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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■13774 / 親記事)  ミュルティコロール 【18】 青のダルシー:優しい舌。-A
□投稿者/ 果歩 一般♪(2回)-(2006/02/28(Tue) 21:39:02)
    雨の中を走ると、自分が小型のクジラになったみたい。

    雨の日の運転は、四角いクジラになったみたい。


    「ここ曲がってからは?」

    「まっすぐよ」


    見慣れた道だったので、オッケイです。と返事した。

    泣いた後の顔は、パリパリして気持ち悪い。

    あたしは、そういうのを無償に思って言った。

    「洗顔したい。ものすっごく洗顔したいかも」

    ハツエさんが気味悪そうに言う。

    「誰もシイナのグチャグチャした顔なんて見ないからいいわよ」

    「ひっどいなぁ」
    「そこ右。」

    「え?ここ右なの?」
    「そうよ」


    あたしの友達の店がある近くだった。

    ヒキチは生きてるかな。

    店の前を通り過ぎそうなので、見えるかもしれないと思った。
    もうシノさんは、おなかが膨れているかもしれない。

    と、あたしは懐かしくてその店の一部が見えた時、じんわりと思う。

    「そこの緑色のとこね。教えてもらったお店なの。」
    「え!?ここ?」

    そうよ。と、ハツエさんが言う。

    「ここあたしの友達の店」と教えた。

    「え?そうなの?」


    やたらとイライラするのは、車を止める場所がものすっごくクランクなことだ。

    「駱駝よ?」
    「うん、ラクダ」

    「友達って?」
    「普通に友達」

    「何だそうなの?」
    「うん、あ、でもあたしはね、男も平気」

    「何いってるのよ・・」
    「え!?そういうことじゃないの?」

    「まあいいけど」


    「ちょっと・・・」

    「なに。」



    エンジンを止めてから、2秒、シーンとして、あたしとハツエさんは見詰め合ってしまった。


    あ、そうなの?ねえそうなの?ちょっと!ちょっと!という感じで、見詰め合って、途端に爆笑する。


    「何だそうだったの?ねえ!ちょっと!」

    「えー何ーもー」


    お互い同じ世界にいたことを、突然知ると、こんなに嬉しいものだと思う。

    そういうの、ちょっと、当然じゃなくて必然でもなくて、特殊になっちゃう、外の世界。

    あたしはいつもそこで吐いてる。




    「何だバカみたい」と、ハツエさんはクックックと歯を合わせたまま笑って、あたしの少し前までの時間と言葉と心の様子なんかをを振り返っているに違いない。


    「バカって」

    「バカ」


    両足を揃えて車から伸ばして降りたハツエは、あたしの肩でも叩く代わりのように、ドアをバタンと閉めてみた。


    「そうねーシイナは男より女って感じだものねー」と、店のドアに手をかけてハツエさんが笑った。

    「あたしをレッサーパンダみたいに扱わないでよ」と、あたしもニヤニヤして言い返した。



    女好きだと白状すると、みんな残らずあたしを檻の中に入れて眺めようとするんだから。

    そういうの、慣れたけど、かゆい。


    それよりもっとかゆいのが、面白がるより、納得されることだった。


    シイナなら、そういうのありかも。シイナなら、おかしくないかも。


    あたしなら、女を好きになっても、おかしくないってさ。



    納得されることの、気持ち悪さは、痛みでも悲しみでもない、無駄な、かゆみ。



    「そんな可愛い生き物じゃないから安心しなさいよね。」と、ハツエさんがチリリンとドアを開けた。すると。妊娠した人がいた。


    「シイナ!」


    店内は夕方を越えて、集まった人間でぎっしり賑わってた。

    あたし達と全く同じ色ではなくって、もちろん男、もちろん女。


    「ねえシイナが来た!」と、ヒキチ奥さんのシノさんが騒ぐ。

    少しだけあたしをジロジロと見る数人が居て、でも平気だった。


    ハツエさんが口を開いた。


    「こんばんは、早利の電話で一度お話させて貰ったんですけど。」



    「あ・・・」と、ヒキチの奥さんが口を丸く丸く、丸くして、「あ。」と言う。


    「一度来てみたくて、突然だけどよかったかしら」と、ハツエさんが丁寧に挨拶をしていた。


    「ああ!サリーの!」と、シノさんはまたうるさい。そして可愛い。でも。



    早利?


    サリー?



    あたしはカウンターに座って、奥で鍋を振り回しているヒキチを探した。



    ハツエさんは、微かにホっとして、あたしの隣に座る。だけどあたしはちゃんと気付いてあげていた。

    そのホっとするのを、気付いてあげていた。



    「お昼に来てました」と、花の匂いのするお茶を出してくれながら、奥さんがハツエさんに言った。


    「え?そうだったんですか・・」と、ハツエさんの少しビックリしたようなガッカリしたような顔が市子に見える。


    あたしは手元のお茶を顔に近づけた。

    温かい匂いが顔に触れて、優しい舌で舐められてるみたい。
    市子がよく、ふざけてあたしの顔をそうしてたように。


    「夜も来るって感じもしてたけど、あ!」

    「え?あの人そう言ってたんですか?」

    「一緒に連れてくるって言ってた人ってあなたのことじゃな・・」「え?聞いてないかもしれない」


    奥さんは、「あ、何だか、やっちゃった」という顔で言うのを止めた。

    ハツエさんはニッコリしている。


    要するに、ハツエさんの恋人だか何だかが、ここに昼間きていて、夜も誰かと同伴で来るって。

    そういうことだったかな。


    でもハツエさんじゃないって。 なんか面倒なヤツだよね。

    でもあたしも大概、面倒なヤツなので、そんなこと思ったって、そこだけ口にしない。


    「ええと、仕事関係の人だったりするかも」と、奥さんが意味の分からない言い訳してる。

    「いいの。慣れてるから」と、ニッコリとハツエさんは笑って言った。


    大人だ、と思う。


    別の女とどうにかしてる恋人を、どうにか出来る女って、多分ハツエさんのことだと思う。

    市子は、あたしをどうにか出来てた。

    あたしも市子をどうにか出来てた。

    なのに、どうにか出来なくて、どうにもならないことになると、呆気なく終ったの。



    市子はどうしてるんだろう。

    さっき泣いて飛ばしたものが、実はまだ残ってる感じがした。



引用返信/返信

▽[全レス27件(ResNo.23-27 表示)]
■20242 / ResNo.23)  ありがとうございます。
□投稿者/ 果歩 一般♪(4回)-(2007/10/28(Sun) 07:36:58)
    QOOさん、Aさん、マータン(?)さん、れいさん皆さんお久しぶりです。

    いない間に書き込みをして下さった皆さん、ありがとうございます(*^-^)

    色々と自分の実生活が変わっていたので、お話を書いて楽しむ時間すらありませんでした。


    このお話を書いたのはもう大分前なので、消そうか色々考えていたら、続けることが出来たので、載せて頂きました。

    一番は自分のために書いてるようなものなので(^▽^;)次がいつになるか怪しいですが、書くのって楽しいので、頑張ります。
引用返信/返信
■20246 / ResNo.24)  Re[2]: ミュルティコロール 【26】 イエロー:一口程度の思考
□投稿者/ Qoo 一般♪(1回)-(2007/10/29(Mon) 17:00:17)
    果歩さん

    半分諦めていたので、更新されているのみて
    ニンマリしてしまいました!
    嬉しい、ありがとうございます。
    色々大変でしょうが、完結期待してます
引用返信/返信
■20257 / ResNo.25)  ず−っと待ってました。
□投稿者/ Marina. 一般♪(1回)-(2007/11/02(Fri) 21:59:46)

    Ma⌒tanです。 名前改めました(笑)

    果歩さんの小説本当に好きなんです。
    文章の一つ、一つに深みがあって。

    果歩さんのぺ−スで更新すればいいと思いますよ(^-^)

    ちょくちょく更新を確認しにきま−す♪

引用返信/返信
■20265 / ResNo.26)  ミュルティコロール 【27】 薄桃:引継ぎ
□投稿者/ 果歩 一般♪(6回)-(2007/11/05(Mon) 19:36:29)
    公園で、ハツエは一緒に散歩をしたいと言った。



    ここではない何処かで、堂々と手を繋いで、堂々と愛を見せびらかしたいのよ。と言っていた。



    透き通った空の下で、私と一緒がいいと言う。




    誰か一人を、正しく束縛したいと思えない。

    思うことが私には、怖かったからだ。




    その愚かな臆病を、目の前で眠っているハツエは、あの時笑って許した。



    「大切なの?」と、背中に声が触れた。


    振り向くと、シイナが立っていた。



    これ、と、私に差し出したカバンを見て、私は色々を考えずに言った。


    「大切だ。って言いたくないくらいに大切かな。」


    「深いね。」





    病室を後にして、私とシイナは外に出た。


    重たい雲が近寄っていて、雨が降りそうだ。


    湿気が似合うような会話が始まるのを待っていたかのように、本当に雨が降りそうだった。



    「ハツエさんと、付き合ってるの?」と、若い頃の私にそっくりなシイナが聞いた。

    「一緒にいるよ。」

    「寝たの?」


    答えないことが答えだ。


    ゆっくりと歩道を歩いていると、平日の午後のアスファルトはよく足に響く。

    シイナの若い言葉も、よく響く。




    「あたし、あなたの作った話の映画、観たんだ。」

    「そう。」


    「あの女の子も出てた。アサコ。」

    「ああ、出てたね。」

    「あの子が言ってた台詞が、すっごく良かった」




    額に一滴、雨が落ちた。



    一滴から無数に変わるには、少々ゆっくりで、私達の会話の妨げにはならない。





    「あの映画を、妹と観にいったの。」

    「妹と?」



    「そう、双子の、妹と」


    「シイナの妹か、何て名前?」




    また幾粒かの雨が落ちた。





    「イチコ。って言うんだけどね」






    くるりと病院を周って歩いていた。

    雨が本当に降ってきた。



    私は立ち止まり、車が通りかかるのを待った。







    「あたしと妹は、何回も寝た。」



    シイナは、やっぱり若い頃の私に似ている。


    「それは、本当に好きだったなんだけど。だからあなたもハツエさんと寝たの?」



    髪の毛の至るところに、水滴が乗っていて、私もシイナも、湿気ていた。





    答えないのが答えだ。





    タクシーが来たので手をあげた。



    止まって後部のドアが開く。


    私は受け取ったカバンから、それを取り出すと、シイナに差し出した。



    「ハツエに渡して。」



    「自分で渡しなよ。」

    「寝たよ。」


    「・・。」





    さぁっと雨が始まった。





    「ハツエと寝たよ。」





    人は、満足させるために何かを言ってみることが出来ると思う。





    怒りのシイナが私の手から、それを引っ手繰った。


    私は一人、タクシーに乗り込んだ。


    閉まろうとするタクシーのドアを掴んでシイナが言った。もうすっかり、全身雨に絡まり、濡れていた。



    「これからどうなるんだよ。」




    「どうなるか。じゃなくって、どうなりたいか。じゃないの?」

    「あなたを見ていると、ハツエさんが痛くてたまんない気がするよ。」



    私は、ただ頷いた。




    答えないのが答えだ。





    シイナが手を離したので、タクシーのドアが閉まった。


    どちらへ、という運転手の機械染みた声に行き先を出して、シートに埋まった。




    このまえ、アサコがテレビ局の駐車場で、私に言ったこと。







    −ねえ先生。私も、大切なもの、大切に出来ないかも。







    一体、どうしてかを、聞いてみようと思えた。







    雨も、その考えには大賛成のようだった。
引用返信/返信
■20266 / ResNo.27)  (*^-^)
□投稿者/ 果歩 一般♪(7回)-(2007/11/05(Mon) 19:45:21)
    れいさん、QOOさん、マータンさん、こんばんは。
    皆さんが書いて下さったことへのお返事が何ヶ月も後になったので、もうここ見てないからダメかも(^▽^;)と、思ったりしていました。

    みんなからお返事きた!と、嬉しくなりました(*^-^)

    マータンさん、改名されたんですね。了解ですーっ


    のんびり頑張ります(*^-^)


引用返信/返信

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■13768 / 親記事)  りょうて りょうあし 白い花
□投稿者/ 平治 一般♪(2回)-(2006/02/28(Tue) 07:36:15)


     ふわふわ。

     色素の薄いこどものような髪の毛。

     華奢なからだ。

     ふわふわ。

     きれいな歌声。

     こぼれる息。

     ふわふわ。

     すらりと伸びた手足が

     まるで白い花のよう。


     −−−−。



引用返信/返信

▽[全レス13件(ResNo.9-13 表示)]
■13813 / ResNo.9)  りょうて りょうあし 白い花 (7)
□投稿者/ 平治 一般♪(10回)-(2006/03/04(Sat) 10:30:33)
     キスがこんなに気持ち良いことだなんて知らなかった。
     私は今まで一人しか経験ないけど、そのひとがしたキスとは全然違っていた。
     やわらかくてふわふわしているような、キス。

    「紗祈は、泣きそうな顔するね」
    「え?」
    「キスした後、泣きそうな顔になってる。ほら、真っ赤」

     そう言って西本さんは私の頬に触れた。

    「泣かないですよ」
    「泣かれたら困るよ」

     西本さんはくすくす笑った。
     私もつられて笑ってしまったけど、驚いて鼓動が早くなった。
     −−−紗祈、って呼んでくれた。

     テスト期間中の三日間、私達はずっとこの【秘密の部屋】でキスをしたり抱き締め合ったり、それから色んな話をした。
     好きな本やテレビのこと、近所の美味しいケーキ屋さんのこと、もうすぐ公開の映画のこと、昨日の晩御飯が好物だったこと、段段寒さが厳しくなってきたこと。
     でも名前を呼んでくれたのは初めてだった。
     彼女自身は何も気にしていないかのようだけど。

    「名前で呼んでくれたの初めてですよね」
    「うん、呼んでみました。・・・もしかして嫌?」
    「いやっそんなことはっ、何でも好きなように呼んでください」
    「好きなように、じゃなくて。どう呼んでほしい?」
    「・・・じゃあ、紗祈と」
    「うん。わかった」

     言わされたような感じだけど、西本さんは満足そうに微笑んだ。
     彼女はそういう風に、自然に、私を支配する。

     −−−−キーン・・・コーン・・・

    「あ、もう終わっちゃったね」
    「本当。あっという間でしたね」
    「早く出よっか」

     これまでの時限のテストで、今期のテストは終わりだ。
     この後のHRが終わったら、全生徒ががやがやと外にあふれ出る。
     それまでに私達は職員室に鍵を返しに行って帰宅する。
     【秘密の部屋】に鍵をかけて。明日からはまた保健室登校だ。

     まだ誰もいない校庭の隅を、廊下を、階段を、並んで歩く。
    「紗祈は手袋もマフラーもしないの?」
    「はい。ちくちくするの好きじゃなくって」
    「でも寒いでしょう」
    「はい」
    「今日時間あったらデパート寄ろうよ」
    「え、今日ですか?」
    「予定ある? まっすぐ帰らないと怒られるかな」
    「そんなこと、ないです」
    「じゃ、いいよね。あたしも欲しいから一緒に見よう。ちくちくしないやつ」
    「はい」
    「じゃ、鍵返してくるね」
     そう言って西本さんだけ職員室へ入ってしまったので、私はその扉のまえで、廊下の壁に背中を預けた。

    「あれ? 藤野さん?」
     嫌な声が聞こえた気がした。
     顔を上げると、目の前にショートカットの女の子がいた。
     もうずっと会うこともなかった私のクラスの委員長だった。
    「あ・・・」
    「藤野さん、久しぶりね。元気そうね」
    「ええ、まぁ」
    「心配だったのよ。あれ以来教室へ来ないし、学校もそのうち来なくなってしまうんじゃないかしらって・・・あることないことみんな言っているし」
    「みんな、なんて?」
    「田中先生の子供でもデキたんじゃないかって」
     わざとらしく心配そうにくす、と笑った。
     私は自分の背筋が強張って、動けなくなるのを感じた。
     こわい。
     こわい。
     どうしよう。
    「ねえ、教室へいらっしゃいよ。みんなを安心させてあげて。『出来てません』って。あ、『もう堕胎しました』かしら?」

     −−−−カラカラ。
     職員室の扉が開いた。
     西本さんが出てきた。
     私が誰かといるのを見て、不思議そうに立ち尽くした。

    「おともだち?」
    「初めまして。同じクラスの五島です」
    「あ、どうも」
    「先輩は藤野さんと仲良くしてくださってるんですか? 良かったわ、新しいところでお友達が出来たみたいで。それじゃ教室に無理して戻ることないわね」
     私は何も言えなくて俯いていた。
    「藤野さん? そんな態度じゃ先輩に失礼よ」
    「いいのよ。放って置いてあげて」
     西本さんが庇うように委員長と私の間に立ってくれた。
    「優しいんですね。もしかして、先輩はあのこと知らないんじゃないですか。こんな人、わざわざ庇う必要ないですよ」
    「なんなの」
    「このひとね、」
    「やめて」
    「どうして? 本当のことでしょう? 先生誘惑して、不倫してたなんて、まともな生徒には考えられないことだけど。あなたのような人にしたら、なんてことないんでしょう?」
    「ちょっと、やめてったら」
    「先生とのことくらいなんてことないでしょう? みんな言ってるよ、他にも援助交際したりしてるって」
    「なにそれ・・・」
     鼓動が早くなるのを感じる。
     委員長は面白がって、次々言葉をつむぐ。
     私は何も言えなくなる。
    「何か言いたいなら言い返せばいいわ」
     何も、言えなくなる。


引用返信/返信
■13814 / ResNo.10)  りょうて りょうあし 白い花 (8)
□投稿者/ 平治 一般♪(11回)-(2006/03/04(Sat) 10:50:40)
    「もうやめてちょうだい」
     ぴしゃ、っと綺麗な声が響いた。
     今まで聞いたことがないくらい、冷たい声だった。
    「それ以上無駄口を叩いて彼女を傷つけないで。行きましょう」
     ぐい、と私の手を引いて、西本さんは歩き出した。
     まるで、初めて【秘密の部屋】へ行った時のように。
     振り返ると委員長が唖然として突っ立っているのが見えた。
     西本さんは校門を出て、駅の方へ向かい、切符売り場にたどり着くまで全くうしろを振り返りもしなかったし、一言も喋らなかった。

    「あのっ」
    「え、なに?」
     西本さんはきょとんとした目で振り返った。
    「どこまで行くんですか?」
     我ながら間抜けな質問だった。
    「あ、えと、三駅だから、170円」
    「あ、私は定期券内です」
     私は西本さんが切符を買うのを待って、一緒に改札をくぐった。
     丁度ホームに着いた電車に乗り込む。
     見慣れた景色が動く車窓を見ながら、つり革に掴まった。
     西本さんはまっすぐ前だけを見て、私の方を見てくれない。

    「軽蔑しますか」
    「本当のことなの?」
    「・・・ほとんどは」
    「先生って」
    「数学の先生の手術入院で、代理で来てた先生覚えてます?」
    「分からない。私の学年には来てなかったと思う」
    「そのひとと、はい」
    「そっか」
    「援助交際ってのは根も葉もない噂です。してません」
    「そっか」

     援助交際はしてないからってなんなんだろう。こんな言い訳をして。
     先生と不倫していたのは事実なのに。
     
     どうやら私と先生のことは他の学年にまで広く知れてはいないようだった。
     代理で二ヶ月だけだった先生だし、そのことで謹慎をくらっていたのも夏休み中だったし。
     それでもこうして、彼女には知られてしまったのだ。

     −−−−ガタンゴトン。
     気まずいよどんだ空気が流れる。

     私はこの空気が怖くて、すぐ傍にあった手を繋ごうと触れた。

     ぱしっ。

     その手は弾かれてしまった。


    「ごめん。今日やっぱりやめとこう」


     元々家とは反対方向の西本さんは次の停車駅で降りて行った。
     その背中をなにもできずに見送ると、私は発車した電車のなかで、人目も気にせず泣きそうになった。ぼろ、と涙がこぼれそうになったので、あくびのフリをしてごまかして目を擦った。
引用返信/返信
■13882 / ResNo.11)  りょうて りょうあし 白い花 (9)
□投稿者/ 平治 一般♪(12回)-(2006/03/14(Tue) 23:34:05)
     気が付くと、見慣れた天井が見えた。
     窓の外は明るくなっていて、時計もちゃんと時刻を読めた。10時50分。
     もう学校が始まっているなぁと思ったけど、私は気にせずベッドにもぐりこんだ。

     そうだ、昨日は我慢して我慢して、感情をおさえこんで歩いてやっと家に着いて、部屋に入るなりうんと泣いて、それで眠ってしまったのだ。
     ずいぶんと長い間眠っていたものだ。

     学校へ行かないなんて久しぶりだ。

     先生とのことがあって以来、私はあんまり学校へは行きたくなかったのだけど、それでも家にいて色々と考え込んでしまうよりは・・・と思って保健室登校していた。
     結構まじめに、毎日通っていたのだ。

     枕元にあった携帯電話を手に取る。
     着信履歴と、メール一通。全部母からだった。
    『学校行った?』
     母はもう仕事へ出ている時間だ。
    『何時でもいいから休む電話しといて』
     そうメールを打つ。

     久しぶりに学校を休んで家にいるのは、手持ち無沙汰で。
     何もすることがないからメールの受信ボックスをひたすら遡って読んだ。
     くだらない、友達とのメールも、顔も本名も知らないメル友とのメールも、夏頃のあの人からのメールもあった。

    『先生じゃなくなっちゃったけど、紗祈とまた会いたいよ』
    『俺のせいでしんどくなるけど、学校頑張って行けよ』

     うっかり開いてしまうんじゃなかった。
     私はまだこのメールを見て懐かしむ余裕なんて、ない。

    『先生元気? ひさしぶりに学校休んじゃった』

     気付けば何気ない風に、メールを送っていた。


引用返信/返信
■14234 / ResNo.12)  りょうて りょうあし 白い花(10)
□投稿者/ 平治 一般♪(1回)-(2006/04/18(Tue) 02:34:05)
     何もない部屋でただぼんやりと。
     携帯電話をチェックしたり、ネットを見たり。
     12時を過ぎた頃、ようやく電話が鳴った。

    『もしもし。俺だけど』
    「先生・・・」
    『どうしたの? 具合悪いの?』
    「違うの、なんか・・・」
    『紗祈は繊細だからなぁ』
    「なにそれ」

     久しぶりに聞いた先生の声。
     嬉しいはずなのに、会話に集中できなかった。
     今は別の仕事をしていて昼休みだったみたいだった。

    『あ、もう行く』
    「うん。いってらっしゃい。頑張ってね」
    『おう。また会おうな』
    「うん。またね」

     またね。なんて。
     先生はきっと、私のことなんか好きじゃなかったくせに。
     奥さんもこどももいて、ただ私の体で遊びたかっただけのくせに。

     少し前の私だったら、延々とループする思考でナーバスになっていただろうけど、今は他のことばかり気になっていた。

     もう離れてしまったひとになら簡単にメールを打てたのに、どうしてかあのひとに自分からメールや電話するのは怖かった。
     きっともう、今更私を受けて入れてくれないんじゃないかな。
     そう思うと、もう。


     rrrr....
     また電話が鳴った。
     保健室の先生だ。
    「ねえ、西本さんもお休みしてるんだけど、おうちにいないって言うのよ。あなた仲良かったでしょう? どこか行ったか知らない?」
    「知りません」
    「そう。連絡があれば教えてちょうだい、親御さんがとても心配していて」


     私はいてもたってもいられなくて、すぐに西本さんの携帯にかけた。

    『もしもし?』
    「ねえ、今何処にいるの?」
    『紗祈にね、会うのがなんとなく怖くて、学校行けなかったんだ』
    「そうですか・・・」
    『でもね、おかしいんだよ。紗祈の家の近くにいるの』
    「どこ? すぐ行きます」

引用返信/返信
■14235 / ResNo.13)  りょうて りょうあし 白い花 (11)
□投稿者/ 平治 一般♪(2回)-(2006/04/18(Tue) 02:43:18)
     西本さんは、私の家の最寄り駅のそばの喫茶店で、もうほとんど氷が解けて水みたいになってるカルピスを飲んでいた。寒いのか、ひとりで心細いのか少し背中を丸めて。
     私を見つけると困ったように笑った。

    「ごめんね。なんだか迷惑かけちゃって」
    「そんな・・・ことないです」

     私は紅茶を注文して席についた。

    「私ね、時々思ってたんだ。紗祈は時々私以外の誰かを見てるんじゃないかなって。こないだ話聞いて、もしかしてその先生のことまだ好きなんじゃないかなって。考えたんだ」
    「そんなことないのに」
    「ないかもしれないけど。私たちって、ほとんど私が押し切ったようなもんじゃない。本当は嫌だったんじゃないかな、とかさびしかっただけかな、とかいっぱい考えたんだよ」
    「私は・・・私は、嫌われたんじゃないかなって、汚いと思われたんじゃないかなって、考えて・・・怖くて・・・」
    「あはは。そんなわけないじゃない。紗祈に話してなかったね。私はもう紗祈のことしか考えられないもの」
    「西本さんは、でも、私のことなんて別に好きなわけじゃなかったんじゃないですか?」
    「え?」
    「私、先生に言われたんだけど。変な色気が出てるんですって。先生のこと好きな子何人かいたけど、手を出したのはお前だけやりたくなったからだよ、って。たぶん同じようなもんだったんでしょう」
    「なんでそんなこと言うの?」
    「だって、西本さん、私となんでキスとかするのとか、言ってくれなかったじゃないですか」

     私がうつむいてしまうと、西本さんは無言になった。
引用返信/返信

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■13758 / 親記事)  Guest×Bartender T
□投稿者/ 瞳 一般♪(3回)-(2006/02/28(Tue) 04:35:05)
    私は、カクテルバー〔caramel〕でアルバイトをしている。今月で、もう2年目。私の仕事内容は、カウンターでカクテルを作るというもの。他には、店の奥で料理を作ったり、個室やテーブルに座ったお客様の接客などの仕事があるけど、私はもっぱらカウンター。忙しい時以外は、1人でパントリィ(ドリンクを作る係)を任さ・

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス11件(ResNo.7-11 表示)]
■13765 / ResNo.7)  
□投稿者/ 瞳 一般♪(10回)-(2006/02/28(Tue) 04:48:37)
    あー幸せ。実香さんとこうして仲良く話せるだけで、私の胸はホクホクする。実香さんが笑ってくれるから、今度はキュンとなる。こうやって、どんどん好きになってきたんだ。

    (携帯)
引用返信/返信
■13766 / ResNo.8)  
□投稿者/ 瞳 一般♪(11回)-(2006/02/28(Tue) 04:49:18)
    1時間ほど、休まず飲み続けた実香さんは、泥酔してしまった。

    『う゛〜…』
    「珍しいねー酔うなんて」
    『明日仕事が休みだからちょっと張り切っちゃって…あぁ気持ち悪いー!』
    「わー!テーブルに吐かないでね!?…あ、22時!上がる時間だ!良かったぁ…実香さん、ウチに来なよ。すぐ近くだから。

    (携帯)
引用返信/返信
■13773 / ResNo.9)  
□投稿者/ 瞳 一般♪(12回)-(2006/02/28(Tue) 20:24:34)
    何とか実香さんを私の車に乗せると、急いで私の家に向かった。

    『…吐きそうなんだけど』
    「待って待って!もう少しだから!」

    数分後、私の家に着いた。外に出て助手席に回り、実香さんに肩を貸す。

    「さ、中に入ろう。」
    『ごめんね…ありがとう』

    少し酔いが冷めてきたのか、実香さんはまともな会話ができるようになってきた。

    ガチャッ

    家の中に入り、ベッドに座らせた。

    「ふぅ…」
    『私、かっこ悪いね…』
    「ん?そんなことないよ。」
    『だって…吐く寸前だったし…』
    「あはは。でもそんなの、誰だって経験してることでしょ」
    『私はないもんー』
    「そうなの?あ、ちょっと待ってて」

    ガサガサ

    「あった。はい、胃散と水」
    『わー気がきくね』
    「早くお腹の中がスッキリしないとね」
    『ホントありがとう』
    「いいってば」
    『ふふ。瞳ちゃんは優しいね。あ、せっかく持ってきてくれたんだし、飲ませてもらうね』

    パクッ

    ゴクゴク…

    「ちゃんと飲めた?吐いちゃダメだよ」
    『大丈夫みたい』
    「そう。良かった。じゃしばらく横になってるといいよ」
    『ありがとう』

    実香さんも落ち着いてきたみたいなので、私は夕食の用意を始めた。いつも夕方から夜中まで働いているので、お腹ペコペコで帰ってくるのだ。

    (今日はパンと野菜ジュースと…)

    ガチャン!!

    突然、大きな音がした。私はすぐに実香さんの方を見た。

    「どうしたの!?大丈夫!?」
    『ごめん、トイレを借りようと思って立ち上がったら倒れちゃって…お水こぼしちゃった。グラスも割っ…』
    「そんなのいいよ!…あ!目の下切れてるじゃん!大丈夫!?痛い!?」
    『え?あ、気付かなかった』

    私は慌ててティッシュに少量の消毒液を含ませ、実香さんの顔の傷を拭いた。

    「動いちゃダメだよ。……良かった。血は止まったね」
    『何から何まで…ホントごめんね…』
    「構わないよ、全然」
    『せめて片付けは私がしないと』
    「え?いいよいいよ。あ、割れたグラスは素手で触っちゃダメだよ」
    『…あ』

    グラスを素手で片付けようとした実香さんの手を握った瞬間、なぜか彼女は下を向いてしまった。

    「?」
    『あ、えっと…そ、そうだよね…』
    「実香さん?どうしたの?」
    『あの…手が…』
    「あ、あぁ。ごめん…」

    すごく可愛かった。
    一瞬、私の手に触れて、照れてるのかなーなんて…

    『……』
    「……」
    『……』
    「…ね、寝てなきゃダメだよ」
    『え!?あ!そ、そうだよね』

    バサッ!

    実香さんは、慌てて布団を頭までかぶり、横になった。

    (な、何なんだろう…)

    私の胸は、確実に動きを速めている。
    なぜか汗が止まらず、気持ちも落ち着かない。

    (実香さんは照れてたのかな…い、いや…違う違う…この程度のことで舞い上がっちゃダメだ…)

    一瞬でも気を緩めたら、「好きだ!」と言ってしまいそうだった。

    『……』

    (ふー…。ん?寝たのかな?)

    少し布団をまくって、実香さんの顔を覗いてみた。

    彼女は泣いていた。

    「え!?」
    『あっ…!』
    「大丈夫!?まだ気分が悪いの!?」
    『え?う、ううん…』
    「じゃどうしたの!?」
    『……』

    実香さんは、布団に少し顔を戻して、私をジーッと見ている。

    『…私、どうしたらいいんだろう…瞳ちゃんが好きなの…もうこれ以上我慢できないよ……』

    消えそうなくらい小さな声は、震えていた。

    「……え?えぇっ!?あ、あのっ…」

    蒸気機関車みたいな鼓動が邪魔で、うまく言葉が出てこない。

    「み、実香さんが…?」
    『…ごめんね』
    「え?」

    実香さんは、急にベッドから降りて、部屋を出ようとした。私は、とっさに彼女の腕を掴んだ。

    『もう帰…』
    「ちゃんと話を聞かせてほしいです」
    『……』
    「さっき実香さんが言ってくれたことが本当なら…」
    『え?』
    「ほ、本当なら…その…」
    『……』
    「えっと…私も…実香さんのことが好きだから…」
    『……』
    「その…」
    『…ちゃんと言う』
    「え?」
    『もう1回、好きってちゃんと言いたいから…聞いててほしいな…』

    その答えだけで充分だった。
    私は、途端にパァッと笑顔になった。そして、実香さんを抱き寄せた。

    「だぁーい好き!実香さん!」

    そう言って、ギューッと抱きしめた。

    『…う゛〜……』
    「何泣いてんのー!両思いだったんだよ!?一緒にもっと喜ぼうよ♪」
    『だって、2年間も片思いしてた人と…』
    「ねっ!幸せだね♪」
    『もう…うふふ』
    「えへへっ♪」

    気持ち悪いくらい、私達はずっとニコニコしていた。

    『記念にキスしたいな』

    そう言ってくれたのは実香さんだった。
    やったぁ!でも最初のキスなので、唇に軽く…うわ、タマゴみたい。

    そのまま何度も何度もキスをしながら、私達は朝を迎えた。



    続く



引用返信/返信
■21411 / ResNo.10)  Re[2]: 9
□投稿者/ 優心 一般♪(20回)-(2011/12/28(Wed) 04:35:29)
    うっ! 先生と の瞳さんですか?

    何度も読み返しても飽きない 先生と w
    この作品の続編…お待ちしています☆
引用返信/返信
■21516 / ResNo.11)  即プレイOK
□投稿者/ 好恵 一般♪(1回)-(2012/05/16(Wed) 18:08:47)
http://www.fgn.asia/
    おつかれのときなど癒されたいと思ったときのアルバイト(〃▽〃) http://fgn.asia/

    (携帯)
完結!
引用返信/返信

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■13718 / 親記事)  親友に恋した、はるかの場合。
□投稿者/ れい 一般♪(3回)-(2006/02/25(Sat) 22:32:09)
    夏子からの呼び出しは、突然だった。

    いつも突然だけど。


    “ね、今日ご飯、無理かな。今わたし表参道なんだけど。”


    いきなり、今日。

    しかも場所まで指定、表参道。


    彼女はいつもそうだ。


    彼女の予定は決まっていて、

    あとはその予定に合う相手を携帯のメモリから選び出すのだ。


    私はいまのところ、その呼び出しリストのトップ集団にいる。幸いなことに。


    彼女はわがまま、というよりは極度の寂しがりやで、

    私にとってはそんなところが愛しかった。

    昔から、面倒見はいい方だった。



    頭の中でこれからこなす仕事の量と移動時間を瞬時に計算し、

    仕事中だというのに、すぐにメールを返した。


    “四十分後、青山通りのスタバで。”



    彼女は私の高校時代からの親友で。

    私の想い人だった。


引用返信/返信

▽[全レス97件(ResNo.93-97 表示)]
■15764 / ResNo.93)  NO TITLE
□投稿者/ あじこ 一般♪(1回)-(2006/08/10(Thu) 00:56:45)
    おもしろかったよ〜!!
    はるか編からは想像してなかったけど、
    夏子のむっつり(笑)スケベ、な感じが、
    すっごくよかった!
    長くは全然感じなかったよ!
    手が勝手に『次のレス』を・・・笑
    一気に読んじゃいました!
    またいろいろ読まさせてもらうよ!

    (携帯)
引用返信/返信
■15799 / ResNo.94)  あじこさん、感想ありがとうございます♪
□投稿者/ れい ちょと常連(71回)-(2006/08/11(Fri) 23:51:24)
    あじこさん、気に入って戴けたようで嬉しいです。

    またしてもわたしの謎が深まった…かしら?笑

    リアルとのキャラクターギャップを楽しんで戴けると嬉しいです。

    また書きますので、読んでやってくださいね。



    (携帯)
完結!
引用返信/返信
■21431 / ResNo.95)  NO TITLE
□投稿者/ 匿名 一般♪(2回)-(2012/01/09(Mon) 00:08:24)
    あげ

    (携帯)
引用返信/返信
■21442 / ResNo.96)  NO TITLE
□投稿者/ さか 一般♪(1回)-(2012/03/06(Tue) 03:52:43)
    めっちゃ良かった!(b^ー°)
    私も学生時代片思い15年目に両想い発覚(^O^)

    現在一緒に住んでますが…あの頃を思い出し一気読みさせて頂きました。

    (携帯)
引用返信/返信
■21524 / ResNo.97)  リッチドール
□投稿者/ 香 一般♪(1回)-(2012/05/17(Thu) 09:10:15)
http://sns.fgn.asia/
    ソープランドを超えたサービス実施中!(´-ω-)★ http://fgn.asia/

    (携帯)
完結!
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■13686 / 親記事)  (削除)
□投稿者/ -(2006/02/18(Sat) 03:00:06)
    この記事は(投稿者)削除されました
引用返信/返信

▽[全レス29件(ResNo.25-29 表示)]
■15199 / ResNo.25)  KISSKISS☆BANGBANG
□投稿者/ ハル 一般♪(4回)-(2006/06/30(Fri) 03:48:36)
    「すげー!」
    「器用〜」

    「まぁね。」


    昼休みのひとこま。
    デザートについてきたさくらんぼの枝を口にいれ、種を付けたままその枝を結んでみせる。それを得意気にまわりにみせているのはいつもバカをやってるクラスメートだ。
    ムダにはしゃいでる彼女を横目に単語帳を読みふける。


    ―またバカなことを。



    「きっと、キスうまいんだよ」
    「やっぱね〜ナオは」
    「ぽいもんね」

    「えへへ〜」



    相変わらずのナオのヘラヘラ笑いと緩んだ口に二個目のさくらんぼが入るのがみえた。



    ―くだらない。





    放課後の更衣室。

    「んっ。」

    深い口づけに息が上がる。ゾクゾクと背筋を這う快感にしゃがみ込みそうになるのを必死に耐えた。
    時折、余裕そうな瞳と目が合えばこみ上げるのは恥ずかしさと悔しさだ。


    「気持ちいい?」

    「…。」


    余韻にとりつかれ、羞恥から何も言えず相手にもたれ掛かる。少し前まで自分に快楽を与えていた唇が耳元で言葉を紡ぐ。



    「ねぇ、気持ちよかった?ナオ。」


    「・・うん。」



    さくらんぼの枝を口で結べるとキスがうまい。このくだらない通説は彼女の舌によって見事に覆された。




    (携帯)
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■15227 / ResNo.26)  視力2.0
□投稿者/ ハル 一般♪(5回)-(2006/07/04(Tue) 00:22:49)
    自転車で近所を走っている時あなたをみかけた。

    いや、正確にはあなたに似た人だった。

    もちろん後ろ姿以外はあなたに似てもにつかないんだけどそれでもこの高鳴る胸はあなたに向けたものだ。


    すっごくドキドキしてしまったんだ。


    紛い物でこんなにときめくなんて、なんて楽しい人生だろうとあなたの偽物を見る度思う。
    そしてどうやら目が悪いらしい私は眼鏡を真面目に物色しながら、またあなたの影を捜す。
    そして勝手にドキドキするんだ。


    あなたを好きになって良かったなんて。
    本当に勝手に思いながら



    (携帯)
引用返信/返信
■15253 / ResNo.27)  垂れ流し
□投稿者/ ハル 一般♪(6回)-(2006/07/07(Fri) 20:23:39)
    私を取り巻くすべてのものがあんたに繋がってるって最近気づいたマヌケな話人に聞かれて気づいたよ例えば乙女チックなマンガだとか甘ったるい歌詞の曲だとかとにかく人に言わせれば私には似合わないようなモノに囲まれた生活だ言われて考えたよなんだってこんな心惹かれてしまうのかをそしたら答えは三秒ででた取り巻くすべてはあなたにつながっててそれにしがみつくみたいに生きてる私なのだ

    (携帯)
引用返信/返信
■15508 / ResNo.28)  幸福人ラーゲル
□投稿者/ ハル 一般♪(8回)-(2006/07/29(Sat) 22:10:11)
    軽く握ったこぶしから親指をたてて人差し指を伸ばしてゆっくりこめかみにあてる



    ーっばん!




    頭ん中と右手で作り上げた銃は虚しく落ちた。
    なにも打ち抜きはしないそれを大切にしまうみたいに足の間に挟み込んだ。


    体育座りみたいな格好でコロンと横になる。
    目を瞑り、エアコンで冷え切ったフローリングに体を押しつけていると冷たい手が伸びてきた。




    「ねぇ、寒くない?」


    「しーっ。今死にかけ中。」


    「あっそう。」



    彼女がすりよせる体から伝わる温度にまだ死にはしないと思う。
    ふと、二人でみた映画を思い出し問いかけた。



    「私が死ぬまで愛してくれますか?」


    「死にかけてんじゃないの?」


    「いいから。
    愛してくれますか?」


    しょうがないなと彼女が腕を回し、私は包まれた。


    「いいえ。私が死ぬまで愛します。」



    幸福に包まれた。
    そして思った。このバカみたいに寒くした部屋で他人が聞いたら呆れそうなバカな事をできるのはアナタだけだから、二人で在れてよかったと思った。









    (携帯)
引用返信/返信
■15800 / ResNo.29)  垂れ流し2
□投稿者/ ハル 一般♪(9回)-(2006/08/11(Fri) 23:54:52)
    いつもは忘れているはずの感情溢れ出して何も喋れれなくなってしまったんだと思うけど実際その時はしゃべる相手がそばにいなくてホントに何も喋れなくなっていたのか今となって分かることではないからそういうことにしといてとにかく!溢れだしたんだいっぱいの感情たくさんの色が渦巻いて混ざって何もかも黒に近くて涙出そうになってメガネの上から目をこすろうとして笑えなくて悲しかったんだっていつか伝えられたらと思うよあなたに向けたたくさんの色は混ざり合って溶け合ってもう私にもわからないから全てを見せるよ黒に近いそれからあなたに贈るのは私が持ってるあなたの為の色だから



    (携帯)
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