ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■21576 / 親記事)  続・ご褒美
□投稿者/ 桜子 一般♪(19回)-(2012/07/22(Sun) 10:17:47)
    2012/07/28(Sat) 11:58:15 編集(投稿者)
    2012/07/28(Sat) 08:50:57 編集(投稿者)
    2012/07/22(Sun) 13:24:29 編集(投稿者)
    2012/07/22(Sun) 13:18:24 編集(投稿者)

    * 2002年10月の投稿から10年も経っちゃいました。未完だったので、完成させてfinにしますね。
     
      最初から読みたい方は、ビアンノベル集 第2期をご覧下さい。



     初診でお気に入りの少女ー桜子という女の子だった。何度目かの治療の後、この肌が白くて手足の長い美少女の唇を、気が付いたら奪っていた。
    歯科医として漸く自信が付き安定してきた今、
    公私ともに充実していたし足りないものはないと思っていたのに、
    この端正な顔立ちの少女と診察台で対面した時、
    何か躯の奥の燠火にちりりと火が点いた気がした。

     2つの診察台を行き来しながら治療が進み、
    最後に残ったのがこの美少女ー飯田桜子だった。
    歯科治療には付き物のキーンという不快音に少女は美しい顔を度々歪めた。
    端正な顔が歪む表情を見る度に、
    私の紅い燠火がちろちろと鳴り始めていた。

     講習会出席のため、歯科助手2人は今しがた早退したので、
    此処は2人きりだ。次回の治療に目処が経つところまで漕ぎ着けると、
    「よく頑張ったわね・・・・」
    の次の言葉を吐く時には、私の顔はすでに少女に被さっていた。
    「・・・ご褒美・・・・・」
    シルクの目隠しをしたまま、少女は私のルージュの香りがする唇を受けた。
    その瞬間、少女の目隠しの布片が少し揺れた。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??!・・・・
     
     そんな衝撃的な初キスを受けても、美少女は予定どおり治療に来た。
    仮詰めのセメントを除去し、クラウンを入れて薄いゴムを噛ませたまま
    私は少女の唇を塞いだ。
    ソフトなキスを繰り返しながら、私は右手を少女の右胸に触れた。
    少女には、毛布一枚掛けられた程度の感じしかないほどの触れ方で。
    診察台の少女の身体がゆるゆる、くねくねと揺れ始めている。
    大きく揺れては落下しかねない歯科診察台、
    少女の喘ぐ揺れを自分の乳房に感じながらもキスの洗礼を続けた。

    涼美の心の中で変化が生じていた。
    滑り止めの金具が外れたて、今トロッコが緩やかに背徳の斜面を下り始めていることに気づいたが、動き出した禁断愛のトロッコを止めることは最早出来そうになかった。
    少女は・・・ああ・あう・・あっ・・・と吐息を洩らして、華奢で細い喉を反らせてひくついた。
    涼美は、真綿のような優しい触手で、少女の右胸をやんわり揉んだ。
    気持ちがいいのか・・・ああぁ〜んっと今までにない高いオクターブの喘ぎを発した。

    私は今朝から濡れていた。
    起きて直ぐシャワーを浴びたのに、出かける前にはまたシャワーが必要になった。
    若いポピーが、甘い花蜜のお洩らしでぐっしょりと濡れてしまっていたから。
    こんなことは生まれて初めてのことだった。

    真新しいショーツに着替え出かけて来たが、
    歯科医院に近くなるのにしたがい既に身体が火照り、躯の中にぬめりを感じていた。
    歯の治療以外の期待と羞恥が走馬灯のように繰り返し廻り、
    美しい歯科医の手の感触や、甘美な色や微香を放つ女医の美唇を夢想していた。
    今日の治療がほぼ終わろうとした時、
    先生の唇が私の唇を塞いだ。
    予備電源から本電源にスイッチが変わった瞬間だった。















     
引用返信/返信

▽[全レス12件(ResNo.8-12 表示)]
■21668 / ResNo.8)  続・ご褒美7
□投稿者/ 桜子 一般♪(33回)-(2012/10/15(Mon) 13:57:33)
    2012/10/15(Mon) 19:58:01 編集(投稿者)

     先週土曜、サンドイッチハウスで桜子は涼美の巧みなディープキスと胸への愛撫で達していた。
    身体がふわっと浮いたと感じた瞬間だった。一気に何かに飲み込まれ遠くへ一瞬で飛ばされてしまったのだ。
    全身が微弱電流で包まれ、今まで感じたことが無い痺れるような快美感の極みを味わっていた。あれは診療台で治療後に達したイクとは別物の、そうそれは信じられないほど気持ちいいものだった。女の絶頂感はバージョンアップをするのだろうか?
    「イッちゃったの・・・・?」と、涼美は囁いた。
    「・・・・・・・・・・・・」
    桜子は視点の合わない眼を浮遊させている。
    呆気なく達してしまった美少女を強く抱きしめ、少女の引き攣りを胸に感じながら余韻を共にした。
    桜子は絶頂感と同時に体験した下半身の淫らな飛沫をトイレで拭き清めた。持参していた新しいショーツに履き替え席に戻ると、
    「桜子ちゃん、木曜は何時まで一緒にいられるの・・・・?」
    と涼美に聞かれた。
    「夜9時まで・・・なら・・・・」
    桜子は思わず頬を紅く染め、淫惑な予感を連想させる涼美の言葉に反応し俯いた。
    「何か欲しいものない・・・?。あげたいの・・・何でもいいの。桜子ちゃんにとって記念になるものを・・・」
    今まで以上に優しい目の涼美に、しばらく間を置いて桜子はポツリと言った。
    「初体験を・・・・。・・私も女性に・・・・なり・た・・い・・・・。・アッ・
    ・・・」
    自分の口から出た恥ずかしい言葉に、ハッ・・とした。
    「処女を卒業したいの・・・・?」
    「・・・・・・・・・・・・・?」
    大胆なお願いに赤面しながら、桜子はコクンと頷いた。
    「ねえ、・・私が貰っていいの・・・・・」
    「・・ずっと私の傍にいてくださるんでしょう・・・?・先生・・・・」
    「勿論よ、・・あなたが嫌と、・・ううん、ずっと一緒にいてあげる。優しくしてあげる。・・・・そうじゃないわ、・・桜子ちゃんと一緒にいたいの・・・、そう・・私が一緒にいたいの・・・・・・」
    涼美に強く抱きしめられた桜子は、僅かに開いた口から桃色の舌を少し出すと、涼美の唇を求めて顎を上げ瞼を閉じた。甘酸っぱい快感に包まれたディープキスだった。
    2人は、その後離れるのを惜しむようにそれぞれの帰路についた。

     その日から、桜子の頭から涼美の顔、唇の感触、柔と揉まれた胸の愛撫、そして忘れられない絶頂のの悦びが離れなかった。
    目を瞑るとそこには美しい涼美がいて、意を解したように自然と抱きしめられ唇を絡めてくれる。
    涼美の唾は甘くバラの微香がした。
    香りは記憶を呼び戻す効果があるのか、バラの微香を思い出すと、涼美のキスや愛撫を鮮明に思い出し身体の秘奥のポピーを熱く潤ませた。

     桜子には思い出すことがある。と言うより、忘れられないことなのだ。
    両親の寝室から洩れて聞こえた
    「桜子もきっとお前と同じように潮を吹くんだろうか・・・?」
    大好きなお父様の声だった。なんのことか解らなかった。息を潜めてその意味を知ろうとしばらくドアの外で聞き耳をたてた。
    娘の帰宅は夜だからと昼間から夫婦の営みに耽っていたのだろう、それからは思春期の娘には目にも耳にも嫌悪の光景だった。獣のようにお父様はお母様に被さり、跨り、腰を振り、もう嫌嫌と泣き、止めてと懇願する母を無視しセックスを浴びせるように続けた。お母様は泣いていた。
    お母様何故、どうして・・・・・? 処女の娘には想像も出来ない光景だったから。
    あれからいつしか私はお父様をさけていた。男性には嫌悪感を抱くようになっていた。
    父母は今年初め海外赴任中に事故死した。氷結した道路で起きた玉突き事故の巻き添えだった。今私は母の妹、叔母様と同居している。高校卒業までの約束で。

     木曜の約束は桜子の都合で土曜日に変更してもっらた。課題の提出で時間が無かったから・・。許してくれたら何でも聞きますから!と桜子のお願いに、じゃ土曜日はお泊りできる・・・? と、涼美が逆にお強請りしたのだ。
    今日は同級生と一緒に勉強したいとお泊りの許可を叔母様の会社に電話した。外泊に戸惑う叔母に、涼美が同級生の母ですとお願いしてくれた。ご迷惑掛けないようにと一言受け、どうにか一夜のお泊りが決まった。

    青山学院の木々が夕陽できらきら光っていた。
    ここは歯科医院近くのホテルのスウィートルーム。正午に待ち合わせると行きつけのブラッセリーでランチをとり、手を繋いでの散歩ももどかしくて直ぐホテルにチェックインした。
    一週間振りのランデブー、エレベーターのドアが閉まるのが待ちきれないように二人は抱き合いディープキスをした。人を愛するとこんなに辛くて恋しくて待ちきれなくて、1週間という時間が何年もの年月に感じた。
    毎日の長い長いメールや1時間以上の電話も、会って抱きしめ唇を絡めあう悦びには遠く及ばず、待ち合わせで会った時桜子は目を潤ませた。
    その桜子を見て、涼美は思わず桜子を抱きしめた。
    駅前の雑踏の中でだ。

     前から一度は泊まってみたいと思っていたスィートルーム。
    部屋に入ると2人に言葉は要らなかった。
    桜子にプレゼントしようと、木曜夕方銀座のデパートであれやこれや買い求めてきた。今塗っている口紅もそうだ。春の新色とかで、透き通るような鮮やかなピンクと艶っぽさが増したパールの光り、そして新たに配合された美容液がいつまでも発色と潤いを保つのだという。
    その口紅が長いディープキスで薄くなった。
    互いの口の周りがパールで鈍く光り紅くにじんでいる。
    どうしてこんなにキスは楽しいのか、どうしこんなに気持ちいのか?
    どれほど唇を絡め吸い合っていたのだろう? 2人の求める欲望が途切れた時、やっと言葉を交わした。
    「会いたかった・・・」
    「私も・よ・・・。毎日あんなにメールも電話もしているのに・・・変ね・・」
    「変じゃない・・。だって、電話は抱きしめてくれな・い・・・・」
    離れた唇がまた涼美の口紅の剥げた唇で塞がれた。
    抱きしめて離れたくない身体と同じで、唇も離れたくないと思った。

    「ねえ・・桜子ちゃんジャグジーしましょう・・・・?」
    「桜子ちゃんという言い方は嫌です・・・・」桜子は口を尖らせて拗ねてみた。
    「じゃ・・どう呼んで欲しいの・・・・・?」涼美の言葉も眼差しも優しい。
    「桜子・・・・」ちゃんを取って口にした。
    涼美は桜子の腰に手を回し高級そうな皮製ソファーに導いた。
    ソファに2人して腰を下ろすと、互いの服を啄ばむようなキスをしながら脱がしあった。
    「じぁ今から2人きりの時は桜子ね。私のことは何て読んでくれるのかしら・・?」
    「先生・・・」と、桜子は素直に思ったとおり答えた。
    「嫌よぉ・・先生は医院のときだけで十分。・・・・・・・」
    桜子は顎を少し上に向け、空中を見るような仕草で悩む表情を見せた。
    涼美に5cmまで近づくと、
    「じぁ・・・お姉さま・・・・?」と桜子は答えた。
    2人の鼻先が触れ合い、・・・涼美は何も言わず唇を重ね桜子の口内に舌をヌルッと滑らせると、
    「・・ああっ・・・」と少女は溜息を洩らした。 



引用返信/返信
■21786 / ResNo.9)   続・ご褒美8
□投稿者/ sakurako 一般♪(1回)-(2014/02/17(Mon) 23:41:26)
    真昼のブーブクリコは久しぶりだった。
    風呂の準備ができるまでのお愉しみ、パコンッ・・・と大きな音を響かせコルクが飛んだ。シュワシュワッと泡がボトルから少し溢れた。
    ホテル備え付けのコップにブーブコリコを満たす。シュワシュワと極細の気泡が宇宙の星屑のように生まれた。

    ダブルベッドの上に二人でだらしなく向かい合って座り、私と桜子はコップをチンと合わせた。女子高生にはまだお酒は駄目よと言ったが、
    「やだっ、・今日は特別だから・・・ねぇ・・いいでしょう!?・・・お姉さま」
    と、甘えた声と、媚びるような瞳を桜子は向けられ哀願された。

    「・・1杯だけよ。・・・じゃ・・乾杯!。・・・・どう、美味しい・・・?」
    「よく分らない。けど、香りが濃い・・・みたい。・・・うーん、でも美味しい」
    桜子は、口の中ではじける泡の感触と複雑な芳香を探検するかのようなそぶりで、
    2口目3口目と口に含んでは鼻から息を出している。

    「好きよ・・・・、うーん・・・。」
    桜子のコップが空になると、私はブーブクリコを口に含んだまま桜子の口に合わせ、美酒を含ませた。
    「あんっ・・」
    という微音を鼻から発し、桜子は注がれた美酒の泡をごくりと飲み干して、
    「うーん・・・お替り・・・」と言った。そしてまた口を尖らせオネダリをする。何て可愛いのだろうと思った。
    胸が熱くなった。体が熱くなるのがわかった。
    私は、2杯目をコップに半ば注ぐ。その半分をゴクリと飲んだ。そして、残りを口に含むと、目の周りをピンクに染め始めている桜子の顎を引き寄せ、再び口移しを
    した。ブーブクリコと涼美の唾液が桜子の口腔を満たしてゆく。
    「好き、好きよ桜子・・・・」と私は桜子と唇を合わせ触れたまま言った。
    注がれたブーブクリコは、桜子の口、鼻を美酒たる芳香とアルコールで満たした後、桜子は含んだ甘い美泡を涼美の口に再び注ぎ返してきた。
    「・・・ああっ・・・美味しい・・とっても”お・い・し・い”・・」と震えるほどに思った。
    そのままで飲むブーブクリコより、何倍も何十倍も美味しいと思った。
    シャンパンと熱いキスがブレンドされた最高の美酒の味がするのだから・・・・

引用返信/返信
■21787 / ResNo.10)  Re[8]: 続・ご褒美8
□投稿者/ sakurako 一般♪(2回)-(2014/02/20(Thu) 08:14:15)
    No21786に返信(sakurakoさんの記事)
    真昼のブーブクリコは久しぶりだった。
    風呂の準備ができるまでのお愉しみ、パコンッ・・・と大きな音を響かせコルクが飛んだ。シュワシュワッと泡がボトルから少し溢れた。
    ホテル備え付けのコップにブーブコリコを満たす。シュワシュワと極細の気泡が宇宙の星屑のように生まれた。

    ダブルベッドの上に二人でだらしなく向かい合って座り、私と桜子はコップをチンと合わせた。女子高生にはまだお酒は駄目よと言ったが、
    「やだっ、・今日は特別だから・・・ねぇ・・いいでしょう!?・・・お姉さま」
    と、甘えた声と、媚びるような瞳を桜子は向けられ哀願された。

    「・・1杯だけよ。・・・じゃ・・乾杯!。・・・・どう、美味しい・・・?」
    「よく分らない。けど、香りが濃い・・・みたい。・・・うーん、でも美味しい」
    桜子は、口の中ではじける泡の感触と複雑な芳香を探検するかのようなそぶりで、
    2口目3口目と口に含んでは鼻から息を出している。

    「好きよ・・・・、うーん・・・。」
    桜子のコップが空になると、私はブーブクリコを口に含んだまま桜子の口に合わせ、美酒を含ませた。
    「あんっ・・」
    という微音を鼻から発し、桜子は注がれた美酒の泡をごくりと飲み干して、
    「うーん・・・お替り・・・」と言う。そしてまた口を尖らせオネダリをする。何て可愛いのだろうと思った。
    胸が熱くなった。体が熱くなるのがわかった。
    私は、2杯目をコップに半ば注ぐ。その半分をゴクリと飲んだ。そして、残りを口に含むと、目の周りをピンクに染め始めている桜子の顎を引き寄せ、再び口移しをした。
    ブーブクリコと涼美の唾液が桜子の口腔を満たしてゆく。
    「好き、好きよ桜子・・・・」と私は桜子と唇を合わせ触れたまま言った。
    注がれたブーブクリコは、桜子の口、鼻を美酒たる芳香とアルコールで満たした後、桜子は含んだ甘い美泡を涼美の口に再び注ぎ返してきた。
    「・・・ああっ・・・美味しい・・とっても”お・い・し・い”・・」と震えるほどに思った。
    そのままで飲むブーブクリコより、何倍も何十倍も美味しいと思った。
    シャンパンと熱いキスがブレンドされた最高の美酒の味がするのだから・・・・

引用返信/返信
■21788 / ResNo.11)  Re[8]: 続・ご褒美8
□投稿者/ sakurako 一般♪(3回)-(2014/02/20(Thu) 08:16:04)
    No21786に返信(sakurakoさんの記事)
    > 真昼のブーブクリコは久しぶりだった。
    > 風呂の準備ができるまでのお愉しみ、パコンッ・・・と大きな音を響かせコルクが飛んだ。シュワシュワッと泡がボトルから少し溢れた。
    > ホテル備え付けのコップにブーブコリコを満たす。シュワシュワと極細の気泡が宇宙の星屑のように生まれた。
    >
    > ダブルベッドの上に二人でだらしなく向かい合って座り、私と桜子はコップをチンと合わせた。女子高生にはまだお酒は駄目よと言ったが、
    > 「やだっ、・今日は特別だから・・・ねぇ・・いいでしょう!?・・・お姉さま」
    > と、甘えた声と、媚びるような瞳を桜子は向けられ哀願された。
    >
    > 「・・1杯だけよ。・・・じゃ・・乾杯!。・・・・どう、美味しい・・・?」
    > 「よく分らない。けど、香りが濃い・・・みたい。・・・うーん、でも美味しい」
    > 桜子は、口の中ではじける泡の感触と複雑な芳香を探検するかのようなそぶりで、
    > 2口目3口目と口に含んでは鼻から息を出している。
    >
    > 「好きよ・・・・、うーん・・・。」
    > 桜子のコップが空になると、私はブーブクリコを口に含んだまま桜子の口に合わせ、美酒を含ませた。
    > 「あんっ・・」
    > という微音を鼻から発し、桜子は注がれた美酒の泡をごくりと飲み干して、
    > 「うーん・・・お替り・・・」と言った。そしてまた口を尖らせオネダリをする。何て可愛いのだろうと思った。
    > 胸が熱くなった。体が熱くなるのがわかった。
    > 私は、2杯目をコップに半ば注ぐ。その半分をゴクリと飲んだ。そして、残りを口に含むと、目の周りをピンクに染め始めている桜子の顎を引き寄せ、再び口移しを
    > した。ブーブクリコと涼美の唾液が桜子の口腔を満たしてゆく。
    > 「好き、好きよ桜子・・・・」と私は桜子と唇を合わせ触れたまま言った。
    > 注がれたブーブクリコは、桜子の口、鼻を美酒たる芳香とアルコールで満たした後、桜子は含んだ甘い美泡を涼美の口に再び注ぎ返してきた。
    > 「・・・ああっ・・・美味しい・・とっても”お・い・し・い”・・」と震えるほどに思った。
    > そのままで飲むブーブクリコより、何倍も何十倍も美味しいと思った。
    > シャンパンと熱いキスがブレンドされた最高の美酒の味がするのだから・・・・
    >
引用返信/返信
■21789 / ResNo.12)  続・ご褒美9
□投稿者/ 桜子 一般♪(1回)-(2014/02/20(Thu) 19:28:02)
     慣れないシャンパンを飲んだ桜子は、ひな祭りの雪洞のようにぽーっと桃色に染まって眼がふわふわしている。二人で交互にブーブクリコを口移し仕合って、ボトル半分程飲んでいた。

    「湯がたまったんじゃない・・?・・・一緒に入ろっ・・・。」
    桜子を引き寄せると一枚一枚可愛い天女の衣を剥がしていった。桜子はぽわっとした表情で素っ立っている。少女らしいハートチェックの赤いワンピース、可愛い刺繍で飾られた白いブラとショーツと、少しほろ酔いの桜子は素直に脱がされていく。現れた剥き卵は、キラキラと薄桃色に光っていた。
    「綺麗・・・・。」思わず涼美の口から漏れた。少女の首から下の起伏はすっかり大人びていて、ほんのり上気した肌は女の媚色を放っている。
    涼美は急いで服を脱ぐと、裸の桜子を初めて抱いた。優しくふわっと抱いた。それでも、桜子の背中のむにゅっとした肌の柔らかさと押し返す感触は、女同士の抱き合い、抱擁でしか得られないとても気持ちよいものだった。例えようも無いほど心地よく甘美な柔らかさ、感触なのだ。だから女同士は素敵だと思った。
    「ああっ・・・・!」と二人して同時に幸福の感嘆を発し共鳴した。
    すると、何故か二人して同時に抱きしめあった。会えない二人がやっと会えた感激であったかのように、
    強く抱きしめあった。肌が密着した。胸も、お腹も太腿も、隙間が無い程密着した。
    「素敵・・・・、桜子気持ちいい・・・・。ああっ・・・・」
    「お姉さま・・・・嬉しい・・・・」
    「私も嬉しいの・・・。こうして貴女を抱きしめているんですもの・・」
    「お姉さま、・・もう放さないで。ずっと抱きしめていて下さい。」
    ひしと抱きしめ合った後、涼美は桜子の頬を両手で挟むと、静かに優しいキスを1つチュっとした。そして又、軽いジャブのような、小鳥の唾ばみのようなキスを2つ3つ。桜子の顔を見て、また触れるか触れないかほどのキスを繰り返した。

     桜子は涼美の温かい霧雨のような優しいキスの雨に、ふっと頭が白くなるのを感じた。キスだけでいっちゃうかもしれないと思った。桜子の頬に当てられた手が首から襟足に触れ、優しく肩に流れてS字に湾曲する背中へと回った。触れるように撫でていた両手が交差し、桜子は再び強く抱きしめられた。

     涼美の愛撫はいつも何かと同時進行する。先ほどとは違ったキスが襲う。涼美の綺麗なピンクの舌が桜子の唇をくすぐる。ちろちろとした舌先が、時に唇を割ってぬるっと入る。一度侵入を許すと後は防備が手薄になった砦のように、濡れた甘い涼美の舌は出たり入ったり桜子の美唇砦を蹂躙する。舌は抵抗も無く歯城壁を突破し内部に侵入した。
    それが引き起こす驚きは、「ああっ・・・」とくぐもった鼻濁音で証明された。美唇砦は、舐められ吸われキスの啄み攻撃で、もはや抵抗も降参も意味が無くなりつつあった。涼美の唇が桜子の舌を舐める。舌を思わず引っ込めようをしたが、既に退却は遅く、舌ごと吸われ涼美の口内の捕虜となった。捕虜は抵抗出来ない。吸われて、舐められて、怪しくくねくねと絡められる。抵抗出来ないのではなく,抵抗したくないのではないか? 桜子の唇や舌は、自分の唾と涼美の唾液で溢れ潤うほど恍惚とした快感に増幅されることを知った。
     
     女の子はキスを知ってしまうと虜になる。私もそうだと涼美は思う。
    二人は裸のまま抱き合いキスをしている。楽しい。嬉しい。女同士のキスという媚薬で中毒になりそうだ。だから桜子とのキスは時間を忘れてしまう。空調スイッチを入れていない暖かい部屋という空間が、かえって裸のままが心地良いのだ。時間は止まったままなのだ。
    ひとしきりキスの抱擁を交わした後、ぷちゅっと小さな音と同時に唇は離れた。

     凉美は桜子背中を抱いたままバスルームに連れて入った。
    バスルームの湯船はゆったり広かった。15階の部屋だから外が一望だ。ホテルのホームページで見た時から一度行ってみたい、ジャグジーの泡に包まれながら、プリティーウーマンのヒロインのようにイチゴでシャンパンを飲んでみたいと夢見ていた。仕事も順調な凉美にとって、決して来れないスイートルームではない。独りでは嫌だった。好きな人と来たかった。それが今日叶った。
    告白なんてもってのほかだと思っていた少女にキスをし、告白をし、そして今は両思いだと想う。女子高生を巧みにだまし、ホテルに誘い込み性的悪戯をしようとしていると人は言うだろう。今の瞬間も、 凉美の頭の中にある他人視、世間体、自己嫌悪、罪悪感、性欲、欲望、恋愛、清い恋心・・・・・・あらゆる言葉、信号がぐるぐると回り苦しめている。今なら後戻り出来る、出来るはず、しなきゃと囁くもう一人の凉美がいる。でも戻れない。もう戻れない。戻りたくない。そしてもう一人の凉美がそう言った。

    「お姉さま入って入って・・・・・・」桜子は掛け湯もしないでざぶーんっと湯船に飛び込んだ。そのまま外の景色を見ながら、「凄ーい・・・・」とはしゃいでいる。顔、身体はまだほんのりピンク色だけど、発する黄色い声はやっぱり女子高生だ。
    「いけない子・・・・・」凉美は掛け湯して手早くボディーシャンプーで身体を手荒いした。
    「お姉さま・・そのまま入って・・・」桜子は凉美の腕をひっぱり、泡だらけの体を湯船に引き入れた。
    「気持ちいー・・・・。こんなの初めて。お姉さまは・・・・?」
    「うん・・私も初めて・・・・。」
    「嬉しーい・・・ホント?・・・ホントならとっても嬉しい。桜子の初体験が今日は3つだもの・・・」
    そういいながら桜子は凉美の体を抱きしめキスをして来た。桜子からのキスはあまり記憶が無い。なんとも積極的な桜子に変身している。シャンパンが少しきいていののかもしれない。
    「初体験3つって・・・・?」
    「内緒の外泊でしょ、ジャグジーでしょ。それと・・・????」少し更に顔を赤らめた。
    「それと・・・・何?・・・・」分かっていても聞いてみる。恥じらう顔がまた可愛いから。
    「約束した・・・・でしょ・・」口を尖らせ拗ねてみせる桜子を、凉美は思わず抱きしめ唇を奪った。
    ううんっ・・・・ああっ・・あんっ・・と桜子は感じ声をあげる。桜子の頭をバスタブの丸いカーブに預け、覆い被さるように唇を重ね絡めている。青山の風景が広がる外に向かって二つの女体が重なっている。顔だけが互い違いになっているため、¥マークのような態位だ。丁度胸と胸が重なって、時々乳首同士が触れ合うと、キスとは別感覚の鋭い電流が全身に流れる。それは静電気の感電のような一瞬の快感。乳首が触れ合った瞬間に桜子があうっと溜め息を発し首をのけぞらせる表情は、もはや女子高生ではなく一人の女化としていた。
    桜子の舌に絡めながらキスをする。女の子はキスをする為に生まれてきたのではないかと想ってしまう。
    女の子は生理の度に女前になる。キスを知った女の子は、キスの度に女を磨く。それはまるでくすんだ赤いルビーが、キスの度、愛される度に赤く華麗に磨かれるように。
    桜子のディープキスは瞬く間に上達している。舌を出すと桜子から絡めてくるようになり、凉美の舌を吸い込んで唾液を貪ったりする。遭えなく凉美の方が感じ声をあげてしまう。
    キスをしながら、凉美の右手は桜子の左乳房を柔と揉んだ。桜子はあううっと感じ声を漏らし喘ぐ。乳首が感じ易い事は分かって、小指、薬指、中指で乳房の麓を柔やわを揉み、親指と人差し指を乳首に添えたままにしている。わざと乳首を揉まないている。焦らしてあげる。でも、乳房の麓を優しくゆるゆる、やわやわと揉み続ける。桜子はキスをしながら喘ぎ声を漏らし始めた。
    あんっあああんんっ・・・あんっ・・・・途切れ途切れに発する桜子の喘ぎ声は、次第にオクターブを上げ、キンキンとした甲高い声になっていった。
    「ああああっ・・・お姉・・お姉さま・・・嫌っ・・・嫌ダメ・・・・だめ・ダメ・・・いく・いく・・
    いっちゃう・・いっちゃうーっ・・・・・」
    桜子の歓喜がバスルームに轟いた。桜子にとって、生まれて初めてオナニー以外でいった瞬間だった。独りエッチによるイクとは別世界の快感が体を襲った。それは急に襲って来た。抵抗出来ない津波のような快感に飲み込まれて、全身がくくくくっと痙攣すると体がふっと浮いたように感じた。頭の中が真っ白になり時が止まった。私本当にいっちゃった。早熟なクラスメートには、彼氏とのセックスでのイクを自慢する人がいる。それが今桜子が実感したイクと似ていた。気持ち良かった。イクって凄いと思った。
    「イッちゃたのね。・・・・・まだじーんとしてるでしょ、気持ちよかった?」
    桜子は目尻を全開に下げ、コクリと頷いた。
    凉美は優しい顔で桜子に微笑み唇を重ねた。労るような甘いキスを交わしながら抱きしめた。



















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■20140 / 親記事)  人生の岐路
□投稿者/ 笹 一般♪(1回)-(2007/10/07(Sun) 15:00:08)





     紅葉の季節に移り変わる時、彼女と出会った。それが運命とも知らずに…。



    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス12件(ResNo.8-12 表示)]
■20217 / ResNo.8)  人生の岐路8
□投稿者/ 笹 一般♪(9回)-(2007/10/20(Sat) 00:05:38)
    「全然大丈夫ですよ。」
    この時はまだ、何も思わなかった。

    まずはお互いの事を知り、趣味や最近の事を語り合った。

    そして、恋愛の話に変わった。


    (携帯)
引用返信/返信
■20220 / ResNo.9)  人生の岐路9
□投稿者/ 笹 一般♪(10回)-(2007/10/21(Sun) 14:04:04)
    「しずかさんは彼女いてますか?」
    「いるよ。もう付き合って3年になるかな〜ミクさんは?」
    「私はいません。今まで男の人しか好きになった事なくて、でも、昔、幼なじみを好きになった事があって…恋なのか友達としてなのか分からないままですけど。」



    (携帯)
引用返信/返信
■20233 / ResNo.10)  人生の岐路10
□投稿者/ 笹 一般♪(11回)-(2007/10/24(Wed) 07:03:59)
    「ふ〜んそうなんだ。」
    『男の人しか好きになった事ないって言ったから怒ったかな…』
    文章を入力してる時に、しずかさんからコメントがきた。
    「それで彼氏いてるの?」慌てて
    「いてないです。」と否定した。


    (携帯)
引用返信/返信
■20234 / ResNo.11)  人生の岐路11
□投稿者/ 笹 一般♪(12回)-(2007/10/24(Wed) 07:46:31)
    「じゃあ好きな人は?」
    「好きな人もいないです。」
    「昔、幼なじみを好きになった事詳しく知りたいな〜話したくなかったら別にいいよ☆」
    「今は、友達として付き合ってるけど、昔は、なぜかドキドキしてたの。」
    「どういう時にドキドキしてたの?」
    そこまで考えた事がないので、しば%8

    (携帯)
引用返信/返信
■20235 / ResNo.12)  人生の岐路12
□投稿者/ 笹 一般♪(13回)-(2007/10/24(Wed) 21:05:04)
    そこまで考えた事がなかったので、しばらくて入力した。
    「目が合うだけでドキドキしたり、一緒にいるだけで楽しくなったり、とにかく自分のものでいてほしかったんです。」


    (携帯)
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■17673 / 親記事)  winter song
□投稿者/ 秋 一般♪(4回)-(2007/01/15(Mon) 14:40:12)
    はらはらはらはら、雪が舞う。

    それは涙か、悲しみか。



    はらはらはらはら、雪が舞う。

    それは記憶か、弔いか。









    -winter song-



引用返信/返信

▽[全レス12件(ResNo.8-12 表示)]
■17685 / ResNo.8)  NO TITLE
□投稿者/ マキノ 一般♪(1回)-(2007/01/16(Tue) 15:44:56)
    愛してくれる人はいるのに愛し方を知らない私にはいつも悲しくなる内容
    こんなふうに深く愛されてみたい
    心から愛したい
    秋さんまたサブアド作りませんか?
    返事は1年以内にいただければいいのでメールさせて下さい

    (携帯)
引用返信/返信
■17729 / ResNo.9)  祁さんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(10回)-(2007/01/22(Mon) 14:23:30)
    とても有り難く、嬉しい言葉でした。
    読んでいただき、感想を綴ってくださって、ありがとうございます。
    また祁さんの目に触れる事を願って。


引用返信/返信
■17730 / ResNo.10)  トモさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(11回)-(2007/01/22(Mon) 14:24:45)
    感想、ありがとうございます。
    簡単ではありますがまずは感謝を。
    誰かに言葉を届けるというのはあまりに難しい事のように思うので、このようにトモさんに響いた事、大変嬉しく思います。
    改めて、ありがとうございました。


引用返信/返信
■17731 / ResNo.11)  マキノさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(12回)-(2007/01/22(Mon) 14:25:24)
    以前のサブアドレス、あれは感想用にと作っていたものなので、もし再度今作ったとしても、それ以外の用途にお応えする事はできないと
    思います。
    何かありましたらこちらで、というわけにはいかないでしょうか。
    すぐにお返事を、とお約束はできませんが、話し掛けてくだされば必ず応えます。
    そう思っているのですが。
    そして、最後に。
    私の文章に触れた、その足跡を残してくれてありがとうございます。


引用返信/返信
■21498 / ResNo.12)  皆に読んで欲しい
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(40回)-(2012/04/26(Thu) 04:36:37)
    秋先生の小説は…言葉が、生きているんです。続きが気になって、でも終わってしまうのが惜しくて寂しくなる、そんな小説です。皆に読んで欲しいです。

    (携帯)
引用返信/返信

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■17268 / 親記事)  これからもよろしく。
□投稿者/ さぼ 一般♪(5回)-(2006/11/19(Sun) 04:02:49)

    「私が死んだらどうする?」



    そのときは何を言ってるんだと、笑い飛ばした。



    「何言ってるのさ。」



    笑い飛ばしたあたしに、彼女はさみしそうに微笑んだ。



    今思うと、なんて愚かだったんだろう。





    いまさら悔やんだって仕方ないのはわかってるのに






    あぁ。さようなら さようなら。






    私は今も後悔をしてこの空を見つめる。






引用返信/返信

▽[全レス12件(ResNo.8-12 表示)]
■17276 / ResNo.8)  これからもよろしく。9
□投稿者/ さぼ 一般♪(13回)-(2006/11/19(Sun) 04:09:19)






    手紙の通り、私は彼女の影響を一番に受けている。

    でもなんで?


    泣きもしなかったし、薄情なやつだとさえ思ったくらい
    私は冷静だった。


    どこが影響を受けてるといえる。


    皆泣いてるのに・・私だけ泣かないなんて。




    もう一度手紙を見た。





    (私の部分だけ切り抜け・・・かぁ)




    昔のアルバムから写真を取り出して眺めた。

    ああ、さやかはとても楽しそうに笑ってる。

    この世界で、さやかは生きてるんだ。



    さやかを切り取ってみた。



    (違和感バリバリ・・・)



    それを5分くらいながめた。



    さっきまでさやかは、たしかにこの世界で生きてた。


    でも5分前、さやかはこの世界から消えた。



    ”死んだ”んだ。





    パタタッ






    そう思ったら、涙が出た。

    今まで出てなかった涙が出た。

    今までの分を出し切ろうとするみたいに、次から次から出てくる。



    (ああ・・・そうか。そうだったんだ)




    私はやっと気づいた。

    さやかの死を泣けなかったのは、私が誰よりもその死を受け入れてなかったから


    さやかは、それを見越してたんだ。

    これは最後の気遣いだったのか。




    『私はね、偽善者だよ』




    (偽善者・・・まさか。誰よりも優しいのは、さやかじゃないか)



    彼女の死から4年たって、私は始めての涙を出した。






引用返信/返信
■17277 / ResNo.9)  これからもよろしく。10
□投稿者/ さぼ 一般♪(14回)-(2006/11/19(Sun) 04:09:58)


    次の朝

    さやかのいない写真をながめた。


    やっぱり違和感があった。


    心にポッカリと穴があいたままだった。

    それから3日間は何をする気にもなれず、ただ伏せった。


    そして4日目。
    明日で帰る。

    最後にさやかに挨拶しておこうと、お墓に足を運んだ。






    「さやか。偽善者だなんて、よく言ったものだね。誰よりも優しいくせに」


    私は墓石をなでる。
    冷たい感触しかもたらしてはくれなかった。


    「私が落ち込むのわかってたんだね・・」


    そこまで言って、違和感を感じた。



    確かに、写真の意味はそうだったのかもしれない。

    けれど、ならなぜまだ胸にポッカリ穴が空きっぱなしなんだろう。
    あの辞書やCDのことばかりを思い出すのはなんでだう。

    私は墓石を見つめた。







    『私はね偽善者だよ。大事なものに嘘をついてるんだもの』



    さやかに偽善者について聞いたとき、たしかにさやかはそういった。



    (大事なものに嘘?・・・どんな?)



    『気づかなければよかった。でも気付いたから、気付かせないようにするの』



    (どういう意味。気付かせない?誰に)



    そこでCDを思い出した。

    キーワードは孤独。

    次にクロス

    キーワードは宗教。


    そして辞書

    きっとあれは・・その人へのメッセージ。



    (そうか・・!!さやかはだれかが好きだったんだ)



    そして同時にわかった

    孤独を感じる
    宗教がからむ恋

    つまりさやかの思い人は同性。


    「・・・・ああ・・そっか。」


    そして私は核心を見つけた。






    「さやか・・さやか。さやかは気付いてたんだ」


    私は石に額をつける。

    冷たかった。


    「さやか・・さやか・・・・。私・・わたしね」


    冷たい石に水滴が落ちた。
    すぐに冷やされて冷たくなった。


    「さやかがすき・・。好きだよ・・さやかぁ・・・っ!!」



    私は気付かないうちにさやかに恋してた。

    そしてさやかは気付いてて、私を好きだった。




    『私は偽善者だよ』





    やっと意味がわかった。

    さやかは私でさえ気付かない気持ちを見抜いて、教えなかった。

    私を守るために。
    自分を守るために。


    誰にも言えない孤独とか、そういうのにいつも悩まされてたんだ。



    「私を気遣って・・・本当はだれよりも苦しかったくせに・・ごめんさやか・・」




    私は額をつけたまま泣き続けた。




    「ごめんねさやか。ごめん・・。大好き」



    冷たい石に口付ける。


    少し、暖かい気がした。








引用返信/返信
■17278 / ResNo.10)  これからもよろしく。11
□投稿者/ さぼ 一般♪(15回)-(2006/11/19(Sun) 04:11:14)







    「ゆず〜」

    「ああ。やっほ」



    愛が近づいてきて、私を覗き込む。



    あのあと、私の生活はやっぱり続いてる。

    大学にいって、講義を受けて、たまにこうしてサボる。

    これも彼女の望みどおり。

    唯一望みと違うのは


    「何見てるの?」

    「写真」

    「何それ。だれ切り抜いたの?」

    「好きだった人」


    さやかを、私は忘れてない。

    私がそういうと、愛は変な顔をした。



    「フラれたの?」

    「違うよ。」


    愛はなんとも言えない顔をして、私の隣に座って



    「あのさ。突然で本当に申し訳ないんだけど」

    「うん?」

    「好きっていったらどうする?」

    「・・・・へ?」


    面食らった顔をしていると、愛は真剣な顔で私を見た。
    いつもヘラヘラしてる愛。

    不思議な気分だった。


    「え〜と・・恋愛対象として?」

    「そっ・・・そりゃあ」

    「付き合いたい?」

    「できれば」



    そういう愛に、私はしばらく考えて



    「私はね、この写真の人のことが忘れられないし、忘れる気も無いよ」

    「・・・・」

    「それでもいいの?」

    「もちろん」



    愛は鼻息荒く私を見た。



    「もう一つ条件」

    「何でしょう?」



    構える愛に、私は微笑んで



    「その好きな人の話を聞いてもらいたい。とても大切で貴重な日々だから」




    私はさやかを忘れない。

    それが、少しでも彼女を救うことになる気がしたから。





    あぁ、ああ さようなら。



    そして




    これからもよろしく。
完結!
引用返信/返信
■17279 / ResNo.11)  すごい!
□投稿者/ るぃ 一般♪(1回)-(2006/11/19(Sun) 12:11:18)
    たった1日でこんなに!!ビックリしました〜
    話も面白いです(^-^)
    読んでて、子供のいる私にはさやかの家での場面はさやかの母親の気持ちの方が解るので柚子が冷たい人間に感じちゃいました(苦笑

    これからも頑張って下さい(・ω・)/

    (携帯)
引用返信/返信
■17311 / ResNo.12)  るぃさん
□投稿者/ さぼ 一般♪(16回)-(2006/11/24(Fri) 02:02:30)
    どうもありがとうございます。
    あ〜・・・まぁ確かに冷たいですね(苦笑
    なんというか、彼女はまださやかを失ったとき
    つまりは、17歳のときの彼女が成長しきっていないんです。
    なので、子供っぽさ残る・・というか、とにかく個人を覗き込まれるのを嫌がってしまうんです。
    私がまだまだガキだからってのもあるんでしょうが(苦笑

    なにはともあれ感想どうもありがとうございました。
    次もよろしければお付き合いくださると光栄です。

引用返信/返信

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■20192 / 親記事)  (削除)
□投稿者/ -(2007/10/17(Wed) 03:53:50)
    この記事は(投稿者)削除されました
引用返信/返信

▽[全レス11件(ResNo.7-11 表示)]
■20199 / ResNo.7)  無題G
□投稿者/ 聖 一般♪(8回)-(2007/10/17(Wed) 04:41:27)
    はぁはぁ…
    なんとなく急いで来てみた。18時15分…
    まだ余裕あったな。誘ったこっちが遅刻する訳にはいかないケドもう少しゆっくり来れば良かった…ι



    ……45分…来ない(ρ_・。)


    19時……まだ来ない(^_^;)


    19時半…来てくれないの??なんか寒気してきた;
    汗冷えたかな…ι

    あ〜頭重い…
    頑張れボク。お姉さんに会うまでは…

    (携帯)
引用返信/返信
■20200 / ResNo.8)  無題H
□投稿者/ 聖 一般♪(9回)-(2007/10/17(Wed) 04:42:53)
    20時。
    そろそろ行こうかなぁ〜
    スコーンだしジャムも持っていこ。
    …原チャエンジン付かないしιあ、掛かった。

    流石にあの子居ないよね。
    関わりたくないないし。

    でも、話した事ある子かな…??
    ん〜思い出せない。

    運転中に考える事じゃないワラ
    いろいろ考えてたら店に到着★裏口から入った。

    「差し入れで〜す☆」

    「『ありがとう〜』」

    「ぃぇぃぇ^^頑張って下さい★」

    そう言って外に出た。

    …あの子は??
    居ないね;怒って帰ったかな?まぁ約束してないし。


    …なんか人の原チャに寄り掛かってるのは…??
    なんか倒れ込んでるorz

    「…大丈夫ですか?」
    一応聞いてみた。早く離れてくれないかな…

    「ん…あ〜お姉さん…」
    なんか怠そう。
    苦しそう。

    「どうしたの??」

    「ん、怠いらけ…らいじょうふ」
    イヤイヤ。口調違うし;
    どうしょι
    「…家まで送ろうか?家近い?」
    「いへ?かなかは〜」
    『家?神奈川〜』

    全く伝わらない…かなかはって何処?!
    仕方ない;この子一応女の子だし…

    「後ろ乗れる?」
    「ん〜うん…」

    (携帯)
引用返信/返信
■20201 / ResNo.9)  無題I
□投稿者/ 聖 一般♪(10回)-(2007/10/17(Wed) 04:44:04)
    20時くらいになったと思う…原チャが一台入って来た。
    お姉さんかと思って駆け寄ろうとしたけど…走れない;
    なんかフラフラするし…
    取りあえず原チャまで行こう。

    「…大丈夫ですか?」
    え…何が…??
    あ…
    「ん…あ〜お姉さん…」
    やっぱりお姉さんの原チャだったんだ♪
    あれ?なんでボク原チャに寄り掛かってるんだろ??ι

    「どうしたの??」

    え…分かんないιでも、かったるいな…
    「ん、怠いらけ…らいじょうふ」
    なんかお姉さん驚いてる??

    「…家まで送ろうか?家近い?」
    なんか質問されてるや…答えなきゃ…
    「いへ?かなかは〜」
    『家?神奈川〜』

    伝わったかな?
    口がうまく回らない…
    「後ろ乗れる?」
    やっぱり伝わったんだ。流石お姉さん。

    「ん〜うん…」
    掴まる余裕ないけど送ってくれるみたいだし、一時退却しょ。

    (携帯)
引用返信/返信
■20207 / ResNo.10)  無題J
□投稿者/ 聖 一般♪(11回)-(2007/10/17(Wed) 23:51:33)
    ホントは原チャでニケツって駄目なんだけどなぁ…
    緊急事態だしいっか。
    御回りさんに見付からず事故も無し。無事に家に到着。

    取りあえず寝かしとくか。
    「ここで寝てて?薬もってくるから。」
    「う…ん」
    なんか意識朦朧としてるし…薬飲めるかな?

    体温計何処やったかな…。

    あ、合った。
    「熱計れる?」
    「…」
    返事ないやι
    仕方ない。ごめんね?

    勝手に服の中に体温計を入れる。

    ピピッ
    あ、何度だろ。
    またまた失礼します。

    39度…
    熱高いな…ι
    待たせた所為かな…
    冷えピタ持ってこ。

    寒そうにしてるし…
    電気毛布もスイッチ入れてと。

    ん、少し顔色良くなったかな?

    (携帯)
引用返信/返信
■20208 / ResNo.11)  無題K
□投稿者/ 聖 一般♪(12回)-(2007/10/17(Wed) 23:52:57)
    あれ…??ボクの家じゃないよね?此所何処だろう…

    「ここで寝てて?薬もってくるから。」


    「う…ん」
    お姉さんの声がする。
    お姉さんの優しい声だ……
    安心するな。
    「熱計れる?」
    うん計れるよ。
    「…」
    あれ…??声出ない。
    なんか疲れたな…
    なんだか良い匂いする。

    お姉さんの心はボクが助けたいな…

    (携帯)
引用返信/返信

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