ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■記事リスト / ▼下のスレッド
■18417 / 親記事)  風の唄
□投稿者/ 金丸 大御所(316回)-(2007/03/24(Sat) 00:11:45)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    春の唄

    夏の唄

    秋の唄

    冬の唄


    朝の唄

    昼の唄

    夜の唄


    一瞬の唄

    永久の唄


    わたしたちは唄い続け

    わたしたちは聴き続ける


引用返信/返信

▽[全レス76件(ResNo.72-76 表示)]
■20402 / ResNo.72)  帰路-15-
□投稿者/ 金丸 大御所(421回)-(2007/12/15(Sat) 17:21:02)
    「食えるよ普通に。」

    『ふーん。』

    「そうめんなら一袋食える。つゆだけで。サラダはこんなボール一杯食って怒られた。」

    腕でわっかを作って言った

    「お前と一緒だと食えなくなるだけだよ。」

    『なんであれだけしか食わないのにその体系なのか謎だったけど、謎がとけたわ。』



    おおきなお世話じゃね?(笑)


    「だから大丈夫だよ。お前が食えなくても。」

    『任せるわ。』

    「おう。」


    オリンピックでメダルを獲ったレスリングの浜口選手に

    私は体系が似ている。

    筋肉と脂肪がうまいことおりなって

    いかつい。

    が!!!!

    これでもこの旅行の為に

    5キロ痩せたんだけどなぁ・・・・

    と思いつつ食べていた。


    具とライスを混ぜて食べる四季が

    混ぜない私の皿を見ていた

    「ん?あ、これ?」

    『んー。』

    「あんま混ぜないね。」

    『ふーん。』

    「外だとね。家じゃお前と同じだよ。」


    外出するとラーメンやうどんも音を立てないように食べる

    カレーやどんぶり物も混ぜない

    なるべく綺麗に食べるように心がけてる

    綺麗に食べれないと自分に腹が立つし

    麺類をすする音が嫌いな人も居る

    くちゃくちゃ音がするのも嫌いだし

    まぁそのおかげで外出すると食べれなくなるのもある。

    家じゃやりたい放題だけど。


    二人でお腹がはちきれそうになるくらい食べて

    サービスのコーヒーを飲んだ。


    「ね。食えたでしょ?」

    『あぁ。』

    「これから好きなもの頼んでも大丈夫だよ。私が食えるし。」

    『おぅ。』




    余裕ー。
引用返信/返信
■20421 / ResNo.73)  いきなりですが
□投稿者/ 金丸 大御所(422回)-(2007/12/20(Thu) 02:05:33)
    私情によりしばらく更新を止めさせて頂きます。

    とりあえず読んでくれている皆様へ

    金丸より

    (携帯)
引用返信/返信
■20437 / ResNo.74)  NO TITLE
□投稿者/ まゆ 一般♪(1回)-(2007/12/29(Sat) 08:28:18)
    待ってます

    よいお年を♪

    o(^-^)o


    (携帯)
引用返信/返信
■20633 / ResNo.75)  ご報告
□投稿者/ 金丸 一般♪(1回)-(2008/02/26(Tue) 03:56:19)
    お久しぶりです皆様。

    金丸は元気です。


    さてエッセイを停止させてから2ヶ月経ちました。
    宮古島に行った初日から停まっています。

    当初は私の引っ越しのための不動産屋まわりに伴い、更新できそうもないので少しの間お休みするつもりでした。




    なんと停止した日に間もなく

    四季に振られました。
    『友達として接する』『恋愛感情はもてない』


    ショックはショックでしたが何故か納得してしまいました。

    ―いつかこんな日が来ると思っていた―


    心のどこかで小さく呟きました。


    それから一週間ほど落ち込み、まぁクリスマスなんてクソだ くらいに思っていた矢先


    希望地域を四季の家の傍から離すと不動産屋に電話したら

    見てもらいたい物件があると言われ、とりあえず見ることにしました。


    なんと最寄り駅は以前の希望ど真ん中。

    しかもその駅は



    四季の彼氏の家の最寄り。


    そして内見をすると

    希望ど真ん中。

    しかも希望以上の条件もあって

    これ以上のものは恐らくないと思い、契約することにしました。


    その時

    思ったんです。


    なんて皮肉なことだろう

    冗談みたいなことが本当に起こるんだな

    ギャグにしかならないわー


    とプッツンしてしまい

    私は何時間も笑いを堪え


    終いには


    泥沼だった心が

    笑いに巻き込まれ

    あっけらかんとしてしまいました。


    それからしばらくして

    引っ越しが決まり

    気付いたんです。


    あれほど強く深く大きかった四季への気持ちが無くなりつつあることに。

    私自身ビックリしました。

    まさかあんな私と同化していてしかも多大だった揺るがないと自信があったものが

    消えるなんて―



    そして今

    四季への恋愛感情は全く無く

    自分が一人消えたような感覚があります。

    すっぽりその部分だけがない。


    感謝も信頼も四季とゆう人間への愛情はあれど

    常時嬉々としていた幼児のような四季への愛情が無くなってしまいました。


    最近は

    驚くほどのスピードであれだけあった四季に関する記憶も薄れていっています。

    回想する癖や、空を見たり木々を眺めたり自然の中にあるものが四季と連鎖して思い浮かぶことはありますが

    そこにトキメキみたいなものは無くなり、代わりに懐かしさめいた感情がわきます。


    そして

    改めて四季に感謝しています。



    (携帯)
引用返信/返信
■20634 / ResNo.76)  ご報告 つづき
□投稿者/ 金丸 一般♪(2回)-(2008/02/26(Tue) 04:24:24)
    元々ひねくれてはいましたがこれ以上ひねくれなかったのも

    死ぬことしか考えなかったネガティブがアホなほどポジティブ人間になれたのも

    自然なんか興味なかったのに愛すようになったのも

    笑顔が大嫌いだったのに惜しむことなく笑うよくになったのも

    人として成長できたのも

    子供がえりできたのも

    愛することを知ったのも


    全てとは言えないかもしれないけど

    四季のおかげです。

    四季の影響は凄まじいほど私を変えてくれました。


    四季に出逢わなかったら

    恐らく衝動的しろ計画的にしろ自ら命を絶っていたかもしれないと心底思います。

    四季なくして今の私はありませんでした。



    でもちょっと困ったこともあります(笑)

    文章や絵を描く意欲があまりわかないこと

    夢が薄れつつあること


    けど元気にあっけらかんと暮らせているので、とりあえずいいか と日々暮らしています。

    これからの目標は

    夢を見つけるか、今の夢に確信を持つか

    描きためていた絵を生き返らせること

    です。


    何年も伴にした恋愛感情というものがないとこんなんなるのかー と無気力になりそうになりますが

    そこはなんとか頑張ってやりくりしています。




    ご報告の本命です。

    エッセイ

    絶版宣言。


    はい。誠に勝手ながらこのビアンエッセイから引退します。

    記憶とインスピレーションとパッションが薄れているからです。

    今まで読んでくれた方々

    本当にありがとうございました。

    誤字脱字乱文に文句もくれず、本当によく付き合ってくれました。

    それを表して…

    携帯に向かって土下座します。


    そして

    四季


    愛させてくれてありがとう

    愛を教えてくれた上に育ててくれてありがとう

    これからもウダウダしたらケツひっぱたいてください


    お前には

    本当に感謝してもしきれないよ

    二人でいった旅行
    少しは恩返しになったらいいと本当に思う

    お前には

    してくれたことに対して私ができたことは少ないけど

    これからも何かできるといいと思ってる


    お前がお前らしく生きること

    今でも変わらず応援してるよ。



    読んでくれた方々

    四季


    本当にありがとう



    平成20年2月26日

    金丸

    (携帯)
引用返信/返信

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■18409 / 親記事)  お題小説 7
□投稿者/ 昴 大御所(356回)-(2007/03/22(Thu) 03:46:41)
    お題小説06が100レスになっていましたので
    新スレッドを立てました

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス25件(ResNo.21-25 表示)]
■18528 / ResNo.21)  一番の願い
□投稿者/ 麻奈美 一般♪(2回)-(2007/04/06(Fri) 01:17:03)
    私の一番の願いは『あなたが幸せになってくれること』

    あなたが幸せになってくれるのなら誰と結ばれようと私はかまわない。

    でも,これだけは覚えてて…

    『私はずっとあなたのことを愛してる』

    ----------------------次のお題は「妄想」でお願いします<(_ _)>


    (携帯)
引用返信/返信
■18529 / ResNo.22)  妄想
□投稿者/ アイズ 一般♪(1回)-(2007/04/06(Fri) 13:43:52)
    「好きな人がいるの」
    そう彼女は言った。

    あまりの自然さに
    あまりの突然さに

    「へぇ〜どんな人?」
    と普通に聞いてしまって

    「うん…その…優しくて私のことを思ってくれてて、帰り道とか車道側を歩いてくれたりしてね…それで…」

    うんうんとうなづいてて思った。
    『優しくて彼女のことを思ってくれてて、帰り道とか一緒に帰ると車道側を歩いてくれる…それって!!』

    告白?!

    そう考えるとドキドキして次の言葉を待った。

    「…それでね、そこのパン屋さんでアルバイトしてるの♪」

    は?私アルバイトしてないよ?ってあれ?

    「今日もその人と帰るから、またねw」

    「あ、うんじゃあ、また」

    そんな期待がなかったわけでもなくみごとに玉砕した春のある日なのですよ?

    ------------------------


    ま、ありきたりってことで!

    お次は「美容院」
引用返信/返信
■18536 / ResNo.23)  美容院
□投稿者/ つちふまず 一般♪(4回)-(2007/04/07(Sat) 01:08:23)
    「え?」



    「ショートにして下さい」



    意志の固さの表れか、鏡越しに自分の顔を真っ直ぐに見据えていた。



    「ずっと伸ばしてたのに」



    コームで撫でると、その一直線は背中の辺りまで伸びる。



    「いーんです…って言っても分かんないから…ヨリさんにお任せします」



    うーん…。



    あ。


    この衝動的な注文…。


    さては。



    「もしや…しつれ、」
    「切って下さい」



    言いかけた所で有無を言わさず被せられたので、


    「わ、わかった」




    注文に忠実に。




    髪をとかしながら全体のバランスを考える─



    もったいないなー。



    ふと雑誌を読み始めたお得意様を見ると、



    明らかな事実に気付いた。




    …瞼が腫れてる。



    恋人と二年近く同棲してるっていつか言ってたけど…。




    ………。




    あ。




    「………あのさ、マッサージ先にしてもいいかな?」



    いい事思い付いた。



    「え?」


    「肩張ってるよ」


    「見ただけでわかるの?」


    「もちろん。終わった後もするから、ね?」


    「あ、はい…。」




    よし。




    10分後─



    Zzz…。



    寝てないんじゃ、ね。



    スヤスヤと眠る姿は、気の強そうな顔立ちとは裏腹に穏やかだ。



    「作戦開始。」



    私は取り掛かった。




    60分後─



    「………あれ」



    起きたかな。



    「そのまま流すよー」


    「えっあれ?えー!」


    「いいから」





    さらに60分後─


    「はい、おしまい」


    「切ってないし!」


    「いや、少し切ったよ?ついでにパーマも」





    仕上がりは─


    ゆるゆるパーマをかけて毛先を遊ばせて長い前髪を切った。




    「可愛くなった。思った通り」



    「…かなぁ。モテるかな?」



    「絶対モテるね」



    「本当にー?」





    ポンと肩を叩くと─




    髪質と同じ位、
    柔らかく笑った。




    「ありがとうございました」


    「ありがと、ヨリさん」



    店外まで見送ると─


    4月にしては、冷たい風が吹いていた。





    徐々に小さくなる背中を見ながら、






    いつか明るい春が来るといいねと。












    小さく願った。




    次は…「花冷え」で♪





    (携帯)
引用返信/返信
■18582 / ResNo.24)  花冷え
□投稿者/ さる 一般♪(1回)-(2007/04/10(Tue) 23:08:15)
    桜咲く4月
    晴天の小春日和-----
    「ねぇねぇ」

    『なに?』

    「あんさ、なんでその格好なの?もう桜咲きみだれの春だよ〜」

    『だってまだ花冷えだよ?寒じゃんかぁ』

    「……花冷え??」

    『…ん?花冷えじゃん』

    「花冷えってなに??またうちの知らない言葉使っる!花冷えって方言?おばあちゃん語?どっち?」


    『おばあちゃん語いうな!方言でもないよ!』

    「だってうち知らないも〜ん 使い方あってんの?」

    『絶対合ってるよぉ!それに花咲く季節でも寒い時に使う言葉だよ』

    「ふ〜ん。じゃあたしも明日から使おうっと」

    『あ!でもたぶんだから使い方間違えてるかもよ!友達に突っ込まれたらうちに聞いたっていうんでしょ?使わない方がいいよ』

    「なんでたぶんなの?いいの!意味間違えようが使い方間違えようが一緒の言葉使いたいの!んであんたを感じるの!この気持ちわかるかなぁ?」

    『わかるか!勝手にせぃ!うちはもう使わない』
    「えぇぇぇ!いやぁ!あんたしか使わない言葉使わなきゃあんたを感じれないじゃんかぁ
    使えぇ!花冷え使え!うちの気持ち踏みにじるなぁ」

    『そんな無理に使わなくても気持ち分かってるし、むきににるガキくさいとこ好きだよ』

    「うちだってその……」

    『なに?』

    「………
    うちだって意味分からん言葉言うあんたが好きだもん」

    『ん。じゃ花冷えだし手でも繋いで帰ろうか』

    「花冷えだもんね♪」

    そんな大人子供カップルの1コマでした。

    お粗末さまでしたm(_ _)m
    次のお題は「味噌汁」お願いします。





    (携帯)
引用返信/返信
■18617 / ResNo.25)  味噌汁
□投稿者/ れい 一般♪(22回)-(2007/04/15(Sun) 03:49:28)
    携帯が鳴る。

    23時40分。
    あいつからの着信。

    わたしはちょうど、お風呂あがりだった。
    仕事で付いた油のにおいがとれて、
    凝り固まったからだと心が解れる時間。


    「どした〜?」


    この時間ということは、
    きっと彼女は仕事帰りなのだろう。


    ――由布子、明日休み?


    数ヶ月に一度かかってくる、
    金曜日の夜の電話。

    彼女は土日休みだから、
    これからわたしを
    飲みにでも誘おうと思ったのだろう。


    わたしの、好きな人。

    彼女には振り回されてばかり。
    出会ったのは、大学1年の春。

    今年で6年目を迎える友情が、
    わたしの中で、恋愛感情に変わってから
    どれくらいの月日が経つのだろう。

    大学3年生の頃にはもう、
    きづくとわたしは彼女が好きだった。


    「ん〜?明日?午後出勤だけど」

    ――じゃあさ、これから由布子んち行っていい?

    「えっ!?うち?!」

    ――うん。だめ?


    飲みのお誘いなら、
    断る気だった。

    でも、彼女の意外なお願いに、
    思わず部屋を見渡す。

    見渡しながら、
    彼女は今週もハードだったんだな、と思った。
    彼女の声は、疲れていたから。

    4月から、部下が4人付くことになった、彼女。

    学生時代から思っていたけれど、
    仕事はできる、らしい。

    そして本人曰く、
    男女問わず、
    モテるらしかった。

    思わず納得してしまう。

    端正な顔立ち、
    長く美しい黒髪、
    長い手足、
    顔に似合わず、男前な性格。


    かっこよく、美しい彼女。


    「いいけど…。沙紀、こっち着くの、何時?」


    彼女に会える、そう思って心ときめく自分がいる。
    何ヶ月ぶりだろう。

    目の前にあった姿見に顔を映し、
    パジャマの襟を整えて、
    頬に手をあててみる。

    ノーメイクだけど…
    ま、いっか。

    いつも忙しい彼女は、
    突然わたしを無理に呼び出すから。

    わたしはしょっちゅう、
    彼女にノーメイク姿を見せている。

    彼女に比べて、わたしは童顔で、
    それがノーメイクだと際立って困る。


    ――まだ検索してない。

    「わたし、お風呂上りだから駅まで迎えいけないよ」

    ――たぶん、だいじょぶ。


    由布子は沙紀に甘すぎだよ、
    そう言われたのは
    大学4年の秋。

    それから、なるべく彼女を突き放すようにしている。

    突き放しても、
    今度は彼女が今まで以上に甘えてくるから。
    結局距離感は変わらなかった。


    わたしの気など全く知らず、
    「本当に沙紀は由布子が好きだね〜」と
    わたしたちの共通の友人が
    半ば呆れたように
    わたしたちのべったり具合を冷やかす。

    「うん、好きだよ。ね〜、由布子」
    そんなことを言って。
    わたしの気も知らないくせに。

    わたしはただ、
    「はいはい、そうね」と言って
    流すことしか出来なかった。

    彼女はわりと軽く、
    そういうことを口にする。
    誰にでもそういうことが、言える人。

    わたしの気も知らないくせに。


    「…あんた、ご飯たべたの?」

    ――んー?あんまおなかすいてない。

    「もう。食べなきゃだめだよ、いつも言ってるでしょう」


    わたしは仕事柄。
    不健康な彼女を諭すことが多い。


    ――じゃぁ由布、作って。

    「えー、うち、何も材料ないよ」


    普段、仕事で作っているものだから、
    あまりわたしは家で料理はしない。

    そういいつつ、
    冷蔵庫を覗いてみる。

    冷蔵庫にあったのは。


    「お味噌汁、くらいしかできないなぁ」


    長葱と、豆腐。あとは味噌。


    ――おみそしる!いいね、いいね。
    由布の料理、あたし好きだよ。


    ああ、もう。だから。
    そういうことが、どうして言えるのか。


    「とりあえず、作っとくから。
    何時くらいに到着予定か、分かったらメール頂戴ね」

    ――はーい。


    そうして電話が切れた後。
    わたしは味噌汁のセットだけ先に済ませ、
    猛然と部屋の片づけを始めたのだった。




    「ああ、幸せ。美味しい。ありがとう、由布」


    彼女ほど、作らせ上手、
    食べ上手な女も珍しい。

    いつも凛としている彼女の顔が、
    ふわっと柔らかくなり、
    オシゴトモードが
    崩れるのが分かった。

    彼女のこの笑顔が見たくて、
    わたしは料理を仕事にした、
    と言っても過言ではないと思う。


    「ただのお味噌汁だよ」

    「ふふふ。なんか落ち着く」


    わたしの照れ隠しを
    知ってか知らずか。

    彼女は嬉しそうに笑って、
    味噌汁を飲み干した。




    「由布子ってさ、なんかお味噌汁似合う」

    「は?」


    彼女がそんなことを言い出したのは、
    わたしが器をキッチンで洗っている時だった。


    「なにそれ。あんまし嬉しくない」

    「えー、褒めてるのに」

    「えー?」


    所帯染みてる、
    とでもいうつもりか。

    それは褒め言葉じゃない。


    「なんかね、落ち着く」


    彼女の顔を見ると、
    彼女はにこにことして
    わたしをじっと見ていた。

    思わず顔が赤くなり、
    慌てて下を向いて、
    食器洗いに精を出すふりをした。

    もう洗うものは無かったけれど。


    「あ、そ?それ、いいこと?」

    「うん、すごくいいこと」


    嬉しそうに彼女が言うから、困る。
    期待をしたくなってしまうから。


    「そ。じゃあいいや」

    「え、嬉しくないの?めちゃめちゃ褒めてるのにー」

    「嬉しいけどさ…お味噌汁って…微妙」


    そう言って、
    ちょっとはぐらかして。


    「ほら、わたし明日仕事なんだから!
    寝るよ。シャワー浴びといでよ」


    そうやって彼女を追い立てる。

    彼女のシャワーを浴びる音を聴きつつ、
    わたしはベッドに倒れこんだ。


    ――なんかね、落ち着く。


    さっきの彼女の言葉が、
    わたしの頭の中で反芻する。

    いつも周りに気を張っている彼女。

    その彼女にとって、
    恋人は無理でも、
    せめて安らげる場所になりたい。

    そう思っていた。

    ずっと、学生時代から。



    ああ、わたし、沙紀が好きだ。

    とてつもなく、それを実感する。

    たったあれだけのせりふで

    こんなに幸せな気分になれるなんて。



    これ以上の関係になりたいなんて、
    贅沢は言わないから。

    ねえ、かみさま。

    沙紀にとって、わたしのもとが
    ずっと、一番安らげる場所でありたいです。


    と、普段はお祈りもしないのに、
    勝手にかみさまにお願いしてみる。


    わたしはこれからも、
    きっと彼女に
    振り回されるんだろうなと。

    そんな風に思って、
    ちょっと笑みがこぼれてしまうわたしがいた。



    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

    長く、なってしまいました。眠いです。

    次回は「宅配便」でお願いします。
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■18343 / 親記事)  秘密の彼氏
□投稿者/ 裕 一般♪(1回)-(2007/03/15(Thu) 17:55:35)
    私には秘密の彼氏がいます


    そぅ彼氏はどっからどう見ても男なのに
    体は女の子

    (携帯)
引用返信/返信

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■18356 / ResNo.12)  秘密の彼氏11
□投稿者/ 裕 一般♪(13回)-(2007/03/15(Thu) 23:43:50)
    タクミは再び私を
    抱き始めた
    タクミの指が私の下半身にゆっくりときた
    丁寧にクリトリスを上下に擦る

    『…ぁ…タクミ』


    私の反応を確認したタクミは中指をそっと穴に押し込み上下に動かす

    徐々に激しく指を動かし始める


    『ん…ぁあっ…タクミ…』


    『気持ちいい?すっげぇ〜濡れてる…』

    私は恥ずかしいくらい濡れてた

    ビチャビチャいやらしい音が部屋中に響き渡る


    タクミの指が2本に増えてた


    『もっと気持ち良くさせてあげるよ』


    タクミ私のマンコに顔を近付けクリをチロチロし舐め始めた


    『んぁ…気持ちいいよ』


    私は思わず体が反り返った

    タクミはクリを舐めながら穴に入れてる指をかき回す


    『ぁーっ…イッちゃう』

    『いいよ思いっきりイキなよ』


    と少しタクミは激しく舌と指を同時に動かし始めた


    『あぁぁぁぁー!!』

    ビクン!!と体が動き下半身がピクピクしてるのが分かった

    (携帯)
引用返信/返信
■18358 / ResNo.13)  秘密の彼氏12
□投稿者/ 裕 一般♪(14回)-(2007/03/15(Thu) 23:59:25)
    『気持ち良かった?』
    タクミは優しく私に笑いかけた


    『うん…私もタクミに気持ちよくなってもらいたぃ…』

    私はタクミのベルトを外しズボンをずらした
    『オレはいいよ』

    『大丈夫…』

    私は強引にズボンをずらしタクミのトランクスを脱がした


    タクミのクリトリスは大きくて少し勃起していた

    『オレ、ホルモン注射打ってるからデカいだろ?』

    少し照れながらタクミは言った


    『タクミ…可愛い』


    私は勃起したタクミのクリチンをしゃぶった

    『…っう』

    タクミの声が漏れた


    クリチンがビクビクしてる…


    『…ヤベ…すっげぇ〜気持ちいい』

    タクミは私の頭を撫でながら言った


    私は強く吸ったり
    ゆっくり舌を奥から先まで舐めたりした


    『…んぁ…イキそう』

    タクミは顔を天井に向けイッた

    (携帯)
引用返信/返信
■18360 / ResNo.14)  秘密の彼氏13
□投稿者/ 裕 一般♪(15回)-(2007/03/16(Fri) 00:10:49)
    『ねぇ…タクミ私タクミが女でも気にしないよ?初めて見たアナタは私にとって男だったから』


    私が初めて一目惚れした相手だから
    例え女でもいいって思えた…タクミだから…
    『知ってた?オレもアンタに一目惚れしてたんだよ?』


    『…え?』

    『初めアンタ見た時オレ笑いかけただろ?』
    確かに目が合った時笑ってくれた…それは私が客だからじゃないのかな


    『普段のオレは超無愛想で有名なんだよ』


    そう言ったタクミは私にキスをした


    口が悪くて意地悪なタクミが何故かすごく愛しく思えた


    (携帯)
引用返信/返信
■18361 / ResNo.15)  秘密の彼氏14
□投稿者/ 裕 一般♪(16回)-(2007/03/16(Fri) 00:18:52)
    朝日が眩しく私は目が覚めた


    光に照らされたタクミの体はすっごく綺麗だった



    私の隣りに寝てる女の子は私が初めて自分から好きになった彼氏です。


    彼が女の子というのはみんなには秘密…


    『…んーぉはよ…』


    タクミは起きて私に優しくキスをする…



    タクミ…愛してるよ

    (携帯)
引用返信/返信
■20163 / ResNo.16)  Re[2]: 秘密の彼氏14
□投稿者/ chris 一般♪(1回)-(2007/10/11(Thu) 22:56:17)
    なんか結構あったかい話だな
引用返信/返信

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■18283 / 親記事)  landam
□投稿者/ 桜月 一般♪(1回)-(2007/03/09(Fri) 22:11:28)
    どんな言葉もきっと星にはなれない、
    分かってるのに涙が出た。



    どうしても、思いは壁を越えずに私の握りしめた手の中へ。





    会えなくてもいいから、
    幸せでいて?
    どの術で君に伝えられるだろうか。




    アイシテル、
    愛してるなんて、
    重すぎて軽すぎて言えないよ。





    どうか餞になれば、いいと思った。
    一つでいいから見せて、
    誰も知らないあなた。







    (携帯)
引用返信/返信

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■18293 / ResNo.1)  One
□投稿者/ 桜月 一般♪(2回)-(2007/03/10(Sat) 08:28:41)
    前が見れない、
    目の前にはきみがいる。



    けど君は扉に手をかけている、
    どうすれば引き留められるんだろう。


    携帯電話を片手に私は、
    さよならを喉に溜めるきみをただここから眺めた。




    今はどんな、くさい詩でさえもどんな口説き文句もきっと


    “待って”


    その三文字には叶わないだろうと、
    私は悟った。



    「でわ、また来週。」



    週一の家庭科の授業は、
    すぐにはやってはこない。


    長い週末をこえて、
    つまらない授業を終えてたどりつく金曜日。




    ため息が茶色の机に消えた。







    「笹間さん?」



    見上げた先にはきみがいた。



    「これを、家庭科室までお願い。」



    私は二つ返事で君のもとへ向かった。

    (携帯)
引用返信/返信
■18295 / ResNo.2)  キミ想フ 1
□投稿者/ 桜月 一般♪(3回)-(2007/03/10(Sat) 19:10:06)
    人はよくゆう、
    出会った頃が好きになった頃が一番良かったとかどうとか。



    自ら崩した恋愛を私は私の心でそんな詩は歌えない。


    「…ごめん。」



    どうか神よ、
    イヤ、君よ。
    許しておくれ。



    ズドンと胸を軋ませた。



    「別に怒ってないわよ。」「うそだ。」



    そう、
    ことの発端は…とても口にはできない。



    「もう、もう神に誓ってあんなことしないよ。」



    ミシンの使い方も知らないのに、
    いとおしく撫でてみた。


    今はきっとこの針に刺されるより私の胸は痛いでしょう。



    「やってみる?」
    「えっなんで!!?」




    君は微笑んで、
    教材を棚にもどして私を見た。





    「なっちゃんって単純すぎないかな?」


    笑われてるんじゃなくて、ん〜なんだかすごい愛しそうに私をみつめたから、


    恥ずかしくって、
    うつ向いた。




    「いいよ、許す。」
    「ホントに?」



    撫でられた髪に、
    くすぶったい鼻先に






    ヤメラレナイよ




    キーンコーン─



    「さーてさて授業よ。」
    「がくっ…。」



    体を奮い起たせて、
    教室をでようとした。




    「大丈夫、好きだ。」

    (携帯)
引用返信/返信
■18301 / ResNo.3)  キミ想フ 2
□投稿者/ 桜月 一般♪(4回)-(2007/03/10(Sat) 22:56:24)
    「ん〜…、ちょっと違うかな。」



    指折り数えてみる、
    これもまた違うかな。


    「さてさて、なっちゃんのまた困ったちゃんだ。」




    どうもここのとこ、
    上手くいかないんだ、
    キミの指先をゆっくり掴んでは放してみる。




    「答えは?」
    「全然、でない。」


    んと、まあ



    それでもいいとキミが表情でOKをくれたから、
    諦めて、
    キミから離れた。




    「じゃあ、また明日ね。」


    なんだかはなれがたかったけど、
    教室を少し恨んだ。


    「なつ?まだ進路決まってないんでしょ、担任の先生がいってたわよ早くしなさいね。」




    少し心配そうにも私を見送ってくれた。



    「できたらの話になるからな…。」



    ため息混じりに振り向かず手を振った、
    タイムリミットのスイッチがもうこの時、



    既に始まっていた。




    キミを想フと私は



    死にたくないけど、
    無情にも死にたくなるんだ。





    (携帯)
引用返信/返信
■18330 / ResNo.4)  みにくいアヒルの子 1
□投稿者/ 桜月 一般♪(6回)-(2007/03/13(Tue) 23:14:46)
    「笹間なにやってんの?」


    別に、
    別に好きでグループ行動の足を引っ張ってるわけじゃない…。


    調理実習、じゃがいもの皮を剥くのにさえ倍以上の時間が私には必要だ。


    「えっ…まだ終らないんだごめん。」



    いつも、いつも謝ってばかりの私。


    情けなさと花粉症で、
    涙が溢れそうになる。



    「ったく…なにやらせてもさ何にもできないんだから、あんたは。」



    周りの目が私の行動にいらつきを見せたとき、
    行き交うみんなの

    “マジうざい”

    そのアイコンタクトが私を焦らせて、
    悪循環をうむ。



    「イテっ。」


    切れてしまった指、
    もうここまできたら残酷しか待ってない。



    「保健室いってきな。」


    周りはうなずいて、
    それを進めた。




    泣くのを抑えて、
    エプロンに手をかけた。



    「ちょっと見せてみて。」


    家庭科の先生が、
    私に気付いて駆け寄った。




    これがキミを間近で見た初めてだった。

    (携帯)
引用返信/返信
■18339 / ResNo.5)  みにくいアヒルの子 2
□投稿者/ 桜月 一般♪(7回)-(2007/03/14(Wed) 21:52:41)



    冷たい指先が私の指先に触れて、
    なぜか鼓動を増した。


    「はい、大丈夫よ。」


    人指し指にはバンドエイドがキレイに張られていた



    「すごい、ありがとう。こんなに私は上手くは貼れない。」



    消毒の匂いが鼻を霞めながら、
    日差しに指先を当てた。



    「たしか、笹間さんだよね?」



    一つ間を置いて、
    先生と目があった。



    「…はい。」



    人はいくつもの出会いを繰り返すが、
    そのうちの何パーセントとゆう確率で一体、
    愛情が湧き出るひとに出会うんだろう。




    「戻ろっか?」



    あー、
    言葉とか思いとかよりもさきに、
    体が動くのが私の欠点であり長所でもある。




    「やめ…っ。」



    愛情より感情が買って、
    愛情が離れなくなった。




    撫でた唇、
    愛しすぎて、
    それは赤裸々なほど無垢だった。






    バッチーン───



    保健室で響いた平手打ちの響きを、
    私はいつか忘れてしまうのかな。




    「キミが大好きです。」







    (携帯)
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■18242 / 親記事)  望みの彼方 1
□投稿者/ 凛 一般♪(1回)-(2007/03/05(Mon) 22:47:16)
    あの人の手は、温かだった。


    記憶は日々曖昧になっていく。
    あの人の顔だとか笑い声だとか仕草だとか、確かに覚えている筈、覚えていた筈なのに、意識して思い出そうとすると輪郭はぼんやりとして、これという決定打がない。


    あの人の手は、温かだったのに。

    (携帯)
引用返信/返信

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■18243 / ResNo.1)  望みの彼方 2
□投稿者/ 凛 一般♪(2回)-(2007/03/05(Mon) 22:59:16)
    どうしたの?
    ううん。何でもない。
    会話の途中俯いてしまったあたしを、圭が心配げに覗き込む。

    ドウシタノ、トウコ?ボクトイルトキニソンナカオシナイデ。

    圭の瞳は、どんな言葉より雄弁に物事を語るのだ。
    いつもあたしだけを見てくれる。あたしだけに向けられる。
    だから時々、その瞳がうるさくて堪らない。
    側にある煙草を一本取り出して、あたしはそれに火をつけた。
    「でね、その映画なんだけど…」
    圭が話を続ける。最近やっと探し出したという、あたしがすすめたイギリス映画について。
    「神様にすがっても、結局どうにもならないと思ったよ。人間の創り出した虚像に救ってくれなんて。主人公が救われたのだって、あの女の子のおかげなんだし…聖職者が『救う』だなんて、おごりでしかないよ」
    ああほんとうに。
    彼女はあたしの望んだ通りの答をくれる。
    なんて素直。なんて純粋。「圭、あなたはいい子ね」あたしがそう言うと、彼女の白い肌が少しだけ紅く染まった。

    (携帯)
引用返信/返信
■18244 / ResNo.2)  望みの彼方 3
□投稿者/ 凛 一般♪(3回)-(2007/03/05(Mon) 23:08:01)
    何言ってんの桐子、まるで僕が子どもみたいな言い方。
    子どもじゃない。
    違うよ。


    小さなテーブルを挟んで身を乗り出してきた圭は、あたしのくわえていた煙草を奪い取って、触れるだけのキスをする。
    こういうところは、大人びている。
    「ね、子どもじゃないだろ?」
    間近で見詰め合って、頬にキス。…こういうところはまだ子どもだ。


    あなたに神様はいないの?
    昔あの人があたしにきいた同じことを、圭にも聞いた。
    「いないよ。けど…」
    「けど?」
    「好きな人が神様になるって、何かで読んだことがある。だから、いなくてもいいんだ」
    あたしを試すように、あたしの内を探るように、彼女は言葉を繋いでいく。
    「桐子が、いるから」
    伸ばされる手。
    触れる指先。
    頬を包む手のひら。

    (携帯)
引用返信/返信
■18245 / ResNo.3)  望みの彼方 4
□投稿者/ 凛 一般♪(4回)-(2007/03/05(Mon) 23:15:34)
    映画のワンシーンが甦る。
    男が蹲って、十字架のキリストに、無心に祈っている。



    神よ私を救い給え
    神よ私を救い給え
    神よ私を救い給え




    あの人の手のひらの熱を思い出した。
    祈るような切なさ、身を切るような優しさ、血を吐く程の愛しさ。
    そして。
    あたしには何も望まなかった、あの温もり。
    『桐子がいるから私は神様はいらないよ』



    神様。
    あの人を救って下さい。

    (携帯)
引用返信/返信
■18246 / ResNo.4)  望みの彼方 5
□投稿者/ 凛 一般♪(5回)-(2007/03/05(Mon) 23:21:12)
    「…帰るよ」
    おもむろに圭は立ち上がった。
    一瞬の回想は消え去り、ただ圭の薄い背中だけが視界を埋める。
    「桐子、明日も仕事だろ?僕も朝イチのレポートがまだ残ってるから。そのかわり、土曜の約束は忘れないでほしいな」


    これが圭の優しさだ。
    何も聞かないであたしの内に触れないで黙認してくれる。
    だからあたしはいつも、この優しさを利用している。
    そんな自分に吐き気がする。

    (携帯)
引用返信/返信
■18247 / ResNo.5)  望みの彼方 6
□投稿者/ 凛 一般♪(6回)-(2007/03/05(Mon) 23:28:56)
    玄関まで圭を見送った。
    「圭」
    「なに?」
    「ごめんね」
    あなたはあたしの神様にはなれないの。
    言葉にしなければ、圭には伝わらない。知らなくていい、こんなこと。
    「わかってるよ」
    また、優しい。
    笑顔とさよならの手を振る仕草は、曖昧な過去の記憶には決して重ならない。
    扉が閉まる。
    あたしは、ずるい。




    一人残されたあたしは、今夜もまたあの人の手のひらを思って泣くんだろう。
    あの人が今度こそあたしに何かを望んでくれたら。
    そうしたらあたしは、一瞬も迷わずに躊躇わずに、祈りを言葉に出来る。


















    神様。
    あたしを救って下さい。

    (携帯)
完結!
引用返信/返信

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