ビアンエッセイ♪

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貴女の官能的なビアンエッセイやノベル
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■17945 / 親記事)  相思相愛
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(1回)-(2007/02/18(Sun) 00:39:57)
    「あたしは男好きだし、飽きたら捨てるよ?」

    彼女は私に忠告した
    それでも私は彼女を好きでたまらなかった

    「別にいいよ。フラれなれてるから・・・」

    私は精一杯余裕なフリをして笑った

    「じゃぁこれからヨロシクね。」

    彼女は私にそう言った。
    これが私達の始まり。

    彼女は男性としか付き合ったことはなく
    女性を好きになるなんて今でも不思議がってる
    私が男ぽいせいもあるんだるけど・・・
    「あんたといると落ち着く」が彼女の唯一私への褒め言葉。

    最初の1、2ヶ月はキスも手すらも繋いだことはなかった。
    「あたし達友達だね?」と彼女が意地悪く笑う
    私は我慢してた欲を彼女にぶつける

    乱暴なキス

    「あんた下手」と彼女が舌を絡めてきた

    あんな幸せな気分は味わったこと無かった。

    私はどんどん彼女が欲しくなり何度も唇を重ねる
    彼女は薄めを開けて笑っている
    私はどんどん彼女の服を脱がせる

    「待って。やっぱ無理・・・」

    それ以上進む勇気は出なかった。
    それ以来私達はキスと少しのいちゃいちゃだけ
    身体がいくら濡れようが

    それ以上進む勇気はなかった

    「あんたはそれでいいの?」

    「・・・」

    「あたし男んとこ戻るかもよ?」

    「・・・」

    「バーカ嘘だよ」

    笑えない冗談を彼女は言う
    私は我慢してた

    半年が過ぎた。
    相変わらず私達は変われない。
    『友達以上恋人未満』


引用返信/返信

▽[全レス50件(ResNo.46-50 表示)]
■20537 / ResNo.46)  相思相愛‐第二章‐Z
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(4回)-(2008/02/02(Sat) 00:13:57)
    2008/02/02(Sat) 00:28:49 編集(投稿者)

    「あの…」
    口を開いたのは私

    「負けー」とケラケラ笑うあなた

    「…ゲームだったの?」

    「そう」なんて平気で答えてくる
    馬鹿らしい自分を笑われてるみたいだ

    「あのさ…寝てもいい?」

    「いーやー」

    何故私に甘えるんだろう
    何故あなたは私に・・・

    「あんたと喋ってると意地悪したくなるんだー」

    ・・・。
    もう嫌だ。

    「…私達は友達でしょ?もう期待させないで!」
    と強気に電話を切った。

    数秒も経たないうちに後悔した。
    やってしまった…
    『完璧な友達』を演じるのは大変だ

    数分後
    彼女から電話
    期待はまた膨れる

    「はい?」

    「さっきはごめん…」

    彼女がへこんでいる。

    「…私も急に怒鳴ってごめん。」

    「私…調子のってたよね。ホントごめん」

    「・・・わたしこそ」

    ごめんを何回言い合っただろう
    過去の過ちにまで謝ってるみたいだった

    「もう謝るのやめよう?」と告げると

    また沈黙が続いた

    耐え切れず

    言ってしまった。


    「・・・・まだ好きだよ」



    出会った事にまで「ごめんね」は言いたくなかった。


    が、また後悔

    彼女は、その後泣きながら
    「ごめん」を繰り返した。

    もう無理なんだ。
    友達になることも
    恋人になることも
    愛人になることも

    私達は終わらせないといけないんだ。

    目の前が真っ暗になる




    私と彼女

    結局・・・私達は友達に戻れなかった。
    「好き」という感情が私の中にある限り

    期待して、裏切られ

    繰り返すことに疲れた。

    「ごめんね」

    しか言えない私達はきっと出会わない方が良かったんだろう。
引用返信/返信
■20538 / ResNo.47)  相思相愛‐第二章‐[
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(5回)-(2008/02/02(Sat) 01:12:10)
    結局歩み寄ってみたものの…

    1度別々の時間を過ごした私達では

    どうにもならない。

    お互い気付けた良かったと思えた。

    まぁ『気付けて良かった』なんて思えたのも
    数日間悩んで悩んで悩んだ結果だけども・・・


    だらだらと毎日を過ごす
    また彼女のいない生活
    とっくの前にいないけど・・・

    ‐ピンポーン‐

    こんな日に誰だろう?と思いドアを開ける
    そこには後輩がいた。
    いつもながらにタイミングがいい。

    後輩はゼーゼー言いながら上がって来た

    「どうしたん?!」

    汗だくで必死な顔つきの後輩
    怖い顔しながら私を見る

    「先輩!何やってるんですか?!」

    「えっ?家でごろご・・・」

    後輩は勝手に上がってきて私の衣装棚を漁る。

    「こらー!」

    あまりの強引さに驚く

    「こらー!じゃない」私より強い口調で言い返す後輩

    何がなんだか…

    「もうこれでいいや!」とスーツを渡された

    「えっ?」

    「早く着てください」

    何がなんだか…

    「今日は彼女の結婚式です!」

    ・・・!
    今日彼女が結婚する。

    凄い勢いで頭に『結婚』という言葉が乗った
    けどそれは一瞬だけ。私達は友達以下の関係になったんだった

    「…あー…そーなんだ!おめでとう!だからドレスアップしてたんだ!」

    と気にしてないフリをする。

    「もう意地はいいですから!」

    「意地じゃないよ!」

    「意地ですよ!ってか彼女さんが先輩に来て欲しいって。」

    …。

    私を苦しませたいのか?
    もう彼女には会いたくない。
    いや…会うのが怖い。

    「先輩には言わない約束だったんですけど、
     彼女さんずっと先輩と連絡取りたがってて…
     私に相談してたんです。だから協力して…
     先輩魂抜けてたし。せめて友達に戻ってお互いを許しあって欲しくて。
     けどまた喧嘩して縁切ったって聞いて…
     彼女さん先輩に出会えたこと、先輩との時間にすごく感謝してるんです。
     だから「ありがとう」って伝えたいって。」

    ・・・。
    無理だよ。
    祝えないよ。

    彼女の幸せは…
    まだ好きだよ。

    そんな気持ちが一揆に涙へと変わった。

    「先輩。お願いです。行ってあげてください。
     先輩自身のためにも・・・」

    私は泣きながら着替えた。
    タクシーに乗ってからも
    ずっと涙は止まらなかった

    「おめでとう」なんて言えない
    「幸せになってね」なんて言えない

    何故?私じゃないの?
    何故?ねぇ?

    泣いても泣いても

    いくら泣いても

    私の気持ちは…


    「先輩着きました…大丈夫ですか?」

    降りた直後

    鐘が鳴った

    見上げると
    真っ白なウエディングドレス
    天使のように美しい彼女

    隣には優しそうな男性

    眩しいぐらい笑ってる彼女とその人

    「…」

    言葉は出なかった

    「おめでとう」なんて言えない
    「幸せになってね」なんて言えない

    ただ…
    何故だろう幸せな気持ちになった。

    私の涙でいっぱいの目も
    少しは笑ってくれた。

    その瞬間、彼女と目が合った
    笑顔の私に彼女も笑った



    彼女は手に持っていたブーケを私に投げた
    そして「ありがとう」と大きな声で言った

    周りにいた人々はビックリしていた。

    私には声まで聞こえなかったけど…
    「ありがとう」とちゃんと伝わった
    それが『今までのこと』なのか『来てくれたこと』なのか

    どちらでもいい。

    家に帰った後はひたすら飲んだ。
    救世主の後輩にひたすら愚痴って


    ひたすら必死に泣いた。

    けれど、その日以来…
    私は少しづつ前に踏み出していける。

    仕事も恋愛もそれなりに前に向かっている気がする。

    未来は明るい
    止まるも進むも己次第

    私は前に進みたい
引用返信/返信
■20539 / ResNo.48)  相思相愛‐第二章‐\
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(6回)-(2008/02/02(Sat) 01:31:00)
    2008/02/02(Sat) 01:39:58 編集(投稿者)

    ‐数年後‐

    結婚式には、数分しか居なかったけれど
    はっきりと記憶に焼きついてる。

    彼女のウエディングドレス
    幸せそうな2人の笑顔
    その2人を心の底から祝う人々

    今はどうしてるんだろう?

    とりあえず、あの時後輩に連れ出してもらっていなければ…
    どうなっていたことやら…

    こんなサバサバした人間にはなっていなかっただろうな。

    本当に後輩には頭が上がらなくなった。

    「ホントあの時ねー…」
    と愚痴愚痴言われるけど…

    今では1番の理解者で恋人だ。
    何もかもを受け入れてくれて
    分かってくれる最愛の人。

    「今なら祝ってあげれるんじゃない?」

    と私の最愛の人は言う。

    今なら祝ってあげられるかな?

    彼女には「おめでとう」も「幸せになってね」も
    言えなかったけれど・・・

    一言
    「ありがとう」と伝えたい。

    出会うことに間違いはなかった。
    あなたとの数年を私は感謝している。

    あなたがいたから今の私がある。

    今、私は凄く満たされてる。
    そして何よりも幸せだ。


    そう、それはあなたがいたから。

    あなたが私と出会ったから。
    あなたと私が恋に落ちたから。

    偶然でも必然でもどっちでもいい。

    その何億分の1の奇跡に私は感謝している。

    ただ一言

    「ありがとう」




    ‐fin‐
完結!
引用返信/返信
■20541 / ResNo.49)  初めまして(・∀・)ノ
□投稿者/ みぃ 一般♪(1回)-(2008/02/02(Sat) 19:25:50)
    すごく感動しました☆
    話もとてもおもしろかったです♪♪

    (携帯)
引用返信/返信
■20547 / ResNo.50)  ありがとう
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(7回)-(2008/02/05(Tue) 18:43:48)
    ありがとうございます。
    誤字が多くて大変読みにくかったと思いますが…
    コメントありがとうございます。
引用返信/返信

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■17912 / 親記事)  くもりのち
□投稿者/ 野良 一般♪(1回)-(2007/02/14(Wed) 03:25:10)
     

    「みんな、勘違いしとんのよ」


    と、彼女は言う


    「うちはそんなに出来た人間やない」


    自己中心的で、
    誰もに愛されたくて

    感情を理屈で押し殺しているだけの薄っぺらな人間なのだ、と




    「人気者を演じとんねん」




    内緒の話やで?、と

    私の顔を覗き込むようにして彼女は言った




    その日から、
    或いは
    初めて出会ったあの日から

    私は、彼女を独占したいと願っていたのかもしれない
     


    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス18件(ResNo.14-18 表示)]
■18196 / ResNo.14)  TO.ひよりさん
□投稿者/ FROM.野良 一般♪(12回)-(2007/03/01(Thu) 01:15:44)
    2007/03/01(Thu) 01:16:59 編集(投稿者)

     
    初めまして。
    コメント、有り難う御座います!

    南 潤子は、私も個人的に愛着のあるキャラクターなので、気に入って頂けるととても嬉しいです

    未熟ながらも精一杯頑張りますので、これからも彼女たちの行く末を見守ってあげて下さいね
    (*^_^*)
     


    (携帯)
引用返信/返信
■18197 / ResNo.15)  TO.夏菜さん
□投稿者/ FROM.野良 一般♪(2回)-(2007/03/01(Thu) 01:39:09)
     
    初めまして!

    私の女子校生活での経験も取り入れて書いている物語なので、共感して下さる方がいると何だか親近感を感じます(笑)

    内心、“間をとりすぎてやしないか”、“話の中身が見えてこないのではないか”と心配ではあったのですが、“読みやすい”との評価を頂き安心しました

    相田に似ているというご友人が、とても気になるところ……
    (^_^;)

    拙い文章ですが、これからも頑張っていこうと思います

    コメント、有り難う御座いました!
     


    (携帯)
引用返信/返信
■18233 / ResNo.16)  くもりのち:03-A
□投稿者/ 野良 一般♪(13回)-(2007/03/05(Mon) 00:12:36)
     
    新しい学年に進級してから、数週間が過ぎた

    私の通う瀬尾女子高等学校では、毎年この時期になると“新入生歓迎会”と称して、文化系の部活による舞台の催し物がある

    参加する部活は、
    軽音楽部
    ダンス部
    吹奏楽部

    そして
    私が所属している、演劇部


    「………は?」


    3日後に本番を控え、今日も追い込み練習。
    私は当然のことながら裏方、音響担当…

    ……だったのだけど……


    「ぶ、部長……今、なんて…?」


    一瞬、
    我が耳を疑った

    部長を除く演劇部員も、目をぱちくりさせている

    そこには、口をあんぐりと開けた相田の姿も


    「だ か ら!
    次の新入生歓迎会、負傷しちゃった村松の代わりにアンタが舞台に立つの。
    何度も言わせないでよね」




    ……ぶっ

    ぶ…ぶ…ぶっ!!!!


    「舞台っ……!?」


    いっそ叫んでしまいたかったが、ギリギリのところで理性が働いた

    落ち着け、落ち着くんだ

    部長は何か勘違いをしている!


    「わ、私…どう考えたって舞台に立てるような人間じゃあないですよ」


    おずおずと、遠回しに拒否の意を示した

    しかし、部長の中ではすでに私を代理にすることが決定しているらしい


    「容姿、衣装、役柄……村松の代わりになり得るのは、アンタしかいないの!これは部長命令よ、笠原」


    分かったわね?
    と、有無も言わさぬ勢いで台本を突きつけられた

    かなり使い込まれたであろう冊子

    表紙には“村松 雅代”と書かれてある


    「これから45分間、各自練習!笠原は台本のチェックをすること!!」


    部長の指示を受け、それぞれ自分のポジションに移動する部員たち

    そんな中
    呆然と立ち尽くす私に、相田の声が掛かった


    「外、行かん?」


    …と
     


    (携帯)
引用返信/返信
■18237 / ResNo.17)  くもりのち:03-B
□投稿者/ 野良 一般♪(14回)-(2007/03/05(Mon) 12:56:12)
     
    演目は、ルイス・キャロルの“鏡の国のアリス”を演劇部なりにアレンジした“不思議の国のアリス”

    私が村松先輩の代わりに演じろと言われたのは、お茶会のシーンで有名な“いかれ帽子屋(マッドハッター)”


    「うちもイメージに合ってると思うで」


    部長が切り出したときはビックリしたけど、と
    食堂で買ってきたサンドイッチを片手に相田が言う


    村松先輩の身長は166センチ

    確かに、部員たちの中で最も先輩に近い体型をしているのは私だろう。
    加えて、台本の中の“帽子屋”は口数が少ない


    ……だけど


    「…だけど、私には無理だ」


    発声場に続く階段に腰掛け、呟いた


    「そうかなぁ?」


    その隣に相田も腰掛ける。
    頬いっぱいに詰まったサンドイッチをごくりと飲み込むと、今度は私のほうを向いた


    「いっぺん練習に参加してみたら?案外性に合ってるかもしれんし……
    っていうか、うちが椿ちゃんの帽子屋を見たいんやけど!」


    むふふっ、とイタズラっぽく笑う相田

    “椿ちゃんの帽子屋が見たい!”
    その言葉が少し嬉しくて

    くすぐったくて

    「簡単に言ってくれるな」と、照れ隠しに相田の頬を突っついた

    ああ、駄目だ。
    何でこの娘は、こんなにも……


    「うちかて“三月兎(マーチヘア)”の役をもろたのに、このまま中止になるなんて嫌やもん」


    むぅ、と今度は頬を膨らませ、拗ねたように相田が言った

    そうだ、彼女も舞台に立つんだ


    「“与えられた舞台を無駄にしたくはない”って、部長も言っとった」


    と、今度は私の手元に視線をやる

    視線の先にあるのは、一冊の冊子。
    ボロボロになるまで読み込まれた、村松先輩の台本だった
     


    (携帯)
引用返信/返信
■18313 / ResNo.18)  くもりのち:03-C
□投稿者/ 野良 一般♪(15回)-(2007/03/11(Sun) 17:31:23)

    台本を開く。
    中は、村松先輩が帽子屋を演じる際の注意点や、メモ書きでいっぱいだった

    先輩がどれだけ真剣に役と向き合っていたのかが伝わってくる

    舞台を成功させたいというのは、誰だって同じなんだ


    「…やってみるよ」


    私では役不足かもしれない。
    だけど私がやらなければ、舞台は始まる前に終わってしまう

    ならば、やってやれるだけのことを


    「うんっ」


    相田が嬉しそうな表情を浮かべる

    そう、
    この笑顔に応えられるのなら、私は……




    「覚悟を決めたって顔ね。良い心構えよ、笠原」




    外から戻った私達を見て、部長がふふっと笑った

    すでに立ち稽古の準備が整っている部室内

    学習机を並べて、一つの大きなテーブルに見せている

    これは、そう

    マッド・ティーパーティのシーン


    「じゃあ早速、お茶会のシーンから始めるよ」


    とりあえず今日は台本を持ったままでいい、と言われたが、
    セリフなら既に頭の中にインプットしている

    音響とはいえ、私も演劇部 部員

    裏方から、役者たちの練習風景をずっと見守っていた




    あとの問題は……


    ……私が、どれだけ村松先輩に近付けるか、だ
     


    (携帯)
引用返信/返信

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■17902 / 親記事)  君が教えてくれるもの
□投稿者/ 槇 一般♪(1回)-(2007/02/13(Tue) 02:31:28)
    久しぶりに書いてみました。
    皆さんよろしくお願いします
引用返信/返信

▽[全レス33件(ResNo.29-33 表示)]
■19492 / ResNo.29)  君が教えてくれるもの 22
□投稿者/ 槇 一般♪(9回)-(2007/07/17(Tue) 03:01:33)
    久しぶりに、学校へ行った。
    用を済ませて、帰ろうとしていたらグランドが見渡せるベンチに成瀬がひとりで座っていた。グランドではサッカー部が練習をしていた。
    夕方のこの時間、少し気温が下がって過ごしやすくなっていた。練習の声を聞きながら本を読むのが好きだと昔、成瀬から聞いたことがあった。

    「成瀬」

    本に夢中になっていた成瀬は驚いたように顔を上げて、声の主が私だとわかると穏やかに笑った。
    いつから、成瀬はこんなに柔らかく笑えるようになったんだろう。

    「山本さん、久しぶりですね」

    あの夜から私たちは会ってなかった。私がずっと学校を休んでいたから…

    「うん、ずっと休んでたからね。色々やることあって。」
    「いい加減にしとかないとまた留年しますよって来た」
    「教務?なんで?」

    目の前の練習を見つめながら言った。

    「退学届をね…出してきた。」

    空が赤くなってきていた



    「大学…辞めるん…ですか?なんで…?」

    私はまっすぐに成瀬を見た。

    「私、強くなりたいのよ。あんたみたいに。いつのまにか追い抜かれちゃってんだもん」
    「全然、強くないですよ!!山本さんの方がずっと強い!私はいっつも助けられて…」
    「私は弱いくせにそれを認めたくなくて、強がってただけ。でも、あんたはほんとに強くなったよ」

    私は未だに自分の気持ちを伝えることさえ、できていないんだから…

    「辞めて、どうするんですか?」
    「うん、世界一周一人旅!全然知らない土地をひとりで旅してたら、頑固な私もさすがに強くなるでしょ。ああ、でも、頑固だから一周では足りないかもしれないな」
    「……」

    成瀬は何も言わず、俯いて聞いていた。

    「逃げようって思ってるんじゃないんだよ?私は自分を変えたいの。色んなものを見て、色んな人たちに会って、そこで生活して、いろんなことを感じて…。私は変わりたいの…。世界の果てまで行ったら、なにか見つけられるかもしれない…。それが何なのかはわからないけど…」
    「大学を…辞めてまで…しなきゃいけないことですか?休学にしたらいいじゃないですか…」

    そうかもしれない…
    私は人生を棒に振ろうとしているのかもしれない…

    「逃げ道を作っておきたくないの。ここにやることがあれば、それを理由に逃げて帰ってきてしまう…。一番辛い時、それでもどうしても一歩踏み出さなければいけないときに、進めなくなってしまう…。今までがそうだったから…」
    「どれくらい行くつもりなんです?もう帰ってこないつもりなんですか?」
    「わかんないな…。そんなこといってすぐ帰ってきちゃうかも知れないし、どっかの国でそのまま暮らすかもしれないし…。ひょっとしたら、どっかのスラム街とかで死んじゃったりしてね」

    自分の無計画さにはじめて気が付いて思わず笑ってしまった。
    でも成瀬は、全然笑わなかった。

    「今日会えてよかった。色んな事の整理ついたらすぐ行くつもりだったから、最後に顔見たいなって思ってた」
    「いつ出発ですか?見送り行きますよ」
    「教えない」
    「え…?」
    「絶対こなくていいから!」

    私は断固として言った。

    「……」
    「見送り来られると、行きたくなくなっちゃうから…自分で決めたことでもね…」
    「ねっ」と、成瀬の顔を覗き込んだ。

    「……行きたくなくなるなら……」
    「え?」

    顔をあげて、まっすぐに私を見据える

    「行きたくなくなるなら、行かなきゃいいじゃないですか!」


引用返信/返信
■19493 / ResNo.30)  君が教えてくれるもの 23
□投稿者/ 槇 一般♪(10回)-(2007/07/17(Tue) 03:05:22)
    驚いた…
    自分のことで成瀬の涙を見ることになるとは思ってなかったから…

    「なんで行っちゃうんですか!何で帰ってこないようなこと言うんですか!最後にってなんなんですか!もう二度と会えないみたいじゃないですか!!」

    泣きそうになる

    「行かないでくださいよ…山本さん…おらんようになったら…寂しいやないですか…」

    成瀬に見られないように顔を背けて涙を拭いた。最後に泣き顔なんか見せたくない。

    「な〜に!子供みたいなこと言ってんの!可愛い彼女いるくせに!しっかりしなさいよ!」

    軽く肩をパンチしてやった。

    「せやけど…」

    頭をグリグリとなでまわす

    「随分懐かれたもんだわ、ね?」
    「うっさい」

    鼻をすする成瀬を見ていると、愛しくなって、思わず言ってしまった

    「じゃあ、一緒に行く?世界の果てまで」
    「え?」
    「二人で行こうか…」

    意地っ張りな私に出来る精一杯の告白

    「世界の果てってどこですか?」
    「さあ〜?でもそこまで行ったら人生観変わるよ」
    「そうでしょうね…凄いんだろうな…色んなこと得られるんでしょうね…」

    成瀬の瞳はもうすっかり赤くなった空の、その向こうを見ていた。

    「でも、私は行けない。山本さんと行きたい気持ちはあるけど、私はまだまだここでやらなきゃいけないことがあります。だから…行けないです」

    きちんと私を見てそう言う成瀬が、不思議と嬉しかった。

    「そう、ちゃんとわかってんじゃん。それでいいの。」

    また、頭をグリグリ撫で回す

    「じゃあ、そろそろ行こうかな。準備あるし。」
    「山本さん」

    立ち上がった私はいきなり手をつかまれた。成瀬はつかんだ私の手を支えに立ち上がると、握手の形に握りなおして言った。

    「必ず帰ってきてください」
    「え?」
    「何十年後でも良いです。向こうで永住することになっても良いです。必ず一度は日本に帰ってきて、私と会ってください。私は日本でもっと強くなります。あなたに負けないように。変わった私をあなたに見てもらいたい。強くなったあなたにも会いたい。だから、世界の果てまで行って、何か見つけられたら、あなたが満足できたら、必ず帰ってきてください。待ってますから」

    強く、手を握られる

    「約束してください」

    独りになろうと意気込んでいた気持ちが一気に柔らかくなる

    「わかった。約束する」

    成瀬は嬉しそうに笑った。

    「いってらっしゃい」
    「行ってきます」

    そう言って、手を離し、帰り道を進んでいく。もう振り返らない。
    この道の先に、まだ見たことの無い自分がいる。
    そしてその先には、私を待っていてくれるあなたがいる。

    逃げないように、一歩を踏み出せるように、日本に帰る理由を全て消した。
    そうしなければいけないと思っていた。

    でも、違っていた
    日本に帰る理由を作ってくれた。逃げる場所ではなく、目的地として…
    待っている人がいる…
    それが、一歩を踏み出す力になる。
    そう教えてくれた…


    次に会う時は、どんなあなたが待っていてくれるのか…どんな自分になっているのか…
    だけどせめて…自分の気持ちを伝えられるだけの強さが欲しい…

    あなたの隣にどんな人がいようと…
    あなたが誰を愛していようと…
    私の気持ちに変わりはないと…
    そう言えるだけの強さがほしい…

    きっと伝えるから、強くなって帰ってくるから

    待っていて

    誰を愛してても良いから

    待っていて



    夜が近づく夕暮れの空を、忘れないように心に焼き付けて、目を閉じた。

完結!
引用返信/返信
■19494 / ResNo.31)  ありがとうございます
□投稿者/ 槇 一般♪(11回)-(2007/07/17(Tue) 03:07:26)
    ようやく、完結させることが出来ました。
    応援のコメントいただくと本当に力になります。
    ありがとうございました
引用返信/返信
■19498 / ResNo.32)  。P
□投稿者/ りさ 一般♪(2回)-(2007/07/18(Wed) 21:09:31)
    お疲れさまです☆


    小説読ませてもらいました。素敵なお話しですね。
    最後の方はハラハラしながら読んでました(笑)どっちとくっつくのかな??なんて(>ω<)

    ありがとですP

    (携帯)
引用返信/返信
■19780 / ResNo.33)  お疲れさまでした!今回も面白かったです!
□投稿者/ 七生 一般♪(1回)-(2007/08/17(Fri) 01:56:49)
    こんにちわ。

    久しぶりにこちらにお邪魔したら槇様の新しい小説が更新されていて嬉しくなりました!

    前の作品も読ませて頂いてます!
    今回も、どこか切なくて日常的な雰囲気の作風が大好きです。
    山本さんがとても素敵ですね、ちょっと憧れちゃいます…


    これからも楽しみにしています☆
    頑張ってくださいね!
    ありがとうございました!

    (携帯)
引用返信/返信

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■17833 / 親記事)  ご主人様と私 外伝 V
□投稿者/ 昴 大御所(321回)-(2007/02/01(Thu) 00:14:42)
    2007/03/09(Fri) 00:17:03 編集(投稿者)


    かなり長〜いお話で

    まだまだ続きます


    とうとう五つ目のスレッドを立てました

    宜しければこれからも

    懲りずにお付き合い下さいませ




引用返信/返信

▽[全レス66件(ResNo.62-66 表示)]
■21061 / ResNo.62)  外伝 最終章1
□投稿者/ 昴 大御所(442回)-(2008/08/10(Sun) 14:19:46)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    いつまでも、ただの甘えん坊だと思っていたのに
    すっかり社長が板について来て

    貴女がたまに見せる表情に
    出逢った頃のお母様を思い出して
    思わずドキッとする時があるのよ
    貴女にはまだ内緒だけど

    ネっ♪愛純



    貴女はちょうど出逢った頃のお母様と同じ年頃になった



    高校に通っていた頃に行って以来
    誠さんとの年に一度の旅行は
    誠さんが嫁いだ今も
    ずっと変わらずに続いている


    それはきっとお互いの身内にとっては
    ただの年中行事だけど



    誠さんのお子さんが
    あの財閥とあの銀行の中枢を担うようになり

    そして誠さんのお祖父様が亡くなり
    誠さんのお父様が引退されて

    その株を受け継いだ誠さんは
    いつしか意図することなく
    財界に大きな影響を与えるようになっていた


    そして、その誠さんと旅行に行くことが
    私達の会社のステータスになり
    株価が上がって業績は上がった



    それが誠さんの愛純への愛情表現だった

    あの財閥系の家庭に生まれて
    あの財閥系とあの銀行系が結び付く為の
    政略結婚することが決められていた誠さんにとって

    普段は良き妻賢き母を完璧に演じきり

    一年のうちでほんの一週間しか自分に正直になれない誠さんの
    多分精一杯の愛情表現だった


    私は愛純の母として
    誠さんには感謝している




引用返信/返信
■21062 / ResNo.63)  外伝 最終章2
□投稿者/ 昴 大御所(443回)-(2008/08/10(Sun) 14:20:52)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    今も愛純に仕え
    愛純を支えてくれている真実さん


    真実さんの話を初めてお母様から聞かされた時は驚いたわ


    『真っ直ぐで
    強い意志を感じさせる瞳を持つ
    ちょうど愛純と同じ年頃の少女を見つけたのよ

    その少女の瞳を見て
    こういう娘(コ)に愛純の傍にいて
    愛純を支えて欲しいと思ったの



    無垢な娘(コ)だから
    愛することのいろんなことを私自身が手ほどきしようと思うの


    そういうことをするけど
    本当に手ほどきの意味合いだけで



    愛しているのは花純だけだから


    娘ほどの年齢(とし)の娘(コ)に心を移すなんてことは有り得ないから


    わかってくれるわよね?』


    浮気を公認でしたいと言っているかのような
    あたふたとして
    いつもの凛としたお母様じゃないみたいで可愛かったのよ


    そんなに力説しなくても

    何があっても
    ずっと変わらずに信じているのにね


    お母様からの愛をいつも感じているのだもの



    だから愛純が
    初めて真実さんを屋敷に連れて来た時はすごく嬉しかったのよ

    だって私だけ真実さんに会ったことがないなんてつまらないのだもの


    あの日はあとではしゃぎ過ぎって
    お母様に叱られたわ




引用返信/返信
■21063 / ResNo.64)  外伝 最終章3
□投稿者/ 昴 大御所(444回)-(2008/08/10(Sun) 14:21:45)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    2008/08/10(Sun) 14:43:08 編集(投稿者)

    真実さんで嬉しかったのは
    やっぱり愛純と同じ大学を目指してくれた時かなぁ


    真実さんが真実さん自身の意志で
    愛純の傍にいることを選んでくれた


    お母様から真実さんの決意を聞いた時に嬉しくて涙が溢れたわ


    あれからずっと
    真実さんは真実さんの意志で愛純の傍にいてくれている

    きっとこれからも
    愛純の傍で愛純を支えてくれる



    私は愛純の母として
    真実さんにも感謝している




    そして真実さんの前にメイド長をしていたマキさん


    入ったばかりの何も知らない私にいろんなことを教えてくれた


    お母様と私を自然に
    他のメイド達に反感を持たれないように
    優しく取り持ってくれた


    二人が愛を育むのを見守ってくれた



    私はお母様のことを想ってさえいればいいように
    屋敷のことを取り仕切ってくれた



    他のメイド達も
    お母様の幸せを一番に考えてくれて

    だから私もお母様と一緒に
    ずっと幸せでいれた


    この屋敷に関わる全ての人に感謝している



引用返信/返信
■21064 / ResNo.65)  外伝 最終章 最終回
□投稿者/ 昴 大御所(445回)-(2008/08/10(Sun) 14:22:58)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    そしてやっぱりお母様


    お母様に巡り逢えて
    本当に良かったわ



    愛することの喜びと
    愛されることの悦びを私に教えてくれた


    生きていることの意味を教えてくれた


    初めて出逢った日から
    私にはお母様が全てだった


    お母様のことを想う感情は
    海よりも深くあるのに


    貴女に話したい
    お母様の思い出は山よりも高くあるのに

    湧き上がる感情が多すぎて
    上手く言葉にならないわ





    やっぱり

    あの人(お母様)は

    私よりも年上だから

    私よりも先に

    逝ってしまった




    これからはのんびりと

    貴女の行く末を見守って行くわ


    お母様の敷いたレールはもうないわ


    貴女が貴女自身の意志で選んで行く道だもの



    貴女の隣には
    どんな人が一緒にいるのかしら?



    ゆっくりでもいい

    しっかりと自分の選んだ道を歩んで行きなさい


    自分を信じて





    私は幸せだったわ

    あの人(お母様)や貴女(愛純)に逢えて




          FIN




引用返信/返信
■21065 / ResNo.66)  『あとがき』
□投稿者/ 昴 大御所(446回)-(2008/08/10(Sun) 14:24:26)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    2年3ヵ月の長きに渡り書き綴って参りました
    『ご主人様と私』シリーズの終了です

    最終章はもう少し話を膨らませたかったのですが
    完結することを優先しました


    今まで読んで下さった皆様
    ご感想を寄せて下さった方々
    そして最愛の彼女に出逢わせてくれたこの場所に
    改めて御礼申し上げます

    ありがとうございました


    辛口のご意見を下さった方のおかげで
    完結に至りましたのでお礼を言うべきなんでしょうね



    ただ一度
    最後まで見守ることを約束した方が完結されたなら
    そのお祝いにお邪魔させて頂きますが

    この『あとがき』を最後にこちらでの書き込みも終了させて頂きますので

    もしご感想を頂けますならHPの掲示板にお願いします

    http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/



    長い間、ありがとうございました



    皆様のご健康を祈って



    すべての女性に幸せを



            昴



引用返信/返信

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■17823 / 親記事)  海鏡-U-
□投稿者/ 金丸 大御所(297回)-(2007/01/30(Tue) 02:41:15)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    こんにちわ金丸です。

    『たった1ページ』から始まり、『金糸雀』、『海鏡』そして『海鏡-U-』を立てることができました。


    短編小説に自伝が混じるようになり、今では自伝そのものになりました。


    リアルタイムではありませんが、海鏡シリーズはノンフィクションだけでございます。

    書き落とした言葉やその時の気持ちや状況もあります。

    しかも乱文です。


    それでも誰かの心に響けば と

    書き残しておきたい と書いて参りました。


    ここまで読んでくださった方々に感謝を

    私を取り巻く人達、環境に感謝を



    そして恋人、四季に感謝をします。


    本当にありがとう


    これからも

    どうぞよろしくお願いします。




    金丸

    (携帯)
引用返信/返信

▽[全レス36件(ResNo.32-36 表示)]
■18508 / ResNo.32)  海鏡の風-19-
□投稿者/ 金丸 大御所(327回)-(2007/04/03(Tue) 17:47:33)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    居酒屋と同じ通りにあるカラオケボックスに入った


    2人きりのカラオケはいつぶりだろうか


    時間が経つにつれ


    抱き締めたい気持ちは膨らんで

    終電の時間は近づいて

    四季の声に

    泣きたくなった



    相変わらず抱き締める根性はなくて


    ただ

    目を潤ませた



    泣くのを我慢した



    理由はくだらないことで

    化粧が崩れるのが嫌だったからだ



    我慢して

    我慢して


    カラオケボックスを出て

    四季を駅まで送っていった


    手を繋ぎ


    握り締め


    この日一番


    強く指を絡ませた

    (携帯)
引用返信/返信
■18568 / ResNo.33)  海鏡の風-20-
□投稿者/ 金丸 大御所(329回)-(2007/04/09(Mon) 17:40:00)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    私鉄の切符販売機の前で

    手を離した



    改札の前で

    四季が私の背中を叩く


    『じゃぁね』

    「気をつけてね」



    四季の姿が見えなくなるまで


    ボーっと眺めていた。



    バッグを握り締め

    袋に入ったぬいぐるみを抱き締め

    歩きだした。



    ぬいぐるみを強く抱き締めると

    かすかに四季の匂いがする


    人通りのある道で泣くのが嫌で

    道が見えなくなるまで涙をためながらフラフラになって歩き続けた




    夏には四季の傍に住むと決めていた小さな夢も

    遠くなって



    極力、家に居る時間を作り

    姉親子への不安を抱えながら

    姉のストレスが爆発しないように

    神経を使い



    長い時間の外出も避けて




    今までよりもっと


    逢えなくなる



    泣きたい夜でさえ



    朝まで一緒に居れることは



    もう

    しばらくの間できなくなり



    四季が逢いたいと言っても



    それに応えることができなくなる





    ぬいぐるみを抱き締めながら



    いつかの四季の温もりを



    必死に掴んでいた

    (携帯)
引用返信/返信
■18569 / ResNo.34)  海鏡の風-21-
□投稿者/ 金丸 大御所(330回)-(2007/04/09(Mon) 17:54:16)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    寄り添い眠りにつきたいと願えば

    涙あふれ

    あの時抱き寄せればと悔やめば

    涙あふれ



    駅から自転車を走らせ

    街灯すら少ない暗い道


    ただ

    そばに居たい


    そばに居たい


    想う度にボロボロと溢れる涙



    そばに

    居たい



    視界は歪んで

    前が見えなくて


    それでも涙は止まらなくて


    止めたくなくて


    自転車を止めて

    気が済むまで泣いた


    ただ

    そばに居たい


    抱きしめたい


    ただ隣で

    四季の腕の中に

    目を閉じても体温も呼吸も感じる場所に

    居たい



    自転車を止めて

    気が済むまで泣いた


    ただ

    そばに居たい


    抱きしめたい


    ただ隣で

    四季の腕の中に

    目を閉じても体温も呼吸も感じる場所に

    居たい



    自転車を走らせた

    歪む視界ももうどうでもいい


    そばに居たい

    抱きしめたい

    抱きしめられたい



    ただそれだけ


    ただそれだけ



    なのに涙が止まらない




    ぬいぐるみを抱き締めながら



    いつまでも


    泣いていた

    (携帯)
引用返信/返信
■18574 / ResNo.35)  海鏡の風-22-
□投稿者/ 金丸 大御所(331回)-(2007/04/09(Mon) 22:07:32)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    家に着き


    部屋に入った瞬間


    私は泣き崩れた



    座ったまま


    形振り構わず


    嗚咽に任せ声も殺さずに


    ぬいぐるみを抱き締めたまま


    泣き続けた



    電気もつけず


    着替えもせず


    化粧も落とさず


    ただぬいぐるみを抱き締めて



    四季を抱き締めたいと願う度


    強く抱き締めた




    カラオケボックスでみた


    四季の背中を思い出しながら

    (携帯)
引用返信/返信
■18612 / ResNo.36)  海鏡の風-23-
□投稿者/ 金丸 大御所(332回)-(2007/04/14(Sat) 04:05:54)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    『電話する』

    そんなメールが翌々日に来た。



    そんなことを理由もなしに言うのは

    初めてだった。



    彼氏と何かあったのか

    親友と何かあったのか

    家族に何かあったのか



    この前日

    とても四季の近くで

    四季と誰かに何かトラブルがあった。

    2人で

    それが頭に渦巻く



    『明日ならいつでもいいよ』

    そう返した。





    時間が経つにつれ


    冷静になっていく



    今までこんなことはなかった



    これは余程のことだ


    彼が

    何か

    気づいたのか



    それとも


    彼に何かあって

    それを伝える為なのか



    四季が別れを望んでいるのか


    それとも距離を望んでいるのか



    または私には全く関係ないことなのか


    それなら電話はしてこないだろう


    ただ声が聴きたいだけなら

    『明日なら』とメールを送った時点で

    四季は『じゃぁいいや』と返した筈だ。



    確実に


    私が関係している




    四季から借りたぬいぐるみを撫でながら

    頭はフル回転していく




    私はどうしたらいいだろう


    私は何が出来るんだろう


    四季が別れを望んでいたら



    私は承諾せずに頑として

    それならば距離を置こう、と
    半年に一度でも、その1日でたった数時間だけ逢うんでもいいとちゃんと伝えられるだろうか



    別れたくない



    別れるなら



    そんな選択は苦じゃない





    (携帯)
引用返信/返信

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