ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■18633 / 親記事)  海鏡の風
□投稿者/ 金丸 大御所(334回)-(2007/04/16(Mon) 16:35:30)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    甥っ子は膝枕でスヤスヤと寝ていた。

    15分にと四季がメールが来てから

    私は携帯を握り締めて

    呼吸を整えた。



    この数時間前に私は一つの決心をした。

    それは

    優しい口調だけは崩さないようにしようと。

    何故だか

    それが必要な気がした。



    15分過ぎに

    携帯が鳴った。


    『もしもし』


    「んー」



    この電話は長くなるか短くなるかわからない

    四季の第一声を聞いてそんな気がした。


    他愛もない話をしていた


    「疲れてる?」

    『まぁ色々とね』



    あのトラブルが浮かぶ。



    「あの日大丈夫だったの?」

    『んー大丈夫だよ。言ったろ。お前が心配することじゃないって。』


    他の理由で電話したってことか…。



    四季がなかなか電話を切らないのを感じ

    私は幾度か話を切り出す四季の言葉に


    決心した口調で答えていた。



    『海ちゃん』

    「ん?」


    この一言が発せられた時


    あぁ大事なことなのだと

    その後に続く言葉を待った。



    四季が『ちゃん』を付けで私の名前を呼ぶときは

    何かあるときが多い。








    『別れてほしいんだわ』



    「そんなことだろうと思ったよ。」


    『相変わらず勘がいいね(笑)』


    「で、理由は?」


    『…このままだとタケちゃんにバレるんじゃないかって不安感でしかお前に接せられなくなる』


    「で、お前はどうしたいの」


    『お前が言ってた決心もあるし、ちゃんと好きだし、別にこれから何かを変える気はないよ』


    「ちょっと考えさせて。電話する前に連絡するから」


    『あいよ』




    電話を切った後


    私は泣き崩れた

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス10件(ResNo.6-10 表示)]
■18705 / ResNo.6)  海へ
□投稿者/ 四季 一般♪(1回)-(2007/04/18(Wed) 19:25:06)
    ありがとう



    このエッセイからも


    ホームページからも


    メールからも



    晴れた日や


    雨の日や


    楽しい日や


    憂鬱な日にも



    たとえ


    理解されない時にだって



    いつの時にも


    海から届いているよ



    優しい風のって


    鳥にのって


    花びらにのって


    雨粒にのって


    溢れる光にのって



    いつだって


    海から届いているよ


    溢れる想いが


    どんな時にだって


    届いているよ



    ありがとう


    ありがとう


    愛させてくれて


    ありがとう



    (携帯)
完結!
引用返信/返信
■18759 / ResNo.7)  完結 お疲れ様でした
□投稿者/ 昴 大御所(371回)-(2007/04/21(Sat) 02:13:04)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    どちらのスレッドに書かせて頂こうかと悩んで
    やはり本流に当たるこちらかと・・・

    完結 お疲れ様でした
    切ないですねぇ・・・

    最近書けなかった昴ですが
    金丸さんの追い上げを感じて
    「書かなきゃ・・・」って感じでやっと書けました

    金丸さんのこと昴の心の中では親しみを込めて
    『きんちゃん』って呼ばせて頂いているんですよ^^
引用返信/返信
■18771 / ResNo.8)  お疲れさまでしたo(^-^)o
□投稿者/ 夏菜 一般♪(6回)-(2007/04/22(Sun) 13:48:20)

    久しぶりにPCを開くことができました
引用返信/返信
■18772 / ResNo.9)  お疲れさまでしたo(^-^)o
□投稿者/ 夏菜 一般♪(7回)-(2007/04/22(Sun) 13:57:55)
    ごめんなさぃ↓上のは打ち間違ぇです(∞xωQ艸)$.*.

    改めて、ぉ久しぶりです。
    近況報告からいきますと、現在声帯にポリープができてしまったのでバイトを休んでいます。
    しかも週3での病院通ぃ・・・加ぇて1ヶ月歌ぅの禁止とゆぅ・・・
    辛ぃです((pД+。∝)泣)

    大学では軽音サークルに入ってボーカルをやる予定です☆
    なのにこの状態とゆぅ・・・↓



    金丸さまはぉ元気でしょおか。
    淋しくなりますが、エッセイ完結ぉ疲れさまです((艸OωQ★)*+。
    またぃつか、
    エッセイとゆぅ形ではなくとも金丸さまの言葉を読みたいです。

    本当にぉつかれさまでした。
    またぉ会いできる日を楽しみにしてぃます(*UωU*p圉q)*.゜


    これからも金丸さまの未来に良ぃことがありますよぅに・・・


    夏菜でした☆
引用返信/返信
■18780 / ResNo.10)  昴様
□投稿者/ 金丸 大御所(345回)-(2007/04/23(Mon) 03:13:57)
    感想ありがとうございます。

    いやぁエッセイは終わらないとか言いながら終わらせちゃいました(笑)

    しかも四季に頼んでゲスト投稿までしてもらいました。

    読んでくれる人がいて本当に嬉しいです。

    『風の唄』はポツポツ気が向いた時に書いていこうと思っています。

    多分…とゆうか確実に昴さんを抜くことは無いです(笑)
    安心してください(笑)

    最近の追い上げは、もう出来ないと思います。と言っても、20以上に差があるまんまですけど(笑)

    でも、ずっと書いていきたいと思ってます。

    昴さんのよきライバルでもある為に。(笑)

    ありがとうございます

    これからもよろしくお願いします(笑)


    金丸

    (携帯)
引用返信/返信

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■18785 / 親記事)  Dilemma
□投稿者/ つちふまず 一般♪(5回)-(2007/04/23(Mon) 16:26:53)
    2007/08/24(Fri) 11:17:41 編集(投稿者)
    2007/08/24(Fri) 11:16:49 編集(投稿者)

    目を閉じて─




    静かに耳を澄ませば。




    戻らない駆け抜けた季節、笑い転げた時間。




    宝物みたいにキラキラ光ってる記憶を、





    今でも覚えてる。




    切ない位、
    溢れる思い出達を胸に。




    あなたは今─




    何を見ていますか?



    つちふまず






引用返信/返信

▽[全レス9件(ResNo.5-9 表示)]
■18927 / ResNo.5)  Dilemma 【特攻服と子猫】
□投稿者/ つちふまず 一般♪(11回)-(2007/05/05(Sat) 11:39:48)
    2007/05/05(Sat) 11:41:19 編集(投稿者)

    ───ハァ、ハァ



    息が上がる。


    なんなの…。


    怖いよー!


    変態…かな…。


    いやー!




    走って走って走って─


    やっと見えて来た、
    大通りの灯り。



    緑と青のラインのコンビニの看板に気付いて。



    また走る─




    ………シャカシャカ




    まだ付いて来る…。




    やっとの事で公園を抜け、




    ハァ、ハァ、


    ブーン─
    「いらっしゃいませ…」


    気の抜けた男性店員の声が背中に響いた。



    ハァ………。



    特に買い物をする訳でもないので、
    雑誌のコーナーへと足を進める。




    ……なんだったんだろ。



    勘違いかなぁ…。



    ふう…。





    と─



    ブーン



    「………え」



    ─いらっしゃいませ





    入って………。




    暗くて分からなかった部分が明らかになる。




    上下は黒のトレーニングスーツ。




    大学生位?




    眼鏡と無精髭が、




    ……ど、どうしよ




    “危ない感じ”




    女性誌のコーナーの前に立つ私からは見えない食品の陳列棚を回って、




    私の延長線上の男性誌のコーナーへと。




    立った─




    どうしよう…。




    ちらりと視線をそちらに、



    …………。





    見てる…………。




    本気で怖い。




    店員さん…?



    それともまた走る…?




    やり場の無い視線を雑誌の向こうの窓の外に。





    すると─



    「…………。」



    ピカピカなバイクが、そこには停まっていて。




    さっきは夢中で走って来たから気付かなかった。



    金髪で小柄な、




    …特攻服?




    真っ白なそれに、
    金の文字。


    何が書いてあるかは分からないけど。


    普段なら避けて通るに決まってるその“人種”に思わず目を奪われたのは、





    しゃがんでいる彼女の足元には毛並みの揃ってない子猫が、


    とても気持ち良さそうに撫でられていたからで。




    その彼女の表情は、




    凄く凄く。
    優しくて、


    何より可愛かった。




    なぜ彼女に必死な思いで私が視線を送ったのかは良く覚えていないけど。



    ふと顔を上げた彼女と目が合うまでは、




    それほど時間はかからなかった。







    これがアンナとの─






    最初の出会い。

引用返信/返信
■18928 / ResNo.6)  Dilemma【SOS】
□投稿者/ つちふまず 一般♪(12回)-(2007/05/05(Sat) 14:40:05)
    目と目が合ったのは、ほんの数秒間─




    でも私が訴えたい事は、かなり切迫していて。




    “タスケテ”




    口元でそれを作る。




    助けて。



    すると─


    特攻服の彼女は、立ち上がり腕を組み。



    “?”



    眉間に不審を留めながら首を傾げている。



    “これ、これ”



    気付かれないように、隣に小さく指を向ける。


    すると、彼女は私の隣に目を向けた。



    が。



    “………。”


    白い特攻服から伸びた手がワシワシと頭をかいて。


    再び足元に纏わりつく子猫に注意を向けた。





    あーんもう…。



    ダメか…。



    一つため息をつく。




    相変わらず─


    隣の変な人は、私をチラリチラリと見ていて。


    危険そうな雰囲気は変わるはずもない。




    逃げよう。



    うちまでは、
    目と鼻の先。



    よし、何事も無かったように出て行こう。




    きっと勘違いだよ。
    うん。




    このコンビニに用事があったのかもしれないし。




    思い切って入り口に、再び足を向ける。




    が─


    ブーンと自動ドアが開くと同時に、




    雑誌コーナーから、また再び私の後を追うように歩くその姿を見て。


    背筋に寒気が走る。




    やっぱり私の後を…、



    走ろう。
    決めたその時。




    トン。


    何かが鼻先にぶつかって思わずよろける。


    頭上から声がした。





    「あいつか…」





    目の前に、
    白い特攻服。


    小柄だと思っていた体は意外と背が高くて。




    「え?」




    鼻を押さえながらそう言うと。






    「タスケテ、って。言っただろ」





    いいから行きな、と。


    背中を押された。



    「お前さんはこっち」



    そう言うと先程の子猫をひょいと持ち上げて、バイクの座席の上に乗せた。



    ほんの数秒間のやり取りの後。




    黒いトレーニングスーツが近付いて来るのを見て、



    「…噂のニート君」



    勘違いかもしれないけれど。



    ニヤリと彼女が笑ったように見えた。



    私は思いっきり走り出す。



    何が何だか分からないけれど。



    とりあえず、
    怖くて怖くて。
    逃げたかったから。



    走って、走って、
    暫くして振り返ると。











    二人の姿は、どこにも見えなかった。




    (携帯)
引用返信/返信
■19883 / ResNo.7)  Dilemma【再会】
□投稿者/ つちふまず 一般♪(3回)-(2007/08/24(Fri) 09:36:19)
    それからアンナに会うまで─




    それほど時間を必要とはしなかった。




    例の気持ち悪い青年に追い掛けられてから数日後。


    例のコンビニに無印のルーズリーフを購入しに立ち寄ろうとした際。



    “あれ?”



    駐車場に二台並んだバイクの前で、
    車輪止めに座っている彼女に気付く。




    …………あ。


    あの人だ。



    サラサラとした金髪に、小さな白い顔。
    くっきりとした二重。


    一度見たら忘れない不思議な雰囲気。


    どうしよ。
    声、かけようかな。


    でも………。




    ヤ。


    ヤンキーだよね…。
    どう見ても。
    (怖い)



    「ダッハハハそれアンナさんヤバいですって!」


    「仕方ないだろ」



    くわえ煙草で、
    あの人は前と同じ真っ白な特攻服。

    もう一人は、
    派手な紫。
    同じく特攻服。




    もじもじと二の足を踏む私の視線と、



    「…………あ」



    白い特攻服さんの意識が繋がった。



    あ…気付いた?



    「…あ、あの」



    「…………。」



    「この前はありがとうございます」



    頭を下げていた私に、


    「誰だっけ?」


    え。


    「誰っすか?」


    隣の同じくヤンキーさんが首を傾げる。



    「あの、この前助けて、貰った、んですけど…」



    「助けた…」



    ホントに?紫の人が続く。



    「あの、覚えて、…ないですかね」



    「……………。」



    うーんと綺麗な顎を撫でた後に。



    あ、という顔をしたと同時にポンと手のひらを拳で打った。




    「はいはい。この前ここにいたっけ…随分前の事のような気もするけど」



    「はい!ありがとうございました。あの時は…」




    良かったー、覚えててくれてた…。



    「全然状況が掴めないんすけどー」



    紫の人が言う。



    「アイツに狙われてたんだよ、“ 新田くん ”」



    「あー、それで」



    ふふふん、と2人は顔を合わせて笑った。



    「新田くん?」


    って名前だったの?


    「似てたべ?新田くんの髪型に。前髪の重たい事よ…」


    「タッチの新田くんだよもはや知らないワケ?最近の女子高生は…」


    紫の人が間髪入れずに言った。


    新田くん…。




    「髪型だけな。ってかミズキも女子高生だろ、あ。私もか」



    「あ、でしたねダハハ」



    女子高生!?


    ホントに!?






    (携帯)
引用返信/返信
■19886 / ResNo.8)  Dilemma【ピノ】
□投稿者/ つちふまず 一般♪(4回)-(2007/08/24(Fri) 11:58:11)
    「翠嵐!?」


    すーいーらーんーとミズキと呼ばれる子が大声を張り上げたものだから、


    「ええ、そう、ですけど…」


    一歩私は後退り。


    「翠嵐高校か。頭いーんだね」


    ニコリとアンナと呼ばれたその子が笑った。
    嫌みのない笑顔である事に気付いて、


    私も笑う。



    「成績はそんな良くないけど…」


    中の上、
    位なのかなぁ。



    「翠嵐って事はアイツと一緒か」


    「あ、そーですね」


    ふむふむとアンナは再び腕を組み直す。


    「知り合いいるんですか?名前は?」


    「んー、まぁ幼なじみだな…知らなくていいよ。変なヤツだから」


    確かに、と。
    ミズキも笑った。



    うちの学校にそんな“やんちゃ”な人、いたかな…。



    しばし考えていると─




    「私、ミズキっての。あんた名前は?」




    「ウンコ座りで自己紹介するんじゃないよ」




    腕組みをしてバイクに寄りかかっていたアンナが窘める。




    「あ。すんません、えーとミズキだよ、でこっちはアンナさん」



    ポンポンと特攻服のお尻をはたきながら、
    私に笑顔を向ける。
    紹介されたアンナも、コクリと小さく頷いた。



    「あ、私…、シノと言います」


    「何かレトロな名前だね」


    ミズキが少々驚いている。


    「そうなんです…あんまり自分の名前は好きじゃなくて」


    志乃、と書きます。



    「いい名前じゃないか。シノ、シノ、シノ…。…………あ」



    「え?」





    「アイスが食いたくなって来たな」





    「アンナさんそれ、もしかして“ピノ”?」





    「おーそれそれ。よし、ピノ食うべ」





    くるりと向きを変えて、コンビニの店内へとスタスタとアンナは歩く。






    ま、


    マイペースなヤンキーだなぁ…。




    「アンナさん、面白いんだよ、ホントウケる」





    ニシシ、と私の方を見てミズキは笑った。




    「ピノもおいで、一緒にアイス食おうや」




    自動ドアが開く瞬間に、アンナはこちらに向かって呟いた。





    「ピノ?」


    シノだよ?




    「名前、記憶されたね。ダハハハハ」




    それから駐車場で、三人でピノを食べた。




    何だか、
    この人達と関わっている自分がちょっと不思議で。



    でも、
    悪くない予備校の帰り道だなぁと。










    素直にそう思った。




    (携帯)
引用返信/返信
■20228 / ResNo.9)  お詫び
□投稿者/ つちふまず 一般♪(2回)-(2007/10/23(Tue) 18:51:01)
    どもども。
    お久しぶりです。


    まずは。
    すみません、
    放置…(+_+)


    次に、
    何名かの方にお騒がせしてしまったみたいで。
    私は記事を読んでいないのですが…。
    申し訳ありません。


    どうやら。
    どなたかが自然更新してくれてたんですね(笑)


    すみません、
    ひとえに私が放置していた事と、紛らわしい冠を当初付けていたせいです。
    重ねてお詫び申し上げます。




    …いや、
    最近忙しくってですね?いや本当マジで。
    (ぶっちゃけ過ぎ)



    言い訳になってしまうので愚痴は申し上げませんが、スレを立てた責任は私にありますので。



    いずれ続きを書く事をお約束させて下さい。



    こちらのサイトをご覧になる方の中には、
    日々忙しく動かれている方も多いと思います。



    共に頑張りましょう♪



    馬肥ゆる秋。
    寒くなるまであっという間ですよね。



    どうか皆さんお体に気を付けてお過ごし下さい。お目汚し大変失礼しました。





    (久しぶりなので書き込むのに緊張している、)




    つちふまずでした。







    (携帯)
引用返信/返信

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■17240 / 親記事)  カミングアウト
□投稿者/ 金丸 ベテラン(237回)-(2006/11/15(Wed) 03:41:05)
    こんにちわ。金丸です。

    もとい

    海です。

    まぁどちらでもいいです。


    このエッセイは私がカミングアウトしてきた経緯や状況、相手の反応を書いていきたいと思っています。


    少しでも誰かの力になるエッセイになるといいのですが…




    ご意見、ご感想、批判承っておりますのでお気軽に言ってください。


    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス9件(ResNo.5-9 表示)]
■17315 / ResNo.5)  ありがとう
□投稿者/ 金丸 ベテラン(243回)-(2006/11/24(Fri) 20:47:26)
    よっしー様

    夏菜様

    ゆらら様


    いつも応援、いつも励まし、いつも読んでくれてありがとうございます(*´ω`)


    こっちは記憶を辿ったり、ただ怠けたりで全く更新してなくてすみません。

    誰かの力になれたら

    このエッセイは意味があるものになります

    そうなることを願って書き記します。


    これからも

    気が向いたらまた読んでください。


    よーし書くぞっ!!!!!!!(`Д´)9

    (携帯)
引用返信/返信
■17316 / ResNo.6)  親友 answer
□投稿者/ 金丸 ベテラン(244回)-(2006/11/24(Fri) 21:17:35)


    親友と顔を合わせ

    あまり目を合わせずに手紙を貰いました。

    確か

    親友は笑って手紙をくれたと思います。

    手紙には

    『バイとかってよくわからないけど、女の人にモテる人って本当に魅力があるからだと思う。
    気分を害したり、海を嫌いになったりなんかしないよ。
    海は海でしょ?
    とにかく私はいいと思うよ。
    十人十色、いろんな人がいるからね。

    悩んでることで、私にできることがあったら言ってね。
    何も出来ないかもしれないけど、私は海の力になりたい。』


    そう書いてあったと思います。

    思いますってゆうのは…

    その手紙どっか行っちゃったらしく…ってゆうかどっかやっちゃったってゆうか…(苦笑


    この手紙を読んで

    私は凄く安心した記憶があります。

    あぁ良かった

    嫌われなかった


    その安心。



    言って良かった

    少しだけ心が軽くなった。



    結局

    卒業式でも告白出来なくて

    言えたのは卒業して二年位経ってから。


    実は好きだったんだよ。多分バレてただろうけどって。


    そしたら

    知ってたよ。
    でも気づいたのは卒業してから。
    妹(双子の)に言われてね。
    でも嬉しいよ。素直に。(*'∀')


    って


    あれだけあからさまだったのに気づいてなかったんかぃ!!!
    しかも妹の方が気づくの早かったとかどんだけだよ!!!




    相変わらず突っ込みどころ満載でした。


    でも

    私は幸せだと思います。

    この親友が居たからカミングアウトすることに少しだけ抵抗がなかくなったから。


    さて

    次は 親友二号です。

    (携帯)
引用返信/返信
■17317 / ResNo.7)  親友二号・ミユ
□投稿者/ 金丸 ベテラン(245回)-(2006/11/24(Fri) 21:56:14)
    いやぁこの子というか

    いつも通り愛情こめてコイツと言わせていただきます。


    コイツは少しギャル系で

    なんせ頭が悪い。色々。

    いっつもバカにして、いつもからかってました。(今も。)


    勉強は出来なくても、頭が悪くても、コイツはコイツで悩み、愛すべきところがいっぱいある奴。


    そんなミユにカミングアウトしたのは

    16の冬だった気がします。

    ミユの家に居た時

    私の恋人(当時の)から電話がかかってきて

    目の前で物凄いニヤニヤしてるので軽く蹴りながら

    「かわる?」と電話を渡したことが

    カミングアウトでした。

    恋人は女の子。


    「こんばんは。」と言った後のミユの顔は


    「??????????」


    二言三言話し、また電話を渡してもらい切りました。


    そして

    「実は彼氏じゃなくて彼女なんだよね。」


    と。



    ミユは

    「えぇっ!?うっそ!?まじ!?マジマジマジ!?ねぇマジ!?」


    あぁけたたましい。笑


    「マジ。笑」


    「へぇー!!!!あっ、ねぇねぇ女同士ってヤレんの?」


    やっぱりそこか…笑


    「男女と変わんねーよ。ただ前戯が主なだけ。」


    いやいや当時の私は経験もなかったのに…なぜ言えたのか…


    「ん?それってヤるってことになんの?」

    「気持ちの問題だよ。」


    いやいやだから私…(笑)



    好奇心が先走っているミユをなだめ、聞きました

    「で、ご感想は?」


    「あーいいんじゃない?ありだと思うよ全然。」

    ほっと胸を撫で下ろすと

    「でさぁ!!!どこで出逢ったの?!」



    やれやれ…(笑)



    まぁこんな感じだった訳です。


    あ、忘れてましたがもう一人中学生の時カミングアウトした人がいます。


    同級生の男子。

    野球部。

    小太り。

    そして


    お姉言葉。

    でもノーマル。


    カミングアウトした時の答えは

    「あっそーなんだぁ。」


    え?


    いや、あ、うん。


    「いいと思うよ。実際あたしだって親友のこと「あぁかっこいいなぁ」って思っちゃうもん。」


    あ…あそうなんだ…

    「でもあたし女の子が好きだけどね。そこんとこよろしく」


    あっ…はい。



    とまぁ

    こんな感じでしたとさ。

    (携帯)
引用返信/返信
■17318 / ResNo.8)  親友のマナ
□投稿者/ 金丸 ベテラン(246回)-(2006/11/24(Fri) 22:16:19)
    どんだけ親友おんねんって思うかもしれませんが

    まぁ十人十色ってことで。



    コイツは中学生時代、女の先輩に(恐らく憧れでしょうが)惚れてキャーキャー言ってまして

    なんとなくバイかなぁって思い言ってみました。

    大体前回あたりから「男でも女でもどっちでも恋愛対象になるんだよね。」とカミングアウトしています。

    多少、女の人の方が恋愛対象になりやすいことは特に言いませんでした。


    マナも反応はミユと大体同じでした。



    違っていたのは

    「私が一回経験したら抜け出せなくなりそう。」と言ったこと。

    確かに。と思いましたが

    「まぁ男大好きだけど♪」と あっけらかんとしていました。


    次は

    最初の親友と私といつも一緒だった

    ヨコ。

    男の子です。


    いやまぁ男の子だけあって興味津々でしたが

    答えは「いいと思う。理解はあんまり出来ないけど、ありだよ。」でした。



    次は保育園からの仲良しで今となっては親友のメグ。


    多少驚いていましたが、なんなく受け入れてくれました。


    次は

    メグと私といつも仲良しだった2人。
    中学生の頃、メグも含め、私のことを「お父ちゃん」と呼んだ

    ユウとノン。

    4人でファミレスで話していた時言いました。

    反応は


    「えぇ!?えぇえぇ?!えっ!?えぇ!?」


    2人共同じリアクション。(笑)


    先にカミングアウトしてあったメグと私はそれを見て大爆笑。


    結果は

    戸惑いながらも受け入れてくれました。

    (携帯)
引用返信/返信
■17319 / ResNo.9)  今年はカミングアウトの年
□投稿者/ 金丸 ベテラン(247回)-(2006/11/24(Fri) 22:49:23)
    次は兄の彼女。

    私ととても仲良くしてくれる、サバサバして女の子らしい子。

    3歳上でした。

    「彼女が居るんだよね」


    サラッと言った後に返ってきたのは

    「あっそーなんだ。ふんふん。全然いいと思うよ。」


    兄はもう少し後ですが同じようなリアクションでした。


    この後は随分誰にもカミングアウトする機会がなく

    まだ本当のことを言う勇気がなくて

    まだ親にも他の兄弟にも言えませんでした。


    しばらくして成人式を迎え

    式には出ず、その後の飲み会でカミングアウト。と言っても2人。

    一人は言い当てられて、もう一人は「あたし最近女もいけるんじゃないかって思うんだ」の一言で「こいつだ!!」とカミングアウト。


    後者の子に言った時の答えは「あたしは本当に女の子を好きな訳じゃないけど、いいんじゃない?」でした。


    そして

    今年の夏

    今の彼女と付き合い始めて

    「彼女」を「彼氏」と嘘をつくことが苦痛になり

    四季のことを嘘で纏いたくない と、誰にでも本当のことを言うようになりました。


    ただバイト先の人以外に。



    今年の地元の夏祭り

    同級生の2人に会った時カミングアウトしました。

    「ねぇ海ちゃん彼氏いるの?」

    「んー彼女が居る。」

    「へっ?うそ?!そうなん?!」

    「うん。」

    「あ、なんか幸せそう。いいなぁー!!!!!」と

    彼氏と別れたばかりの子と、しばらく彼氏が居ない子は暴れてました。(笑)


    今までなんなく受け入れてもらい続けて

    ある疑問が浮かびました


    不思議じゃないのか?
    意外じゃないのか?


    その問いを2人にぶつけると


    「なんか海ちゃん男の子っぽかったし違和感ない。」



    納得。


    次は美容師の卵の

    斜め後ろに住むチアキ。

    カットモデルをしてもらってる時


    「ねぇ海彼氏いるの?」

    「彼女が居る。」


    「えぇっ!?」(大声)

    「シーッ!!!笑」


    そこは静かなサロンで

    とても良いリアクションでしたが声を控えた方がよかったのです。


    「まじ?どんな人?」

    「いい女。」

    「見せてよ!!」

    「変顔しかない。」

    「なんで!!」

    「だってカメラ向けると変顔しかしないんだよ。送ってくるのも大体変顔だし。」

    「えー見たかったのにぃ。」


    えぇ

    見せたい位いい女ですよ。(笑)



    (携帯)
引用返信/返信

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■12111 / 親記事)  証明
□投稿者/ ハッカ 大御所(451回)-(2005/08/15(Mon) 22:20:21)
http://id13.fm-p.jp/26/haccahacca/


    強くなった気がしました




    なんだって出来る



    そう思えて




    世界が



    モノクロの世界が


    極彩色に変わるかのように



    人にも優しくなれて





    なんか、それって……





    すごいですよね






    ドキドキして、わくわくして





    なんだかわからないけれど




    私に訪れた変化








    ……私……







    あなたがいれば



    他に何もいりません







    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス9件(ResNo.5-9 表示)]
■12286 / ResNo.5)  証明4
□投稿者/ ハッカ 大御所(455回)-(2005/08/23(Tue) 09:34:41)
    あなたのいるこの世界はまさに天国







    ふるぼけた校舎も



    壁の落書きも







    ―…神聖な領域…―









    ぼでぃぴあす


    えくすて


    ねいる







    私には夢のような世界です






    「メグってさ〜♪お茶の水蹴ってここにきたって本当?」




    噂ってひろまるの早いのですね





    「はい。」



    私は笑顔で答えます




    華道


    茶道


    日本舞踊


    礼儀作法




    そんな世界からの転身





    「しかも、チハル先輩にホレてるってマジやばくねぇ??」


    「―…ん。でも好きなんです」





    只今、授業中




    ここは




    私立女子大





    私の通う大学です

    (携帯)
引用返信/返信
■12331 / ResNo.6)  証明5
□投稿者/ ハッカ 大御所(456回)-(2005/08/25(Thu) 00:16:50)
    授業中では


    携帯が鳴り

    黄色い声と鼻をつくマニキュアの匂い




    当たり前。





    たくさんの香水の匂いに


    カラフルな洋服

    アクセサリー




    当たり前。





    「チハル先輩って、あんなんだけど女じゃん。Hできないよ〜?」



    私の隣に座る女の子

    タバコに火をつけて


    ふわっ



    白い煙が宙に舞う




    黒い目


    シャドウにライナー、つけまつげ



    重そうな目蓋



    「…でも、最近やっとお話してもらえるようになったので、諦めたくないです。」


    「でも女じゃん」




    ゲラゲラと少し品のない笑い方



    「つーか、チハル先輩の噂知らないの?」



    パチパチと音のしそうな睫毛がゆれる




    「なぁに」


    「言ったらメグ泣きそうじゃん」




    くすくすとまわりからこぼれる声



    グレーかかった髪

    ピアスの開いた耳

    細身の体

    シンプルで品のある服装


    少し低い声

    冷たい瞳



    千春先輩を想うだけで幸せな気持ちになって






    だから





    「教えてください」





    女の子はパールで光る唇の端をあげて笑いました



    (携帯)
引用返信/返信
■12346 / ResNo.7)  証明6
□投稿者/ ハッカ 大御所(457回)-(2005/08/25(Thu) 15:30:48)
    「教えて下さい」


    私が頭をさげると、アハハと声が響きました



    試されているのか遊ばれているのか


    つかみとれない表情



    タバコの煙がふぅっと吐き出されて


    一瞬合った視線


    「あの人、トイレでもどこでもお金払えば気持ち良くしてくれるって話じゃん?」



    クスリもやってるっポイよね


    そう


    声を潜めるとなんだか信憑性がわいて




    少し胸が痛む




    その女の子は話をしながら長い爪でカタカタと



    携帯をもて遊んで






    私は




    うつむくしかありません






    「少なくとも、お茶の水蹴ってまで追い掛ける相手じゃねーな。」





    心配?


    興味?





    それはわからないけれど



    その台詞は入学してからみんなに言われてきた事で





    でも






    私自身で確認するまで信じません





    「千春先輩の価値は私が決めます」







    その子は


    ふぅん。ともらしただけで




    やっぱりカタカタと携帯をもて遊んでいました






    (携帯)
引用返信/返信
■12460 / ResNo.8)  証明7
□投稿者/ ハッカ 大御所(459回)-(2005/08/28(Sun) 10:37:32)
    中肉中背の体躯

    黒のロングの髪

    色白の肌


    客観的にみる私



    どこからみても

    「箱入り」

    もしくは「お嬢様」。




    今までの私は有名私立高に通い


    真面目で


    行儀が良くて



    勉強だってできました



    親の期待に答えて


    友達と仲良くし



    先生の言うことを聞いて右ならえ



    だまって頷いて




    それに従う






    でも





    みんな、みんな




    壊したいほど嫌いでした





    なのに





    ある日突然世界が色を変えたんです







    あの人に会ってから







    (携帯)
引用返信/返信
■18615 / ResNo.9)  NO TITLE
□投稿者/ Dunhill 一般♪(1回)-(2007/04/15(Sun) 01:58:43)
    この話すっごぃ好きなんですヶド
    もぉ書ヵなぃんですヵぁ? 

    (携帯)
引用返信/返信

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■22276 / 親記事)  どうして私は・・
□投稿者/ いちこ ちょと常連(96回)-(2018/03/10(Sat) 10:40:37)
    彼女が泣いている
    細い肩を震わせ泣いている
    私は彼女の肩を引き寄せる
    そして頭を撫でながら偽りの言葉を吐く
    大丈夫 大丈夫よ 彼は戻ってくるわ
    ホントに?
    彼女は涙で濡れた瞳で見上げる
    私は返事の代わりに微笑みを返す
    きっと私の微笑みは引きつっているだろう
    なぜなら彼女を好きになってしまったから
    彼女の温もりを感じながら彼との仲が駄目になれと願う
    そんな想いを知らない彼女は言う
    やさしいね ありがとう
    その言葉が私の胸をチクチクと刺す
    どうして私は女に生まれたんだろう
    彼と駄目になっても候補にすら上がれない
    いっそこのまま弱みにつけこんで押し倒してしまおうか?
    そんなことしたら友達ですら居られない
    彼女のそばにいたい 彼女を守りたい
    友達でもいいから
    でも‥‥‥つらいよ



引用返信/返信

▽[全レス8件(ResNo.4-8 表示)]
■22282 / ResNo.4)   どうして私は…5
□投稿者/ いちこ 一般♪(5回)-(2018/05/13(Sun) 21:34:38)
    ちょっ…どうしたの?
    なにもかも忘れさせて
    そう言ってキスをしてくる彼女
    その熱い舌が入ってきた時
    私の理性は吹き飛んでしまった
    だって夢にまで見たことだったから
    彼女は積極的で貪欲だった
    もっと もっと めちゃくちゃにして
    私は彼女に応え 何回も……

    やがて彼女は私の腕の中
    小さく震えながら呟いた
    怖い…怖い…
    私は強く抱き締めた
    大丈夫 私が守るから
    無理よっ!
    彼女は私を突き飛ばして泣き始めた
    私はそっと抱き寄せ聞いた
    話してくれる?
    こくんと小さく頷いた

    あの後すぐに彼女は貧血で倒れ
    熱も出したらしい
    タチの悪い風邪に掛かったと
    しばらく自宅で寝ていたら
    熱は引いたものの すぐに眩暈を
    起こすようになってしまった
    また歯茎から出血して止まらない
    おかしいと医者に行った

    そしたら そしたら……
    彼女は言葉を詰まらせた
    ……急性白血病だったの
    わっと泣き崩れる彼女
    私は言葉を失った

引用返信/返信
■22283 / ResNo.5)   どうして私は…6
□投稿者/ いちこ 一般♪(6回)-(2018/05/27(Sun) 00:33:19)
    彼女は闘病のため入院した
    その日以来、彼女は涙を見せなかった
    私は毎日のように会いに行った
    彼女はいつも笑顔で迎えてくれた
    大丈夫よ 絶対治してみせる
    そうだねと私
    治ったらデートしようね どこに行く?
    私は病室を出て泣き崩れた

    抗ガン剤治療のため 彼女は坊主になった
    その姿を見て思わず涙ぐんだ
    バカね こんなのなんてことない
    すぐに伸びるから大丈夫
    気丈にも笑う彼女を見て また泣いた
    あなたが泣いてどうするの?
    ごめんね 私はなにもしてやれない
    ううん あなたはわたしを愛してくれた
    それでじゅうぶんよ

    私は骨髄バンクに登録した
    万にひとつでも彼女と合えばと
    しかしやはり彼女とは違っていた
    どうして彼女なの? 神様は不公平だ

    若いだけに病気の進行も早く
    会うたびに彼女は痩せていった
    薬の副作用が強く 食欲もなくなり
    眠れないこともあるという
    もう頭髪だけでなく眉毛までも抜けてしまった

    私は彼女に眉を描いてあげる
    アイブロウパウダーでボリュームを出す
    ペンシルで形を整える
    ほらっ出来た
    鏡で見せると彼女はふくれた
    ひどーい なにこれ?
    私は思いっきりゲジゲジ眉にしたのだ
    似合うと思うけど?
    ぷっ ふふふっ
    彼女が吹き出した 私も笑った
    久しぶりに病室に笑い声が溢れた
    でも彼女はそのうち泣き笑いになり
    とうとう泣き出した
    こんなのひどい
    彼女を抱き寄せ一緒に泣いた

引用返信/返信
■22284 / ResNo.6)   どうして私は…7
□投稿者/ いちこ 一般♪(7回)-(2018/06/03(Sun) 14:42:14)
    彼女の退院が決まった。
    順調に数値が下がり、薬を減らしてもいいらしい
    私は心から喜んだ

    またデートできるね
    彼女は笑った
    でもエッチはだめだよ
    えっ?
    だって全部生えるまで待って
    恥ずかしいから
    なにが?
    彼女は顔を赤らめた
    あっ! アソコの毛までぬけちゃうの?
    もうっ、声が大きい!
    ごめん、ごめん

    それから程なくして 彼女は再入院した
    薬で免疫機能が下がっていたため
    結核になってしまったのだ
    そこから彼女の容態は
    階段を駆け下りるように
    悪くなっていった
    集中治療室でチューブに繋がれた彼女を見るのが辛かった
    彼女を助けてっ お願いっ
    私には祈ることしかできなかった
    そして実に 実に呆気なく
    彼女は還らぬ人になった

    私は泣くことしかできなかった
    どうして どうして彼女なの
    身体中の水分が出てしまうほど泣いた
    死にたい……
    彼女にも言ったではないか
    一緒に死のうと……
    でも 私は降りしきる雨の中
    彼女の葬儀に向かった

引用返信/返信
■22285 / ResNo.7)   どうして私は…8
□投稿者/ いちこ 一般♪(8回)-(2018/06/04(Mon) 00:39:49)
    彼女の御両親は憔悴しきっていた
    それもそうだろう
    私とは比べものにならないほどの
    時間を彼女と過ごしてきたのだ
    片身を引き裂かれるような悲しみだろう

    ご挨拶に伺うと彼女からの手紙を渡された
    自分の死を覚悟していたのか
    もしもの時に渡すように言われていたらしい
    自宅に帰り、手紙の封を切った
    それはこんな書き出しから始まっていた

    『ごめんね
    この手紙を読んでいるということは
    わたしはもうこの世にはいないのね
    あなたをわたしの病気に巻き込んでしまった
    実はわたしは あなたの思ってるような女じゃないの
    自分の病気が分かったとき すごく怖かった
    彼と別れたばかりだったし
    どうしてわたしばっかり こんな目にと思ったわ
    わたしはすごく寂しかった
    そんな時 あなたの言葉を思い出したの
    一緒に死んでもいい そう言ってくれた
    誰でもいい とにかく愛して欲しかった
    そう わたしはあなたを利用したの
    わたしは本当はレズビアンじゃない
    ごめんなさい
    どうしても謝っておきたかった
    でもあなたに愛され わたしは幸せだった
    あなたの瞳は真っ直ぐで わたししか見ていない
    嬉しかった でもいつも罪悪感を感じていた
    わたしはあなたに愛される資格がない
    わがままでずるい女
    でも最後のわがままを言わせて
    早くこんな女のことは忘れて
    次の恋を見つけて お願い
    あなたは自分で思ってるより ずっと素敵
    きっと 運命の人がいる
    こんな形で別れることになったけど
    いずれ別れる運命だったの
    ごめんなさい さようなら』

    私は手紙を抱きしめ、泣き崩れた
    これは最後の彼女の優しさだ
    彼女は確かにビアンではなかったのだろう
    でも間違いなく 私を愛してくれたのだ
    私は彼女を忘れられないだろう
    これからたとえ恋ができなくても生きよう
    それが彼女の望みなのだから

    fin

完結!
引用返信/返信
■22286 / ResNo.8)  感想です^^
□投稿者/ 亜美 一般♪(1回)-(2018/07/11(Wed) 21:50:23)
    久しぶりにふらっと立ち寄ったら
    なんと、いちこさんの作品!
    懐かしくって、感動です。
    素敵な作品
    これからも
    楽しみにしています♪
引用返信/返信

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