ビアンエッセイ♪

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■22175 / 親記事)  アヤナミ1
□投稿者/ いちこ ちょと常連(76回)-(2017/01/18(Wed) 23:27:43)


    女性専用車両は、その日混み合っていた。
    ドアに押し付けられるように、髪の長い女子大生っぽい娘が立っている。
    その後ろには制服姿の女子高生が、その娘に覆い被さるようにいる。
    女子大生っぽい娘は、気分がすぐれないのか上気した頬をして俯いている。
    その娘は眉を八の字にして、苦しそうな顔になる。
    やがてイヤイヤをするように顔を振ったり、
    咳を我慢するように、口を手で覆ったりしている。
    電車が停車駅に近づくころ、その娘は震えだしスッと視界から消えた。
    電車が止まり人々が降りてゆくと、その娘が床に座り込んでいる。
    熱っぽい潤んだ瞳で女子高生を見上げている。
    女子高生は何事か話しかけ、バイバイをして降りていった。

    その女子高生、アヤは痴漢することにハマっている。
    きっかけは付き合っていた彼女の浮気だった。
    女が彼女と裸でいる現場に遭遇したのだ。
    アヤは彼女に合鍵を投げつけ、部屋を飛び出した。
    その帰り道、ムシャクシャした気持ちで電車に乗ったら混んでいた。
    ギュウギュウ押されながら気づくと、
    前に立っている女がさっきの女に良く似ていた。
    アヤはイラつく気持ちを何の関係もないその女にぶつけた。
    そっとその女のお尻を撫
    ビクッとして振り向くが女子高生が立っているので首を傾げるだけだ。
    今度はもっと大胆に強く撫で上げる。
    またビクッとして振り向くと、アヤが冷淡な笑みを返す。
    女は慌てて目をそらすと俯いてしまった。
    アヤはスカートの中に手指を滑らせ、女の内腿を撫で上げた。
    女は俯いている。アヤはしばらく内腿で遊んでいたが、
    いよいよアソコに触れようとしたら、女の手がアヤの手を抑えた。
    アヤはもう片方の手で女の手を外し、下着の上から触った。
    女から、んっ と声が漏れる。
    もしかしてこの女、あたしに触られて感じてるの?
    何度か割れ目に沿ってなぞり、前の方を探りクリを爪で引っ掻いた。
    カリカリと引っ掻く度に、ビクビクと女が反応する。
    意外にもアヤは興奮していた。
    ウサばらしで始めたことだったが、相手を支配しているようで興奮した。

    こうしてアヤは痴漢にハマった。特に年上が好きだった。

    そしてその娘に出会った。

    続く




引用返信/返信

▽[全レス14件(ResNo.10-14 表示)]
■22219 / ResNo.10)   アヤナミ11
□投稿者/ いちこ ちょと常連(86回)-(2017/03/12(Sun) 22:20:18)

    レイは彼女から引き抜いた指を見て、ひどく後悔した。
    どうしてこんなことしちゃったんだろう?
    しかしもう取り返しがつかなかった。

    一方、待ち合わせ場所で待っていたアヤは、ナミからのメールに戸惑った。

    《やっぱり会えません。私のことは忘れて下さい。
    あなたは何も悪くありません。すべて私の我が儘です。ごめんなさい。》

    訳がわからなかった。急いで返信する。

    《今、どこにいるの?意味がわからない。とにかく会おうよ。》

    ‥‥‥‥けど、それきりだった‥‥‥

    数年後、アヤは大学も卒業して介護の仕事に就いていた。
    ナミとのことは、心の奥深くにしまい込み忘れるようにした。
    あれからレイとは別れた。もっとこじれるかと思ったが、
    レイは意外にすんなりと別れを受け入れた。
    介護の仕事を目指したのは、ナミとのことが影響している。
    障害のある人の少しでも役に立ちたかったのだ。
    大学では何人かの女性と付き合ったが、長続きしなかった。
    そんなある日、介護関連の情報誌を眺めていた時、
    小さな記事に目が釘付けになった。それは新人絵本作家の紹介だった。
    その作家がろう者なので紹介されていた。
    アヤが気になったのは、その作家の名前だ。『アヤナミ』。
    もしかして?!
    ネットで検索してみると、顔写真はなかったが、女性であることがわかった。
    代表作は、『人魚の涙』。

    続く


引用返信/返信
■22220 / ResNo.11)  アヤナミ12
□投稿者/ いちこ ちょと常連(87回)-(2017/03/18(Sat) 09:18:53)
    2017/03/18(Sat) 09:21:05 編集(投稿者)


    ネットで早速購入しようとしたら、サイン会の告知が目に入った。
    会えるかもしれない!?そうすれば、ナミかどうかが判る。
    日付を確認すると仕事の日ではあるが、早く終われば間に合いそうだ。
    アヤはその時に購入することにした。

    その日、アヤはイライラしていた。仕事が終わらないのだ。
    結局、一時間以上遅れて会場に着いたら、すでにスタッフが片付けていた。
    スタッフに聞いたら、どこにいるのかわからないという返事だった。
    呆然とするアヤの周りで、スタッフ達が騒々しく机や椅子を運んだりしている
    その時だった。スタッフ達の向こうの一番奥の扉からナミが出てきた。
    やっぱりナミだ!
    アヤはすぐに気がつき、近づこうとしたがスタッフが邪魔で近づけない。
    声をかけようが相手は聞こえないのだ。

    その時ナミがこちらを見て、立ち止まった。
    アヤは、右手の人差し指と中指を立て、顔の前で横に向ける。【もう一度】
    そして右手と左手の人差し指を立て近づけ
    今度は右手の親指と人差し指であご髭を触る仕草をする。【会いたかった】
    ナミは驚いた表情を見せ、両手を口に当て涙を流した。
    そして胸の前で両手の親指と人差し指を二回チョンチョンと合わせた。【私も!】
    やがてスタッフ達が、演技を終えた役者のようにいなくなると、
    ふたりはお互いに向かって走り出した。
    きつく抱き合うふたり。
    そしてどちらからともなく、くちびるを合わせた。
    ナミの舌は言葉を発しないけれど、雄弁に気持ちを伝えてきた。
    【好き、好き、大好き!!】

    おわり




完結!
引用返信/返信
■22221 / ResNo.12)  感想
□投稿者/ みな 一般♪(1回)-(2017/03/18(Sat) 14:00:21)
    とっても面白かった。
    また、ぜひ書いてくださいね♪
引用返信/返信
■22222 / ResNo.13)  Re[2]: 感想
□投稿者/ いちこ ちょと常連(88回)-(2017/03/23(Thu) 23:18:22)
    ありがとうございます!
    今回はエッチ少な目でした。
    過激なのはSM小説の方で書いています。
    よろしければそちらもどうぞ。(o^^o)
引用返信/返信
■22385 / ResNo.14)  Re[3]: 感想
□投稿者/ タイム 一般♪(2回)-(2020/08/07(Fri) 12:24:54)
    構成がとても魅力です。
    純愛・・憧れちゃいます。
引用返信/返信

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■21278 / 親記事)  NO TITLE
□投稿者/ 浅黄 一般♪(1回)-(2009/03/09(Mon) 23:16:02)
    桜並木が並んで、道行く人の頭にピンクの花びらを振り掛ける。

    空は青く澄んだ晴天、数少ない白い雲がうっすらと浮かんでいる。












    黒いブレザーの下に白いブラウスと、真新しい赤いネクタイ。
    赤のチェック柄の膝丈スカートに、黒いワンポイントのハイソックス。
    肩には黒い皮製のスクバを掛けて、茶色いローファーが地面を踏みしめる。


    私・・・藤原夏衣、17歳。
    ついに、ついに念願の高校1年生になりました!
    大して頭の良くなかった私が、一生懸命1年間頑張って勉強して受かった高校。
    自宅からも近いし、何より・・・・・




    中学のときのみんなの憧れの先輩、明日河先輩がいる高校なのです☆
    といっても、私は高1で、先輩は高3・・・1年しか一緒にいられません(泣)


    明日河瑞希先輩。黒いショートヘアに凛々しい顔立ちのカッコイイ美形の先輩。
    剣道部に所属してて、剣道をしている姿は憧れの的。
    みんな先輩に憧れて剣道部に入部したし、近づこうと頑張った。
    だけど・・・・一匹狼な先輩に唯一近づけたのは、仲の良かった同い年の先輩、足立由美先輩だけ。


    足立先輩も可愛らしい先輩で、明日河先輩とは対照的なのが鮮明に記憶に蘇る。







    ・・・・とまぁ、妄想はここまで!


    今日から入学するこの学校で、私は頑張ってみせると決心を固めた。













引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■21297 / ResNo.9)  知ってしまった真実
□投稿者/ とろろ 一般♪(8回)-(2009/03/15(Sun) 23:17:05)
    その日の夜。私は明日河先輩に会えて、しかも2分くらい話しただけで胸が壊れそうだった。
    部活も身が入らなくて、先輩に大丈夫?なんて聞かれちゃったし・・・。


    だって私は明日河先輩に憧れて、勉強も部活も頑張ってきた。
    少しでも近づけるように努力してみたりした。
    会いたいと毎日願っていた、そんな明日河先輩に今日になってやっと会えたのだ。
    嬉しくないはずが、舞い上がらないはずがなかった。




    私の3つ上で大学1年の一緒に住んでいるお姉ちゃん、志穂によると。


    明日河先輩は入学したその時から、先輩の注目の的だったらしい。
    その整った容姿にみんなが魅了されていて、お姉ちゃんも例外ではない。


    そしてテストではいつも3位には絶対入っていたし、部活でも成績優秀、歩くだけで黄色い声が上がる。
    容姿のせいで、雑誌や事務所からスカウトしに来た人が校門で待っていたこともあるらしい。


    いつしかファンクラブも成立し、会員も全校生徒の半数近くが入っていた。
    でもほとんど女子だったとか。





    「という事は、ライバルが多いってこと?」


    私が不安げに聞くと、私が明日河先輩を好きだと知っているはずなのに、お姉ちゃんがにやりと笑って、


    「でもあの子、恋人がいた事があったわよ?私のクラスメイトだった西本真琴。副生徒会長を譲った人よ」


    確か・・・ショートカットの先輩で、背が高くて美人な人だったっけ。前に家に来てたことがあった。
    勉強が得意な先輩で、お姉ちゃんに勉強を教えていた人だ。



    そんな人が恋人だったなんて・・・・・・私は暗闇に突き落とされたような気分になった。








    私は深夜12時くらいに寝ようと部屋へ上がったけど、寝れなかった。
    さっきまで嬉しい気持ちだったのが、暗く辛い気持ちになる。


    あんな美人な元カノなんて、敵わない。
    まだ思っているかも・・・・考えれば考えるほどネガティブになってゆく。





    そう考えているうちに、私は涙を流しつつも眠ってしまった。


引用返信/返信
■21299 / ResNo.10)  ★さき様へ★
□投稿者/ とろろ 一般♪(9回)-(2009/03/16(Mon) 14:19:13)
    さき様へ


    この度はこの小説を読んで頂き、誠にありがとうございます。

    ゆっくりですが更新していきたいと思いますので、次の更新までもう少々お待ち下さい。
    ご希望により、1話だけこれとともに更新しておりますので・・・お楽しみ下さい。



    とろろ
引用返信/返信
■21300 / ResNo.11)  帰り道T
□投稿者/ とろろ 一般♪(10回)-(2009/03/16(Mon) 15:10:44)
    次の日、腫れぼったい目のまま学校に行った。
    昨日の夜に、結局泣きながら眠ったため、朝起きたら目が腫れてしまっていた。
    冷やしてみたけど、腫れた目は治らなかったんだ・・・・・。




    「・・・・・どうしたの、その腫れてる目」


    教室に着いて席に座ると、いつも早くから来ている瑠貴が驚いて言った。
    そんなには腫れてないと思うんだけど・・・・・。


    「ん・・・ちょっと、ね?」


    曖昧に笑って見せると、瑠貴はふぅーんと少々不満そうな顔をしていたが、それ以上は突っ込まなかった。
    そこが瑠貴のいいところ、必要以上踏み込んでこない。








    それから美幸や安奈、未来にも聞かれて、みんな同じように答えて、みんな同じような反応をした。











    そして、あっという間に放課後。
    今日は気がついたら終礼は終わって、みんな部活や家へと向かっている状態だった。


    私は部活はやれるような状態じゃないから、ちょっと熱っぽいなんて普段はつかない嘘をついて部活を休んで、さっさと帰る準備をした。


    靴を履いてとぼとぼと外へ出ると、驚く人に出会った。
    あの校門のところにいるのは・・・・・。











    明日河先輩だ・・・隣にはクラスメイトなのかファンなのか、高い位置で結んだ茶色っぽいツインテールの女の子。
    そしてもう1人、赤髪のボーイッシュな女の子。色気がすごく、でもカッコよくて綺麗だ。


    「あれ?夏衣?今日は部活は?」


    明日河先輩にそう聞かれると、胸が痛む。
    まさか明日河先輩のせいで休んだんですよ、なんて口が裂けても、死んでも言えないから・・・。


    「実は用事があって・・・あの、そちらの方は・・・・・?」


    なんて小声で言っちゃった。もうー!素直じゃない私に私が悲しくなる(泣)


    「ああ、この子?僕のクラスメイトの岸澤紅矢。前生徒会長だよ」


    明日河先輩がそういうと、赤髪の先輩がどうも、と片手を挙げる。
    私は軽くぺこりと頭を下げた。


    「んで、こっちのツインテールは隣のクラスの神崎美玖、生徒会の書記だった人ね」


    「こんにちはっ♪初めましてだよね?」


    こっちは気さくそうな先輩で、よろしくって言いつつ右手を差し出してきた。
    私も左手を差し出して握手をする。


    「よかったらさ、一緒に帰らないかな。君とお話したいんだ」


    いいよね?と2人にうん、としか言わせないような雰囲気で聞いた。
    当然2人も頷く。


    私はさっきまでの気分が嘘だったかのように晴れて、初めて明日河先輩達と帰る事となった。



引用返信/返信
■21304 / ResNo.12)  帰り道U
□投稿者/ とろろ 一般♪(11回)-(2009/03/18(Wed) 15:06:44)
    学校の周辺は主に住宅街で、車もしょっちゅう通るし、人も多い。
    夕方となれば、夕食の買い物をする主婦や、犬の散歩をする人が大半だ。
    そんな騒がしい中、私たち4人は制服姿で町をぶらぶら。



    今は神埼先輩の提案で、近くのおしゃれで可愛らしいカフェに来ている。
    私は生まれて初めて、寄り道というものをした(気がする)



    私はミルクティー、明日河先輩はカフェオレ、岸澤先輩はアイスコーヒー、神埼先輩はアイスココアを頼んだ。


    しばらくし、それぞれの飲み物がそれぞれ置かれて、時たま飲みつつも会話が弾む。
    私的には、先輩3人の中に後輩・・しかも1年生が入るのもどうかなって思ったけど、意外と楽しい。






    「そういえば!瑞希ったらねぇ、夏衣ちゃん。『何か僕の後輩が来たみたいだ』って、毎日探してたのよ」


    そんな中、神埼先輩がそう話し出した。
    確か、学校生活は慣れたか?っていう話から学校や友達の話になっていたところに、言ってきたんだっけ。


    「え?明日河先輩が?」


    私の事だったらいいな、って思ったけど。でも、私の他にも数人この学校に受かってるんだもんね・・・。私なわけないか。


    「五月蝿いよ、美玖?」


    明日河先輩が軽く神埼先輩を睨みつける。これまた迫力があって・・つい見惚れた。


    「そーだよなぁ。『僕気になるんだよね』ってさ。んで、毎日その子探しに付き合わされてな。大変だったよ」


    クククッと喉で笑って目を細めた岸澤先輩が、私に声を小さくして教えてくれた。
    岸澤先輩の方から、先輩の飲んでいるコーヒーの香りがする・・・。


    「ちょっと、紅矢まで!余計なことは言わなくて良いよ?」


    ちょっぴり拗ねた明日河先輩が、先程飲み物と一緒に頼んだチョコレートパフェを頬張る。


    「あの、明日河先輩・・・気になる後輩って誰・・・ですか?」







    ギャーギャーいっている先輩たちに向かって、私はついに迷った末聞いてしまった・・・返事が怖い。


    ぴたっと動きを止めた明日河先輩が、チョコレートアイスの付いたスプーンを舐めて言った言葉に私は驚いた。


    「・・・・藤原夏衣」









    心臓が、止まったかと思った。
















    今なら、目の前のマンションの屋上から飛び降りても幸せだ。




















    「・・・・・・・・私?」





    「そっ♪瑞希は夏衣ちゃんの事探してたのよん☆」


    軽い口調で神埼先輩が言ってくれてるけど・・・耳に入ってこない。
    いや、言っているのが分かるならば、聞こえてるんだろう。


    「今日その子に会えて良かった。明日も探す勢いだったからな、瑞希は」



    やれやれ、と溜息をついて苦笑する岸澤先輩。












































    明日河先輩、これって期待しちゃっていいんですか?


引用返信/返信
■21312 / ResNo.13)  ライバル宣言
□投稿者/ とろろ 一般♪(12回)-(2009/03/20(Fri) 23:10:23)
    あの幸せな日から1週間半ぐらいたった月曜日。
    あれから私は、度々明日河先輩と廊下などの学校内で会うと話す様になった。
    神埼先輩や岸澤先輩も同様だ。
    3人はいつも一緒で、先輩達は私といつも一緒にいる他の4人とも仲良くなっていた。





    そして今日。
    3限目の化学が終わって、化学室から美幸と安奈、未来と瑠貴と出てきた時。
    体育なんだろう、ジャージに着替えた明日河先輩と神埼先輩、岸澤先輩と・・・・もう1人の先輩に出会った。
    初めて見た先輩だ・・・・・誰なんだろう?
    この学校の澄んだ綺麗な深い青色のジャージを着ている。


    「よう、夏衣。あと他の皆」


    もうすっかり仲がいい岸澤先輩が微笑でこちらに手を振った。
    見知らぬ先輩は、この後輩達って誰?と神埼先輩に聞いている。


    その先輩は少しくせっ気のあるセミロングの黒髪を右側で赤いチェック柄のシュシュで結び、目は少しキツい感じ。
    ジャージのチャックを胸元まで下ろして、首元には綺麗なシンプルなネックレス。
    普通よりちょっと美人だと思う。けど明日河先輩の方が綺麗。



    「ああ、君たちは初対面か。コイツは平梅。平梅彩華。3−2で美玖の幼馴染」


    そう岸澤先輩が説明してくれた。平梅先輩がニコリ、と微笑む。
    神埼先輩の幼馴染さんなのかあ・・・・。私達も微笑で返す。

    「んでもって、瑞希が好きです❤」


    と、平梅先輩が明日河先輩に抱きつきながら言うと、もう既に私の気持ちを悟っていそうな岸澤先輩が顔を歪める。


    「ちょっと、暑苦しい。離れろ」


    べりっと明日河先輩が心底嫌そうな顔で離れて、抱きつかれた腕をパンパンと払う。
    明日河先輩はあまり好きではないらしい・・私は安心してしまった。


    「じゃあ、次体育だからっ、バイバイ♪」


    神埼先輩が満面の笑みでこちらに言ってきたので、私はそうですよねっ、頑張って下さい!と言ってしまった。







    そして・・・・先輩たちがそれぞれ香水の匂いを漂わせつつすれ違う時・・・・・















    「貴女に瑞希は渡さないからさぁ、覚悟してよ?」


















    ・・・・・・ライバル発言を、平梅先輩が甘い甘い匂いと共に囁いた。










    「諦めませんから・・・っ!」




引用返信/返信

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■21223 / 親記事)  恋唄 第二章 1
□投稿者/ sakura 一般♪(7回)-(2009/01/09(Fri) 23:16:20)
    ふわふわと、水面を漂っている感じだった

    なんて心地良い・・・

    遠くから誰かが私を呼んでいる

    どうしてそんなに悲しそうな声で呼ぶの

    泣いている・・・

    誰・・・

    一瞬闇の世界

    そして、再び光に包まれた

    誰かが私の顔を覗き込んでいる

    あれは・・・

    美佐子さん・・・・?


    「あ、あなたぁ・・・!先生っ!サイが・・・サイが目をっ・・・!!」

    その聞き覚えのある声は母さんで、隣に立ち尽くしているおじさんを父親と認識するまで
    とてつもない時間を要した気がする・・・

    ああ・・・そうか・・・・私・・・・・・
引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■21281 / ResNo.9)  みさきさんへ♪
□投稿者/ sakura 一般♪(1回)-(2009/03/10(Tue) 22:28:30)
    感想、ありがとうございます。
    ずーっと更新できていなかったのに、読んでくださっている方がいること、感激です。
    拙い文章ですが、お付き合い頂けると幸いです^^
引用返信/返信
■21282 / ResNo.10)  恋唄 第二章 7
□投稿者/ sakura 一般♪(2回)-(2009/03/10(Tue) 22:55:05)
    サイは希の手を取ったまま立ち上がり、片手で腰を抱き寄せキスをした。
    ねっとりとした長いキスが終わると、取ったままの手を引き寄せ、ベッドへ導く。
    「シャワーは浴びないの?」希が聞いた。
    「もう部屋にいたときに浴びてるでしょう。省きましょう。」
    さっきまでの喧嘩腰の口調とは違い、完全に希をお客として扱っている。
    ほのかに香る、ボディーソープの香りを、準備万端の合図のように察知され、希は少し恥ずかしくなった。

    ベッドに腰掛けた希の前に跪き、サイはゆっくりと希のブラウスのボタンを外す。
    スカートは脱がさずに、ストッキングだけを器用に剥ぎ取った。

    「どうしてスカートはそのままなの?」
    メモでもしそうな勢いで、希は質問する。
    「普段から明るいところでお客に足開いてるアンタには、少し変わった方がいいかと思って。」
    いちいち質問され、少しイラついてサイが答えた。
    その答えにむっとしながらも、希は続けた。
    「へえ。初めてのお客さんでも、どんなやり方がいいか分かるんだぁ。」
    サイは小ばかにしたような希の言葉を無視して、スカートの中に手を入れた。

    手探りで内腿から足の付け根に指を這わせる。
    希も黙って、指の行方を追う様に下を向くと、サイと目が合った。
    サイは黙って希をまっすぐに見つめ返し、指で探る。
    指先がヘアを掻き分け、突起を捕らえると、ヒダをなぞり始めた。

    触るか触らないかの距離感を保ち、ヒダの外側から内側までを念入りになぞる。
    そのうちに、希はモゾモゾし始めた。
    「どうして黙ったままなの?」
    「・・・・・・」
    「いつもこういうパターン?」
    「・・・・・・」
    サイは尚も黙って見つめたまま、指先だけを蛇のように這わせている。
    「な・・・にか言いなさいよ・・・。私お客なのよ・・・!」

    クチュッ

    サイの代わりに『希』が答えた。



引用返信/返信
■21284 / ResNo.11)  恋唄 第二章 8
□投稿者/ sakura 一般♪(3回)-(2009/03/10(Tue) 23:12:15)
    希は、サイが指でなぞるだけで濡れている事が恥ずかしくなり、質問をやめた。

    クチュックチュッ・・・
    「ん・・・・」
    溜息を漏らしながらも、負けず嫌いの性分から、希はサイから目を離さない。
    その瞳も、どんどん潤み始める。

    ふいに、サイが希の足を掴み、ゆっくりとベッドに四つん這いにさせた。
    「あっ・・・」
    急な事に、希は驚いた。

    クチュクチュクチュ・・・
    さっきよりも大胆に、サイの指が希の突起とヒダの中を弄る。
    「んっんっ・・・あっ・・・」
    指で弄りながら、サイは唇を希の腰から肩へと滑らせる。
    「ふぅぅ・・・ん・・・」
    希は、男性とは違う、滑らかで繊細なサイの愛撫にどんどんはまっていく。
    希の首筋や耳を唇で弄びながら、片方の手で、ブラの上から乳首を刺激する。
    サイはもうすっかり目を閉じて、試合放棄している希に囁いた。

    「ヤリ慣れてる相手なら、少し焦らしたり刺激を与えた方が飽きなくていいんだ。」
    「ん・・・ん」
    「どうしたいかを察知して、その急所はすぐには攻めない。」
    「・・・・ん」
    「聞いてんの?」
    おざなりな相槌に、サイは手を止めて聞いた。
    「やめないで・・・やめて・・・」
    「は?」
    「指導は・・もういいわ・・・・やめて・・・でも・・・やめないで・・・」
    サイがぽかんとしていると、希がキレた。
    「だから、早く続きをしてよ!もっと・・・やらしく・・・」

    そう言って、希は更に腰を突き出した。


引用返信/返信
■21285 / ResNo.12)  恋唄 第二章 9
□投稿者/ sakura 一般♪(4回)-(2009/03/10(Tue) 23:26:26)
    「仕事・・・?」
    サイがサイドテーブルの携帯を取ると、隣でうつ伏せになっていた希が聞いた。
    「いや、今何時かなと思って。」
    「何時?」
    「12時・・・夜のね。」
    「まだ帰さないわよ。フルコースなんだから朝まで・・・。」
    「いや、そういう訳じゃないけど・・・朝までって・・・。」

    結局、あれから希は何度も絶頂を迎え、サイは奉仕しすぎて二人とも眠ってしまった。
    サイは服さえ脱いでいない。

    「私の事、憎いんでしょう・・・。」
    うつ伏せのまま、また希が聞いた。
    「最初はね、正直殴りたいほど。でも、まぁ、今は・・・」
    「許せるの?」
    「んー・・・ただの性悪じゃなさそうだし。でも、何で美佐子さんの事知ってるの?」
    「ああ・・・」
    希は体を少し起こし、タバコに火をつけた。
    「あなた、しばらくクラブに出てこなかったでしょ。みんなが辞めたんだと思ったわ。」
    「ああ。・・・だから?」
    「それで、あなたが休み始めた頃のお客を、クラブの人に聞いたのよ。それで、携帯番号から色々調べて、そしたら、美佐子さん?彼女が浮かんだの。」
    「調べた?アンタ、何企んでんの?」
    「何も。ただ気になっただけ。」
    「何で?」
    「さあ。」
    「さあって・・・好きなの?」
    希の動きが止まった。
    サイの動きも止まった。
    「もしかして・・・自分の気持ちに気が付いてなかった・・・とか」
    サイが冗談めかして言うと、希の耳が赤くなってきた。

    「マジ・・・?ありえない・・」
    「・・・・ありえないよねぇ・・・」
引用返信/返信
■21286 / ResNo.13)  恋唄 第二章 10
□投稿者/ sakura 一般♪(5回)-(2009/03/10(Tue) 23:45:43)
    「だけどさぁ・・・」
    希はタバコをもみ消して続けた。
    「専門を転換しようと思ってるのはホント。この業界、結局若い娘に持ってかれちゃうじゃない。」
    「でもまだ希さんは若い方でしょ。」
    「テクニックより、やっぱピチピチの肉体よぉ。その点、サイの方はおば様ばかりでしょ。見た目より質を問われるじゃない。」
    「はあ。まあ・・・。」
    「だから・・・ね。近い将来って感じかな。」
    そう言って希はベッドから起き上がり、ビールを取りに行った。

    冷蔵庫の扉を開けながら、希は言った。
    「本当はね、美佐子さんって人のこと、どうこうするつもりなんか全然なかったのよ。」
    「・・・そう。」
    「もしサイが乗ってこなければ、それでおしまいにしようと思ってた。ごめんね。」
    サイは意外に素直な姿に、少し面食らった。

    ベッドに戻ると、ビールを一口飲んで、希が言った。
    「ね・・・また濡れてきちゃった・・・。」
    「えっ・・・えええ!?」 

    希の瞳はまた濡れ始めていた。
引用返信/返信

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■20272 / 親記事)  月明星稀。
□投稿者/ 蔵吉。 一般♪(5回)-(2007/11/07(Wed) 22:50:15)

    明らかに

    稀なり。

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■20285 / ResNo.9)  星´。
□投稿者/ 蔵吉。 一般♪(12回)-(2007/11/09(Fri) 23:18:04)
    貴女を
    繋ぎ留めたくて

    誰よりも
    …誰にも
    優しい貴女が
    離れてしまう前に

    不安だらけで
    震えてしまう

    覗きこむ
    貴女の瞳

    涙が
    頬を伝う
    涙が
    暖かくて

    『愛してる』

    貴女が
    大人になって
    しまうまでの
    約束

    …今はただ
    気持ち一つの
    約束を

    「私も」

    (携帯)
引用返信/返信
■20288 / ResNo.10)  稀。
□投稿者/ 蔵吉。 一般♪(13回)-(2007/11/11(Sun) 16:28:21)
    君が
    好きなんです
    ずっとずっと
    想っていた
    想っている

    唇から伝わる
    温もり

    涙が溢れて
    君以外が
    見えなくて

    どこにいるのか
    分からない位に

    今日の月は
    明るすぎて
    周りの星が
    見えません

    あの見えない星が

    そして
    あの…
    光輝く月が
    君だ

    (携帯)
引用返信/返信
■20289 / ResNo.11)  稀´。
□投稿者/ 蔵吉。 一般♪(14回)-(2007/11/11(Sun) 16:39:31)
    頬や
    首筋…身体に
    感じる吐息
    全てに

    愛おしさが
    溢れてくる

    貴女の
    伏し目がちな瞳

    どうして?

    涙を
    …流すの?

    私は
    貴女が好き
    愛してるの


    そんな
    冷えきった手を
    自分の息で温めないで

    どんなに
    悲しいことがあっても
    別の悲しみで
    癒されるから。

    (携帯)
引用返信/返信
■20301 / ResNo.12)  月明星稀。
□投稿者/ 蔵吉。 一般♪(15回)-(2007/11/20(Tue) 01:33:44)
    そこに、彼女〔希〕の姿はあった。
    愛しい人〔彩乃〕は、なんの連絡もなく、突如として音信不通になってしまった。
    そんな彼女を探すために、唯一の手がかりがありそうな彼女の部屋に向かった。

    『…何も無い部屋。生活感が欠如したこの部屋で、何を思っていたんだろ…』

    ポツポツと独り言が多くなっていく。

    なんとなく、多分そこで勉強などをしていたであろう机に、何か有るような気がして机まで移動する。
    灰色の事務机みたいだ。

    『彩乃…』

    机の上には何も無いので、引き出しを開ける。
    そこには、書類のような物がビッシリと入っていた。
    一つ一つ書類をチェックしていく。
    大学の連絡、プリント、論文、バイト先のシフト表、成績表、支払い表ー…

    ―――一時間後。

    『手がかりになる物なんて無いし…』

    そう、諦めて引き出しを元に戻す。
    ガッ。

    『あれ、元に戻らないなぁ。奧に何か詰まったのかな。』

    引き出しを出して、中を覗いて見る。すると、一冊の本とグシャグシャになっている手紙らしき物があった。
    手を伸ばして、それらを手に取る。日記と

    『…私宛。』

    手紙である。黄色く、いかにも古臭さが漂っている。
    はやる気持ちを抑えながら、封を切る。

    『古いなぁ、まだ知り合ったばかりの頃の日付じゃん。』

    ペラペラと目を通していく。
    そこには

    「深山 希様」


    (携帯)
引用返信/返信
■20327 / ResNo.13)  NO TITLE
□投稿者/ さき 一般♪(1回)-(2007/11/29(Thu) 09:45:27)
    続きが気になります(>_<)ノ

    (携帯)
引用返信/返信

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■14913 / 親記事)  こんな恋のおはなし
□投稿者/ saya 一般♪(1回)-(2006/06/09(Fri) 17:29:26)
    2006/06/09(Fri) 18:54:18 編集(投稿者)

    「雨降る夜に 頼子の決心01」


    だめだった。
    ずっと言わない
    つもりでいたけれど
    もうだめだった。

    あたしはあたしを
    止められなかった。

    嫌われてもかまうもんか。
    もう、限界なんだもん。

    六月の雨降る夜に
    さしていたビニール傘は

    何の意味を持たず
    あたしの全身を濡らす。

    行き着いた先は
    圭子先輩の家。

    もともと来る気は
    なかっただけに

    すごく
    "ちょっとそこまで"的な格好。

    思い付きにもほどがある。

    ジーンズにTシャツ
    &スリッパ。。。

    ふん。シンプルでいいじゃない。

    いつだって
    行き当たりばったりの自分を

    今は悔やむ余裕もなかった。

    高ぶる想いを
    押さえ切れなくて。

    4年−
    初めて圭子先輩と会ってから
    4年のあいだずっと。

    気付かないフリしてた。

    でも、もう限界。

    切なすぎて死ぬ前に
    嫌われたっていいから

    あの人の記憶に
    残りたかった。


    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■15130 / ResNo.9)  sayaさん
□投稿者/ エビ 一般♪(46回)-(2006/06/24(Sat) 23:47:22)
    sayaさん、初めまして。
    て?(笑)

    小説、当初から拝見しています。
    主人公。
    空回りっぷりがとても良いです。
    可愛いです♪

    続き楽しみにしてるんで、
    頑張ってください。



    (携帯)
引用返信/返信
■15147 / ResNo.10)  エビさんへ
□投稿者/ saya 一般♪(7回)-(2006/06/25(Sun) 16:40:34)
    初めまして。

    じゃないです(笑)
    バスを乗り違え終点まで行く女
    沙耶です(笑)
    小説はsayaで挑戦中です。感想ありがとうございます(*^_^*)
    嬉しすぎて、携帯を持つ手が震えたりなんかしていません(笑)

    主人公。どうしようもなさすぎて大変なことになっていますが、今夜の更新でもうちょっと頑張ります!

    よかったらまた読んでください(*^_^*)


    (携帯)
引用返信/返信
■15155 / ResNo.11)  こんな恋のおはなし 6
□投稿者/ saya 一般♪(8回)-(2006/06/25(Sun) 23:27:57)
    「雨降る夜に 圭子のこれから03」


    雨はまだ降り続ける

    テレビでは相変わらず
    ハリーポッターと
    ロンは仲違い中で。

    真っ暗な部屋の中
    私の目は完全に
    暗闇に慣れてしまって。

    頼も同じなんだろう。
    恥ずかしいのか
    私の顔を見ようとしない。

    おとなしく
    髪を拭かれている。

    何故か体育座り(笑)

    本当なら
    気まずいはずの
    沈黙が

    自分でも
    不思議なくらい
    心地よくて

    多分、頼自信が持つ
    柔らかな空気が
    そうさせるんだろうけど。

    "触れてみたい"

    そう思ったことに
    何の嫌悪感も無かった。

    もう一度

    頼の唇に
    視線を落とす

    その視線に
    気付いた頼と
    目が合う。

    思わずドキっとする

    4年前より大人びた瞳

    頼の目はキレイ。

    瞳に吸い込まれるって
    今の私だ。

    「圭子先輩。」

    「。。。え!?」

    返事をするよりも
    早く。

    気付いた時には
    私は頼の腕の中にいた。

    突然のことに
    身動きの取れない私。

    頼の抱きしめる
    腕の力が少しだけ
    増して−

    胸のドキドキが
    痛いくらいに
    伝わって−

    「。。。先輩」

    「。。。。。。ん?」

    突然のことに
    言葉を発するのが
    遅くなってしまう。

    「圭子先輩、全然変わってない。」

    「。。。??」

    「ふつう、告白しにきたやつの鼻水なんて拭きませんよ。」

    「。。。そう?」

    「そうですよ!優しすぎます。。。そういうとこも好きなんですけど。。。」

    「。。。」

    頼の声がまた
    涙まじりになる。

    何も言えない自分が
    すごくもどかしい。

    それでも頼は続けて

    「圭子先輩。あたし今まで同じ女の人を好きになったり、自分がおかしいって思ってたけど、今日は言って良かった。先輩には迷惑をかけちゃったけど、あたし今すごく嬉しいんです。この気持ちは嘘じゃないって分かる。同じ女の人でも関係ないです。あたしは圭子先輩が好きなんです。」

    頼の雨に濡れた
    冷たい体から

    温くて凛とした
    優しい言葉が

    肌をとおして
    私の中に降り注いで

    「あたし、先輩の中に残れたかな」


    最後にぽつりと
    頼が言った。


    (携帯)
引用返信/返信
■15210 / ResNo.12)  こんな恋のおはなし 7
□投稿者/ saya 一般♪(9回)-(2006/07/01(Sat) 18:35:05)
    「雨降る夜に 頼子の決心04」


    雨はまだ降り続ける。

    ずぶ濡れの体
    涙でうわずった声
    予想外の鼻水。

    あぁほんと格好悪い。

    でも。
    言えた。

    やっと言うことが
    出来た。

    ずっと言えなくて4年。

    会いたいけど
    会えない。
    言いたいけど
    言えない。

    切なすぎて
    切なさで死ぬかと思った。いやこれマジで。

    先輩があたしの腕の中に!
    あたし、今すごい幸せ
    ビバ頼子!

    だけど。
    圭子先輩を抱き締めてる内に
    いや、その前から分かってた。

    "嫌われても構うもんか"
    そう思ってたけど

    それは嘘だ。

    思った以上に
    華奢なからだ
    4年前と変わらない
    柔らかな声
    優しい笑顔。

    あたしはどんどん
    この人を好きになる。

    この人の中に
    残りたくて仕方ない。

    あたし先輩の中に
    残れたのかな

    「残ったよ。」

    「え!?。。。あぁ」

    圭子先輩のその言葉で
    自分の心の声が
    かたちとなって出て
    いたんだと気付く。

    あぁ。もうやばい。
    そんなことにも
    気付かないなんて、
    あたし末期だ。

    圭子先輩は続けて

    「残ったよ。忘れられるわけがないよ。
    こんな雨の日に突然来て
    ずぶ濡れだし。泣いてるし。なにかあったかと思って
    本気で心配したんだから。」

    圭子先輩の言葉は
    温くて、
    冷たいあたしの体に
    優しく降り注いぐ。

    突然来て、ずぶ濡れな上に告白までしたのに
    心配をしてもらえていたなんて
    それだけでも、
    あたしはすごく幸せだ。

    「それに私、映画を見ようと思って
    部屋を暗くしてて、頼が来た時、結構怖かっ。。。あ!ハリーポッター!」

    そうそう。
    あたしはすごくハリーポッターだ。

    。。。!?

    「はりぃぽったぁ!?」

    何、急に言い出してんの圭子先輩!?と
    聞こうとした時には
    すでに遅くて。

    あたしは抱き締めていた腕をほどかれ

    勢いよく動いた圭子先輩は暗闇の中
    チカチカと光る
    テレビの前へ。

    転がるあたし。

    「あぁもう仲直りしちゃってるじゃない!」

    そう言いながら
    リモコンを探す
    圭子先輩。

    倒れこむあたし。

    。。。。
    何これ。
    あたし結構頑張ってたよね?
    仲直りって何!?
    映画に負けてんじゃ
    ないわよ自分!
    えーん!

    しくしく。と
    床でうずくまるあたしを
    発見した圭子先輩は

    「あ!?頼、ごめん!!」

    おろおろと
    "違うの違うの"と
    "ハリーとロンがいけないの"と
    フォローをしだした。

    何が"違う"のだろうか。
    何が"いけないの"だろうか。

    一世一代の
    告白だったのに。
    結構頑張ったのに。
    ハリーポッターに
    負けたあたし。
    先輩がハーマイオニーファンなら
    勝てないよあたし。
    あぁどこ行ったの
    ビバ頼子。

    けれど。

    本気でしまったという
    表情をして
    慌ててフォローをする先輩を見ていたら

    なんだか、もう
    どうでもよくなってしまって
    愛しい気持ちに
    負けてしまった。

    あぁやっぱりあたしは
    圭子先輩のことが
    好きで仕方ないんだ。

    これが、惚れた弱みってやつなのか。と

    「もういいですよぉ。お楽しみのとこ邪魔してすみませんでしたぁ。」と

    わざとすねたように言うと

    圭子先輩もそれが分かったのか

    「あはは。良かった」と笑った。

    ギュム(ハートをわしづかみにされた音)

    この笑顔が
    とてつもなく好きなのだ。

    4年間想い続けて
    良かった。
    あたし間違ってなかった。

    圭子先輩のこれからにも
    残っていけるように

    あたし、まだ頑張れる。

    雨はいつの間にか
    止んでいて
    空の色は朝の始まりを告げていた。

    うん。素敵な朝じゃないの♪

    「頼、ハリーポッター見ていかない?」

    ビバ頼子!(心の声)

    「はい!喜んで!
    圭子先輩、ハリーポッター好きなんですね♪」

    「え?ううん、ハーマイオニーが見たくって。」

    「えぇ!!?」




    「雨降る夜に」 おしまい。


    (携帯)
引用返信/返信
■19324 / ResNo.13)  Re[2]: こんな恋のおはなし 7
□投稿者/ れい 一般♪(1回)-(2007/06/25(Mon) 01:03:50)
    かなりいまさら感溢れますが…。。。
    すごい面白かったです。
    かなり主人公がかわいいですね。

    また読みたいなと思いました。
引用返信/返信

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