ビアンエッセイ♪

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ



貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
い〜っぱい投稿してくださいね♪

☆ サーバのトラブルで
☆ 最近のデータがなくなってしまいました
☆ 申し訳ありませんm(_ _)m

■ 登場人物は「女性のみ」でお願いします♪
■ 卑猥な日本語も使わないでくださいね。
■「新規作成」から新規投稿ができます。
■ 続きは新規ではなく子記事として投稿してください。
■ 当面 imgタグや、画像アップ機能も利用可能です♪
  著作権付きの画像、法律に触れる画像はダメですよ〜
■ 24時間以内に作成されたスレッドは New で表示されます。
■ 24時間以内に更新されたスレッドは UpDate で表示されます。

記事リスト ( )内の数字はレス数
NomalBLUE AGE(103) | NomalTIME ∞ LAG -U-(102) | NomalTIME ∞ LAG(101) | Nomalご主人様と私 外伝 U(101) | Nomalお題小説C(101) | NomalCLUB ANGEL's T(101) | NomalEverytime(100) | Nomal色恋沙汰(100) | NomalRuna&Emi PARTU(100) | Nomalあおい志乃からご挨拶(100) | Nomal海鏡(100) | NomalRuna&Emi(100) | Nomalお題小説06(100) | Nomalうさぎ病(100) | Nomalご主人様と私(100) | Nomal和美のBlue(100) | NomalRuna&Emi PARTV(99) | Nomalあなたの笑顔(98) | Nomalお題小説D(97) | Nomal親友に恋した、はるかの場合。(97) | Nomalお題小説 7.3(94) | Nomal]×](94) | Nomal僕の居場所1(91) | Nomalfall(91) | NomalGirl HolicU(87) | Nomal手作りの愛を君に(81) | Nomal梢(81) | Nomal犬に願えば(78) | Nomal風の唄(76) | Nomal二度目の恋U(74) | Nomalお題小説 G(71) | Nomal心のアルバム(70) | NomalTIME ∞ LAG - V -(68) | Nomalご主人様と私 外伝 V(66) | Nomal愛のうた(63) | Nomal すこしづつ…U(62) | Nomalスマイルストリップ(62) | Nomal幻の君(60) | Nomalモー娘。小説(57) | Nomalあおい志乃からご挨拶(55) | Nomal心のバロメーター(55) | Nomal歳の差から生まれる心の距離はありますか?(50) | Nomalキミに伝えたい-2-(50) | Nomal相思相愛(50) | Nomal*君が好き*(49) | Nomalfour season.(48) | Nomal愛〜蜜の味〜 (46) | NomalCLUB ANGEL's 2(44) | Nomalすこしづつ…@(43) | Nomal色恋沙汰A(43) | Nomalやさしく愛して(41) | Nomalウィズ(40) | Nomal先生と生徒(39) | Nomalキミに伝えたい(38) | NomalBLUE AGE─U(38) | Nomal(削除)(37) | Nomal風の便り(36) | Nomal海鏡-U-(36) | Nomal白日(36) | NomalI'm so into you(36) | Nomal宿題(35) | Nomal花の名前(35) | Nomalspring(33) | NomalCofee in Milk(33) | Nomalこんなはずじゃなかった。(33) | Nomal君が教えてくれるもの(33) | Nomal紅い月(33) | Nomal雨に似ている(33) | Nomal(削除)(32) | Nomalビターなこころ。(32) | Nomal和美のBlue U(32) | Nomal優しい物(31) | Nomal(削除)(30) | Nomalimage(30) | Nomal大塚愛×若槻千夏inHawaii ☆?(30) | Nomalさよならの向こう側(29) | Nomal(削除)(29) | Nomal運命(29) | Nomal恋唄   T(28) | Nomalすこしづつ…V-1(27) | Nomal君のために(27) | Nomal天使の恋愛事情(27) | Nomalブルーオンピンク(27) | Nomalミュルティコロール 【18】 青のダルシー:優しい舌。-A(27) | Nomal叶わぬ恋(26) | NomalMisstake(26) | Nomal続・砂漠の花(26) | Nomal僕の愛するヒト(25) | Nomalお久しぶりです。(25) | Nomalお題小説 7(25) | Nomal生徒売買(24) | Nomal二度目の恋(24) | Nomal君≧私(23) | Nomal女社会1(22) | Nomal落ちていく・・・1(21) | Nomal主婦まりえの憂鬱1(20) | Nomal-とろけるフォンデュ-(19) | Nomal恋心(19) | Nomal二つの願い(18) | Nomalバイセクシャル。(18) | Nomalくもりのち(18) |



■記事リスト / ▼下のスレッド
■21454 / 親記事)  宿題
□投稿者/ 桜子 一般♪(1回)-(2012/03/12(Mon) 22:47:53)
    橘 結子、私が今夢中の先生の名前。
    彼女は昨秋の10月、臨時教師として私の、と言うより一つ上3学年の現代国語教師として現れた。

    「ねえ、あなた。篠女の生徒かなあ・・?」突然声をかけてきた女性は、とても綺麗な人だった。
    「はい、・・・・そうです」と言うのも、恥ずかしいくらいドキドキした。なんてまつ毛が長いのだろう。カールしたまつ毛、二重の瞼、鼻梁がくっと高い美しい鼻、それ以上に私を釘付けにした唇の形の美しさだった。レディコミのヒロインのような完璧な輪郭の顔だった。

    「良かった。私今日が初勤務なの。現国の橘結子、よろしくね。貴方は?」
    「・・・ええ・・・と、はい、2年C組の伊藤由香です。」と、しどろもどろの私。
    「へえ・・・、由香ちゃんね。・・・結子と由香か。・・・ステキな組み合わせかも」
    と言った直ぐ後、結子先生は人差し指を自分の唇に当てチュッとすると、その紅の着いた人差し指を私の唇に押し当てたのだ。
    「あっ・・・??!!??」突然のことで、脳内麻痺のように真っ白になってしまった。結子先生の唇が、下弦月のように僅かに吊り上がっていて、目も唇も微笑んでいた。キ・レ・イ・・・

    あの初対面の指キスから1週間たった朝、下校しようと校門まで来た時、
    「伊藤さん、・・由香さんだったよね。」
    後ろから声が聞こえた。えっ、あっ・・と、振り向くと、帰りメイクばっちりの結子先生が小走りに駆け寄ってきた。この1週間、私はいつもドキドキと高鳴る胸を感じてきた。それは恋だ。食堂で食事中の結子先生の姿を、何枚も携帯カメラで撮り貯めててきた。

    「先生今ですか?」
    結子先生は、駆け寄って来て私の横に並んだ。好い匂いが私を包んだ。
    「今日は不動産屋さん廻りなの。急に臨時教員が決まったでしょ、まだウイクリーマンションなのね。半年勤務の予定だったらか、ウイクリーマンションでいいと思っていたんだけど、何となくこの学校やこの町が気に入ったみたい。それと由香ちゃんとも出会ったし・・・・・」

    えっ・・・・なに?・・・どういう意味? 私の脳みそは演算不能、解析不全に陥ってしまった。
    「先生部屋探しなんだ。大変ですね。駅前に10軒くらいありますよ」
    私は、結子先生のピンク色の唇を見ながら言っていた。並んで歩くのはあの時以来だ。オレンジの花のような甘酸っぱい先生の美香(びこう)が私を蕩かせていく。
    「貴方はどこから通っているの? 」
    「私は柳町です。歩いて帰っても20分くらいです。」
    「そう、柳町かあ・・・。並木通りね。いいなぁ、静かな街だよね。小川が流れていて、・・・、私も柳町で探そうかなぁ。でもお家賃が高そうな街ね」

    「先生は彼氏は?・・・・・」私はどうしてこんなことを聞いたのだろう? 気がついたら、口から出てしまっていた。
    「気になる・・・・? う〜ん、いた。でも別れた。」
    私は無意識に笑みを浮かべてしまっていることに気がつかなかった。
    「ねぇ、土日デートしない? って言うか、部屋探し手伝ってくれると助かるのだけど。どう??嫌っ?」
    「えっ、いいんですか? ご一緒しても。行きます。行きます。・・・・』私は、無意識に結子先生の左腕に抱きついていた。先生は、何も言わずゆっくり腕を絡ませてくれて、ありがとう、と言った。





引用返信/返信

▽[全レス35件(ResNo.31-35 表示)]
■21877 / ResNo.31)  Re[23]: 宿題21
□投稿者/ 愛 一般♪(1回)-(2015/02/05(Thu) 23:59:45)
    ドキドキします!
    再開、とてもうれしいです^^
引用返信/返信
■22237 / ResNo.32)  宿題22
□投稿者/ 桜子 一般♪(1回)-(2017/08/03(Thu) 12:00:03)
     あの日、結子先生の唐突なキスに狼狽したことから、由香とのメールも口内での会話も途絶えていた。
    気にはなっていたが敢えて避けていた。好意を抱いている自分が怖かったから。流されそうだから。ママを恋人として愛し愛されている生活に、波風が吹きそうだから・・・。

     そんなある日結子先生から1通のメールが届いた。
    部屋探しが難航している事、また不動産屋さん周りに付き合って欲しい・・・・と言う事だった。
    手短かなメールだった。由香はなぜか胸騒ぎと甘い好奇心の燻りを感じた。
    返信に困ったが、1学期期末テストが終ってからなら・・・・・とあいまいな時間稼ぎした。

    「由香ちゃん、明日から3日間学校お休みできるかしら・・・?」
    「ママ・・・どうしたの・・?」
    「熊本のお爺さまの7回忌法要なの・・・・」
    「えっ・・・・? あっ・・もうそんなに経ったのね・・・」
    パパの実家が熊本にある。7年前昼寝の最中眠るように亡くなった。優しいお爺さまだった。
    「じゃ、日曜日には戻れるわよね。月曜から期末テストだから・・・」
    「そうだったわね・・・。じゃ明日朝学校にはママから電話するわね」

    「由香ちゃん、熊本に行ったらママあなたに相談だあるの」
    「えっ・・ママもそうなの?」
    「由香ちゃんも・・・・?・・・・・何か気になるじゃない。気になって眠れそうにないから今言ってくれない?」
    「・・・・とっても恥ずかしいの。でも決めたの。・・・・」
    「何かしら・・・・? う〜ん・・気になるじゃないの。ね、言って・・・・」
    ・・・・・・・・・・・・
    「ねえママ、私ママと結婚したい・・・・。ううん、結婚するの。・・・・良いでしょう?」
    七海は驚いて耳を疑っていた。同じだった。私の気持ち、決意と同じ思いを由香の口から飛び出したから。恋人同然の性生活はもはや七海には欠かせない生活そのものだったから。
    ・・・・・・・・・・・
    返事は不要だった。七海は歓喜の涙を静かに流したいた。声もなく瞳を溢れ出る涙でキラキラさせていた。・・・ウ・レ・し・い・・・・
    満面涙で濡れながらもそう語っていた。
    「ママありがと・・・う・・・」
    由香の言葉を七海の美唇が塞いだ。どちらからともなく舌が触れ合い絡まり吸い合った。

    母娘で結婚する。夫婦になる。どちらが夫でどちらが妻なのか・・・?わからないけれど、愛する恋人と形あるものを二人で創りたいと思う。きっと今の生活と変わらないのかもしれない。
    でも、恋人同士から同性母娘結婚によって、永遠の愛と甘い生活が毎朝毎夜続くことになる。
    会社を出る前、綺麗に塗り重ねたローズピンクの口紅がすっかりとれている。
    喜びに満ちたキスは熱く、貪り合うように吸い合い舐め合っている。
    X字に重なり合う美しい子顔を、幾度も交差しながら人生最高の喜びを確かめ合っている。
    互いに背中を抱きしめ、また頭を首を優しく愛撫しあっている。
    こんなに幸せでこんなに甘いキスの抱擁は初めてかもしれない。

     一頻り求め合い貪り抱きしめ合った後、どちらかともなく唇がゆるーく離れた。どちらかの唾液が一本の糸となりt長い吊り橋のように繋がった。
    「ねえ・・、いいの?・・・・私たち女同士だから赤ちゃんは出来ないのよ・・・・」
    「ママもでしょ・・・・」
    「そうねえ・・・・・・」
    七海は思った。結婚しよう美娘と。そうしないと気持ちが抑えられなくなっていたから。
    由香は思った。結婚しようママと。そうしないと結子先生の赤い雲が少しづつ現れ、気持ちを乱しそうに思えた。                                 続く



引用返信/返信
■22238 / ResNo.33)  宿題23
□投稿者/ 桜子 一般♪(2回)-(2017/08/04(Fri) 14:14:21)
    2018/01/08(Mon) 14:03:58 編集(投稿者)

     翌朝二人は慌ただしく身支度、留守用事をし、七海は女子校にお休みの連絡をした。由香は濃紺のワンピース、七海はグレーのツーピーススーツに身を包んだ。それぞれ法事用の服をキャリーバックに入れてある。
    羽田から熊本にANAで飛んだ。迎えは要らないと電話してあったが、本家のご厚意でハイヤーが来ていた。出口ゲートにネームボードを掲げ待っていた。案内された黒塗りハイヤーでの挨拶や説明はそこそこに、本家のある水前寺に向かった。二人にとって熊本は2年ぶり、七海は九州出張の折事に墓参りを重ねていて、久しぶり感は無い。

    しかし、愛しい存在となった由香との旅行は二人にとって初婚前旅行になる。機中では、夕べの熱い抱擁の微熱が燻る熱い眼差しを互いに向け合った。その間もどちらからともなく手を結合った。それだけで胸が熱くなった。嬉しかった。幸せとはこのような些細なことが何事も無く行えることのようなきがした。

    「伯母さま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
    儀礼的な法事の言葉を親戚の方や、地元ご近所、お爺さまのご友人などと交わした。その間由香もずっと側にいて丁寧なお辞儀を繰り返していた。
    「由香ちゃんしばらく見ないうちにすっかり綺麗な女性になって・・・・」
    挨拶するたびに皆から賛嘆された。
    従姉妹は「まだ確か女子高生だったわよね・・・・・・」と、その美しく成長した姿、美貌に驚嘆した言葉も聞いた。

    法事が済み食事をしていると、「今日は本家に泊りなさいよ。積もる話やこれからのことも相談しなければいけないし。・・・・・・」
    本家の伯母さまからの問いに、
    「ごめんなさい。今夜はとりあえずホテルを取りました。既にお土産や荷物もホテルに送ってあるんです。今夜はホテルに帰って明日また戻ってきます。」
    「じゃ明日はゆっくりね・・・・良いわね。七海さんはいつも忙しく来ては帰ってしまうでしょ。寂しかったの。一度ゆっくりおしゃべりしたいと思っていたのよ。」
    「ありがとうございます。今回はいつもよりは時間を取れそうなんですが、もしかすると明後日午前中には博多や大阪の取引先に出向かなければならないかもしれません。」
    伯母は笑みを向けながらも少し寂しそうな表情を見せた。
    法事が終るまで、東京から帰郷参列した美しい義母娘の美貌や佇まい、声や表情には皆瞠目し続けた。

    「ねえママ今日は疲れたでしょう・・・。朝も早かったし・・・・それに法事はいつも疲れちゃう。」
    「そうねえ・・・、でも親戚や故郷や実家があるって素敵なことよ。」
    「由香ちゃんお風呂一緒に入りましょう・・・・? せっかくのスィートルームを楽しまなちゃ・・・」
    七海はソファに黒のフォーマルワンピースを脱ぐと緻密刺繍が施されたブラとショーツ姿になった。一際色白の七海が黒い下着姿を晒して、「どうかしら・・・?」って聞くようなモデルポーズをとってお茶目さを見せると、由香は毎夜見ていている美しい恋人の白い裸身に見蕩れた。

    「ママ綺麗・・・とっても綺麗・・・・」
    どちらからともなく唇が重なり、舌を絡ませ合わせて互いの唾液を交換する。蕩けるように甘い。互いにそう思う。美味しい唾液を交換し美舌を吸い合う。
    「あうっ・・・・・」
    七海が快感に呻く。
    七海は由香のワンピースのジッパーを下げる。由香もキスをしながら七海の背中に手を回し、ブラのホックを外す。ホロリとブラが緩み、見事に張り出し美乳が現われる。七海自身も自慢のくすみの無い薄桃色の乳首が飛び出し、今直ぐにでも由香の柔らかな唇で含んで欲しかった。
    二人は慣れた手つき服を脱がせ合うと、キスを続け、抱きしめ合い縺れるように既に湯が満たされたバスルームに入って行く。
引用返信/返信
■22382 / ResNo.34)  宿題24
□投稿者/ 桜子 一般♪(1回)-(2018/12/30(Sun) 10:02:44)
    まるでタンゴの乱舞のように、縺れるように湯船に入った。
    ドアも空いたままだ。早朝からずっと一緒にいるのにキスも儘ならない甘く疼くストレスを解き放つ。

     甘酸っぱいレモン香の匂いを放つ由香と、爽やかな黄桃香の七海が丸い湯船で重なると、
    溢れた湯に二人の美人香が溶け合い白むバスルームをピンクに染めた。
    「ああっ・・由香ちゃん・・・うっ・・ああああ・・・いい・・いいの・・そう・・」

    由香が七海の右乳首を摘まんでいる。七海と舌を絡ませ吸い合う。キスの合間の息継ぎにも、丸一日抱き合い抱擁出来なかった欲求不満が爆発する。
    「ママ好き‥好きよ。・・・ああっ・・いいいっ・・」
    七海も由香のツンと尖り立つ桃色乳首を緩く摘まんで揉んでくる。

引用返信/返信
■22383 / ResNo.35)  Re[6]: 宿題4
□投稿者/ asfg 一般♪(1回)-(2019/09/04(Wed) 16:14:22)
http://https://www.bfinoe.at/team.php
引用返信/返信

■記事リスト / レス記事表示 → [親記事-9] [10-19] [20-29] [30-35]



■記事リスト / ▼下のスレッド / ▲上のスレッド
■17745 / 親記事)  花の名前
□投稿者/ 秋 一般♪(26回)-(2007/01/22(Mon) 14:58:14)
    いい女は、
    世界の理を知っている。


    いい女の心の内は、
    花屋だけが知っている。










    ─花の名前─





引用返信/返信

▽[全レス35件(ResNo.31-35 表示)]
■19393 / ResNo.31)  NO TITLE
□投稿者/ マル 一般♪(1回)-(2007/07/03(Tue) 01:37:45)
    遅ればせながら、読ませて頂きました。

    放っておけないです。こんな、穏やかな暖かい空間に、ポンッと入り込んでしまう魅力。


    また沢山の人に読んで頂きたいなと。



    (携帯)
引用返信/返信
■20559 / ResNo.32)  NO TITLE
□投稿者/ ☆ 一般♪(1回)-(2008/02/11(Mon) 20:29:51)
    大好きな作品だから上げるャP

    (携帯)
引用返信/返信
■20855 / ResNo.33)  秋さん
□投稿者/ ななし 一般♪(1回)-(2008/05/26(Mon) 08:23:54)
    あなたに会いたい

    (携帯)
引用返信/返信
■21494 / ResNo.34)  皆に読んで欲しい
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(36回)-(2012/04/26(Thu) 04:21:37)
    秋先生の作品はホントに面白くて大好きなのです。こちらのサイトにいらっしゃった全員に読んで欲しいな。

    (携帯)
引用返信/返信
■21501 / ResNo.35)  みんなに読んで欲しい
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(43回)-(2012/04/26(Thu) 10:42:27)
    綺麗な小説ばかりです、秋先生の作品は。是非、読んでみて欲しい。

    (携帯)
引用返信/返信

■記事リスト / レス記事表示 → [親記事-9] [10-19] [20-29] [30-35]



■記事リスト / ▼下のスレッド / ▲上のスレッド
■19676 / 親記事)  spring
□投稿者/ 春風 一般♪(1回)-(2007/08/08(Wed) 00:03:23)
    2007/08/08(Wed) 00:04:08 編集(投稿者)

    「くだらない」


    それが春の口癖だった


    物事を斜に見るきらいがあって、何事にも無関心。そんな風に見えて実は誰より深いことを考えている。
    春はそういう女だった。

    「どう生きようかと思って」

    だから、電話ごしに春のその言葉を聞いたときは、本当に驚いた。
    驚いて、「それ、どういうゲーム?」なんて間の抜けた台詞しか出てこなかった。

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス33件(ResNo.29-33 表示)]
■19707 / ResNo.29)  spring 29
□投稿者/ 春風 一般♪(30回)-(2007/08/08(Wed) 00:53:03)
    あぁ。俺は唸った。そんなことがありえるなんて。
    確かに俺は、春は風なんじゃないかと疑っていた。けれども、こんな過去があったなんて。混乱する。そこで、ひとつの疑問が湧く。いくら双子といえども、両親に見分けがつかない訳がない。俺はそのことを風に尋ねる。
    すると風の顔が曇った。


    「両親はね、私が春ならいいのにって思っていたの。」


    「事故の後で、両親は私を“春”と呼んだ。」

    心臓がドクン、と鳴ったのを感じた。

    「その瞬間、私は春になろうって決めたの。風は、死んだの。」



    (携帯)
引用返信/返信
■19708 / ResNo.30)  spring 30
□投稿者/ 春風 一般♪(31回)-(2007/08/08(Wed) 00:54:18)
    うっすらと微笑んだ風が、怖かった。風は、風を殺すことで自分を守ってきたのだ。大好きだったバスケもやめて。慣れない勉強に励んで。12歳から今まで、春になりきって生きてきたのだ。
    それがどれほど辛いことなのか、俺には見当もつかない。自分を偽って生きることの辛さは、俺にも覚えがある。けれども存在を否定された傷は、いつまでも癒えることはないのだろう。
    気がつくと風は涙を流していた。

    「泉には、いつか、話そうって思ってたんだ、けど、」



    「風。」

    俺は風を抱き締めた。

    「お前は、風だ。」

    強く、強く。潰れてしまうんじゃないかという程に、風を抱き締めた。そうしないと、消えてしまうんじゃないかと思えたから。



    「泉は、強くなったね。」


    聞き覚えのある台詞だった。

    (携帯)
引用返信/返信
■19709 / ResNo.31)  spring 31
□投稿者/ 春風 一般♪(32回)-(2007/08/08(Wed) 00:59:23)
    2007/08/17(Fri) 17:19:16 編集(投稿者)
    2007/08/09(Thu) 21:38:13 編集(投稿者)
    2007/08/08(Wed) 01:00:39 編集(投稿者)

    あれから3週間。怒涛のテストラッシュを終えた俺は夏休みを迎え、風と共に仙台に向かっていた。彼女は俺たちのより何倍も難しいはずのテストを終えてなお、余裕をかましていた。

    「久しぶりだなー、仙台。」

    風は眩しそうに外の景色を見る。


    「それにしても。

    自分の墓に墓参りってのも、変な話だよね。」

    「そうだな。」

    2人して笑う。



    「実家へは帰らない?」

    「うん…今はまだ。」

    「そっか。」

    「そのうちね。」

    「おう。」




    ひっそりとした寺の奥に、風の、いや春の墓はあった。

    持ってきた花を挿し、2人で手を合わせた。風がどんな気持ちでここに来たのか、本当のところは分からない。けれど、今の風の穏やかな表情を見ていたら、なんとなく、心が軽くなったような気がした。
    もうそろそろいいんじゃないかな。俺は、そんなことを思いながら手を合わせていた。

    (携帯)
完結!
引用返信/返信
■19710 / ResNo.32)  NO TITLE
□投稿者/ A 一般♪(2回)-(2007/08/08(Wed) 01:06:37)

    おもしろいですッ。

    完結しちゃうんですか??

    (携帯)
引用返信/返信
■19718 / ResNo.33)  Aさん
□投稿者/ 春風 一般♪(33回)-(2007/08/08(Wed) 22:23:49)
    コメントありがとうございます!!
    最後が駆け足になってしまったのですが、一応これで完結です(^ω^;)
    時間があれば、ぼちぼち続編なんかを書いていきたいと思っているので、そのときはまたよろしくお願いします。

    (携帯)
引用返信/返信

■記事リスト / レス記事表示 → [親記事-9] [10-19] [20-29] [30-33]



■記事リスト / ▼下のスレッド / ▲上のスレッド
■18622 / 親記事)  Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(1回)-(2007/04/16(Mon) 00:22:33)

    コーヒーが大好きなアタシ。

    苦くってブラックしか飲めないアタシ。
    だって砂糖とか入れるとすっぱくなるじゃん?
    酸味とか苦手なんだよね
    缶コーヒーとかは絶対に飲めない。

    まだ大学3年生のガキのくせに、
    コーヒーの味とかよく分かってないくせに
    「ブラックしか飲めない」とか言っちゃって、
    大人ぶってる。
    それがアタシ


    ミルクとか入れるのなんて最悪
    味が分からなくなるじゃん!


    でもあんたは平気な顔でドバドバ入れる。
    アナタが来る時だけ、
    ウチの冷蔵庫には牛乳があるんだよ
    知ってた?


    渋くて
    でも大人っぽくて
    なんかカッコいい「ブラックコーヒー」みたくなりたいと
    憧れているアタシ

    優しくてニコニコ笑ってて、
    なんかあったかい人懐っこいミルクが好きなあなた

    私たちが混ざり合ったとき、
    カフェオレみたくなるのかな?

引用返信/返信

▽[全レス33件(ResNo.29-33 表示)]
■20939 / ResNo.29)  Re[15]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(1回)-(2008/06/21(Sat) 22:33:02)

    …なんですか。

    やっぱりアタシはクールビューティにはなれないんですか。

    自分では平静を装ってたつもりなのに
    「何考えてるのかわからない」って言われたかったのに。


    『…!や、特になんにも悩んでないっす♪』

    それでも精一杯自分の中で平静を装ってみた。
    この“なんでもお見通しよ”って目に挑戦してみたくなったんだ


    「そう?ならいいけど。
     あ、昨日の飲み会来てくれてありがとね
     二日酔いとか大丈夫だった?笑」


    カラン

    コロン

    とグラスの中の氷が混ざる。


    『ちょっと頭が痛いくらいですw
     杉本さんは大丈夫?かなり飲んでたみたいでしたけど』

    「あたし?昨日は全然飲んでない方だよ」


    “カチン”と氷の音が止まった。

    あれで全然飲んでない方だなんて
    この人はどれほど強いんだろう
    酒の強さでは誰にも負けない自信はあったけど。


    「そうそう。詠美がマーちゃんになんか言ったんだって?」


    『え?』

    「朝本人かケータイに電話あったんだけどね。
     何を言ったのかは教えてくれないんだけど、
    『杉本さぁ〜〜んどうしよぅ〜〜』って笑
     何か気に障るようなことしちゃった?あの子…」



    これは、
    胃か
    心臓か
    心なのか分からない。

    キュウって締め付けられる想い。
    緊張したのが自分でも分かった

    「な、なんにもないですよ。
     大丈夫です」

    「あの子『ぜーったぃ嫌われた〜〜』とか本人泣きついてきたから、
     なんかマーちゃんに酷いこと言っちゃったのかと思った。
     そかそか、了解」


    そうやって二カッて笑って安心したようにメールをする。



    やっぱりアレは告白だったのかな…。
    自分の中の疑問が確信に変わり始めた。

    詠美ちゃんかぁ




    恋愛に臆病になっているときは、
    「この壁を壊してそんな想いから連れ去ってくれる人が欲しい」と
    ありもしない妄想を抱いていたけど。

    実際にそんなことが起きようとすると
    臆病になる自分がいた。
    「本当にこれでいいの?」って
    「本当に好きなの?」って邪魔してくる声があって。

    長い間恋愛に対してブランクがあると
    本当に恋の仕方って分かんなくなるね。


    物事はいつだってシンプルなのにね。


引用返信/返信
■20940 / ResNo.30)  
□投稿者/ アイン 一般♪(1回)-(2008/06/22(Sun) 20:20:51)
    待ってました〜更新^▽^
    変わっても、変わらなくても楽しみにしています
    なんて変な日本語を残して失礼しましたm(__)m
    更新してくれてありがとうございます^皿^
引用返信/返信
■20944 / ResNo.31)  アインさん☆
□投稿者/ さあや 一般♪(2回)-(2008/06/23(Mon) 10:35:26)
    コメントありがとうございます!
    そしてお久しぶりですw
    これからも宜しくお願いします♪
引用返信/返信
■20945 / ResNo.32)  Re[16]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(3回)-(2008/06/23(Mon) 13:27:21)

    カフェを出て杉本さんを見送ったあと、
    おもむろに携帯を取り出した

    ア行
    カ行
    サ行……。

    手持ち無沙汰にアドレス欄をいじる

    大学の友達
    高校からの友達

    兄弟
    そして仕事関係の人たち

    300件を超えるメモリーを見て
    なぜか寂しさを覚えた

    アドレスをどんどん下にスクロールさせる
    こんなに連絡先があるのに
    こんなに人がいるのに
    自分がこの世に一人だけになってしまったかのような
    孤独感を覚えるのはなぜだろう

    恋愛に対して臆病になりすぎている自分がいる

    「自分は誰が好きなんだろう」
    「どう気持ちに答えればいい?」

    アシスタントカメラマンの仕事や
    学校の授業で味わう苦しみの方がよっぽど楽だ

    どんなに複雑な恋愛相談だって、
    自分のことじゃなければ客観的に良いアドバイスも出来るのに。

    あたしはいつからこんなに
    自分のことに対して“へたれ”になっちゃったんだろう

    そんなことをもんもん考えながらエレベーターに乗る

    ポケットで「ブーンブーン」と音をたてている、
    詠美からの着信には気が付かなかった。
引用返信/返信
■20946 / ResNo.33)  Re[17]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(4回)-(2008/06/23(Mon) 13:45:09)


    「……そんで気が付いたらここに来ちゃってたってわけですか?」


    グラスを拭きながらマオがいぶかしげに顔を覗く。

    「オレはお前のドラえもんじゃねぇよ笑」


    「ガハハ」って笑い飛ばすマオ。
    カウンター越しにちびちびとアイスコーヒーを飲む情けない自分。


    高校の頃からなんか悩みがあったり
    誰かに告白されたってもんもん考えこんじゃうときは
    いっつもこのマオに聞いてもらってた。

    恋愛感情はお互いないけど、
    普段強気なあたしが
    マオの前だけでは本音で泣いて本気の感情を出せる
    そんな光景をみて“付き合ってる”って噂もあったくらいだ。

    そんな噂を耳にするたび
    「ガハハ」って大口開けて笑い飛ばすマオ。
    そんな笑顔に何回も救われたっけ



    「なんかさ、今人を好きになるのが怖いんだよ。ちょっと」

    ストローをくるくる回しながら
    あたしは初めて口を開いた


    「今はアシスタントの仕事一本でやろうって決めてたから、
     誰かを好きになったり
     誰かに好かれたり
     そんなことしてる場合じゃないだろって思っちゃったりもして

     焦ってるんだよね、多分。
     同じ目標に向けて突っ走ってる人たちが
     自分がこうしている間にもどんどん先に行っちゃう気がして。
     どんどん置いていかれるような気がして、さ」





    「……そんなに都合よく恋愛って出来ないだろう」

    カウンターの奥からズシンと体中に響きわたるような声が聞こえた
    マオとあたしは同時に店の奥に目をやる


    「オーナー」

    マオの背筋が心なしかピンと張った。

    リキュールの瓶を一つ一つ丁寧に拭くその手は
    デカくてゴツイけど
    優しそうな手だった




    「人を好きになれない奴に良い写真は撮れない」










引用返信/返信

■記事リスト / レス記事表示 → [親記事-9] [10-19] [20-29] [30-33]



■記事リスト / ▲上のスレッド
■18081 / 親記事)  こんなはずじゃなかった。
□投稿者/ 秋 一般♪(46回)-(2007/02/23(Fri) 11:52:13)
    私は困惑していた。

    いや、動揺していた、と言うべきだろうか。
    …どちらでもいい。
    とにかく頭を抱えていたのは確かだから。

    まさか自分が。
    女である私が、"女の子"に告白されるなんて───





    【ラプソディ・イン・ブルー】





    「ターキせーんぱぁーいっ!」
    背後からの声に、私は素早く身を翻らせた。
    予想通り今まさに飛びついてこようとしていたにやけ面の後輩をひらりと交わす。
    「何で避けるんですかー」
    彼女は唇を尖らせ、不満そうに私を見つめた。
    「あのねぇ…前から言ってるでしょ。廊下でいきなり抱きついてこないで」
    「廊下じゃなきゃいーの?」
    「そういう問題じゃ───」
    言い終える前に彼女は私を抱き寄せた。
    150cmあるかないかの私の体は為す術なく抱き竦められてしまう。
    「こらっ!離せ!離しなさい!聞いてんの?!離れろってば、馨っ!ばかおるっ!」
    じたばたと暴れてみせても体に回された彼女─馨の腕はしっかりと絡まって解けない。
    ばかとはひどいなー、なんて間延びした声が頭上で聞こえる。
    「あー、先輩あったかい。こーゆーのって子供体温って言うんですかね?」
    その言葉に。
    私の中のナニかがぷつんと切れた。
    私の顔を覗き込んでへらっと笑う馨。
    そんな彼女に、渾身の力を込めて頭突きを一発。
    「あだっ!」短く呻いて、怯んだ馨の腕が緩んだ隙に素早くそこから抜け出した。
    「誰が子供だっ!」
    額を押さえて情けない顔をしている馨を一瞥し、私はくるりと背中を向ける。
    「タキ先輩ぃ〜」
    「うっさい!ついてくんな!」
    強い語調で吐き捨てて、のっしのっしと大股で歩を進めた。
    背後に今にも泣きそうな顔で立ち尽くしているであろう後輩を一人残して。


    ばーかっばーかっ馨のばーか!
    身長は私のコンプレックス。
    人よりも小さい事をどれだけ私が気にしているか、馨は全然わかっていない。
    そりゃあ馨はいい。
    170cmを優に越える長身。
    それでいてすらっとした手足を持っていて。
    ……考えただけで腹立つ腹立つ腹立つ!
    馨なんか大っっっっ嫌いだ!!
    っていう今朝の出来事が思い出されて、
    「──…多喜、何そのすごい顔」
    隣の席の佐保ちゃんに呆れた声を出されてしまった。
    「……私、そんなすごい顔してた?」
    「ん。何て言うか、鬼気迫るって感じ」
    鬼婆みたいな形相ってゆーの?、小首を傾げてこんな事を言う。
    この人は、可愛い顔してなかなかに辛辣だ。
    「ひどいなー」
    困り気味にあははと笑ってみせたら、佐保ちゃんもふっと微笑んだ。
    始業を告げるチャイムに、お喋りを中断して前を向く。
    途端にどっと疲れがのしかかってきた。
    それもこれも馨のせいだ。

    『タキセンパーイ』

    私の名前を呼ぶ、ふにゃふにゃとした笑顔を振り撒く大型犬のような後輩の顔が頭に浮かぶ。

    こうもしょっちゅう付き纏われるようになったのはいつの事だったか。

    ─芹澤馨

    一つ下の学年の一年生。
    今までまったくと言っていいほど接点のなかった彼女の名前を知ったのは、夏休みも明けて間もない頃だった。
    一体何故?と思う暇もなく、彼女は私に尻尾を振ってきたものだから名前の一つも覚えてしまうというものだ。
    それから程なくして、ぽつりぽつりと彼女の名をあちらこちらで聞くようになった。
    私が噂に無頓着だっただけで、どうやらあのアホ犬は校内ではなかなかの有名人だったらしい。

    陸上部の期待のルーキー。
    あのふざけた性格からはその肩書きに直結しないというのが素直な感想だった。
    しかし、話を聞けば聞くほど真実だと信じざるを得なくなる。
    あぁ事実は小説より奇なり。
    その上長身の彼女の姿は、女子高の校内でそれはそれは目立つだろう。
    そして持ち前の愛想の良さで人懐っこい笑顔を無差別に撒き散らすものだから、上級生からのウケは良く、大いに可愛がられているという
    わけだ。
    加えて、普段彼女と共に居るのが「王子」の異名を持つ剣道部のクールビューティー。
    その王子様も馨ほどの高身長、そんな二人が廊下を歩いていれば嫌でも目を引くに決まっている。
    決まっているのに二月前まで知らなかった私は本当に世間に疎いのだろう。
    「え、まじで知らないの?」
    情報源である友人からも言われてしまった一言である。

    それでも知らないものは知らないし、厄介なものに懐かれてしまったものだと思っている。

    あーだこーだと考えている内に授業は終わってしまったらしく、日直が黒板を消し始めていた。
    しまった!と思ってももう遅い。
    仕方なく佐保ちゃんのノートを借りようと隣の席へ声を掛けようとすると、
    「せんぱーいっ」
    後ろからタックルを受けてそのまま抱き締められた。
    振り返らずともわかっている。
    「…放せ、馨」
    冷たく言い放っても、
    「あーやっぱり先輩あったかい」
    まったく聞いてやしない。
    今朝私に怒られたばかりだというのによくのこのこと顔が出せるものである。
    もっとも馨の事だ、すっかり忘れてしまっているのだろうけど。
    「二年の教室まで何しにきたわけ?」
    「何って、暖を取りに」
    十一月入ってめっきり寒くなりましたよねー、抱き締める腕を強めながら言う。
    「だ・か・らっ何でわざわざうちのクラスに来んのかって聞いてんの!」
    負けじと馨の腕を引き離そうともがきながら返した。
    「そりゃー先輩が好きだから」
    へへっと笑う声が首筋を撫でてくすぐったい。
    こんな光景にすっかり慣れてしまった級友達は「相変わらず仲が良いねぇ」と温かい目で見守ったり、「馨ちゃんにあんなに懐かれていい
    なぁ」と羨望の眼差しを向けたり、「大型犬にじゃれつかれてる小動物の図だ」と微笑ましげに眺めたり、当人の事などまったくお構いな
    しで何とまぁ好き勝手なものだ。

    「馨ちゃーん、私達とも遊んでよ」
    笑いながら声を掛けるクラスメイトに、

    「うーん、有り難いお誘いですけどあたしはタキ先輩一筋ですから」
    ごめんなさーい、と相変わらず調子の良い声。

    「ここまで好かれると案外情が移ってるんじゃないの?」
    他人事のようににやにやと笑いながら小さく耳打ちしてきた佐保ちゃんに、私は曖昧な苦笑いを浮かべた。



    先輩に懐いている後輩、だって?
    友人達よ、声を大にして言いたい。
    それは誤解だ、と。
    そんなカワイイものじゃない。
    どうせ言えないけれど。



    『神谷多喜先輩、ですよね』

    『好きです』

    『好きなんですよ、先輩の事』



    先輩に対する憧れや尊敬の念では、ない。

    小動物を愛でる嗜好を備えているというわけでも、勿論ない。

    ヤツは私に惚れている、らしい。


    絶句する私に、にこにこと彼女は笑っていた。

    陽に透けて金髪のようにも見える薄茶色の髪と愛想の良い笑顔がゴールデンレトリバーを思わせる。


    …厄介なものに好かれたものだ。




    なかなか回した腕を緩めない馨に、私ははぁと溜め息を吐いてから、背後に向かって思いっ切り頭突きをかました。


    二学期に入ってからの二ヶ月間、得たものは愛の言葉と精神疲労とこの後輩のあしらい方だ。


    …本当に厄介なものに好かれたものだと、「あだっ」肩越しに聞こえた悲鳴を受けながら再び溜め息を吐いた。

    近所にアホ犬の躾をしてくれる訓練所はなかったものかと、顎を手で押さえながらそれでもへらっと笑う後輩を見ながら思った。

    このままでは特技が頭突きになってしまうと本気で考えてしまう辺り、私も相当なアホになっている。




引用返信/返信

▽[全レス33件(ResNo.29-33 表示)]
■20468 / ResNo.29)  秋さまへ
□投稿者/ れい 一般♪(1回)-(2008/01/20(Sun) 01:14:19)
    いつも楽しく読んでます。私は百合小説のHPを作ってるんですが、秋さまの素晴らしい小説を転載したいのですが、ご許可いただけませんでしょうか?

    見てたらレスお願いします。

    (携帯)
引用返信/返信
■20490 / ResNo.30)  NO TITLE
□投稿者/ 春菜 一般♪(1回)-(2008/01/24(Thu) 10:56:54)
    大好きでした。
    もうここにはいないのでしょうか・・・

    (携帯)
引用返信/返信
■20856 / ResNo.31)  NO TITLE
□投稿者/ 匿名 一般♪(1回)-(2008/05/26(Mon) 09:17:20)
    好きな作品なのでアゲます☆

    (携帯)
引用返信/返信
■21279 / ResNo.32)  この話大好きです!
□投稿者/ れい 一般♪(3回)-(2009/03/09(Mon) 23:35:26)
    続きが読みたいですね☆

    (携帯)
引用返信/返信
■21493 / ResNo.33)  皆に読んで欲しい
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(35回)-(2012/04/26(Thu) 04:12:51)
    秋先生の作品はどれも面白いんだが、この作品が一番とっつきやすいと思う。気にいったなら、他の作品も是非、読んで欲しい。

    (携帯)
引用返信/返信

■記事リスト / レス記事表示 → [親記事-9] [10-19] [20-29] [30-33]






Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -