろうか。
    好みの女を相手にしている時は、
    とりあえず他の女への興味を隠すというポリシーだろうか。



    「バーテンダーの彼女よ」

    そう言って私はグラスに付いた口紅をバッグから取り出したハンカチで拭った。


    「バーテンダーの彼女?ここのバーの?何で?あんなの呼ぶ訳ないじゃない!」

    「あんなのって・・。さっきの濃厚なキスの続きをここでするんでしょう?」

    「しっっないわよ!さっきのキスは・・ルイ子の反応が見たくてしただけ」



    それこそ何の為に。

    何でもいいが、とにかく早く帰りたい。

    私は巨大なジグソーパズルを抱えているのだ。



    「そうなの?まぁ、よく分からないけど。とにかく仕事もあるし、帰るわね。
     今日はありがとう。最後には笑ってくれて良かったわ」


    立ち上がって踵を返すと、
    後ろから腕を掴まれた。


    「どうして帰るの?態度が悪かった事は謝るから!」



    バーを出て以来初めてその話題に触れたダイナを振り返って見ると、
    泣きそうな顔をしていた。


    「ううん、誤解してたんだから、怒って当然だったのよ。気にしてないわ」

    「違うのよ」


    ・・・何が?


    「私の悪い癖なの」


    ・・・だから何が?


    「惚れてる相手と喧嘩すると、高飛車で、凄く嫌な感じになるの」



    なるほど。

    アリスを拉致した時も、見事な高飛車ぶりだった。



    ・・・え・・


    それじゃまるで、

    ダイナが私に惚れてるような言い方ではないか。
    冗談でしょ。


    「なんとか言ってよ」

    黙ったままでいる私の腕を、
    ダイナが揺さぶる。


    「う、ん」


    「ルイ子があの女のところで働いてるって知った時、腹が立った。
     けどそれよりも、ショックだった。
     ルイ子が何か目的があって私に近付いたんだって思うと、悲しかったわ凄く」



    それが、

    今日私が見た寂しげな背中の理由だと?



    「他の誰でもダメだったの。イイ男も、イイ女も。一般人も、業界人も。
     誰と居てもアリスを忘れる事が出来なかった。
     でも、ルイ子には何かを感じたの。
     あんな風に、アリスとの過去を誰かに打ち明けるなんて、今まで無かった事なのよ」



    止めどなく自分の気持ちを吐き出すダイナを前に、
    私はただ驚いて、相槌も打てずにいた。

    容姿がタイプであった故に私と肉体関係を持ったのだろうし、

    それなりに自分がダイナに気に入られていることは、感じていた。


    が、それは“遊び”の一環なのだと信じて疑わなかった。


    ダイナが私を気に入っているという雪花の見解を聞いた時も、

    きっとダイナは私を自分の数あるコレクションの中に加えようとしているのだとしか、
    思わなかった。


    だって、


    アリスに惚れた人間が、

    何をどう間違えればその穴埋めに私を選出するというのだろう。

引用返信/返信
■19978 / ResNo.98)  ALICE 【65】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(44回)-(2007/09/08(Sat) 02:36:52)
    「だから、何か言ってよ」

    少し怒ったようにダイナが私を急かす。



    「ダイナ、分からないわ。どうして私なの?」



    ―――“どうして私なの”


    今まで、どんな男に愛を語られても、言った事のない台詞を私は口にしていた。

    “どうして私?” だなんて、

    そんな卑屈で自意識過剰な言葉、
    頭の中に上った事さえなかった。


    だが今は、

    “どうして私なのか”と、疑問に思わずにはいられない。


    それはダイナが、女の中でも極上の部類だからだろうか。




    「どうしてって・・・」 ダイナが困ったように笑う。


    それは私が初めて見る彼女の表情だった。



    そんな事を感じている場合ではないが、

    とても魅力的だと思った。




    「そんなの、言葉にできるものじゃないわ。
     ただ、ルイ子はこの間の夜、私の舌や指先には夢中になったけど、私自身にはちっともなびかなかった。
     朝、部屋を出て行く時の、ルイ子の顔の未練の無さときたらもう」



    私の腕を放し、お手上げという風にダイナが両手を上げる。


    私は彼女の言葉の色んな部分に自分の顔が赤くなるのを感じた。


    「さっきのキスにも、全然妬いてくれないしね。
     どうせ、電話掛けてこなかったのだって、ただ忘れてただけなんでしょう?」




    バーでの駆け引きで知力を使い果たしたのか、
    上手いフォローの言葉が出てこない。

    あろうことかこのタイミングで私は目を反らしてしまった。




    「ルイ子の心を掴んでいる男が憎いわ。
     その人のところへ向かうのかと思うと、余計に帰したくなくなる」


    ダイナはそう言うと、

    長い指で私の顎を持ち上げた。


    「それって、ただ無いものねだりなだけにも聞こえるわ。手に入りにくいから、欲しがるだけじゃない」

    「でもそれだけじゃないわよ。手に入れ難ければ誰でもいい訳じゃない。
     手に入れたいと思える相手じゃないとダメなんだから」




    顎に添えられたダイナの手を、
    優しく握って引き離す。


    「手に入った途端、捨てるつもりなんでしょう」




    私の手を強く握り返してダイナが不敵な笑みを浮かべる。


    「そんなのやってみなければ分からないじゃない?
     それとも何、ルイ子は死ぬまで自分を大切にしてくれる保証が無いと、始められない訳?
     恋愛なんて、先が分からなくて当然でしょう?」


    確かに、そうだ。
    だいいち私は一生モノの愛を求めて恋愛をするタイプでは元からない。

    ダイナの方も、そんな私の価値観を見抜いているのだと思う。



    「ねぇ、ルイ子。
     私の言ってる事って、イケナイ事?
     私のやってる事って、イケナイ事?」



    ダイナはそう言うと空いている方の手を私の腰に回し、

    自分の体にぐいと引き寄せた。



    ダイナの色香漂う瞳を私が真っ直ぐに見つめ返すやいなや、


    彼女は私の首筋を下から上へ舐め上げた。




    彼女の絡みつく腕や舌を、

    私は振り払えずに居た。


    沢山の嘘でアリスの情報を聞き出した私は、
    それなりの報酬を与えなければならない気がしたのだ。


    そして、

    ダイナ程の女に、
    私への恋心を赤裸々に告白させたことに、
    言い様のない躊躇いと、罪悪感さえ感じていた。


    私も同じように心の内をさらけ出すことが出来ない代わりに、

    体を開く事が、


    せめてもの償いになるのならと、



    そんな低俗で卑しい考えに私は支配されつつあった。








    私が抵抗せずにいると、

    ダイナはその滑らかな舌を首筋から唇へ移動させ、
    私の口を塞いだ。


    そうしてあっという間に私のブラウスのボタンを外し、

    下着を投げ捨てて、


    露わになった私の乳房にかぶりついた。





    「ねぇ、イケナイ事?こんなに素敵な事が、間違いなの?」



    笑いながらそう繰り返し、

    ダイナは手品師のように瞬く間に私を産まれたままの姿に変えた。







    ―――いけなくは、ない。



    ただ、

    ダイナ、


    貴女の間違いは、



    私の心を掴んで放さないその人は、


    部屋に住み着く黒猫のような男ではなくて―――。














    快楽に遠のく意識の中で、




    私はアリスの名を呼んだ。
引用返信/返信
■19993 / ResNo.99)  拝見させて頂きました。
□投稿者/ れい 一般♪(9回)-(2007/09/09(Sun) 04:01:09)
    一気に作品に引き込まれてしまいました。

    面白いです。心から。

    あおい志乃さんの作品は、
    前のタイトルに金魚が付いている
    小説を読ませて頂いておりまして、
    その頃から「頭のいい人の書く文章だな〜」と
    思いながら拝見させて頂いておりました。

    こちらの作品、本当に書き出しの頃に
    一度拝見させて頂いておりましたが、
    ゆっくり更新ということだったのでずっと
    チェックせず、寝かしておきました(笑)

    そろそろ、と思い、読んだのですが、
    引き込まれて、最初からこんな時間まで
    一気に読んでしまいました。

    いや、本当めっちゃ面白かったです。
    寝かしといて、良かった。


    更新、心より楽しみにしております。
    ゆっくり、頑張ってください。

    完結されるのを楽しみにしております。

引用返信/返信
■20005 / ResNo.100)  ◆れいさんへ
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(45回)-(2007/09/11(Tue) 03:12:44)
    こんばんは。メッセージありがとうございます。

    4時ですよ!
    夜更かしです!
    そんなに遅くまで、時間を割いて作品に目を通して頂けて、
    とっても嬉しいです。

    寝かせて下さってたんですね。
    でも、この話、まだ折り返し地点にも到達していないようなんです。
    もう少し寝かせておけばよかった!と後悔なさるかも・・
    ごめんなさいねーー。ダラで。。

    すぐ下のツリーにれいさんのお名前がありました。
    【うさぎ病】の作者様ですね?
    拝読致しました。
    れいさんは、ワーカホリックな方かな?と思いました。
    それと、オシャレなライフスタイルを確立していらっしゃいそう。
    そんな雰囲気を文節の間から感じました。

    勝手な印象です。
    全然違ったらご免なさい!


    秋ですねーー。
    今年こそ紅葉満喫!
引用返信/返信

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■17686 / 親記事)  白日
□投稿者/ uni 一般♪(3回)-(2007/01/16(Tue) 17:33:06)
    あー…



    綺麗な人だなー



    ただ目に入っただけですが



    地味めな色のいかにもOL風な格好で



    信号待ちで
    立ってた人





    左腕に百合の花束?
    あれは胡蝶蘭か?



    白い花がやけに綺麗


    なんにその人の目は赤い





    ナンパしようなんて思いませんが



    その背中に
    頑張ったね と言いたかった







    なんちゃって

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス36件(ResNo.32-36 表示)]
■19416 / ResNo.32)  白日
□投稿者/ uni 一般♪(34回)-(2007/07/07(Sat) 17:33:12)
    花火する家族連れを横目に


    君といた



    無口な君の手は饒舌で
    困るくらい



    「車でなんか、した事ない」
    「私も」


    笑いながら
    鶏のふたり


    馬鹿みたいに星は綺麗だし
    家族連れの花火も綺麗だけど

    全然お構いなし
    君ばかり


    「好きだよ」


    ほんとに?


    返事はない


    キスはなし


    鶏なふたり




    君といたい

    (携帯)
引用返信/返信
■19500 / ResNo.33)  花火
□投稿者/ uni 一般♪(35回)-(2007/07/18(Wed) 22:49:43)
    不機嫌のまま
    寝かせてしまった
    朝になれば
    笑顔見せてくれるかな
    綺麗な花火も
    まるで君からの火花だ
    綺麗だな
    ごめんね
    ごめんね

    いつも傷つけてばかりだな
    なんでこうなんだろうな
    でも好きだよ
    ごめんね


    (携帯)
引用返信/返信
■19929 / ResNo.34)  白日
□投稿者/ uni 一般♪(1回)-(2007/08/27(Mon) 23:31:59)
    さよならの前にしなくちゃいけない事がある


    花火しなきゃだ


    ずっとずっと毎年君言ってたもんね


    本当に本当に大好きだった


    実際にそう思えば思う程
    ありふれた当たり前の言葉しか出てこないから


    バカみたいに
    ありふれた言葉を言うんだ



    こんなに好きになれたのは
    君しかない


    大好きだよ

    (携帯)
引用返信/返信
■19964 / ResNo.35)  白日
□投稿者/ uni 一般♪(3回)-(2007/09/05(Wed) 22:33:20)
    追われるように慌ただしい1日がやっと終わって
    ちょうど入ってきた電車に乗り込んだ

    あいにく座る事はできなくて
    吊革に掴まる

    蒸した車内の空気はどっと疲れを倍増させる


    ポケットの振動がメールを知らせた




    「月がオレンジだよ」


    疲れた気持ちが少し温かくなった
    ほっとした


    明日も頑張れるかもと
    少し思えた

    (携帯)
引用返信/返信
■20004 / ResNo.36)  電波塔
□投稿者/ uni 一般♪(5回)-(2007/09/10(Mon) 23:16:38)
    話し放題の携帯を購入。
    二年契約だったかな。


    「二年保つかね」
    『携帯が?』
    「二人の遠距離が」




    これを機に禁煙でもしようか
    寂しくなったら電話しよう
    タバコじゃなくてさ




    君専用電話


    電波飛ばす


    どこにいても



    君を呼ぶよ

    (携帯)
引用返信/返信

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